吐きづわり、食べづわりなど、どんなタイプのつわりの人も、必ずラクになれる方法はあります。
つわりの時期は我慢せず、優等生にならずに、少しぐらいわがままになりましょう。周囲に上手に甘えながら、少しでも症状が軽減できる方法を探していくことが必要。
以下に「これでつわりがラクになった」という先輩ママの口コミと専門家のアドバイスを紹介します。
つわりをラクにする食べ方・飲み方
1.目覚めにバナナ
バナナにはつわりを緩和するビタミンB6が含まれ、エネルギー補給にもなります。
2.ガムを噛む
食べづわりの人は、空腹時の一時しのぎにガムを噛むのも手。気分もまぎれます。
3.トマトやレモンなど酸味のあるものを食べる
トマトやレモンなど酸味のあるものはクエン酸が含まれ、胃のむかつきを抑えたり、胃腸の働きを良くしたりする作用があります。梅干しにも同様の効果がありますが、塩分が高いので1日1個を目安に。
4.きゅうりや大根をかじる
食べづわりの人は、きゅうり、大根、にんじんなどの野菜をスティック状に切り、そのままポリポリつまんで。
5.小さなラップおにぎり
ゴルフボール大のおにぎりをラップにくるんで作っておき、おなかが空いて気持ち悪くなったときにつまむようにすると、胃のむかつきが抑えられます。
6.温かいお茶を少しずつ飲む
温かいお茶を飲むと胃が落ち着くので、食べる前に少し飲んでみましょう。
7.飲めなければ氷をなめる
水も飲めないようなら、氷を口に含むだけでも水分補給に。
つわりをラクにする生活習慣
8.胃を圧迫しない
リクライニングチェアの背を倒してゆったりもたれるとラクになることも。
9.肩甲骨の間を温める
左右の肩甲骨の間を温めると背中の筋肉がほぐれ、血流がよくなりリラックスに。ホットタオルでみぞおちを温めるのもおすすめ。
10.とにかく横になる
体力を消耗しやすい時期なので、まめに横になる習慣を。
11.スマホやPCを見過ぎない
スマホやPCの画面を見るなど目を使いすぎると気分が悪くなり、ブルーライトの影響で頭痛、不眠につながることもあるので注意。
12.気分転換に散歩したり、人と会う
体調がいいときは外に出て散歩をするだけでも気分転換に。外に出られないときは、友達に家に来てもらうなど、だれかと会って話すだけでも気がまぎれることも。
妊娠するとほとんどの人が経験する「つわり」。症状も人それぞれなら、乗り切り方も妊婦さんの数だけあるのかもしれません。妊婦さんにとってはつらい時期ですが、必ず終わりは来ます。できるだけのんびりゆったり過ごして、乗り切りたいものですね。
(文/たまごクラブ編集部)
監修
日本赤十字医療センター 周産母子・小児センター顧問
東都文京病院 院長 杉本充弘先生
外部リンク
赤ちゃんはまだ自分の思いどおりにおしっこやうんちを出したり、我慢したりすることができません。汚れたらこまめにおむつ替えをしてあげましょう。紙おむつ、布おむつそれぞれのおむつ替えのしかたや男女別のコツを紹介します。
おむつ替えのポイント
0~3カ月の赤ちゃんはおしっこの回数がとても多いです。泣いたときは寝起き、授乳前後など、汚れていないかこまめにチェックしましょう。汚れたままのおむつを長時間あてていると、雑菌が繁殖したり、おむつかぶれを引き起こす可能性があります。おむつを取り替えるときは肌の調子や、おしっこ・うんちの状態を見ることも大切。うんちが白や黒など、いつもと様子が違う場合は、小児科に相談しましょう。
紙おむつを替えるときに用意するもの
紙おむつを替える際に用意するものを紹介します。
●紙おむつ
紙おむつにはテープ型とパンツ型があり、赤ちゃんがねんねのころはテープ型、はいはいなど活発に動くようになったらパンツ型が便利。サイズは新生児用からS~Lなどがあります。紙おむつは赤ちゃんの体形や成長などに合わせてサイズアップが必要です。買いだめしすぎには注意!
●おしりふき
保湿成分が含まれるものやパラベンフリー(防腐剤無添加)のもの、厚みがあるものなどバリエーション豊富なので、赤ちゃんに合うものを使いましょう。市販のおしりふきの代わりに湯でぬらして絞ったコットンを使ってもいいでしょう。
●ビニール袋やふたつきのバケツ
使用済みの紙おむつはにおうため、丸めてテープで留めたあと、ビニール袋に入れたり、ふたつきのバケツに入れるといいでしょう。消臭タイプのビニール袋やにおいもれの少ないおむつ専用のごみ箱もあります。
紙おむつの替え方 男女別のコツ

必要なものがわかったところで、おむつの替え方を詳しく紹介していきます。
1 新しいおむつを下に敷く
いきなりおむつを開いてしまうと、赤ちゃんがおしっこをしてしまって大変! なんていうことも。おむつを開く前に、新しい紙おむつを汚れたおむつの下に差し入れます。
2 おしりをふいておむつを取る
おむつを開き、おしりの汚れをふきます。きれいになったら両足をおなか側に倒しておしりを浮かせ、汚れたおむつを抜き取ります。男の子・女の子それぞれのふき方のコツは次のとおり。
【男の子】
おちんちんや陰囊(いんのう)の表と裏、両わき、肛門、おしり全体をふきます。汚れがたまりやすい、しわや陰嚢のひだの間などもきれいに。
【女の子】
外陰部は前から後ろ(会陰から肛門)へふきます。逆にふいてしまうと尿道口から細菌が入りやすくなるので注意。
3 おなかのテープを留める
汚れたおむつを抜き取ったら、おなかのテープを左右対称に留めます。まだおへそがジクジクしているときは、おへそにおむつがかからないように端を折り曲げるなどします。
4 締めつけすぎていないかチェック
おなか回りに指を入れ、指1~2本分くらいゆとりがあればOK。太ももは股ぐり部分が脚にフィットするよう整え、ギャザーを外側に出します。
布おむつを替えるときに用意するもの

布おむつの交換で用意するものを見ていきましょう。
●布おむつ
布おむつには、反物、輪形、成形の3タイプあります。反物は端を縫い合わせ、輪状にして使います。購入時に輪状になっているのが輪形タイプです。成形はすでに当てる形に整えられています。
●おむつカバー
布おむつを固定し、もれを防止します。布おむつとセットで使います。
●おしりふき
紙おむつのときと同様に、赤ちゃんに合ったものを選びましょう。湯にぬらして絞ったコットンでもかまいません。
●バケツと洗剤
使用済みの布おむつは洗剤の入ったバケツにつけ置きし、まとめて洗濯機で洗います。そのほうが汚れを早く落とせます。うんちをしたときはうんちだけをトイレに流してからつけ置きします。
布おむつの替え方 男女別のコツ
布おむつの替え方を詳しく見ていきましょう。男女別におむつの当て方のコツも紹介します。
1 布おむつを開いて汚れをふく
おむつカバーをはずし、布おむつを開きます。ママやパパは片手で赤ちゃんの両足を持って顔のほうに倒しておしりを浮かせ、汚れをふき取ります。
2 新しい布おむつを敷く
手でおしりを持ち上げ、汚れた布おむつを抜き取ります。おしりを持ったまま、もう片方の手で、たたんでおいた新しい布おむつを、おしりの下に差し入れます。
3 布おむつを股に当てる
男の子はおしっこが出る前側に折り返した厚い部分を当てます。女の子はおしっこがおしり側に回りやすいので、後ろ側に厚い部分をあてるといいでしょう。おへそがまだ乾燥していないときは布おむつがおへそに当たらないように、折って当てます。
4 おむつカバーのベルトを留める
おむつカバーは布おむつを包むようにして、上から当てます。左右対称になるようにベルトを留めます。
5 締めつけやはみ出しをチェック
おなか回りに指を入れ、指1~2本分くらいのゆとりがあるか確認します。太ももと背中は、布おむつがおむつカバーからはみ出ていないかも確認し、はみ出ていれば内側に収めるようにし、もれを防ぎます。
まとめ
毎日のお世話の基本であるおむつ交換を、紙おむつと布おむつ別に紹介しましたが、参考になりましたでしょうか? 新米ママにとっては謎の多い(?)男の子のふき方やコツも解説しました。赤ちゃんのためにも、きちんとマスターして、おむつかぶれのない、きれいなおしりを保ってあげられるといいですね。(文/ひよこクラブ編集部)
監修 横田俊一郎先生
横田小児科医院院長。東京大学医学部付属病院小児科、社会保険中央総合病院(東京都新宿区)小児科部長などを経て、1993年に開業。ありふれた病気、健康増進のための医学、子育て支援をテーマに勉強を続けていらっしゃいます。
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立ち会い出産も珍しいことではなくなりました。立ち会い出産にはたくさんのメリットがありますが、一方的な希望を押し付けるのではなく、妊娠初期から夫婦でよく話し合って決めることが大切です。
「立ち会いを希望していたけれど、夫の仕事の都合などでできなかった…」ということにならないよう、臨月になったらしっかりダンドリをしておいて。夫婦でお産を乗りきる立ち会い出産の経験は、きっと産後の家族の関係や子育てにもよい影響を与えてくれることでしょう。
立ち会い出産での旦那さんにしてもらうと良いこと
マッサージ
痛みで力が入ってしまうと、陣痛が遠のいてしまったり、赤ちゃんに十分に酸素が届けられなかったりします。マッサージをしてもらうことで痛みが和らぎ、体の緊張もほぐれます。
手をつないでもらう
陣痛の痛みを乗り切るときに手をつないでもらうと、精神的に心強いだけでなく力を逃がすこともできます。
水分補給
陣痛中や分娩中は汗をたくさんかきます。呼吸法をしたり、痛みを逃がすためのどもかわきます。自分ではなかなか水分補給ができないため、パパにお願いするといいでしょう。
汗を拭きとってもらう
陣痛中や分娩中は、ママは自分のことに手をかけていられません。汗をかいたら拭いてもらえると気分も落ち着きます。
呼吸をリードしてもらう
助産師さんのリードにあわせて、パパもいっしょに呼吸法をしてあげましょう。
立ち会い出産時の便利グッズ
〇タオル
〇飲み物
〇手のひらサイズのボール
〇うちわ
立ち会い出産ができないケースとは?
帝王切開分娩の場合
立ち会い出産を予定して準備を進めてきても、出産前に立ち会えないとわかるケースもあります。大きな理由としては、帝王切開分娩になるとき。さかごなどの理由であらかじめ帝王切開分娩が決まる場合もあれば、陣痛が始まってから、赤ちゃんの元気がなくなってきたり、母体に負担がかかるなどで緊急帝王切開術になる場合もあります。立ち会えないとわかっても、それまで話し合ってきたことや妊娠期間を支え合って過ごしてきたことは無駄ではなく、赤ちゃんを迎える喜びは同じです。
立ち会い出産NGの病院の場合
立ち会い出産を行なっていないという施設もあります。自分が出産する予定の産院で、立ち会い出産が可能かどうか、あらかじめ確認しておくと安心です。はじめから立ち会い出産ができないとわかっている場合でも、妊娠中から夫婦でお産のことや育児のことについてコミュニケーションをとるようにして、赤ちゃんを迎えるんだという気持ちを共有しておきましょう。
立ち会い出産をする際の注意点
分娩室まで立ち会う場合は、医師やスタッフの邪魔にならないようにしましょう。ほとんどの場合、ママの頭側にいるように指示されますが、どの位置にいてよいのか確認しましょう。分娩室には入れない場合もあります。その際は分娩室近くを離れずに待機しましょう。やむを得ずその場を離れるときはスタッフに声をかけてからに。
まとめ
以前と比べ、立ち会い出産は珍しいことではなくなってきています。ただ、皆が立ち会い出産をしているから、という理由ではなく、立ち会う、立ち会わない、いずれにせよ、「生命の誕生をどのように迎えるのか」を、夫婦でしっかりと話し合って選ぶことが満足度の高いお産につながるのではないでしょうか。
(文/たまごクラブ編集部)
監修
日本赤十字医療センター 周産母子・小児センター顧問
東都文京病院 院長 杉本充弘先生
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離乳食を始めると、思うように進まなかったり、思いがけない状況が出てきたり…ママやパパの悩みが増えてきますね。赤ちゃんの個人差や個性によって悩みはいろいろですが、だれもが経験しやすい悩みもあります。
今回は、離乳食の時期によって、経験しやすい悩みの解決法をご紹介します。ぜひ参考にしてみてくださいね。
5,6カ月ごろ(離乳食初期)の悩み
離乳食を始めてすぐのころによく見られる悩みを紹介します。
「離乳食を始めたばかりですが、おかゆを口に入れた途端に吐き出し、全然食べません」
5,6カ月ごろの離乳食では、初めての食べ物の味に慣れ、ごっくんと飲み込むことができるようになるのが目的です。開始したばかりでは、まだうまく飲み込めず、口からベーっと出してしまうのは、よくあること。
とろみがゆるすぎたり、粒が残っているだけで嫌がることがあります。市販のベビーフードの形状を参考にしてみましょう。
あげるときは赤ちゃんの姿勢は少し後ろに傾けます。ママ・パパはやさしく声かけしながら食べ物を見せて下唇の上にスプーンを乗せてみます。嫌がるときは無理強いしません。
赤ちゃんのペースであせらず続ければ、自然に食べられるようになるので、気楽に構えましょう。
「スタートして1カ月、2~3口食べる程度ですが、2回食に進んでいいですか?」
食べる量には個人差がありますから、少量でもある程度の食材が増えてペースト状のものをごっくんと飲み込むことができれば、2回食に進められます。飲み込むことがまだ上手にできないようなら、1回食のままで食べる練習を続け、7カ月ごろまでに1日2回食に進んでいきましょう。
食欲がないようなら、授乳回数や生活リズムを見直して。おかゆの量が増えないなら、かぼちゃのペーストなど甘みのあるものに変えても。
「今日も食べないかも」と先入観を持たずにリラックスして食べさせて、少しでも食べられたらほめてあげましょう。
「5カ月で離乳食を開始。順調ですが、『離乳食を早く始めると、食物アレルギーになりやすい』と言われ心配しています」
両親に食物アレルギーや子どもにアトピーなどがあるならば、医師と相談しながら進めていきます。最近の研究では、離乳食の開始を遅らせても食物アレルギーの予防には役立たないことがわかっています。食物アレルギーが心配される卵などは、食べさせる時期を遅らせた子ほど、その食材で食物アレルギーを発症しやすくなるという結果も出ています。
子どもの発達の様子をみて、離乳食を開始できる状態なら5,6カ月から始めます。また、食物アレルギーのリスクがある食材をむやみに遅らせず、初めて与えるときは少量を与えてみて、なんでもないようなら増量していきます。順調に離乳食が進んでいるのなら、このまま進めていきましょう。
「 離乳食を始めたら、うんちがゆるくなりました」
食べ慣れていないものを与えると、うんちがゆるくなることはよくあることです。とくに離乳食が始まると、うんちの状態やかたさ、回数などに変化がみられることはよくあります。
うんちがゆるくても、元気で食欲があるようなら、取りあえず量は増やさずに続けて様子をみましょう。ただし、下痢のような、水のようなうんちが続くときは、離乳食をお休みして小児科を受診しましょう。
7,8カ月ごろ(離乳食中期)の悩み

1日2回の離乳食になったころによくある悩みを紹介します。
「 5,6カ月のときはよく食べていたのに、7カ月になったら食べる量が減ってきました。」
7,8カ月ごろの離乳食は、5,6カ月ごろのポタージュ状に比べて、メニューに含まれる水分量が少ないので、食べ物のかさが減ったように見えることがあります。また、中だるみや食べむらがある時期なので、一時的に食べる量が減ることもあります。食べたがらないようなら無理に与えずに「おしまいね」と声をかけて片づけましょう。
マンネリ化しているようなら、ベビーフードのソースを使うなどして、味に変化をつけてみましょう。離乳食の間隔や生活リズムを見直してもいいでしょう。お散歩や体を動かす遊びを多く取り入れて、おなかがすくような工夫をするのも効果的です。
「すごい勢いで飲み込んではおかわりを要求。このまま食べさせ続けていいですか?」
飲み込むことが上手になると、驚くほど食べたがる赤ちゃんもいます。食べさせるときは、「おいしいね、次はにんじんにしようかな」等と声をかけながら、できるだけゆっくりスプーンを口に運びましょう。
メニューのうち、1品だけを今までより少しかためや刻んだものにして食べ方の様子をみながら進めていきます。あるいは、野菜などの品数を増やすと食欲が落ち着くこともあります。
おかわりを欲しがって泣くようなら、抱っこして気分を変えてあげましょう。落ち着いてから母乳・ミルクを十分飲ませます。
「白いおかゆが好きでなく、おじやにしないと食べません。毎食おじやでもいいですか?」
今は白がゆが好みではないのでしょうね。おじやといっても中に入れる野菜やタンパク質食材、味つけもだし、野菜スープなど工夫次第でいろいろなバリエーションが楽しめます。食感や味の違いを経験することも大切ですから、おじやのときは野菜、いも、果物などを添えましょう。ごはんにこだわらず、うどんやパンなどにしてもいいでしょう。
白がゆもしばらくして出してみると食べるかもしれません。その場合は、最初白がゆにして、あきてきたら後でおかずを合わせます。あるいは、白がゆに青のり、きな粉などをかけてもいいでしょう。
「粒状のものが食べられません」
なめらかなペースト状を飲み込めるようになったら、次は舌で食べ物を上あごにすりつけて、つぶしながら食べる練習になります。しばらくはなめらかなペースト状のメニューに、1品だけ粒状のメニューを加えて、交互に食べさせてみましょう。
粒が苦手というより、粒がかたくて食べられないことも。絹ごし豆腐のかたさを目安に、やわらかい粒を食べる練習をさせましょう。みじん切りにした野菜はゆでてもかたさが残りやすいので、大きめに切った野菜をやわらかくゆでてから、みじん切りにしてみて。また、粒のあるものは、とろみをつけると食べやすくなります。
9~11カ月ごろ(離乳食後期)の悩み
1日3回の離乳食になったころによくある悩みを紹介します。
「うどんが大好きです。ごはんものだと食べないので、毎食うどんでもいいですか?」
めん類はのど越しよく食べやすいので、好きな赤ちゃんは多いものです。でも奥の歯ぐきで食べ物をつぶして咀嚼する練習が必要ですから、めん類ばかりにせず、1日1回にするといいでしょう。
うどんのほかにも、そうめんやスパゲティ、マカロニなどが使用できます。いずれもめんの長さは約1~2cmにして、タンパク質の食材や野菜などを合わせて具だくさんにしたり、果物などを添えて、かむ練習ができるように工夫をしたメニューにしましょう。
「好き嫌いが激しくて、あるとき無理強いをしたら離乳食自体を食べなくなってしまいました。」
取りあえず、3~4日程度は授乳のみにして離乳食をお休みしましょう。そのうち授乳だけではおなかがすいてくるので、大人がおいしそうに食べていれば欲しがるようになります。再開するときは、少し軟らかめで少量にします。食べられたらほめてあげましょう。
おなかがすいていないと食べないことが多いので、朝型の生活リズムや日中の授乳回数、お散歩や外出などで生活にメリハリをつけましょう。大人が楽しそうに食べている姿を見せたり、大人の食事からの取り分けにすると食べることもあります。食べ慣れないだけかもしれませんので、いろいろと試してみましょう。
「形のあるものが食べられず、口から出してしまいます。」
この時期になると、形のあるものを奥の歯ぐきでつぶす練習をしていくので、形のあるものが必要になります。バナナのかたさが目安です。
にんじんやかぶなどの根菜は、指で簡単につぶせるくらいやわらかく煮て、水溶き片栗粉でとろみをつけます。ほうれん草などの葉物野菜は、色が変わるほどよく煮て繊維を断ち切るように刻み、場合により、とろみを加えます。炒めてから煮込むとさらに食べやすくなります。
肉などのタンパク質は加熱するほどかたくなるので、ひき肉に豆腐を混ぜたり、すりおろし野菜を加えてしっとりさせます。
「食べるのが早く、何でもまる飲みしているようで、心配です。」
みじん切りや一口サイズ、やわらかすぎるとまる飲みの原因になることがあります。手づかみで食べられて前歯でかじりとれる薄切りりんご、スティック状のパンやゆでたいも等をまず1つ用意してみましょう。前歯を使うように食べるとよくかんで味わうように食べられます。慣れてきたら手づかみしやすい大きさやかたさを調整しましょう。
一口食べるごとに水を飲むと、噛まずに飲みこみます。ある程度モグモグさせてから水分を飲ませるようにしましょう。食べる姿勢は、背筋が伸びているか、足裏が床にしっかりついているか確認しましょう。
1~1才6カ月ごろ(離乳食完了期)の悩み

このころによくある悩みを紹介します。
「市販の大人用のお総菜を食べさせてもいいですか?」
市販のお総菜にも薄味で無添加のものが増えてきています。1才以降は香辛料に注意して、子どもにも食べられそうなものを選べば大丈夫です。
しかし、市販のお総菜は家庭の食事と比べると、塩分、油分が多く使われています。味が濃いようなら湯で洗う、ほかの野菜を加えてあえるなどの工夫は、まだ必要です。お総菜に添えてある調味料は使わないか少量にしましょう。また、お総菜以外に具の多い汁物を作るなど、家庭の味も大切にしましょう。
「肉がかめず、口から出してしまうので、ひき肉ばかりあげています。」
この時期はまだ奥歯が生えそろっていないので、ひき肉を食べられるのならOKです。薄切りやかたまりの肉は、かみ切ることができないので、最初は口から出してしまいます。無理に食べさせなくてもいいですが、少しずつ慣らしていきましょう。
しゃぶしゃぶ肉をこまかくするか、薄切り肉は繊維を断ち切るように切って、片栗粉や小麦粉をまぶして、とろみをつけてあげると食べやすくなります。また、肉だけでは食べにくいので、豆腐を混ぜたり、肉じゃがなどのメニューで練習するといいでしょう。
かたまりの肉でも鶏肉の場合は、小さければ食べやすいのです。1才6カ月ごろなら、手で持てる照り焼きや、から揚げなどが食べやすいと思います。
「食物アレルギーが気になり、あじやさばなどの青背魚を与えるのが心配です。」
あじやさばなどの青背魚は鮮度の落ちたものを食べるとじんましんを起こすことがあるので、食物アレルギーとは別に考えながら注意して与えるといいでしょう。魚は新鮮なものを選んでしっかりと加熱し、子どもの体調のいいときに、少しずつ与えてみましょう。
焼き魚よりは、いわしのすり身を入れたつみれ汁や、野菜を入れた鍋など、普段から食べ慣れているものに少量の青背魚が入っているようなメニューが食べやすいでしょう。
青背魚は栄養価も高いので、少しずつ慣らしていきたいですね。食物アレルギーがある場合は、小児科医と相談して進めるようにしてください。
「おっぱいが大好きで、1回の食事は2~3口だけ。体重も常に発育曲線の下のほうです。」
子どもの栄養を考えておっぱいをやめようとするなら、まず、日中の授乳を減らしていきましょう。おっぱいの回数が減ることで食欲は出てくるはず。公園に遊びに行ったり、お散歩を増やすなどして、できるだけ家の中ばかりで過ごさないことです。楽しいことが増えると、飲むことを忘れていきます。
不安、甘えたい、寝る前に飲みたいというときは、それほど食欲にも影響しないので、飲ませても大丈夫。体重の増え方は、発育曲線の下のほうでも、その子なりに増えているなら見守りますが、気になるなら、定期的に小児科で成長をチェックしてもらいましょう。
離乳食は毎日のことだけに、ついその都度、一喜一憂しがち。でも今日食べなくても次は食べてくれることも多いもの。1回1回にとらわれず、その子のペースで様子をみていけるといいですね。
(文・ひよこクラブ編集部)
監修 太田百合子先生
管理栄養士。東京・こどもの城にて長きにわたり乳幼児の栄養指導を行う。現在は東洋大学、東京家政学院大学などの非常勤講師として活躍されています。
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胎教とは?
胎教と聞くと、おなかの赤ちゃんに教育的なことをするようなイメージがあるかもしれません。しかし胎教は、おなかの赤ちゃんを意識して、思いをはせながら妊娠中を過ごすこと。赤ちゃんに話しかけたり、触れ合ったりしてコミュニケーションをとることで、親子の絆が育まれます。頭のよい子に育てるというよりは、赤ちゃんとママ、パパとのコミュニケーションと考えましょう。
胎教が赤ちゃんに与える効果
妊娠5カ月ころから赤ちゃんの脳や五感がどんどん発達してきます。なかでも赤ちゃんの触覚は五感の中でも最も早く発達。おなかに触れることでママの手のぬくもりが赤ちゃんに伝わり、赤ちゃんのよい刺激になります。そしてママの気持ちはおなかの赤ちゃんにも伝わります。ママが妊娠中、心穏やかに過ごしていれば、赤ちゃんも穏やかに過ごせます。
ママのリラックスがカギ!胎教のやり方
ママが好きな音楽を聞いたり、外の景色を楽しむなど、リラックスして気持ちよく過ごすことがなにより大切なこと。ママが幸せな気持ちでいることは、赤ちゃんにとっても気持ちのいいこと。イライラしたり、ネガティブな気持ちになることはなるべく避けたいものです。
また、常に赤ちゃんと共に生活していることを忘れない、という気持ちも大切。おなかが目立たず、赤ちゃんが実感できない時期でも、超音波写真を見ながらおなかの赤ちゃんに思いをはせてみるだけでも胎教になるのです。
胎教はいつから始めてもOK!時期別の胎教
胎教はこの時期から始めるといい、というルールはなく、おなかに赤ちゃんがいるとわかったときから始めてもOK。いつからでもスタートできます。妊娠時期別にどんなことをしたらいいか、アイデアをまとめてみました。参考にしてみてください。
妊娠2~4カ月の胎教
おなかが目立たず、赤ちゃんの存在を実感しづらい時期。けれど、おなかのやさしくなでたり、おなかの赤ちゃんに名前をつけたりすることで親しみがわきます。そして、「おはよう」「おやすみ」のあいさつから赤ちゃんの話しかけを始めてみましょう。4カ月末くらいから少しずつ赤ちゃんの音が伝わる構造ができ始めます。外からの声も聞こえ始めるので、ママやパパは日常生活で感じたことなど、話してみるのもいいですね。
妊娠5~7カ月の胎教
妊娠6カ月を過ぎると赤ちゃんの聴覚はさらに発達。子宮の外の音も聞こえるようになってきます。話しかけたり、リラックスしているときに好きな音楽を聞いたりしてみましょう。絵本の読み聞かせや、子守歌を口ずさむのもおすすめです。また、赤ちゃんの動きもさらに力強く活発になり、胎動を感じ始めるように。胎動が感じられるようになったら、1日1回はリラックスして、赤ちゃんの胎動をキャッチ。おなかをなでると、赤ちゃんによい刺激になります。パパにも触ってもらいましょう。
妊娠8~10カ月の胎教
赤ちゃんはさらに大きくなり、胎動もしっかり。聴覚もだいぶ発達しています。赤ちゃんと遊ぶようなつもりでおなかに触れたり、話しかけを楽しみましょう。赤ちゃんの名前を本格的に考えて、呼びかけてみたり、ゆったりと近所を散歩しながら見える風景を伝えたり、深呼吸して赤ちゃんにいい酸素を届けてあげたりするのもいいですね。
パパも胎教に参加しよう! パパでもできる胎教
目の前に赤ちゃんがいないのに、声をかけたり、おなかに触ったりするのは恥ずかしいと感じるパパもいるでしょう。ですが、パパの声や触ったときの刺激はおなかの赤ちゃんにちゃんと届いています。そして、おなかの赤ちゃんと関わろうとする姿はママにとっても心強く、気持ちも穏やかになるはず。ママと一緒におなかの赤ちゃんとのコミュニケーションを楽しみましょう。
パパができる胎教
■赤ちゃんが生まれたらしたいことを一緒に考えたり、話題にしてみよう
■おなかに手をあててなでてみよう
■折に触れ、おなかに向かって声をかけてみよう
■ママのメンタル面のサポートも胎教に。ママの話を聞いてあげたり、マッサージをしてあげよう
まとめ
赤ちゃんの脳や五感は日々発達しています。ママやパパが話しかけたり触れたりすることは、親子の絆をつくるきっかけになるだけでなく、おなかの赤ちゃんの刺激になり、結果的に発達をうながすことにもつながります。胎教をすることで、赤ちゃんの誕生がますます楽しみになっていきますよ!
(文/たまごクラブ編集部)
監修
日本赤十字医療センター 周産母子・小児センター顧問
東都文京病院 院長 杉本充弘先生
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赤ちゃんの口の中で「キリキリ」「ギリギリ」と音がするのを聞いて、「赤ちゃんも歯ぎしりするの!?」と驚くママは少なくありません。歯並びへの影響を心配しているママもいます。赤ちゃんが歯ぎしりをする原因と対処法を知り、歯ぎしりに関する疑問と心配を解決しましょう。
赤ちゃんが歯ぎしりをする主な原因
赤ちゃんが小さな歯で歯ぎしりするなんて、初めて見たり音を聞いたりときはビックリしちゃいますよね。どうして歯ぎしりをするのか主な原因を解説します。
生えてきた歯を確認している
前歯が生えそろってくる8~9カ月ごろに、前歯だけ使って歯ぎしりをする赤ちゃんもいます。上下の歯ぐきをすり合わせて歯ぎしりしながら、「ここに歯があるな」と確認しているのです。歯が生えそろってくるのに伴い、歯ぎしりする赤ちゃんは多くなります。
歯ぐきがムズムズしてかゆい
歯が生えてくるときに歯ぐきにむずがゆさを感じることがあり、それを歯ぎしりで解消しているといわれます。歯が生えてくる時期にいろいろな物をかみたがるのも、同じ理由からです。
あごの筋力を刺激
歯ぎしりをすると、あごまわりが刺激されます。そして、何度も歯ぎしりをしているうちに上下の歯のかみ合わせが定まります。そしてあごまわりの筋肉が発達し、少しずつかむ力が強くなっていきます。
赤ちゃんの歯ぎしりで気になること
赤ちゃんが歯ぎしりをしている姿を見ると、何か問題があるのでは・・・・・・と心配になるかもしれませんね。そんなママたちの気がかりを解決します!
歯ぎしりするのはストレスがあるから?
歯ぎしりのメカニズムはまだはっきりわかっていないのですが、大人の場合、歯ぎしりの原因の一つにはストレスが挙げられます。「では、歯ぎしりをする赤ちゃんはストレスを感じているの?」と不安になりますね。でも、今のところ「赤ちゃんがストレスで歯ぎしりをする」という科学的な根拠は見つかっていないので、ストレスのことは心配しなくていいでしょう。
歯ぎしりを続けると受け口になる?
歯ぎしりをするには上の歯の位置に下の歯を合わせ、下あごを少し前に突き出さないといけないので、歯ぎしり中、赤ちゃんは受け口になっています。そのため、このまま受け口になるのでは……と心配するママもいます。奥歯が生えて食事を奥歯でしっかりかむようになると、自然とかみ合わせが整い、受け口は解消されるのが普通です。この時期だけの歯ぎしりなら、心配しなくて大丈夫。
赤ちゃんが歯ぎしりするときの対処法

赤ちゃんの歯ぎしりは歯が成長する段階で起こる生理的なものなので、月齢ともに落ち着いていきます。そのためとくにケアの必要はないのですが、気になるときの対処法を紹介します。
「歯固め」を与えてみる
「歯固め」は赤ちゃんがかんで遊ぶことを想定して作られたおもちゃ。歯固めをカミカミしていると、歯ぎしりが減ると言われます。歯固めをかむことで歯ぐきがマッサージされ、乳歯の成長やあごの発達を促す効果も得られます。
☆歯固めの選び方
赤ちゃんが口の中に入れて遊ぶものなので、安全な素材であることが鉄則。そのうえで赤ちゃんが握りやすい形で、汚れがたまりにくいシンプルなデザインのものを選びましょう。
歯ぎしりでトラブルがあるときの対処法

赤ちゃんが歯ぎしりをすることでトラブルが生じることもあります。その際の対処法について紹介します。
歯ぐきから出血しても自然に止まれば心配なし
赤ちゃんの歯ぐきはやわらかいので、歯ぎしりのあと歯ぐきから出血していることがあります。歯ぐきは血管が多く通っているため、傷が小さくても出血量が多くなりがちです。しばらく様子を見て、自然に止まれば問題ありません。
☆こんなときは受診(小児科か小児歯科へ)
・自然に止まるが何度も出血する
・出血量が多く止まらない
歯が欠けたり、ぐらぐらしたら小児歯科に相談
歯が生えそろうまでの赤ちゃんの歯ぎしりは基本的に心配ないものですが、体質的に歯がもろい赤ちゃんは、歯ぎしりの影響で乳歯がかけたり、ぐらぐらしたりすることがあります。こうした症状が見られるときは、早めに小児歯科で相談しましょう。
まとめ
赤ちゃんの歯ぎしりは基本的には心配ないとわかり、ほっとしたママも多いのではないのでしょうか。でも、歯ぎしりによって出血したり、歯が欠けたりする場合もあるので、歯ぎしりをしたあとは赤ちゃんの口の中をしっかり観察してくださいね。
(文・ひよこクラブ編集部)
監修 横田俊一郎先生
横田小児科医院院長。東京大学医学部付属病院小児科、社会保険中央総合病院(東京都新宿区)小児科部長などを経て、1993年に開業。ありふれた病気、健康増進のための医学、子育て支援をテーマに勉強を続けていらっしゃいます。
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妊娠初期の妊婦さんに起こりやすいトラブルの一つ、切迫流産。切迫流産という文字だけを見ると、流産が差し迫っているかのように思われますが、実は流産と切迫流産とは、体の中で起きている問題が異なります。
切迫流産とは、あくまでも流産と同じような症状が出ているものの、妊娠が継続している状態です。
妊娠22週未満に出血や腹痛という症状がみられれば、切迫流産と呼ばれます。胎児の心拍が確認できる場合はもちろん、妊娠の早い時期で胎嚢(赤ちゃんが入っている袋)は確認できても、まだ胎児心拍が確認できないときに出血や腹痛があった場合でも、切迫流産と診断されます。
このように、切迫流産では、流産の兆候はあっても、おなかの赤ちゃんは順調に成長していることも多く、正常な妊娠に戻る可能性も高いのです。
切迫流産の原因は?
原因はさまざまあります。受精卵が着床する位置や過程で出血が起きるほか、子宮筋腫や習慣流産、膣炎などが原因になることもあります。また、赤ちゃんを包む卵膜の一部である絨毛膜の外側部分に血腫(血のかたまり)ができて出血することがありますが、これを絨毛膜下血腫といいます。絨毛膜下血腫による出血でも、初期に出血があれば、切迫流産と診断されるでしょう。
切迫流産の症状は?
切迫流産の主な症状は、以下のようなものがあります。
○出血がある
○下腹部痛がある(全員ではない)
自覚症状がない場合もありますから注意しましょう。ただ、切迫流産かどうかは、自分自身で判断できるものではありません。上記のような症状が強くなったら必ず受診をしましょう。医師は赤ちゃんの心拍、子宮頸管の開き具合、感染の有無などから診断します。
切迫流産の症状があったら、産院に何を伝える?
出血やおなかの痛みなどの症状があったら、まずは産院に連絡して症状を伝え、指示をあおぎましょう。産院に連絡するときには、必要な情報を伝えることが大切です。慌ててしまうこともあるかもしれませんが、落ち着いて、正確に状況を伝えましょう。
○妊娠の週数
○子宮の中に胎嚢が確認されているか
○胎児の心拍が確認されているか
○出血の量や、何かかたまりが出てきたか
○腹痛の強さはどうか
○症状の経過はどうか(どんどん強くなっている、強い痛みが治まってきた、など)
切迫流産と診断されたらどうするの?
家事や仕事は休み、自宅安静に
切迫流産と診断されたら、自分でできることはとくになく、安静を保つしか治療法がありません。体だけではなく、心の負担を軽くして、できるだけリラックスして過ごすことも大切です。家事はパパやほかの家族に手伝ってもらいましょう。仕事を持っている人は、医師から安静解除が出るまで、医師の指示に従い休ませてもらうのが基本。出血しやすい状態だったり自宅安静が難しかったりする場合は、入院になることもあります。
自宅安静の目安は?
自宅安静と言われたら、「簡単な家事や食事、トイレ以外は横になって休む」のが基本の過ごし方。入浴も控え、短時間のシャワー程度にしましょう。ただ、その人の状態により、必要な安静度はさまざまです。自宅安静を指示されたら、気になることは遠慮せず、医師に確認しておきましょう。
切迫流産の可能性が高い出血ってどんなもの?
切迫流産の場合、多くは少量の出血です。色も、おりものに混じったピンク色の出血から、茶褐色のものが多いでしょう。少量の出血があっても多くは正常に妊娠が継続しますが、自己判断は禁物です。少しでも出血があれば、産院に連絡してください。
自宅安静を指示されたとき、上の子はどうする?
自宅安静を指示されたら、その度合いにもよりますが、できれば家族に家事や上の子の世話をお願いして、横になっているのがベスト。上の子が小さいなどでそれが難しい場合は、実家に帰る、入院安静をする、自治体の一時保育サービスやファミリーサポートを利用するなど、対策を考えましょう。
いかがでしたか。出血やおなかの痛みがあると心配になるものですが、切迫流産は必ずしも流産につながるとは限らず、妊娠が継続することも多いものです。正しい知識を持ち、心配しすぎずリラックスして妊娠生活を送るようにしましょう。
執筆/たまごクラブ編集部
監修/日本赤十字医療センター 周産母子・小児センター顧問
東都文京病院 院長 杉本充弘先生
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妊娠、出産は思いがけないトラブルが起こる場合も。すべてが予定通りに進むとは限りません。出産の入院準備も余裕を持って早めにしておくと安心です。
妊娠8カ月くらいから、入院準備を始めましょう
出産まではまだ先と思ってのんびりしていると、入院直前になってあわてて準備することになりかねません。また、思いがけず出産が早まることがないとはいえません。
妊娠8カ月になったら始めることをおすすめします。
「入院グッズ」のなかには、産院で用意してくれるものも
産院スタッフに事前に確認しておけば、余計な荷造りをしなくて済みます。
入院時に必要なものリスト
次の持ち物リストを参考に、自分に必要なものをチェックしましょう。
必ず持っていくもの
○母子健康手帳
○健康保険証
○診察券
○お金
○印鑑
○パジャマ
入院生活で必要なもの
○陣痛乗り切りアイテム(ゴルフボール、テニスボール、うちわ、ペットボトルにつけるストロー)
○産褥ショーツ
○授乳しやすいブラジャー
○バスタオル、タオル
○お産パッド、生理用ナプキン
○母乳パッド
○時計
○湯のみ、お箸、スリッパ、ボックスティッシュ
○洗面用具、化粧品、ヘアゴム
○携帯電話、筆記用具
○カーデガン、靴下
退院時必要なもの
○ベビー肌着、ベビーウエア
○おむつ、おしりふき
○ママの退院用の服、靴
母子健康手帳や健康保険証、診察券などは普段から持っている必要があるので、携帯しやすいバッグに入れ、入院中に使うものは大きめのバッグに入れて準備すると便利です。
また、退院時に必要なものは別のバッグに入れておき、あとからパパや家族に持ってきてもらうと入院時の荷物が少なく済みます。
産院で用意してもらえるもの、産院の売店や産院付近で購入できそうなものも確認しておくと安心です。
入院前に確認しておくと安心なこと
持ち物だけでなく、産院の入院生活のルールも確認しておくと安心です。
産院の基本の入院日数や分娩、入院費の支払い方法、面会時間、面会できる人など、産院によって異なります。また、入院中に出た洗濯物が産院で洗えるのか、持ち帰る必要があるのか、入院する部屋は個室か大部屋かでも準備するグッズの量が変わってくるのでチェックしておきましょう。
入院するときの段取りと家族に伝えておくこと
お産はいつ始まるかわかりません。1人でいるときに始まった場合、家族がいる場合など、いくつかのケースを想定して、入院するときの段取りをパパや家族と相談しておきましょう。
病院の夜間連絡先やタクシー会社の電話番号はパパもママも携帯電話に登録しておくと、緊急時にすぐ連絡できます。
産院までの交通手段
自分で運転できるといっても、お産入院のときは必ず代わりの人に運転してもらいましょう。付近のタクシー会社が24時間配車しているかも確認を。
緊急時の電話番号や産院の夜間出入り口
産院の夜間出入り口が日中の出入り口と異なる場合も。パパや家族も事前に確認しておくとあわてずに済みます。また、緊急時に備え、産院の連絡先はパパや家族も携帯電話に登録しておくと安心です。
入院時に必要な荷物の場所
入院に必要な荷物はバッグにまとめておき、家族のだれもがどこにあるかわかるようにしておきましょう。
快適な入院生活のためには準備が大切。産院に確認しながら自分でリストを作ってみては。準備できたものをチェックしていくようにすると忘れ物がありませんよ。
執筆/たまごクラブ編集部
監修/日本赤十字医療センター 周産母子・小児センター顧問
東都文京病院 院長 杉本充弘先生
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出産のスタイルは一つではなく、いろいろな方法があります。産むときの姿勢を自由に選べるスタイル、呼吸法で痛みを和らげるスタイル、薬の力で痛みを和らげるスタイルなどさまざまです。どのようにお産が進むのかを知っておくと、お産のイメージがしやすくなります。今回は、「自然分娩」と「無痛分娩」の流れを説明します。
陣痛の始まりから誕生まで「自然分娩」の流れ
分娩第1期(陣痛開始から子宮口開大まで)
○陣痛が10~5分おきに
・子宮口が0~3㎝大
・赤ちゃんは横向きで骨産道に入り始めます
↓
○陣痛が5~2分間隔に
・子宮口は7㎝開大
・陣痛が繰り返されるうちに赤ちゃんは徐々にママの背中のほうへ顔を向けるよう体を回転させます
↓
○陣痛が2~1分間隔に
・子宮口は約9㎝開大
・内診で子宮口の開き具合、やわらかさ、赤ちゃんの下がり具合などを診ます
・赤ちゃんの顔が完全にママの背中のほうに向きます
・破水が起こり、いきみたい感覚が
分娩第2期(子宮口全開大から赤ちゃん誕生まで)
○子宮口は全開大
・分娩室へ移動
・陣痛がきたらゆっくり息を吐きながら赤ちゃんの頭が出るのを待ちます
・陣痛が起こると会陰から赤ちゃんの頭が現れ、陣痛の合間に戻るように(排臨)。
↓
○赤ちゃんの頭がずっと出たままの状態に
・頭が出てきてもいきまずに、ゆっくり息を吐きます
・必要があれば会陰切開をします
↓
○頭、肩が出て誕生!
・赤ちゃんの頭が出たら片方ずつ肩が出てきます。そのあとはおなか、足が出て誕生になります
分娩第3期(胎盤が出るまで)
○胎盤が出る後陣痛が
・誕生後、3~5分後に軽い陣痛(後陣痛)が起こり、胎盤がはがれ出てきます
・会陰切開をした場合は縫合します
「自然分娩」で起こる可能性のあるリスク
●陣痛が始まっても子宮口が開かない
陣痛が始まっても、子宮口がなかなか開かないことがあります。子宮口が開かずにお産が長引くと、赤ちゃんや母体に負担になる場合も。子宮口をやわらかくする子宮頸管熟化剤やメトロイリーゼという医療器具を使って子宮口が広がるような処置をします。
●陣痛が弱まってしまう
陣痛が始まったものの、強まらないときや、弱まってしまうことが。様子をみて問題ない場合もありますが、赤ちゃんの元気度や母体への負担が大きいときに人工的に破水を起こす人工破膜や陣痛を強める陣痛促進薬で有効な陣痛に変えていきます。
●赤ちゃんがなかなか出てこられない
子宮口が全開大になって、いよいよ誕生というときにトラブルが起こる場合も。赤ちゃんの頭が見えていてもそこから先に進まない状態が続くと、赤ちゃんの心拍低下や酸素不足が心配されます。早く赤ちゃんを出してあげたいときには、会陰切開、赤ちゃんの頭にカップをあてて吸引する吸引分娩、赤ちゃんの頭を器具で挟んで引き出す鉗子分娩などを行います。
薬の力で痛みを緩和する「無痛分娩」
無痛分娩は麻酔を使って陣痛の痛みを緩和する出産方法。使用する麻酔には区域麻酔(部分麻酔)と全身麻酔とがありますが、現在は硬膜外麻酔という区域麻酔が主流となっています。
痛みに対する恐怖心が強く、パニックを起こしやすい、高血圧などの合併症がある人に向いています。麻酔薬だけでなく、陣痛が弱くなるため、陣痛促進薬などの薬を使用することも多いので、信頼できる産院を選び、気になることがあったら事前に納得がいくまで説明を受けるようにしましょう。
無痛分娩の流れ
産院の方針によって、陣痛が始まる前から麻酔をかける場合と、ある程度お産が進んでからかける場合があります。陣痛が始まる前から行う場合は妊娠39週ごろに入院日を決めて、陣痛促進薬によって分娩を誘発します。
誕生までの流れは自然分娩と同様で、子宮口が開くまでは入院室で過ごし、全開大になったら分娩室へ移動します。お産が進行してから麻酔をかける場合も自然分娩とほぼ同じ経過です。
① 硬膜外麻酔を打つときの痛みを和らげる局所麻酔を打つ
② 硬膜外麻酔の針を刺す
③ 麻酔薬が通るカテーテル(管)を挿入し、針を抜きます
④ カテーテルをテープで固定し、麻酔薬を注入していきます
妊娠経過やお産の進み具合によっては、思い描いていたとおりにならないことも。どんな出産方法でも、妊娠出産にはリスクがあるものだということを忘れずに、赤ちゃんが安全に生まれてくることが第一ですが、自分で産む姿勢と納得できる経過を大切にしていたいですね。
執筆/たまごクラブ編集部
監修/日本赤十字医療センター 周産母子・小児センター顧問
東都文京病院 院長 杉本充弘先生
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華やかなフラワープリントやキュートなアニマル柄が定番、おめかしウエアとして人気の"hakka kids&baby"から、デーリー使いのキッズ&ベビー服ブランド"Orange hakka"が登場して注目を集めています。同ブランドのデザイナーで、4才の女の子&2才の男の子のママでもある高岡なおみさんに、こだわりの秘密を聞きました。
「保育園」と「外遊び」にぴったり!シンプルで使いやすいのもポイント

▲ボーダー長袖Tシャツ
“毎日を着る”をコンセプトに作られた“Orange hakka”は、ボーダーやバイカラーといったシンプルで普段使いしやすいデザインが特徴的。

▲アニマルプリントカバーオール
さらに、手入れのしやすさ・使いやすにこだわっていて、ダウンジャケットが自宅の洗濯機で洗えたり、上着にはフックにかけられるハンガーループがついていたりして、機能性の高さがキラリと光ります。

▲ダウンジャケット

▲ボアベスト
※画像はサンプルのため、現物とはディテール等が若干異なります。
こうした工夫について、「自分が欲しいと思った機能を洋服に盛り込んでいるんです」とタネ明かしをする高岡さん。

アイデアのベースは「保育園」と「外遊び」にあるのだそうです。
ママとしての実体験を生かし、商品化したアイテムも!

「“Orange hakka”のボトムは、『保育園でもOK』と『外遊びが気軽にできる!』という点がキーワード。だから、動きやすさを考慮して9割がパンツタイプです」

▲デニムパンツ
※画像はサンプルのため、現物とはディテール等が若干異なります。
「デニムスカート風のキュロットや、汚れにくいように撥水撥油加工を施した白のスリムパンツなど、キッズやベビーには難しそうに思えるデザインにも、実用性を持たせてはきやすくしました。
また、防寒アイテムはフードつきダウンとフードなしのジャケットやコートを用意。これは、保育園ではフードなしタイプが指定されていることが多いので、目的に合わせて選べるようになっています」

▲フリースポンチョ
高岡さんご自身の実体験から生まれたのが、秋冬用のボアフリースポンチョ。自転車で保育園の送迎をする際、子どもたちが寒そうにしていることがよくあったそうです。そこで上着の上から、ブランケット代わりにさっと羽織れるポンチョを制作。発売したところ、保育園ママだけではなく、通園バスを待つときに便利!と幼稚園ママたちからも好評を得ました。
「“Orange hakka”の洋服は、毎日気軽に着てもらいたいことから、たとえば9分丈スパッツが2052円など、お手ごろ価格に設定。同じものを2着購入したり、きょうだいでおそろいを楽しむ方も多いようです」
さりげなくおしゃれなデザインにこだわりが!

▲ストレッチスリムパンツ
コンセプトは異なるものの、“Orange hakka”は、40年以上の歴史を持つ“hakka kids”のこだわりを踏襲していると、高岡さんは言います。
「パターン(型紙)や素材は“hakka kids&baby”のノウハウを生かしていて、着心地、着せやすさ、動きやすさといった従来のhakka品質は”Orange hakka”にも引き継がれています。素材も丈夫なので、洗濯機でガーッと洗いやすいのも特長のひとつです」
そして高岡さんが見せてくれたのが、通称「保育園パンツ」と呼ばれるスパッツ。”Orange hakka”の場合、伸縮性に富む変形スパンフライス素材を使っていて肌触りが柔らかです。また、ブランドのワッペンがポケットからはみ出すようについているのですが、実はこれ、座ったときに横からワッペンが見えるようにというこだわりのデザイン。

▲アニマルプリントカバーオール(左)、ボーダーカバーオール(右)
「幅の異なるボーダーを組み合わせたり、アニマルプリントは背中にポイントを置いたり。シンプルな中にも、どこかでグッとくるかわいらしさを演出したいと、日々アイデアを練っているんです」
“Orange hakka”のブランドマークは、かわいいねずみがモチーフ。実は、高岡さんのお子さんがねずみのおもちゃで遊んでいるところを見て、はっとひらめいてブランドのロゴに決定したんだそう。高岡さんは、赤ちゃんに心地よくママにも使いやすいことを基本に、これからもオリジナルのアイテムを作っていきたいと話してくれました。
「普段着でもさりげなくおしゃれに着せたい!」と思っているママは多いはず。デザインはもちろん、着心地や機能性にこだわった“Orange hakka”のアイテムをぜひcheckしてみて。
ママ用のアイテムもあるので、リンクコーデにチャレンジするのも楽しいかも!
ママの発想から生まれたブランドのアイテムは、赤ちゃんとママにやさしく、リアルな親子の毎日が詰まっているように感じました。
(取材・文/中澤夕美恵、ひよこクラブ編集部)
※紹介している商品の画像はすべてサンプルです。一部、現物とはディテール等が異なる場合があります。