市民ランニングの普及、発展に貢献した人物、団体などを表彰する第30回ランナーズ賞の受賞者が決定しました。
1988年に第1回のランナーズ賞受賞者を称えて以来、今回までで98の個人、団体が受賞。2017年は、田中英文さん、千尋さんご夫妻、山西哲郎さん、松下耕太郎さん、保坂好久さん、月例マラソンが「ランナーズ賞」に輝きました。
今回、第30回ランナーズ賞の受賞者の中から「保坂好久さん」をご紹介します!
保坂好久さん(68歳)/静岡県
59歳「2時間34分23秒」、60歳「2時間36分30秒」、61歳「2時間38分12秒」の年齢別世界記録を保持し、今年3月の静岡マラソンでは「3年振り」のサブスリーとなる、2時間58分6秒をマーク。
昨年の全日本マラソンランキングの最高齢サブスリーランナーだ。地元の駅伝で優勝したことがきっかけでランニングを再開したのは36歳のとき。
「40代の時はロードレースの賞品や大会派遣で、海外レースに出場することができたのが嬉しくて楽しくて、もっと速くなってやろう!という気持ちが強くなったんだ」
「レースでついていくことができなかったランナーに勝つためには(そのランナーより)はるかに速いスピードで走る練習をするしかない」と30年以上続けているのが「下り坂」を全力で駆ける1㎞のインターバル走。
19時頃にスタートし5~7本走るのが日課となっている。「毎日継続していると、脚や腹が締め付けられるように痛くなることがあるけど、それで休んだらいつまでたっても進歩しない。脚に鞭を打って走っていればいつか必ず限界を超え、痛みは吹っ飛ぶんだ」
仕事は自らが経営する会社で「シーズニングソルト」を販売。「仕事もランニングも、両方あって精神が充実する」と語る。
現在の目標は、68歳以降のほとんどの年齢で世界記録を持つ、今年3月に亡くなったカナダのエド・ウィットロックさん(享年86歳)を超えること。
「先日、トロントに行き、彼の練習コースを見させてもらうと、平地しかない周回コースだった。それに比べて下田は坂だらけで海岸もあって、素晴らしい練習環境。絶対に負けてはならない、そう思ったよ」と話す保坂さん。
73歳で2時間54分48秒というエドさんの年齢別世界記録の更新が目標だ。
保坂好久さんのプロフィール
●ほさか・よしひさ
静岡県下田市出身。小松自動車に勤務した後、建設業、ファーストフード店経営、食品販売業を行う。マラソン自己最高は45歳の時に「びわ湖(1990年)」で出した2時間25分28秒。義理の息子もサブスリーランナーで、下り坂インターバルを一緒に行う練習仲間でもある。