「女の都」、その由来は
日本全国に少なくとも25万以上あるといわれるバス停。なかには、一風変わった名前や読み方のバス停もあります。
長崎県営バスには「女の都団地」行きが存在する(画像:沖浜貴彦)。
長崎市の郊外には、長崎県営バスの「女の都団地」というバス停があります。「おんなのみやこ」と読むと、「女性だらけの世界」を想像してしまいますが、読みはまるで違います。
バス停の読みは「めのとだんち」。実際に「女の都」という地名の場所に建つ団地で、その由来はかつて平家の女性が落ち延びた地だから、という説が存在。近くには「おたけ公園前」というバス停もありますが、その「おたけ」も落人のひとりと言われます。
女性関係で珍しい読み方をするバス停に、徳島バスの「十八女」も挙げられるでしょう。読みは「さかり」。徳島県阿南市の十八女町(さかりちょう)にあります。その由来は、壇之浦の戦いで入水したとされる安徳天皇が実は生き延び、この地に逃れたものの、女盛りの18歳で亡くなったから、といった説があり(この説では安徳天皇は女性だったとする)、地元には安徳天皇を祭神とする神社もあります。
「のぞき」「エロス」…?
ちょっとドキッとするような難読のバス停名もあります。山形県真室川町の町営バスが停車する「及位駅」バス停。及位は「のぞき」と読みます。かつて付近の山で修験者たちが、険しい断崖で宙づりになって崖の横穴をのぞき込む修行「のぞきの行」を行っていたこと、そして、この修行により高い位に及んだ修験者がいたことから、「及位」という地名になったとする説があります。
JR及位駅に隣接する及位駅バス停。及位は「のぞき」と読む(画像:真室川町)。
岩手県二戸市のコミュニティバスが停車する「江牛」は、その名もズバリ「えろす」と読みます。バス停名の由来は浄法寺地区にある同名の地名で、もともとはそのまま「えうし」と呼んでいたようですが、それが転訛してこの読みになったのだそうです。
このようなバス停名では、伊那バスと中央アルプス観光が運行する駒ヶ岳ロープウェイ線の、「女体入口(にょたいいりぐち)」も、バスファンには有名なもののひとつ。「女体」という集落のすぐそばにありますが、その集落名の由来は、中央アルプスの山脈が女性の横たわる姿に似ており、中央アルプスの入り口にある集落名をそれになぞらえた、などと言われます。
※記事制作協力:風来堂
【写真】どんな場所に? 「女体入口」バス停
中央道の駒ヶ根IC付近にある「女体入口」バス停(風来堂撮影)。
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