連続テレビ小説「半分、青い。」(毎週月~土曜朝8:00-8:15ほか、NHK総合ほか)も残すところ約1週間。第25週「君といたい!」(9月17~22日放送)ではヒロイン・楡野鈴愛(永野芽郁)と幼なじみ・萩尾律(佐藤健)のキスが大きな反響を呼び、鈴愛を「入る?」と優しくいざなった律がテレビの前の女子を“とりこ”に。
SNSでは「『入る?』最高すぎた!」「テレビの前で『入るっ!』って叫んでた(笑)」といった声が飛び交い、早くも“律ロス”を訴える声も…。ファンの心をつかんで離さない律の名場面を振り返る。(以下、ネタバレがあります)
鈴愛の“マグマ大使”でいたかった律
律は1971年7月7日、鈴愛が生まれるほんの少し前に同じ病院で生まれた。第12回(4月14日放送)で高校時代の律がナレーションで「俺があいつより一足先に生まれたのは、あいつを守るためだったかなあ」と語る場面があるが、その思いはもっと幼い頃から、律の中にあり続けた。
その象徴が“マグマ大使の笛”だ。律は、特殊な笛で呼ぶと現れて地球を救うマグマ大使のように、鈴愛を何かと助けてきた。それでいて、9歳の鈴愛(矢崎由紗)が「なんで助けた」と聞くと、律(高村佳偉人)は「マグマ大使の笛が聞こえた気がした」と涼しい顔だ。
鈴愛に頼られることは、律にとっても自信の源になっていた。
高校生になった律(佐藤)と鈴愛(永野)。第31回(5月7日放送)では、大学受験のあと「俺は周りの期待する俺でいなくちゃと焦った」と胸の内を吐き出した律を見て、鈴愛が律に頼りすぎていたことを反省し、笛を川に捨てようとしたときには「これは捨てないでください」ときっぱり制止。あまり思いをはっきり口にしない律の突然の強い言葉がファンの心を揺さぶった。
正人も入り込めない鈴愛と律の“歴史”
上京し、2人はそれぞれ大学生と漫画家アシスタントに。相変わらずそばにいた鈴愛と律だが、その関係は少しずつ変化していった。
第44回(5月22日放送)では、正人(中村倫也)に鈴愛と付き合わないのかと聞かれ「そういうこと考えたわけじゃないけど、今がいちばんいい気がする」と答えた律。
鈴愛が正人にフラれ、涙にくれた第57回(6月6日放送)では、正人に“律の好きな人とは付き合えない”“お互い自分の気持ちに気づいてないだけだ”といわれた律が「むかつく。お前が俺と鈴愛を語るな。俺と鈴愛の歴史を語るな!」と声を荒げるシーンも。
視聴者からは「律、心の声がこぼれちゃってる」「律の思いが切ない…」といった声が上がった。
しかし、そのころ清(古畑星夏)という恋人もできていた律は、鈴愛への複雑な感情を持て余すようになっていった。そして訪れた7月7日、2人の19歳の誕生日に、律は鈴愛の前から姿を消した。
唐突なプロポーズに秘められた想い
それから2人は5年間、音信不通に。だが律は、離れている間も鈴愛を気に掛けていた。鈴愛が「一瞬に咲け」でガーベラ大賞を受賞し漫画家としてデビューしたことも知っていたし、その後連載された「一瞬に咲け」も読み、周囲に「これ面白いですよ」と勧めることも。
そして、5年ぶりに再会した第72回(6月23日放送)では、「鈴愛、結婚しないか」と唐突にプロポーズし、「律、どうした!?」「それは急すぎ!」などSNSをおおいに沸かせた。
それでいて、鈴愛に「ゴメン、(今は)無理だ」と断られると「俺と鈴愛はそういうんじゃないもんな」「ごめん、今の忘れてくれ」とサッと引いてしまう傷つきやすい部分も。
プロポーズを断られたことについて、のちに秋風に「なんで僕の人生にこんな悲しいことが起こるんだろうと思いました。鈴愛にフラれて本当に悲しかったです」と素直な気持ちを語った。
「僕はきっと幼かったので、自分の気持ちに気づくのに時間がかかりました」「鈴愛のことは、今は遠くから、昔からの友人として応援してます」とも…。
その後、律は会社の受付嬢だったより子(石橋静河)と結婚。ふたたびドラマに登場したのは、突然のプロポーズから8年半、19歳の七夕から約12年半後のことだ。その間に、鈴愛も涼次(間宮祥太朗)と結婚し、出産後、離婚を経験していた。
長すぎた“5秒だけのハグ”
既婚の律と、バツイチになった鈴愛は岐阜で再会。ここにもドキドキ展開が待っていた。
第113回(8月10日放送)では、遊びに来たボクテ(志尊淳)によって鈴愛がプロポーズを断った本当の理由がバラされると、律は「今の話、ほんと?」と優しく問いかけた。喫茶「ともしび」で鈴愛から「律を支えたい」と言われたことにも「なんか俺、ドキッとしちゃってさ」と本音を覗かせた。
そんな2人に、SNSは「はがゆい…」「自分に言い聞かせてる律にキュンとする」といった声が上がった。
和子(原田知世)が亡くなりふたたび岐阜を出ることになった律と、再上京し新たな人生を踏み出そうとする鈴愛。
第132回(9月1日放送)で2人は、出発の朝、連れ立って川辺へ向かった。そこで鈴愛に「5秒だけ、ゆるして」と抱きつかれた律は、「1、2、3…しーーーー」とゆっくりカウント。向き直って正面から鈴愛を抱きしめ、2人はまた来た別れを惜しんだ。「バイバイ」という鈴愛に、律はバイバイとはいわず、「頑張れ鈴愛」とつぶやいた。
東京での運命の再会、そしてキス…
それから2年。その間に離婚した律は、第133回(9月3日放送)でついに鈴愛と再会した。
正人の後押しもあり、2人は東京・神宮外苑のシェアオフィスで「スパロウリズム」という会社を立ち上げた。「半分、青い。」公式Twitterは9月9日、律役・佐藤健の「鈴愛が『私のマグマ大使』と言ってくれることで、自分に自信のない律が『この人のためにちょっと頑張る』という気持ちになれる」というメッセージを紹介。そして、2人はビジネスパートナーになった。
2人だけのオフィスで日夜、“そよ風の扇風機”開発に明け暮れた鈴愛と律。第147回(9月19日放送)では律が鈴愛をいざない、2人は毛布の中で身体を寄せ合いキスをした。鈴愛の胸元には“マグマ大使の笛”が揺れていた――。
SNSで早くもささやかれる“律ロス”の声
残すところ約1週間、SNSではすでに「律ロスすぎてもう無理」「やばい。もう律ロスに堕ちてる」「あと1週間⁉考えるだけでもう律ロス」「律ロスだよ泣ける…」といった“ロス”の声が飛び交っている。
そんな中、律を演じた佐藤は、9月21日放送の「あさイチ」(NHK総合)に生出演。
律について「不器用なやつだなと思ってました。もっとうまく生きろよと思いながら。でも律すごい純粋だし、一生懸命考えながら、雑に生きてない。そこが僕は好きですね」と思いを語った。
さらに、クランクアップ直後に行われたイベントでは、「共演者やスタッフとの別れも寂しいですが、演じている役、律との別れが一番寂しかったです」と、佐藤自身も律との別れを惜しんでいる。
最終週のサブタイトルは「幸せになりたい!」。“律ロス”に怯えるファンに、律はどんなラストを見せてくれるのだろうか。最後まで見届けたい。