分岐の手前で1車線に そのワケは
NEXCO中日本が2017年12月14日(木)、15日(金)、19日(火)の3夜間で、圏央道八王子JCT(東京都八王子市)付近における渋滞緩和対策を行います。
圏央道と中央道が交わる八王子JCT。奥が圏央道のあきる野IC方面(画像:photolibrary)。
八王子JCTは圏央道と中央道が交わるJCTです。NEXCO中日本八王子支社によると現在、おもに平日の朝夕や休日の夕方に、圏央道から中央道への分岐部付近を先頭として、圏央道外回りは南の高尾山IC、内回りは北のあきる野IC方面へ渋滞が発生しているといいます。どのように対策するのか、同支社に聞きました。
――渋滞緩和対策は、具体的にどのようなことを行うのでしょうか?
八王子JCT付近の圏央道本線を、外回り(北行き)、内回り(南行き)とも1車線から2車線にします。現在、JCTの前後区間における圏央道本線は2車線ですが、中央道への分岐に差し掛かる前にいったん1車線に絞り、そのまま分岐部を越え中央道からの合流部まで1車線で運用しています。
――なぜ車線を絞っていたのでしょうか?
中央道へは圏央道本線から左へ分岐しますが、本線が2車線のままですと、追い越し車線側から中央道へ向かうクルマと本線を直進するクルマが交錯します。このようにJCTでは交通が複雑な動きをするので、その前段階でいったん1車線に減らし、流れをスムーズにする目的があります。ただ、この分岐手前の1車線となるポイントで速度が低下し、渋滞が発生していました。
八王子JCTの渋滞対策概要。圏央道の本線部が2車線化される(画像:NEXCO中日本)。
――対策に至ったのには、どのような経緯や理由があるのでしょうか?
圏央道の延伸にともない交通量が増え、1車線ではさばききれなくなってきたからです。改良の必要性は、お客様からはもちろん、社内や国からも認識されていました。このたび、首都圏の渋滞ボトルネック箇所を検討する国土交通省のワーキンググループにおいて、改良の方針が定まったことから実現する運びとなりました。
改良でどう変わる? 海老名JCTの先行例も
――改良によって、どのように変わるのでしょうか?
圏央道本線の2車線化により交通の容量が増えます。中央道からの合流部は現在、1車線の圏央道本線の左側に中央道からの車線がすり寄ってくる形ですが、今後は圏央道本線が「優勢」となります。
※ ※ ※
NEXCO中日本八王子支社は、今回の改良によって八王子JCT付近における渋滞はおおむね解消すると予想していますが、圏央道外回りについては、今後も渋滞が発生する可能性があるといいます。というのは、中央道下りの相模湖IC(神奈川県相模原市)付近にあるサグ(下り坂から上り坂になる箇所)で発生する渋滞が、八王子JCTを経て圏央道外回りまで及ぶことがあるのだそうです。この相模湖IC付近のサグについては、別途対策するそうです。
車線運用の変更概要。圏央道本線が2車線となる(画像:NEXCO中日本)。
2016年7月に海老名JCTの圏央道内回りから東名高速へ向かうランプウェイで行われた2車線化のの概要(画像:NEXCO中日本)。
八王子JCTでの工事にともなうランプ閉鎖の概要(画像:NEXCO中日本)。
NEXCO中日本管内では、圏央道と東名高速と交わる海老名JCT(神奈川県海老名市)でも同様の改良が行われており、2015年10月には、東名高速から圏央道外回りへ向かうランプウェイ(連絡路)が、2016年7月には圏央道内回りから東名高速に向かうランプウェイが、それぞれ1車線から2車線になりました。海老名JCTを管轄するNEXCO中日本東京支社によると、いずれも圏央道の延伸による交通量の増加にともなう措置で、これら対策により海老名JCT付近での渋滞は大幅に緩和されたといいます。
なお今回の八王子JCTにおける工事では、ランプ閉鎖を伴う夜間交通規制が実施されます。12月14日(木)と15日(金)は中央道から圏央道へのランプが、12月19日(火)は圏央道から中央道へのランプが、各日21時から翌5時まで閉鎖されます。NEXCO中日本は工事に際し、国道16号や20号、都道169号新滝山街道などへの迂回を呼び掛けており、通行止め区間を一般道に迂回して、再度同一方向の高速道路に乗り継ぐ場合に、料金が割高にならないよう調整するとしています。