(画像は、田中神社の「くじゃくみくじ」)
文・写真/MARIKO(モデル、神社検定1級)
■1:田中神社の「くじゃくみくじ」
貴船神社や鞍馬寺に行くのなら、ぜひ途中で立ち寄ってほしいのが叡山電車「元田中駅」から歩いてすぐの田中神社。とってもユニークな幸運のたまご、くじゃくみくじに出会えます。
こちらは何と全国の「田中」姓発祥の地と言われているのです!大国主命を主祭神とし、元々この付近にあった田中村の産土神として人々から信仰されてきました。
まさに田中さん大注目のスポットとも言えますが、こちらには更に人々の視線を集める存在が……。
そう、本物の孔雀です!!サーカスからご縁があってやってきたのだそう。まさか神社で孔雀と出会えるとは驚きです!
この孔雀に因んで3,4年前から始まったのが「くじゃくみくじ」。
たまご型のおみくじは私も初めて。開けたらどんなものが出てくるのか、おみくじを引くドキドキがいつも以上に高まります!
ぱかっ。つるっとしたたまごのケースを開けてみると、中にはおみくじを背負った折り紙の孔雀が!その姿はさながら幸運を運んでくれる使者のようです。可愛らしい孔雀の色は様々で、私が引いたのは橙色でした。
”中吉。ドキっとする一文が…汗。”
オリジナリティ溢れるとっても美しいくじゃくみくじ。おうちに飾って自分だけの開運アイテムにしてみませんか?
【田中神社】
住所: 京都府京都市左京区田中西樋ノ口町1
電話: 075-781-9274
>>お次は歩いて賀茂御祖神社へ!
■2:賀茂御祖神社(下鴨神社)の「縁結びおみくじ」
田中神社から歩いて約18分で到着するのが葵祭でも有名な賀茂御祖神社(かもみおやじんじゃ)です。鴨川の下流に鎮座していることから下鴨神社とも呼ばれる、京都最古の神社のひとつです。
ご祭神は古代の京都を開拓した神様・賀茂建角身命(かもたけつぬみのみこと)と、その娘である玉依媛命(たまよりひめのみこと)。
鴨川と高野川に挟まれた境内は全体が「糺の森(ただすのもり)」という縄文時代からの原生林。境内を進むと、楼門の手前に縁結びで有名な末社・相生社(あいおいのやしろ)が。こちらの「連理の賢木(れんりのさかき)」は二本の木が途中から一本に結ばれている、まさに縁結びの象徴ともいえる不思議なご神木。
こちらで引けるのが「縁結びおみくじ」です。
賀茂御祖神社が源氏物語によく登場することから、源氏物語の和歌から占うおみくじなんです!おみくじのデザインも平安時代の貴族装束から、女性は袿、男性は束帯をイメージした男女別になっています。
さて、私が引いたのがこちら。本物の装束のようなデザインは色の重ねまで素敵です。
そっと開いてみると……。
“源氏物語 巻ノ拾五 蓬生(よもぎう)”
“たづねてもわれこそとはめ道もなく 深きよもぎのもとのこころを 光源氏”
荒廃したお屋敷で一途に光源氏を待ち続けた末摘花とのエピソードですね。ここから読み解かれる運勢は……。
“転回の兆し・・・吉”
“もう少し待ってみてください。事態は大きく変わっていきそうです”
なるほど。末摘花のように、まずは信じて待つことが肝心のようです。
平安貴族の世界をたっぷり味わえる雅なおみくじですね。
【賀茂御祖神社(下鴨神社)】
住所:京都府京都市左京区下鴨泉川町59
電話: 075-781-0010
>>さてお次、キュートなうさぎに導かれて向かうお社はどこでしょう?
■3:東天王 岡崎神社の「うさぎおみくじ」
可愛いものに囲まれて、ほっこりしたい。そんなときに訪れたくなるのが東天王 岡崎神社です。こちらは境内の至る所に神使のうさぎがみられる、うさぎ好きにはたまらないお社。
ご祭神は素戔嗚尊、奇稲田姫命、その二柱の神様から生まれた三女五男八柱神(やはしらのみこがみ)。たくさんの子宝に恵まれたことから子授け安産のご利益でも知られています。
昔はこの地域一帯が野うさぎの生息地だったそう。境内には狛犬ならぬ狛うさぎや、手水舎の子授けうさぎなど子宝・安産にご利益がある開運スポットがたくさん。
“狛うさぎ”
“子授けうさぎ”
干支が卯のせいか親近感をひしひし感じますが、やはり私の一番のお気に入りは「うさぎおみくじ」。
“今にも走り出しそう…!”
ぽってりフォルムに愛らしい眼差しのうさぎは白とピンクの二種類。よりキュートなピンクをお供に選びました。
気になった一文がこちら。
「末吉…次第次第に運がひらけて盛になります。あまりに“一足とびに”とんで事をしようとするとあやまります…」
うさぎのようにぴょんっと飛んではだめ!ということでしょうか。神様からのアドバイスを読み解きつつ、ちょっと可愛い光景を想像してしまいました(笑)
おみくじからお守りまで、うさぎ尽くしの岡崎神社。平安神宮や南禅寺にも近いのでぜひ訪れてみては?
【岡崎神社】
住所:京都府京都市左京区岡崎東天王町51番地
電話:075-771-1963
>>さてお次は、猪突猛進でゲットしたいおみくじ!?
■4:護王神社の「猪みくじ」
京都御所の西に鎮座する護王神社。清々しい空気に満ちていながら、猪パワー溢れるとてもエネルギッシュなお社です!
奈良時代、ご祭神である和気清麻呂公は僧・道教がご神託を偽って天皇になろうとしたことを阻止したものの、道教によって流罪にされ命の危機にあったところを300頭もの猪に救われたのだそう。このときに足のケガも治ったことから足腰のご利益があるといわれています。
境内は猪、猪、猪……・!全国から猪グッズが奉納されるそうで、お気に入りの猪をみつけるのも楽しいもの。
”勇壮な狛猪”
”手水舎の猪は可愛らしく”
”全国から奉納された猪グッズ”
そんなこちらのおみくじも、やはり猪です!「猪みくじ」はずっとそばに置いておける置物タイプ。くりくりっとした瞳は目標に向かって猪突猛進する猪そのもの!
“第二十八番大吉……活気づく時。環境の変化あるが、楽天的でよし。…”
何とも前向きでパワー溢れるメッセージ!神社によって、おみくじの言葉の捉え方も変わる気がするので不思議です。
足腰は身体だけでなく、心の要。どっしり地に足をつけて一歩踏み出す勇気が欲しいとき、護王神社の神様はきっと後押しをしてくれますよ。
【護王神社】
住所:京都府京都市上京区 烏丸通下長者町下ル桜鶴円町385
電話:075-441-5458
>>ラストは桜の名所のあの神社で桜おみくじ!
■5:平野神社の「平野桜みくじ」と「りすのおつげ」
桜の名所として全国的にも有名な平野神社。
およそ一か月半かけて約60種400本もの桜が開花する、国内でも最長のお花見シーズンを楽しめる神社です!
桜は生命力を高めるものとされ、平安時代から貴族によって様々な桜が奉納されてきました。中でも平野神社発祥の「魁桜」という早咲きのしだれ桜が開花すると京都のお花見が始まるともいわれています。
”御神紋も桜です!”
今木皇大神(いまきすめおおかみ)、久度大神(くどおおかみ)、古開大神(ふるあきのおおかみ)、比売大神(ひめおおかみ)といった活力生成や生活安泰などのご利益をもつ神様がお祀りされています。
そんな平野神社の魅力たっぷりなおみくじが「平野桜みくじ」と「りすのおつげ」。
「平野桜みくじ」は桜型のおみくじと、平野神社の珍しい桜20品種から当てはめたメッセージが記された短冊のセットです。
まずは桜型のおみくじをオープン!蕾型に折りたたまれたおみくじを開くと満開の桜の花びら。しかも大吉!一気に華やいだ気分になります。
さあ、続いては桜の品種が記されているという短冊を見てみましょう。
“御車返し(四月初旬頃開花)…色々な魅力を持ったあなたは世間の注目の的。常に自分の行動や発言には責任を持つことが大切です。”
一本の木に一重と八重の桜咲く珍しい桜「御車返し」が出ました!何だか自分だけの特別な桜を教えてもらったようで幸せです。
もうひとつ、見逃せないのが「りすのおつげ」おみくじ。平野神社の神使・りすと桜をモチーフにした見ているだけでキュンとするおみくじです。
“第四十五番末吉…焦らず心穏やかに好転を待つべし!”
神使がりすというのはなかなか珍しいですね。桜みくじとは趣が異なり、また違ったメッセージがいただけます。ダブルでキュートさ満点のおみくじです。
【平野神社】
住所:京都府京都市北区平野宮本町1
電話:075-461-4450
……ということで、以上、京都のとっておき面白おみくじ5選をご紹介しました。京都を訪れることがあれば、スペシャルな「おみくじ引き巡り」で、いつもと違った京都旅を楽しんでみてはいかがでしょうか。
文・写真/MARIKO
ファッション誌やビューティ誌、CMなどで幅広く活躍中のモデル。神社や日本文化に興味を持ったことをきっかけに「神社検定1級」を取得。フォリオマネジメント所属。