キングジムから、テキスト入力に特化したデジタルメモ「ポメラ」の新製品「DM30」が6月8日に発売される。価格は4万3000円(税別)。
DM30は、初代「DM10」(2008年発売)から数えて7世代の製品であり、ちょうどポメラシリーズ10周年を迎える記念碑的製品。
機構としては、初代DM10(~DM25)が持っていた折り畳み式のキーボード、および乾電池駆動(単3×2本)を復活させたのが特徴となる(駆動時間は約20時間)。
▲デジタルメモ「ポメラ」の新製品「DM30」。折り畳み式のキーボードと乾電池駆動が復活。価格は4万3000円(税別)で6/8発売。左はオプションの専用ケース。同日発売で4000円(税別)
先代の「DM200」は、ノートパソコン然としたストレート式のキーボード、および内蔵バッテリーを採用していたが、ユーザーからの強い要望を受け、初代の仕様を復活させた形となる。
ただし、キーボードについては従来のスライド式ではなく、新開発の観音開き式を採用。同時に、キーピッチやキーストロークの見直しも行なわれ、ノートパソコン並みのキータッチ性を持たせたという。なお、キーボードの底面にはフットも内蔵されており、キーを開くとそのフットが自動的に開く(出てくる)機構も搭載されていて、使用時には安定した状態でタイピングできるよう設計されている。
▲キーボードは観音開き。右側の裏面にあるスリットは、キーボードを開いた時に出てくるフット
ディスプレイにはシリーズ初となる電子ペーパー「E Ink」を採用。サイズは6インチで、目に優しく、文字が見やすいという特徴を持つ。ただし、バックライトはないので、暗所での入力作業は難しいだろう。
日本語入力については、ポメラシリーズのために開発された専用の「ATOK」(ATOK for pomera)を搭載。「DM100」とほぼ同等の仕様ではあるが、電子辞書機能などはバージョンアップされているという。
文字編集については、DM200にも搭載されているアウトライン機能(見出し一覧)を継承。見出しを一覧できるほか、見出し単位での本文の入れ替えなどが可能で、章立てのある長文入力・編集作業も効率的に行なえるようになっている。
入力したテキストデータは、内蔵メモリー(8GB)、またはSDカードに記録可能。SDカード、もしくはマイクロUSB端子を介して、テキストデータをパソコンへ転送することもできる。また、現行ポメラシリーズと同様にテキストデータをQRコードに変換して表示、専用アプリをインストールしたスマホで読み込むことで、テキストデータをスマホへ移すことも可能だ。無線LAN機能を搭載したSDカード「FlashAir」も使える。
1ファイルあたりの最大文字数は、全角で約5万字に強化された。
寸法はW156×H33×D126mm(折りたたみ時)、W286×D131mm(使用時)。質量は約450g(電池除)。アクセサリーとして、専用ケース「DMC6」も同日発売。価格は4000円(税別)。
その他、キングジムではポメラの海外(米国)での需要調査を行なうため、クラウドファンディングサービス「Kickstarter」のプロジェクトを、本日5月15日より開始する。DM30にはそのための仕様が予め搭載されており、「設定」タブの「Language」には「日本語」と「English」の項目が用意されていて、英語表示への切り替えも可能。ただし、キーボードについては日本語仕様のまま出荷される。
▲会場に展示されていた「DM30」のプロトタイプ。スケルトン仕様で、担当者の弁によれば「発売の予定はない」とのこと
▲スケルトン仕様の試作機(DM30)と歴代のポメラシリーズ