cat_3_issue_oa-rugbyrepublic oa-rugbyrepublic_0_cf946d6f18aa_世界的スター、神戸製鋼入団会見に臨む cf946d6f18aa cf946d6f18aa 世界的スター、神戸製鋼入団会見に臨む oa-rugbyrepublic 0

世界的スター、神戸製鋼入団会見に臨む

 ニュージーランド(NZ)代表キャップ112を誇り、「世界の至宝」と呼ばれるSOダン・カーター(Daniel CARTER)が7月16日、神戸市内のホテルで神戸製鋼への入団会見をおこなった。

「日本でラグビーキャリアを終えるために来ました」
 覚悟を口にする。フランスのトップ14所属「ラシン92」から、戦いの場を日本に変えた36歳は、チームと2年契約を結んだ。

「神戸製鋼に加わるのは、初めて学校に通う時のようにワクワクしています。この素晴らしいチームで新しい歴史を創りたい」
 神戸製鋼に決めた理由を、ウエイン・スミス総監督やアンドリュー・エリス共同主将らNZ代表などで気心の知れたチームメイトや首脳陣がいたこと。さらには、トップリーグ制覇に向けたビジョンの確かさなどを挙げた。

 カーターは2日前の14日に来日。この日の午前中の練習からチームに合流した。
「体の状態はよく、モチベーションは高いです。でも、いつから試合に出るかは周りと相談してから決めたい」
 試合出場時期に関しては明言を避けた。

 国際試合(テストマッチ)の個人通算得点1598の世界記録を持ち、国際ラグビー統括機関であるWR(ワールド・ラグビー)の年間最優秀選手(MVP)に3度輝いたカーターの会見には、ラグビー界では異例のテレビカメラ8台、報道陣約50人が駆けつけた。注目度の高さを物語る。
 同席した福本正幸チームディレクターは1ファンのようによろこびを表現した。
「まさか彼の隣で記者会見に臨むとは。感無量です」

 カーターは会見のあいさつを日本語でする。
「こんにちは。ダン・カーターです。日本、そして神戸製鋼に来ることができて、本当にうれしいです。よろしくお願いします」
 新しい環境に溶け込もうとする姿勢を鮮明にした。

 神戸製鋼はオーストラリア代表キャップ114、「ミスター・オールラウンダー」の愛称を持つFBアダム・アシュリー=クーパーとともに、世界屈指の経歴を持つ2人を手に入れた。2003年度のトップリーグ元年以来、15シーズンぶり2回目の頂点に向け、準備は整いを見せている。

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cat_3_issue_oa-rugbyrepublic oa-rugbyrepublic_0_d1a908169231_ライオンズ&南ア代表クワッガ・スミス、ヤマハへ d1a908169231 d1a908169231 ライオンズ&南ア代表クワッガ・スミス、ヤマハへ oa-rugbyrepublic 0

ライオンズ&南ア代表クワッガ・スミス、ヤマハへ

2018年7月16日 12:00 Getty Images

 ジャパンラグビートップリーグ初制覇を目指すヤマハ発動機ジュビロに、南アフリカ出身のハードワーカーが加わる。ヤマハは7月13日、スーパーラグビーで2季連続(2016、2017年)準優勝となり今季もプレーオフ進出を決めている強豪・ライオンズの中心選手、クワッガ・スミスの入団を発表した。

 長くセブンズの舞台で活躍し、2016年のリオデジャネイロオリンピックで銅メダルを獲得したスミスは、2017年から15人制に重点を置きながらスプリングボックス(15人制南ア代表)を目指し、今年6月のウェールズ戦で念願の初キャップを獲得している。

 身長181センチ、体重91キロと体は小さいが、運動量豊富でスキルが高いフランカーで、ブレイクダウン、タックル、ボールキャリーなどオールラウンドで献身的に働く。

 スミスはヤマハ発動機ジュビロを通じ、「自身のラグビーキャリアの次のステップとして、ヤマハファミリーの一員となれることを光栄に感じています」とコメント。昨年10月に世界選抜の一員として来日しており、日本はとても美しい国だという印象を持ち、互いを敬う文化にも感心していたという。そして、「ヤマハのような質の高いプレーをするチームへの移籍は、選手としてさらなる成長と飛躍につながると確信しています。また、私の妻も日本での生活を心待ちにしているので、チームへの大きな貢献ができるように精一杯努力します。トップリーグで優勝できるようにベストを尽くします」と決意を述べた。

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cat_3_issue_oa-rugbyrepublic oa-rugbyrepublic_0_abfe0abc2620_サントリー26-0クボタ。両軍新人LOは「まだまだ」 abfe0abc2620 abfe0abc2620 サントリー26-0クボタ。両軍新人LOは「まだまだ」 oa-rugbyrepublic 0

サントリー26-0クボタ。両軍新人LOは「まだまだ」

 トップリーグチームのサントリーサンゴリアスとクボタスピアーズの2018夏季練習試合が7月14日、東京・サントリー府中スポーツセンターでおこなわれ、サントリーが26-0でクボタを制した。

 北海道合宿前の最終戦となった両チーム。グラウンド上は40度近い温度の中、互いにボールが滑るなど攻めきれない状況が続いた。
 前半38分、サントリーがクボタ陣内左ラインアウトからモールで押し込み、HO北出卓也が先制トライを奪う(ゴールはSO田村煕が成功)。
 前半終了前も右ラインアウトを得ると、モールからラックへ。ボールはWTB中靍隆彰に渡る。クボタディフェンスをかわしトライラインを越えた。前半は12-0で終える。
 後半、サントリー押し気味もインゴールは遠かったが、26分、31分と連続トライし、26-0で辛勝だった。

 この試合、サントリーは新人LO加藤広人(早大卒)が左LOで先発した。
 ラインアウトのジャンパーやペネトレーターとしてボールをもらい突破を図っていた。
 しかし試合後、本人は「まだまだ。フィットネスからメンタルまで全部が足りてません。通用する部分も実感がない」と謙虚だ。「今はAチームに入るのは厳しい。日々、挑戦してレベルを高めていきたい」と高みを目指す。

 一方、クボタの新人LO孫昇己(ソン・スンギ)は日大から加わった。この日は後半30分からの出場。「クボタに入り初めて頭を使うラグビーを学んでいます」という。大阪朝鮮高時代から注目されたLOだが、「ラインアウトは高校、大学とほとんど自分たちで決めてきた。クボタはチームの決め事があり、それを理解し適応することに頭を使っている」状態だ。
 ラインアウトは、これまでボールを受けるジャンパーを担当してきた。人を持ちあげるリフターの役は「初めての経験で難しい」と話す。
 クボタには同じポジションでスーパーラグビーの南アフリカ・シャークス主将、ルアン・ボタも同大会終了後、加入する。

 新人LOふたりはチーム内競争に生き残るべく、北海道で熱い夏を過ごす覚悟だ。

(文:見明亨徳)

クボタの孫昇己(右から2人目)。チームが求めるスキルを習得したい

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cat_3_issue_oa-rugbyrepublic oa-rugbyrepublic_0_7c231035aa9c_早稲田実業高・相良昌彦は客観視で生き抜く。 7c231035aa9c 7c231035aa9c 早稲田実業高・相良昌彦は客観視で生き抜く。 oa-rugbyrepublic 0

早稲田実業高・相良昌彦は客観視で生き抜く。

 今年の2月頃だったか。東京の早稲田実業高ラグビー部3年(当時は2年)の相良昌彦は、「俺、監督になるから」の言葉に驚いた。

 三菱重工相模原に務める父が、急遽、早大ラグビー部の監督に就任するという。父の相良南海夫が創部100周年を迎える伝統校の指揮官となることは、まもなくスポーツ紙などでも報じられた。

 身長179センチ、体重93キロの相良は、三菱重工相模原の元監督でもある南海夫を父に持つ。楕円球に親しい家庭で育ったので、父もプレーした早大の系列校でラグビーをするのは自然な流れだったかもしれない。

 それまでしていたサッカーを辞めて八王子ラグビースクールに入ったのは、神奈川・相模原市から東京・八王子市に引っ越した小学2年の頃だ。推薦で早稲田実業高に加わると、突破力のあるNO8として存在感を発揮。今年は高校日本代表候補の第1次メンバーに名を連ねた。身体能力のみに頼らぬランプレーについては、自らこう解説する。

「ギャップを見つけて、そこへ走ってゆく。まずラインブレイクすることを意識します。(その後、カバー役との)1対1になれば抜けるので」

 高校卒業後は、系列の早大で競技を続けようと思っている。近親者が指揮官となりそうな状況もどうにか受け入れ、「ワークレート(仕事量)の高い選手になりたい。味方が抜けたのをフォローして、それをラインブレイクにつなげたい」と理想の選手像を描く。進学希望が叶えば、名脇役が入るFLへのコンバートも検討する。サイズを鑑みてのことだ。置かれた立場を客観視できる強みは、大学ラグビー界にあっても活かされそうだ。

 6月10日、栃木・佐野市運動公園陸上競技場。相良は早稲田実高の背番号8をつけ、関東高校大会Eブロック決勝に先発。関東学院六浦高の勢いに押されて12-27と敗れたが、収穫と課題を丁寧に分析する。

 結果にただ悲観するだけでなく、「チームでは意思統一することが一番、大事だと考えています」と強調するのだ。

「意思統一がされていないと(それぞれの動きが)ばらばらになってしまう。きょうはその意思統一のために2つのテーマを決めていました。そのうちのひとつ、ディフェンスでの『圧力』はできていなかったですが、もうひとつ決めていたアタックの『サポート』で(自軍ボールの)継続ができたと思います。ターンオーバーも、あまりされなかった」

 まずは、全国高校ラグビー大会出場へ力を注ぐ。
(文:向 風見也)

息子の試合を観戦する父、早大の相良南海夫監督(中央)

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SEINAN ラグマガCUP 関東交流大会 s/b canterbury

 関東協会に所属するラグビースクールの小学生が、ラグビーを通じて交流の輪を広げる恒例の「SEINAN ラグビーマガジンCUP 関東ミニ・ラグビー交流大会2018 supported by canterbury 」が、7月15日、今年も夏ラグビーのメッカ、長野県上田市の菅平高原サニアパークにて開幕した。

 今大会には北海道から長野までの8都県から、18団体、350人を超える小学校高学年の少年、少女が参加。きれいに整備された天然芝のグラウンドを舞台に、A、Bの2ブロックに分かれて各チームがそれぞれ2試合ずつを戦った。選手たちは練習の成果を感じさせるファインプレーを随所に披露し、熱のこもった好ゲームが数多く繰り広げられた。

 大会最終日の明日16日には、残り9試合が同じくサニアパークメイングラウンドで行われる。

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マフィ所属のレベルズは8強入りならず

2018年7月16日 12:00 Getty Images

 2018スーパーラグビーのプレーオフに進む最後の切符を獲得したのは、南アフリカのシャークスだった。地元ダーバンで現地時間7月14日、アルゼンチンのジャガーズとレギュラーシーズン最終戦をおこない、20-10で勝利。この結果、シャークスは7勝1分8敗(勝点36)となって、先に全日程を終えていたレベルズ(オーストラリア/7勝9敗)と勝点で並び、勝利数も同じため総得失点差を比べることとなり、レベルズがマイナス21だったのに対し、シャークスはマイナス5で、シャークスがベスト8入りとなった。

 日本代表のアマナキ・レレイ・マフィが所属するレベルズは、前節までプレーオフ進出圏内の8位以上をキープしていたが、大事なリーグ終盤で3連敗し、2010年の創部以来(スーパーラグビー参戦は2011年から)初のプレーオフ出場を逃した。

 シャークスはミスを多発した前節から大きく修正し、堅いディフェンスでジャガーズに1トライしか許さなかった。
 前半19分にNO8ダニエル・デュプレアが危険なタックルでイエローカードを提示され、ムードを悪くしたが、数分後、モールドライブから持ち出したHOアッカー・ファンデルメルヴァが力走でゴールに持ち込み、流れを変えた。13-3で迎えた後半12分には、CTBアンドレ・エスターハイゼンのブレイクスルーからチャンスとなり、右外でパスをもらったWTBコーバス・ファンヴィックがタックルを受けながらもインゴール隅にフィニッシュし、勝利を引き寄せた。

 プレーオフに進む8チームが出揃い、準々決勝のカードが決定。
 シャークスは、トップ通過した前王者のクルセイダーズ(ニュージーランド)に挑む。
 第2シードは南アフリカ・カンファレンス首位(総合2位)のライオンズとなり、スーパーラグビー参戦3年目で初のプレーオフ進出を決めたジャガーズとぶつかる。
 第3シードはオーストラリア・カンファレンスを制したワラターズで、総合6位通過のハイランダーズ(ニュージーランド)と激突。
 そして、総合4位のハリケーンズも準々決勝はホームで戦うアドバンテージを得、5位だったチーフスとニュージーランド勢対決となる。

<準々決勝 組み合わせ>

・クルセイダーズ(NZ) vs シャークス(南ア) 
(クライストチャーチ/AMIスタジアム)

・ライオンズ(南ア) vs ジャガーズ(アルゼンチン) 
(ジョハネスバーグ/エミレーツエアライン・パーク)

・ワラターズ(豪州) vs ハイランダーズ(NZ) 
(シドニー/アリアンツ・スタジアム)

・ハリケーンズ(NZ) vs チーフス(NZ) 
(ウェリントン/ウエストパック・スタジアム)

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cat_3_issue_oa-rugbyrepublic oa-rugbyrepublic_0_f528460d674b_マフィ逮捕。最終戦後、チームメイトに暴行 f528460d674b f528460d674b マフィ逮捕。最終戦後、チームメイトに暴行 oa-rugbyrepublic 0

マフィ逮捕。最終戦後、チームメイトに暴行

2018年7月16日 12:00 Getty Images

 メルボルン・レベルズ(オーストラリア)に所属する日本代表NO8のアマナキ・レレイ・マフィが、2018スーパーラグビーのレギュラーシーズン最終戦後、チームメイトのロペティ・ティマニに暴行した疑いで逮捕され、遠征先のニュージーランドで警察に拘束されていることが明らかになった。

 レベルズは今季7勝をあげ、2010年の創部以来、初のプレーオフ進出を目前としていたが、7月14日にダニーデンでおこなわれたハイランダーズとの最終戦に37-43で敗れ、自力で悲願を達成することができず、約10時間後、9位で追っていたシャークスが勝ったため、順位は逆転してレベルズはプレーオフ出場を逃していた。

 オーストラリアメディアの『FOX SPORTS』によれば、事件はハイランダーズに敗れた夜に発生。ふたりは口論となり、マフィがティマニに暴行して怪我を負わせたという。

 オーストラリアラグビー協会は事件があったことを確認しており、他の選手はこの争いに関与していないとのこと。

 レベルズのバーデン・スティーブンソンCEOは、「我々はフィールド内外での行動を誇りにしている。シーズンの終わりにこのような事件が発生して大変残念だ」とコメントした。

 マフィは暴行容疑で起訴され、月曜日にダニーデン地方裁判所に出頭する予定。

 マフィは日本代表として22キャップを持ち、2015年のワールドカップでも活躍。今年6月のテストマッチでも奮闘し、来年のワールドカップでベスト8以上を目指す日本代表には欠かせない存在である。
 レベルズには2017年から加わり、1年目でチーム最優秀選手賞を受賞。今年のスーパーラグビーでも全16試合に先発し、ボールキャリー回数は全体で断トツの1位、大会主催者が発表するチーム・オブ・ザ・ウィーク(週間ベストフィフティーン)には5回も選出され、2年連続でレベルズMVPに値する活躍をしていた。

 一方のティマニは、オーストラリア代表として12キャップを持ち、マフィと同じトンガ出身。最終戦は後半途中から出場していた。

 ふたりが来季も一緒にプレーする可能性は低く、ティマニはフランスのラ・ロシェルに移籍する予定で、マフィはワールドカップを控えていることから、レベルズを去って日本代表と連携するサンウルブズに移るのではないかと見られている。

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cat_3_issue_oa-rugbyrepublic oa-rugbyrepublic_0_fdeb79ea1bd2_リーダー兼広報兼LO。明大・土井暉仁 fdeb79ea1bd2 fdeb79ea1bd2 リーダー兼広報兼LO。明大・土井暉仁 oa-rugbyrepublic 0

リーダー兼広報兼LO。明大・土井暉仁

 忙しいのが性に合う。明大ラグビー部4年の土井暉仁はそう言って、前主将の凄みを体現したいとも誓った。

 グラウンド内では、福田健太主将を含め計8名いるリーダーグループの一員。さらにグラウンド外では、チーム広報の仕事も任されている。他のリーダーと練習内容などについて話し合うかたわら、取材対応の窓口や撮影の立ち合いもこなすのだ。チーム始動時は、後輩と手分けしてホームページ用の部員名簿をまとめた。

「まぁ、僕自身も暇でいるよりは仕事があった方がいいタイプなので。ホームページに全部員のプロフィールを入れる時はしんどいなぁと思いましたけど、充実感はあります」

 芝の上でも渋く光る。大阪の強豪、常翔学園高出身の土井は、身長189センチ、体重107キロのLO。おもに背番号「4」を担い、目立たぬ仕事を遂行する。

 敵陣深い位置での鋭いキックチェイスで相手のエリア獲得を阻害する。肉弾戦で球に絡む相手防御を引きはがし、連続攻撃のテンポを保つ。タックルした後は素早く立ち上がり、防御網の穴を埋める。

 その姿に、ファンは以前の「4」を想起するかもしれない。

 19年ぶりに大学選手権決勝へ進んだ前年度のチームでは、当時主将の古川満が「4」をつけていた。献身的に動き回り、周りのランナーが躍動するのを陰で支えた。

 土井がイメージするのは、まさにその「ミツルさん」のパフォーマンスだという。

「去年からいるLOの選手は、全員ミツルさんを目標にしていると思います。わかる人にはわかる、LOらしいプレーをする人だったので。抜けた穴を、いま出ている選手がカバーしないとだめだと思う」

 今季の正LO候補には箸本龍雅や舟橋諒将のような突破役、外岡悠太郎、片倉康瑛といった黒子役が揃う。激しい競争のなか、リーダーの1人である土井はこうも続ける。

「舟橋、龍雅はキャリー(突進)で目立つ選手ですが、逆に僕やそっさん(外岡)、片倉は、ミツルさんがやっていたようなLOらしいプレーをしていかなきゃいけない。それはシーズンが始まってから、ずっと思っています」

 6月18日朝に起きた大阪北部地震では、土井の実家も被害を受けた。ガスが「4~5日」ほど止まり、水道水はしばらく濁っていたという。「オフだったので寝ていたのですけど、妹から電話がかかってきて。ケータイを見たら震度6と書かれていて、目が覚めました。家(建物自体)の被害はなかったですが、生活面はきつかったみたいです」。東京に残った土井は、遠く離れた家族を心配した。

 一方で、22年ぶりの大学日本一に向けた準備期間がどんどん流れてゆくことも意識する。

 関東大学春季大会Aグループでは、大学選手権9連覇中の帝京大を制するなどして初優勝を決めた。しかし、「向こうも僕らもまだ完成していない」。伝統校が集う関東大学対抗戦Aは9月から、日本一を決める大学選手権は12月からそれぞれおこなわれる。土井は5月に故障するもすっかり癒えたうえで、この夏を大切に過ごしたいと誓った。

「ピークは1月6日の選手権決勝で、この7、8月は秋、冬のシーズンに向けてチームを仕上げていく時期。4年生がもっとチームを引っ張って、レベルをもう一段、上げていきたい」

 自分たちで書き入れたというホームページのプロフィールをのぞいてみる。「土井暉仁」の欄をクリックすると、座右の銘は「一生懸命」、目標は「日本一」とそれぞれ確認できる。
(文:向 風見也)

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オールアウト。後半14人で奮闘もレッズに敗れる。

2018年7月16日 12:00 Getty Images

 2018スーパーラグビーの最終戦を勝って締めくくりたかった日本チームのサンウルブズだが、7月13日にブリスベン(オーストラリア)のサンコープスタジアムでレッズに27-48で敗れた。前半途中まで競っていたが、先週のワラターズ戦に続いて、またしてもハーフタイム前にレッドカードを受けて数的不利となり、勝利が遠ざかった。
 スーパーラグビー挑戦3年目のサンウルブズは、チーム史上最多の1シーズン3勝を挙げたものの、南半球のトッププレーヤーたちと競うタフなリーグで13敗を喫し、総勝点14で2年ぶりの最下位となった。
 レッズは5月に東京・秩父宮ラグビー場でサンウルブズ相手に惨敗していたが、ホームで雪辱を果たし、6勝10敗(総勝点28)で2018シーズンを終えた。

 先制したのはレッズだった。前半4分、強力スクラムを起点に攻めてゴールに迫り、FLリアム・ライトがピック&ドライブでトライを挙げた。

 サンウルブズはその後、SOヘイデン・パーカーがPGを2本決めて点差を詰めたが、レッズは23分、20フェイズ重ねた連続攻撃をWTBエト・ナンブリがフィニッシュし、リードを広げた。

 28分、今度はサンウルブズがチーム一体となった連続攻撃でゴールに迫ると、レッズのCTBダンカン・パイアーウアが故意の反則を犯してシンビンとなり、レフリーはペナルティトライを宣告した。13-14。

 しかしレッズはすぐにPGで加点し、32分にはFBランスがディフェンスのギャップを突いてゴールへ走り抜け、9点差とする。

 サンウルブズにとって悪い流れは続き、37分、FLエドワード・カークが密集でレッズ選手の顔面を殴ったことがTMO(テレビジョンマッチオフィシャル)で確認され、一発退場のレッドカード。サンウルブズは先週のワラターズ戦に続き、前半終盤からの残り40分以上を1人少ない14人で戦わざるを得なくなった。

 勢いづくレッズはハーフタイム前、オーストラリア代表でもあるPRタニエラ・トゥポウがパワフルに前進してインゴールに押さえ、追加点。13-29、レッズの16点リードで折り返した。

 後半早々、レッズがイエローカードを提示され、10分間だけフィールド上の人数は同数となったが、流れは変わらず、51分(後半11分)、レッズのCTBパイアーウアがFLリーチ マイケルからボールをもぎ取り、自陣から大きくゲイン、サポートしたWTBナンブリにつないで大きな追加点を挙げた。

 レッズはその後、さらに2トライを重ね、勝負あり。

 それでも、サンウルブズは最後までファイティングスピリッツを示し続け、72分、ゴール前のクイックスローインからCTB中村亮土がトライを奪い返す。日本代表主将でもあるFLリーチを筆頭にオールアウト、全力を出し切って果敢に挑み続け、75分にはジョージアから来日して仲間となったHOジャバ・ブレグバゼがゴールに持ち込み、意地を見せた。

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cat_3_issue_oa-rugbyrepublic oa-rugbyrepublic_0_ead309d0c5b5_U20遠藤ジャパンの正しき“チャレンジ” ead309d0c5b5 ead309d0c5b5 U20遠藤ジャパンの正しき“チャレンジ” oa-rugbyrepublic 0

U20遠藤ジャパンの正しき“チャレンジ”

 ロストフでのベルギーとの激闘。
 後世に語り継がれる日本代表の試合になったのは間違いないだろう。
 個人的には、丸いボールの方のフットボール取材現場から離れて久しく、今回も日本にいてネット配信された映像をライブ観戦したに過ぎなかったのだが、94分にまさに“赤い悪魔”という異名にふさわしい電光石火のカウンターを決められて8強入りを逃した瞬間に思い浮かべたのは、ほんの2週間前までフランスで密着取材を続けていた楕円球フットボールのチームのことだった。

 サッカーの日本代表がワールドカップ初戦を戦った6月19日、19日間で5試合を戦うというハードスケジュールをこなしたラグビーのU20日本代表がフランスから帰国した。
 5月30日から6月17日まで地中海に面したペルピニャン、ナルボンヌ、ベジエという南西フランス3都市で行われていたのは、ワールドラグビーU20チャンピオンシップ。20歳以下の選手たちにとってのワールドカップと言っていい大会だ。

 またも世界16強止まりとなったサムライ・ブルーに対して、ラグビーのU20チャンピオンシップはそもそも世界トップ12が集う大会。より凝縮された世界最高峰トーナメントで日本が対戦したのはニュージーランド、オーストラリア、ウェールズ、ジョージア、アイルランド。正代表の世界ランキングで言うなら1位、5位、3位、13位、2位……当然ながら、本当の世界の強豪チームばかりだった。
 最終的には5戦5敗に終わったものの、ウェールズ、アイルランドに対してはトライ数で上回りながらの惜敗(17ー18、33ー39)。そして、ジョージアには終了10分前まで10点リードしながらの逆転負け(22ー24)。日本が勝利を収めていても誰も文句を言わなかったであろう好勝負を続け、実際、目の肥えた南西フランスの人たちからの数々の賞賛を受けながらも、世界トップ11の壁を破ることはできずにフランスを後にしている。

「こいつら、バケモノ」
 FIFAランキング3位のベルギーの選手たちのことをそんなふうに表現したのは、ロシアワールドカップ開催中に7シーズン所属したインテルからの完全移籍が発表されたサイドバックだっただろうか。
 圧倒的なフィジカルとスピードの差。
 それは、21.5インチのデスクトップパソコンに映し出される平坦な映像からも一目瞭然だったが、それでも、西野ジャパンは日本にしかできない戦い方を具現化して優勝候補を追い込んでいるように見えた。
 自分たちの特徴を最大限生かす創意工夫溢れるパフォーマンス、さらにはほんのわずかの差で目標をクリアできなかった点までもが、ほぼ同時期にフランスで「本気で世界にチャレンジ」(遠藤哲ヘッドコーチ)し続けたラグビーのU20日本代表の戦いぶりとダブったのだ。

「僕らは1対1で勝つチーム」
 U20チャンピオンシップ大会開幕前日に初めて言葉を交わした時からU20日本代表を率いるFL岡山仙治主将の言動には全くブレがなかった。
 サイズもスピードも、そして、その当然の帰結としてのパワーも劣る方がどうやって1対1で勝つというのか。
 やはり大会開幕前に話を聞いた時点で、遠藤HCは日本人が1対1で勝っていくイメージを以下のように語ってくれていた。
「1対1が最初から起きていて、同じ条件でヨーイドンとなったら、重たくて速い方が勝つだろうが、そうではなくて、最後までどこからがヨーイドンかわからなくて、最後にヨーイドンとなる局面をつくれば、集中力やキメの細かさとか、日本人にしかできない伝統工芸ができる。最後の最後まで2オプションを持ちながらプレーを続け、実際にはボールはひとつなので最後にワン・オン・ワンになるイメージ」

 ワールドカップ開幕まで2か月に迫った時点で指揮官が交代し、西野朗監督が率いるかたちとなったサッカーの日本代表。ロシアからの映像で判断する限り、このチームは日本人の特徴を生かしながら相手の特徴を消していくうまい戦いをするチームだったなと、門外漢な指摘をしてもそう的外れではないのではないか。

 一方、フランスで密着したラグビーU2O日本代表の場合、日本人の特徴を生かしながら世界で戦っていく指針としてQLD(キュー・エル・ディ)というキーワードが存在していた。
 Quickness(敏捷性)、Lowness(低さ)、Details(細部へのこだわり)という3つの英単語の頭文字を合わせたものだ。

 2年前のU20チャンピオンシップでも日本は今回同様5戦5敗で12位となり、降格を余儀なくされている。
 ただし、数年にわたって同大会を取材してきている唯一の日本人報道関係者として絶対的に書き記しておきたいのは、同じ5敗でも、前回と今回ではその中身が全く違うということ。
 世界と戦うチームとして圧倒的な成長が見られたことは、前述のとおりワールドランキング2、3位を相手にトライ数では上回る互角以上の戦いをしてみせた事実を挙げるだけで明らかだろう。

 遠藤HC同様、2年前の降格時に「世界の壁」を実感した経験を持つ里大輔S&Cコーチの以下のような証言が、世界で戦えるU20日本代表としての如実なベースアップを物語ってもいる。

「近場での加速能力と瞬間的に相手に対して垂直に力をかけるコンタクト。その身体操作に関しては、2年前に大きな差を感じた部分だったが、U17、U19代表とも連動して強化に取り組んできた結果、今回はすごく大きな成果が出た。加速、アクセルに重きを置いたトレーニングを積んで、U20世代における世界基準のアクセル回数をほぼ全員がかなり大きく上回るようになり、(ディフェンス局面などで)全員が揃って美しく前に出られるようになった。接点の部分でも、明らかに軽くて、遅い日本の選手たちが、しっかり突っ張り棒になるようなかたちで相手に刺さるというシーンが何度も見られて、通用する手応えをつかんだ」

 167センチ。小さなジャパンチームの中でも最小サイズながら常に体を張り続けるプレーぶりで5試合全てフル出場し、自らの存在でチームを引っ張り続けた岡山主将の世界で戦える実感も紹介しておこう。

「1対1で勝つラグビーというのを突き詰めてきて思ったのは、僕らでもこういう相手に対して1対1で全然負けてないということ。デカさ、小ささは関係ないというのがわかった」

 ちょうど20年前。当時はU19カテゴリーだった前身大会であるジュニア・ワールド・チャンピオンシップに選手として参加した経験を持つ今村友基アシスタントコーチは、「フィジカルで負けたという感覚は、選手は持っていないと思う。自分たちの時のようなひ弱さは全くないし、1試合1試合確実にレベルも上がった。これを何らかのかたちで続けていければ、彼らが3年後、4年後、フル代表になった時に十分戦える力はついていく」と、日本のユースチームの成長ぶりに関して、感慨深く述懐する。
 幸運なことに、奇しくも同じフランス開催だった20年前の世界大会も直接取材した身としても、全くの同感だ。

 遠藤ジャパンでも、西野ジャパンでも、実際に世界トップと対峙した選手とそれを支えたスタッフは、自分たちの進んでいる方向性が間違っていない確信と、その一方でそうやすやすとは超えさせてくれない世界の壁の高さ・強固さを改めて痛感していることだろう。

 勝ち切るチャンスは間違いなくあったが、そのチャンスを生かし切る絶対的な経験値が不足していたことは否めない。
 ベルギーに決勝点を決められたカウンターアタックのように、チームとして細心の注意を払いきれなかったことが致命傷につながったシーンはU20チャンピオンシップの各試合にもあった。
 後半7分の時点で2-0とリードした西野ジャパンが、大型選手を投入して「本気になった」ベルギーに対して、2点リードを守り切る術を持ち合わせていなかったのと同じように、後半30分の段階で10点をリードしていた遠藤ジャパンも、最後の10分間で自分たちが持っているもの全てを出し切って日本を潰しにきたジョージアの決死のアタックを受け止めて、試合を勝ち抜くだけのたくましさはまだ持ち合わせていなかった。

 そういう意味では、遠藤ジャパンも、西野ジャパンも、負けるべくして負けたのは確かなのだ。

 必死に背走しながらも赤い悪魔たちの圧倒的なスピードに追いつけず、そのまま芝生に突っ伏しながらこぶしを地面に叩き続けて号泣した昌子源も、最後のアイルランド戦の後のハドルで「後悔はないけど、みんなを勝たせてあげられなかったことが悔しい」とチームメイトに語りかけた岡山仙治も、「次やった時に勝つ」ためには何が必要か完全に体得したと思う。

 今回目標に届かなかったとしても、「世界で勝てる」実感を伴った敗戦には価値があるし、その価値ある敗戦を生かすことこそ、「本気でチャレンジした」者たちだけが得られる絶対的な権利であり、ある種の義務でもあるのだ。
(文:出村謙知)

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