8月30日(木)放送の第7話から最終章に突入する綾野剛主演ドラマ「ハゲタカ」(毎週木曜夜9:00-9:54、テレビ朝日系)がクランクアップを迎えた。
同ドラマは、“ハゲタカ”とバッシングを受けながらも日本の名門企業を次々と買収して再生を目指す、“企業買収”のスペシャリスト・鷲津(綾野)の熱き戦いの日々を描く。
この作品に出会えたこと、出会わせてくれたことがありがたい
共演する小林薫と対峙(たいじ)するシーンを最後に、クランクアップを迎えた綾野剛は花束を渡され、「お疲れ様でした!」と大きな声であいさつ。
そして、「本当に感謝しています。この作品に出会えたこと、出会わせてくれたことがありがたいですし、役者をやってて良かったです」と感無量な様子で明かす。
あらためて、綾野に今の心境を尋ねると「鷲津は常に次しか見ていない人物なので、全然終わってないですね。疲労感も全然感じないですし、終わらせられないという感覚です。
先ほどの薫さんとのシーンも、鷲津は飯島(小林)と別れた瞬間にもう次を見ていて、現在に身を置いたと思ったらすぐ未来に足を踏み入れている。
そういった使命感のようなものを鷲津から感じ、クランクアップという感覚が無さすぎて、こういう経験は初めてです。
僕が役になりきってたとかそういうことじゃなく、本当に終わり方が分からないです」と全身全霊で鷲津に浸った日々だったようだ。
(小林薫さんは)本番前にずるいなぁ(笑)
小林との共演については「薫さんとは息子役をやったりと常に子供扱いされるような役が多く、胸をお借りしていればよかったので、それも心地よかったです。そんな薫さんから、『僕は自分の役に対してこういうふうに思っているんだ、こういう気持ちなんだ』という独白を聞いたことがなかったんですね。
今日は、それを急にお話してくださったんです。薫さんとの長いお付き合いの中で、こういう話ができる関係にまでたどり着けたんだとうれしく思いました。本番前にずるいなぁって(笑)」と笑顔を見せた。
また、本作を通して感じたことについては「僕たちも彼らを通して感じさせられたことがあって、大きな企業の世直しのような感じになっていますが、自分たちにも置き換えられることがたくさんあって。
何よりも、ゴールデンイーグルという異名を鷲津は与えられていますけど、僕は今回最後の最後までゴールデンイーグルではなく、ハゲタカとして生きようとしたんだなということが分かりました」と鷲津への思いを明かす。
最後に、「テレビ朝日の木曜9時枠という大変勢いのある枠で、鷲津として生きられたことは役者として誇りに思いますし、あらためて自分の血や肉を形成された感じがします。
ラストの鷲津は、まさに“日本VS”という感じだった気がしています。ドラマというエンターテインメントを通して、一人でも多くの人に信念や心を配ることができることを体感しましたし、そのことを教えてもらえました」と充実した表情で撮影を振り返った。