高松市が多肥上町に設置を検討している琴電琴平線太田-仏生山間の新駅の整備事業について、県は1日までに、財政支援を行う方針を固めた。同事業は、駅舎と駅前広場の整備を計画。周辺交通圏全体の利便性向上などが期待できると判断したとみられ、駅舎整備費の3分の1を支援する方向で調整を進めている。市は19年度に実施設計に着手する方針。
市の基本計画などによると、駅舎は県道太田上町志度線の高架下に整備予定。バス路線を再編した上で、周辺からのアクセス性を向上させるため、駅前広場を整備。バスターミナルや駐輪場を設ける。1日当たりの利用は約2300人を見込む。
概算事業費は、駅舎整備が約5億1千万円、駅前広場は約8億4千万円。いずれも国の補助事業の活用を想定しており、駅舎整備は国、県、市が3分の1ずつを負担し、駅前広場は国45%、市55%の負担となる見通し。
新駅整備を巡っては、高松市は、香川大創造工学部などの周辺研究施設や県立図書館へのアクセス向上に加え、市域外を含むバス路線の再編などに伴う交流人口増加につながるとして県に支援を要請。県は、高松市に限らず、広域的観点から沿線全体の利便性向上や地域活性化につながると判断し、支援方針を決めたとみられる。
高松市が設置を計画している琴電新駅について、県では、琴電琴平線三条-太田間に整備中の新駅と、併せて計画を進めている栗林公園-仏生山間5・1キロの複線化への財政支援を行っている。