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かくして無軌道なタレントが生まれる芸能界というシステム

2018年5月5日 16:00 NEWSポストセブン

 何かの犯罪が起きたとき、容疑者を知る人のコメントとしてよく登場するのが「そんな人には見えなかった」である。逆にいえば、意外な人が犯罪者になることは珍しいことではない。身近な人でもそうなのだから、直接、知ることがない有名人であればなおさらだ。ところが、芸能人の場合は、ドラマなどで演じる通りの善人のはずと思われることがある。この思い込みを利用した犯罪や、犯罪まがいの行為について、ライターの森鷹久氏がレポートする。

 * * *
 性犯罪やセクハラなどが明るみに出るたび、被害者に落ち度があった、何か別の目的のための作為が働いているという思い込みを声高に主張する人が後を絶たない。加害者が社会的地位や知名度を持っている場合はその傾向がとくに強く、インターネット、SNSの普及にあわせるかのように、みずからの認知の歪みを、被害者を貶めてまで正義だと強弁する人がいなくならない。

 高級官僚であれ、人気の芸能人であれ、まったく失敗しない人生を歩む人はいない。それに、彼らが世間に見せているのは仕事の上での顔だけ。人間は仕事や外向けの顔だけで成り立ってはおらず、もっと複雑なものだ。ところが、一面しか見ていない人物のことを、なぜか人間性すべてを知っているかのように錯覚してしまう人たちがいる。とくに、イメージをコントロールすることも仕事の一つである芸能人については、惑わされる人が多い。

 その幻惑のテクニックが、タレントやアーティスト、俳優としての技量の上で成立しているのであれば、まだ歪みは小さいだろう。だが現実には、彼らの動向を報じるメディアの「忖度」と、忖度されるのを当たり前と考える一部の芸能人や芸能事務所、それを拒否できないメディアという、堂々巡りの構造的な問題が存在するのだと大手紙の芸能記者が指摘する。先日、未成年への強制わいせつで書類送検された、TOKIOの山口達也をめぐる報道にも、その過剰な「忖度」が浮かび上がっていた。

「彼が”容疑者”ではなく”メンバー”と報じられたことについては、書類送検だけで逮捕になっていないことなど複数の解説がありましたが、”メンバー”をつける意味が分からない。今回、よく説明されているルールの通りに報じるなら、同じ事務所で以前、現行犯逮捕されたタレントの事件でも”メンバー”となっていたのはおかしい。結局、ほとんどのメディアが芸能事務所に”忖度”したのは間違いないでしょう。同事務所に所属するアイドルは、パフォーマンスの力があって、起用すれば高い数字(視聴率や販売数)が取れる人が何人もいる。だから、事務所に嫌われるような報道はしたくない」

 4年前、大手芸能事務所に所属していた小泉今日子が「私みたいに事務所に入っている人間が言うのもなんだけど、日本の芸能界ってキャスティングとかが”政治的”だから広がらないものがありますよね」と雑誌インタビューで発言して話題になったことがある。日本ではテレビ番組や映画など、芸能人を必要とする企画が、出演者ありきで決定されることが少なくないため、事務所の政治力によって誰が出演するかが決まることが多い。

 このような方法で演者を決めていると人材の新陳代謝が難しいため、海外の映画やドラマでたびたび見かける、オーディションによって抜擢された新人が力を発揮して人気者になるという現象が、日本では滅多に起きない。政治的なパワーバランスで様々なことが決まってゆく。そのバランスを崩さないため、メディアは過剰な”忖度”をしつづける。たとえば、新人が過剰な持ち上げられ方をするときには、一足先にその力を知るメディア関係者にファンを増やしていることもあるが、実は事務所の政治力を背景にした”忖度”が働いていることも少なくない。とくにトラブルが起きたとき、それは効力が発揮されている。

「事務所のタレントがトラブルを起こしたとき、ニュースにしないでほしいとにおわせることはよくあります。はっきりお願いされなくても、担当者が忖度して口をつぐむ。そうすれば、ほとんどのトラブルは公になりません。事務所にとってもメディアにとっても、トラブルを起こしたタレントが連続ドラマやCMに出ている場合、コトが詳らかになれば金銭的ダメージが大きいとか、事務所やスポンサーの評判にかかわるとか、そんな理由です。きわめて身勝手な理屈ですが」(同前)

 もちろん、そんな勝手な理屈でお願いをする事務所ばかりではない。社会的に許されないことを起こした所属芸能人に対して、厳しい態度で反省と更正を促す事務所もある。ところが、一般的な倫理観や法律よりも、現在のビジネスを継続させるために、自分たちの政治力を駆使する事務所がある。そしてお願いをにおわせ、担当者が忖度をする、といったやりとりが続いたことで、一部の芸能事務所に所属するタレントや俳優は神格化されたともいう。

「本当は何度もトラブルを起こしていても、表向きはスキャンダルの気配すらなかったことにされるため、一部のタレント、アイドルたちはいかにも”きれいなもの”と視聴者や読者に映ります。イメージをコントロールしてもらっていると本人や関係者に自覚があれば、まだよいのですが、勘違いして、何をやっても許されると独自解釈する芸能人が多く作り出されてしまっている側面もある。視聴率や動員数、販売数などの”数字を持っている”彼らに対し、今のマスコミはまったく批判や検証をしません。発表される内容を、そのまま報道するだけです」(同前)

 こうした互助関係が、さらなる歪みを呼び込む。キー局の人気番組APがその実情を明かす。

「マスコミと事務所が作り上げた芸能人の幻に憧れる、判断力の乏しい若い子達が、食い物にされることがある。駆け出しのモデルやタレントたちは有名な芸能人に近づけたり、一緒に仕事ができるだけで大いなる自信にもなりますが、言うことは何でも聞くような状態になることも。ひどい場合になると、酒を飲まされて性虐待を受けても”被害”とは感じないどころか、誇りや勲章とすら感じるほど普通の考え方ができなくなってしまう。気づいたときにショックを受けて立ち直れなくなることも」

 写真週刊誌のカメラマンも、以前体験した不可解な出来事を述懐する。

「大手事務所に所属するアイドルが、未成年でありながら西麻布のバーで飲んでいるところを撮影しました。その場にいたのは、アイドルが所属する人気グループのほかのメンバー、さらにはこちらも未成年だった当時人気のAV女優です。後にAV女優が、メンバーらに無理矢理に酒を飲まされた上に乱暴されたとして警察に被害届を出そうとしたのですが、事務所側がAV女優に金を握らせて黙らせたと聞きました。事件化されず、私が撮影した写真も”買い取られて”しまい、報じられていません。一方でメンバーらは”AV女優のくせに”とか”俺らと遊べてうれしかったくせに”などとうそぶいていたのです。まるで自分が王様にでもなったような振る舞うので、テレビ関係者などからは嫌われていますが、数字が取れるし、事務所との関係もあり今も第一線で活躍する”アイドル”ですが、AV女優は引退を余儀なくされ、消えました」

 強大な権力と影響力によって守られた事務所やグループに所属するアイドルやタレントたちは、自らが何か不祥事を起こしても、黙っていても周囲が守ってくれるし、敵も排除してくれるため、いつまでたっても自身の愚かさ、反社会性に全く気が付かない。そして、無軌道ぶりをエスカレートさせていく。

 ところ変わって、東京・渋谷にある若い芸能人御用達の会員制バー。若い女性を中心に人気の男性歌手が、ベロベロに酔っぱらい、未成年と思われる女性を連れてやってきた。バーの関係者によれば、所属するグループの男性歌手ら数人と、毎週のようにやってきては乱痴気騒ぎを繰り広げているのだとか。カーテンで仕切られたビップルームの奥から、件の男性歌手の大声が聞こえてくる。

「これからは俺の……うちの事務所の時代だよ!!テレビも雑誌も、俺ら無視しちゃやっていけなくなんだからよー!」

 この男性歌手もまた、虚像に夢を見出した若者なのか。さらに”芸能”という世界の不条理の陰で泣き寝入りを強いられる被害者を非難する大衆もまた、その虚像に惑わされていることに全く気が付かない。このいびつな世界の異常性は、いつ白日の下に晒されることになるのか。「芸能界なんてそんなもんでしょ」などという、思考停止状態な人々が一人でも減ってほしいと思うばかりだ。

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cat_1_issue_oa-newspostseven oa-newspostseven_0_8b120089f538_「港区おじさん」より「埼玉おじさん」 前向き解釈が得意 8b120089f538 0

「港区おじさん」より「埼玉おじさん」 前向き解釈が得意

2018年5月5日 16:00 NEWSポストセブン

「港区」にはある種の魔力がある。だが、自分を見失うべきではない。大人力を追求するコラムニスト・石原壮一郎氏が指摘する。

 * * *
 何となくいけ好かない「港区女子」とともに、というかセットで話題を呼んでいるのが「港区おじさん」です。カネにものを言わせたその独特の生態には、驚きと半笑いを禁じ得ません。提唱している大元である『東京カレンダー』のWEBサイトでは、港区おじさんをこう定義しています。

〈港区女子は、それ単体では存在し得ない。彼女たちの影には、太陽と月の如く、欠かせない相手がいる。-港区女子を生み出しているのは一体誰なのか その正体は、“ありあまる富”を持つ、港区おじさん。〉

 港区おじさんの生態を描いたシリーズ動画「一分港区おじさん」は、毎週更新中で大人気。見始めると続けて見てしまって、そのマヌケさに笑ったり時には不覚にも泣いたりしてしまいます。そのうちだんだん、港区女子や港区おじさんが好きになってしまいそうになるのが、動画の怖いところ。自分を見失わないように気を付けましょう。

 港区おじさんになるには、女性におごりまくるだけの“ありあまる富”が必要なだけでなく、下心のなさも不可欠だとか。富の時点で大半のおっさんには関係ありませんが、見返りを求めないという高尚な境地に達することも、あまりに無理すぎる相談です。もしわずかでも、港区おじさんに憧れる気持ちや目指そうという野望があるなら、今すぐ捨て去りましょう。あれは、遠くにありて笑うものです。

 富が控え目なわりには下心はたっぷり──。そんな我々凡人のおっさんが目指すべきは何か。それは「埼玉おじさん」です。けっして負けおじさんの遠吠えではなく、埼玉おじさんには港区おじさんにはないアドバンテージやメリットが山ほどあります。ちなみに先日の「練馬区女子」と同様、ここでいう「埼玉おじさん」はあくまで概念で、生息エリアが埼玉である必要はありません。千葉県でも川崎市でも豊島区でも荒川区でも、何だったら港区でも大丈夫です。

 埼玉おじさんは、いい感じに発展する可能性がまったくない女性や、ましていっしょにいる女友達の分までお会計を引き受けるなんてことは、絶対にしません。カッコつけたいのは山々ですが、それをしたら向こう半年は霞を食って生きることになります。

 おごるのは、魂胆がはっきりしているときのみ。もちろん、いたずらに高い店に行ったりなんてしないので、深い傷を負うこともありません。相手の女性としてもこっちの意図を汲み取りやすいため、面倒な駆け引きに腐心することなく、頃合いを見てYESかNOかをはっきり表明してくれるでしょう。そこはいわば、埼玉おじさんのやさしさです。

 ま、ほぼすべてのケースはNOの表明ですけど、日々の長距離通勤の満員電車で逆境には慣れている埼玉おじさんは、そんなことで凹んだりはしません。人生のいたるところで妥協してきた経験もあるので、すべてを前向きに解釈するのも得意です。「素敵な女性といっしょに飲めただけで十分」「男としての経験値が上がった」ぐらいに思って余韻に浸れば、いつもの埼京線や東武東上線がバラ色の空間になってくれるでしょう。

 港区おじさんにはけっして真似できないのが、埼玉おじさんのストライクゾーンの広さ。港区女子的なキラキラ感や輝く若さなんて必要ありません。いろんなタイプ、いろんな年代の多くの女性に、魅力やときめきを感じて存分に妄想を抱くことができます。男としてどちらが本当の意味での勝ち組か、もはや比べるまでもないでしょう。

 万々が一、港区女子っぽい女子と縁があったとしても、グルメサイトのクーポン券を使ったら引かれそうな相手となんて、いっしょに飲み食いしたくありません。その点、埼玉おじさんにやさしくしてくれるような女性は、そんな堅実な部分に感心してくれるはず。「この人なら、私のことも大切にしてくれそう」とも思ってくれそうです。

 女性にアプローチするときには、渋い口調で「ぼくは港区おじさんにはなれないけど、○○(自分の居住地)おじさんとして、せいいっぱい頑張るよ」と言ってみましょう。無駄に背伸びをしようとしないところに、身の程を知っている賢明さや、あるいは大人の潔さや深い自信を感じ取ってくれる……かもしれません。

 勝手に決めつけていろいろ書いてますけど、巧みに勝負を避けつつの自己肯定こそがおっさんの得意技であり、強く生きていくための秘訣です。生き方もすがりつく幻想も人それぞれ。港区おじさんも埼玉おじさんも、お互いにがんばりましょう!

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福岡の有名建築物の地震対策、今後の計画・対応

2018年5月5日 16:00 NEWSポストセブン

 今年3月に東京都が公表した大規模建築物の「耐震診断結果」は、多くの人々に衝撃を与えた。「震度6強以上で倒壊、崩壊する危険性が高い」と判断された建物に、有名な商業施設や大病院が多数含まれていたからだ。

 この「耐震診断結果」は他の自治体も公表しているが、東京都のように倒壊・崩壊の危険性がある建物を「Is」値(壁構造や柱の強度、経年変化も考慮した診断結果)など各種指標を用いて3段階に分類するような結果にはなっておらず、一般の人には「その建物がどの程度危険なのか」を判断することは困難だ。

 そこで本誌・週刊ポストは一級建築士らの協力を得て、建築物のすべて、または一部が「震度6強以上で倒壊、崩壊の危険性が高い(I)」と判断された建物(幼稚園、学校、住宅、工場等を除く)のうち、Is値が低いものをリストアップした。

 ちなみに、Is値は数値が高いほど“頑丈”とされ、「0.6以上」なら倒壊・崩壊の「危険性が低い(III)」、「0.3~0.6未満」は「危険性がある(II)」、「0.3未満」は「危険性が高い(I)」と判断される。

 値の低かった全国の建物の中から、福岡市(福岡県)の有名建物を徹底調査。今後の対応策も含めた各施設の声を紹介する。

●原土井病院(1967年~)

●南天神パーキングビル(1976年~)

●中洲セントラル第5ラインビル(1980年~)

●福岡大学病院(1973年~)

●ベルクラシック福岡大濠(1978年~)

※( )内は竣工年。登記で竣工年が不明なものは、所有者もしくは運営者の回答を記載。

 50年以上にわたって地域医療を支えてきた原土井病院はこう説明する。

「他の病棟は耐震構造になっていますが、福岡市から指摘があった本館棟は、受付などがある一番古い棟です。以前から建て替えの計画がありましたが、工事中も診療を止めるわけにはいかず、容易には話が進みませんでした。来院される方々にご安心していただけるよう、今後、しっかり計画を進めていくつもりです」(事務部長)

 診断結果の公表で、想定外の事態も起きている。第5ラインビルのテナント仲介業務を行なう不動産会社代表が話す。

「市の公表後、基準値を下回ったビルのオーナーが、一斉に耐震化に着手したため、業者に耐震設計を依頼しても忙しくてなかなか応じてもらえないそうです」

※週刊ポスト2018年5月4・11日号

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cat_1_issue_oa-newspostseven oa-newspostseven_0_8a474df9693a_スパガ渡邉幸愛 砂浜で横たわり絶品くびれ際立つ 8a474df9693a 0

スパガ渡邉幸愛 砂浜で横たわり絶品くびれ際立つ

2018年5月5日 16:00 NEWSポストセブン

 アイドルグループSUPER☆GiRLSの渡邉幸愛(20才)が、4月27日にBlu-ray・DVD『はじめまして、こうめです。』(リバプール)をリリース。イメージデビューを果たした。

 初イメージは、初グアムで撮影。「彼氏と南国デートを満喫する」といったシチュエーションで描かれているため、近い距離で甘い時間を過ごしている気分を味わえるのが魅力だ。「可愛すぎる困り顔」とも呼ばれる彼女。こちらを見つめる表情は何ともアンニュイで、あどけない。ドキドキしながら接近戦を楽しむべし!

 もちろん、カラダにも注目。とくに引き締まったくびれは絶品で、ずっと眺めていたくなる。ピンクベージュのビキニを着たビーチのシーンや、赤いビキニで横たわる室内のシーンなど、さまざまな場面で拝むことができるので、そのラインに見惚れてほしい。

 幼少期より芸能活動をしている渡邉。「REX」「B♭」「Party Rockets GT」というユニットでパフォーマンスを磨き、2014年に現在在籍しているSUPER☆GiRLSに加入した。2016年以降は、グラビアのほか女優としての活動も本格始動。舞台版『ReLIFE/リライフ』や、ドラマ・映画『咲-Saki-』などに出演している。

 今後の活躍も楽しみな渡邉。いろんな分野での「はじめまして」を期待したい。

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cat_1_issue_oa-newspostseven oa-newspostseven_0_cfad2821831e_犬を飼ってる人は飼ってない人に比べ、死亡リスク33%軽減 cfad2821831e 0

犬を飼ってる人は飼ってない人に比べ、死亡リスク33%軽減

2018年5月5日 13:00 介護ポストセブン

 高齢者がペットを飼うには、クリアしなければいけない問題が多いのが現状だ。しかし、高齢者がペットと暮らすメリットは、科学的にも証明されている。具体的にどんな効果があるのか、最新の研究結果と共に紹介する。

 

◆犬を飼っている人は、活動レベルが高い

 
 2017年11月、イギリスの科学雑誌サイエンティフィック・リポーツに「犬を飼うと心血管疾患や死亡リスクが低下する」という研究結果が発表され、話題となった。

特にひとり暮らしの場合、犬を飼っている人は、飼っていない人に比べて死亡リスクが33%、心血管疾患関連の死亡リスクが36%も低減する可能性があるという。

 その理由として、犬を飼っている人は、犬の散歩に出かけるなど、活動レベルが高いことが挙げられていた。
 

◆動物と触れ合うことは認知症ケアに

 
「肉体的なことに限らず、ペットとの触れ合いには、さまざまなメリットがあります」と話すのは、日本アニマルセラピー協会理事長の高松雅行さんだ。特に高齢者への影響は大きく、同協会では高齢者施設などに犬を派遣する活動を行っているという。

「動物と触れ合うことで会話や笑顔が増え、表情が豊かになるんです。そのため、認知症ケアにもつながるといわれています」(高松さん)
 

◆医療現場にも取り入れられている「アニマルセラピー」

  
 このように、動物との触れ合いを通じて、生活の質の向上や病状の緩和を目指す療法をアニマルセラピーという。

「セラピーというと単なる“癒し”と思われがちですが、本来は治療・療法という意味。最近では、その効果が認められ、医療現場でも実績を上げています」(高松さん)

 訓練をうけたセラピードッグが、国立病院の緩和ケア病棟を訪問してリハビリの手伝いや、場合によっては患者の緊張感を解くため、手術室まで同行しているという。
 

◆動物を触れ合うと幸せホルモン・オキシトシンが分泌される

 
 ではなぜ、動物との触れ合いに癒し効果があるのか? それには幸せホルモンと呼ばれる“オキシトシン”が関係している。オキシトシンは女性ホルモンの一種だが、年齢・性別に関係なく、ペットなどに触れて“かわいい”“愛おしい”と思った時に分泌されるという。

「オキシトシンには、不安を和らげ、幸せな気持ちにさせる働きがあります。さらに免疫力が高まるともいわれていて、実際、ペットと暮らしている人は、ペットを飼っていない人より、年間20%前後、病院に行く回数が減ったというデータもあるほどです」(高松さん)

 ペットとの暮らしは、肉体的・精神的にもプラスに働くことが多いようだ。

※女性セブン2018年5月10・17日号

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cat_1_issue_oa-newspostseven oa-newspostseven_0_8486c93d5ca0_平成に高額だと批判された大嘗祭 費用抑制を意識し簡素に 8486c93d5ca0 0

平成に高額だと批判された大嘗祭 費用抑制を意識し簡素に

2018年5月5日 07:00 NEWSポストセブン

 新天皇が2019年5月1日に即位後、最初の新嘗祭(にいなめさい)となる「大嘗祭(だいじょうさい)」は、皇位継承の最も重要な祭祀と位置付けられる。

 近世までの慣例などを踏まえ、平安時代の延喜式に記された「旧暦11月の2回目の卯の日」に当たる2019年11月14~15日に行なわれることが予定されている。

 前回は即位礼正殿の儀と大嘗祭の間隔が10日しかなく、天皇の負担が大きかったが、今回は新天皇の負担軽減を考慮して22日間空けられた。皇室問題に詳しい京都産業大学名誉教授の所功氏が言う。

「大嘗祭は神道形式をとるため前回同様、政教分離の原則に配慮して国事行為としません。『皇室の公的行事』として皇室の伝統的な祭礼が厳粛に行なわれる形です。しかも皇位の継承と不可分の公的性格の強い一代一度の大行事だから、経費は宮廷費を充てる必要があるのです」

 平成への代替わりでは、即位儀式に関連する支出が政府全体で約123億円にのぼり、「高額だ」と批判の声も上がった。元宮内庁職員で皇室ジャーナリストの山下晋司氏がいう。

「今上陛下も皇太子殿下も普段から、“華美にならないように”というお考えをお持ちですから、費用の抑制も意識されていると思われます」

「平成の終わり方」と「新時代の始まり方」には、代替わりに携わる人々の姿勢も問われている。

※週刊ポスト2018年5月4・11日号

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cat_1_issue_oa-newspostseven oa-newspostseven_0_e20b632bc3f4_学歴フィルターの有効性に疑義 受験秀才は画一思考の欠点 e20b632bc3f4 0

学歴フィルターの有効性に疑義 受験秀才は画一思考の欠点

2018年5月5日 07:00 NEWSポストセブン

 就活シーズンまっただ中のいま、リクルートスーツに身を包んだ学生たちの姿をあちこちで見かける。超売り手市場といわれるだけあって、学生たちの表情は明るい。しかし、だれにも希望する就職先への門戸が開かれているわけではない。いわゆる「学歴フィルター」が存在しているからだ。同志社大学政策学部教授の太田肇氏が、改めて学歴フィルターの有効性を問う。

 * * *
 企業が新卒採用にあたり、いまだに学歴フィルターに頼っている現実があることは、学生にとっても周知の事実である。旧帝大や早慶などを筆頭にした大学ランクがあり、例外はあるものの有名企業、人気企業ほど高いランクの学生に絞って採用しているのが実態だ。

 企業にとって、かつては大学の偏差値に基づくフィルターが有効だったのは間違いない。明治以降、そして戦後加速したキャッチアップの時代には、先進国の技術やビジネスモデルなどをいち早く取り入れ、自社に応用することが企業の成長と繁栄につながった。それに適した人材が、いわゆる「受験秀才」だったのである。

 また幅広い知識を備え、それを応用して効率的に正解へ導く能力や、逆境・悪条件のもとでも頑張って仕事を成し遂げる精神力も、大学の偏差値とかなりの相関が高かった。したがって偏差値の高い大学の学生を採用しておけばよかったわけである。

 しかし、IT化やグローバル化の波が押し寄せた20年ほど前から状況は変化している。

 まず、価値の源泉が物質すなわちハードウェアから、技術や知識のようなソフトウェアに移り、情報が瞬時に伝播するようになるとともに、世界の企業が横一線で競争する時代に入った。そして、「キャッチアップ」という言葉さえ死語になってしまった。

 またIT化の進展により、多くの業種や職種で定型的な仕事が大幅に減少した。同時に一般的な知識を応用し、迅速に正解へ導く能力もコンピュータにお株を奪われていった。

「これからは高度な専門的知識や論理的思考力こそが大切だ」という言説が広がり、大学教育でも専門的知識を身につけさせたり、論理的思考力養ったりすることを重視するようになった。
 

◆学歴という能力の代理指標が使えない時代に

 
 ところがITがさらに進化し、AI(人工知能)の時代に突入しつつあるいま、様相はさらに変化しつつある。人間に求められる能力や資質はもちろん、思考パターンや行動様式まで大きく変わろうとしているのである。

 たとえば専門的知識はもちろん、それを応用することや論理的思考はAIの得意とするところだ。そのため医師、弁護士、会計士といった高度な専門職の仕事さえ、かなりの部分がAIに取って代わられようとしている。

 端的にいえば因果のプロセスが明確でパターン化できる仕事は、やがて消滅する運命にあるのだ。そうすると、これまで通用した学歴や資格のような能力の代理指標(経済学でいうシグナル)もだんだんと使えなくなる。

 裏を返せば、AI化が進んでも因果のプロセスが不明でパターン化できない仕事ほど長く生き残るはずである。それを支えているものは、直感や感性、ひらめき、発想力といった人間特有の知的能力である。

 これらの能力も知識や経験と無関係ではないが、正体不明の部分が大きいため、学校教育で体系的に身につけさせようとしても限界がある。また、それをあらかじめ評価したり、判定したりすることも難しい。開き直ったようないい方になるが、実際に仕事をやらせてみなければ優劣がわからないのである。

 いずれにしても、それらの能力と学歴、偏差値との相関はかなり低い。近年、高学歴のエリート社員が仕事で成果をあげられず挫折するケースが増えているといわれるが、本格的なAI時代到来の前兆かもしれない。

 それだけではない。逆に「受験秀才」は思考様式や行動パターンが画一化されがちだという欠点がある。

 最近発表されたある研究では、大企業の研究開発技術者の思考内容が所属する企業の枠を超え酷似していることが明らかになっている。それが日本企業から画期的な新製品やブレークスルーが生まれなくなってきている一因ではないか、というわけだ。また高級官僚や大手メーカーで続発する不祥事を見ていても、その手口や対応のお粗末さがあまりにも似通っていると感じる人は少なくなかろう。
 

◆むしろ非高学歴層にねらいを

 
 こうしてみると、「学歴フィルター」は少なくともその有効性が疑わしくなっている。

 とはいえ、なかには高学歴でかつAIに代替されない能力も優れた、本物のエリートもいる。就職人気ランキングの上位にくるような超一流企業は、そうした本物のエリートを多数獲得している。しかし企業の人気度が下がるほど、そのような人材は少なくなる。それでも多くの企業は「学歴フィルター」を通して偏差値が高い大学の学生を採ろうとする。

 しかし、そこに残っているのは、いわば「上澄み」をすくわれたあとの学歴エリートたちだということを見落としてはいけない。だとしたら大多数の企業にとっては、彼らの中から採用するより、「学歴フィルター」で門前払いにあった人材のなかから優秀な人材を採るほうが得策だということになる。

 問題は、そうした人材をどうやって発掘し、育てるかである。すでに述べたとおり直感、感性、ひらめき、発想力といった能力はその性質上、直接身につけさせることも、評価させることも難しい。

 唯一の方法は、実践をとおして自ら身につけるようサポートし、仕事の成果やプロセスをとおして能力を見極めることである。インターンシップがそのための有効なツールになることは間違いない。

 もっとも、これまでわが国で行われてきたものより質・量ともに充実させなければならない。

 ちなみに私が顧問を務める人材育成の会社では、非高学歴者がAI時代に勝ち残れる能力を備えた「ネコ型人材」(※注/自由奔放で自発的に行動できる人。太田氏が命名)に育つためのインターンシップ・プログラムの開発に挑戦している。かりに成功すれば、旧態依然とした学歴主義に小さいながらも風穴を開けられるのではないかと期待している。

 大学の偏差値と仕事能力のギャップは開く一方である。にもかかわらず大学入試という選別システムにいつまでも企業が寄りすがっているのは、なんとも情けない話だ。そろそろ学歴にとらわれない採用に本腰を入れてもよいのではないか。

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cat_1_issue_oa-newspostseven oa-newspostseven_0_ec97f9278c3f_北朝鮮外交に巻き込まれるな 安倍首相は「高みの見物」を ec97f9278c3f 0

北朝鮮外交に巻き込まれるな 安倍首相は「高みの見物」を

2018年5月5日 07:00 NEWSポストセブン

「今こそ日本には、朝鮮半島に関わらない戦略が必要」──朝鮮半島を長きにわたり取材・分析してきた東京通信大学教授の重村智計氏は、こう断言する。

 * * *
 3月に行われた中朝首脳会談の実現を「金正恩外交の大成功」と評価するのは間違いだ。中国外務省の公表文を丹念に読むと、金正恩・朝鮮労働党委員長が習近平国家主席に対し、「これまで中国を訪問せず申し訳なかった」と謝罪する様子がうかがえる。

 つまり、3月末の訪中は金正恩の「お詫び行脚」であり、困り果てた北朝鮮が最後の最後に中国に泣きついたのが実情なのだ。

 中国としては、米国のトランプ大統領が貿易問題で「敵対政策」を表明したことへの対抗手段として、金正恩の電撃訪中を受け入れた。一方のトランプは、自身のスキャンダルから国内世論やメディアの関心をそらすため米朝首脳会談に即座に応じた。

「世界各国の指導者は国際平和のために理想を掲げて日夜努力している」と信じるのは、とんだ思い違いである。国際政治においては、みな自国の利益しか考えず、外交を国内問題の回避に利用するのが常だ。

 金正恩が習近平に泣きついたのは、国連や日米による制裁で北朝鮮が困窮したからだ。北朝鮮の軍隊は世界で最も石油の少ない軍隊であり、今年の制裁が実行されれば年間の軍事用石油は40万tに減る。戦争をしない日本の自衛隊でも年150万tの石油を消費しており、彼我の燃料差から北朝鮮軍が「戦えない軍隊」であることは明白だ。

 制裁の効果は着実に出ている。黙っていれば北朝鮮のほうがアクションを起こすだろう。来る米朝会談は「核放棄」「在韓米軍撤退」「米朝平和協定締結」「制裁解除」という4つのカードをめぐる困難なやり取りになり、決裂も十分予想される。すると北朝鮮は、「助けてくれ」と日本に泣きついてくるはずだ。

「日本置き去り」論に警戒すべきもう一つの理由は、この機に便乗してカネ儲けを企む工作員(エージェント)の存在である。彼らは、“外交素人”の政治家に「私が平壌とつなぎます」「首相の訪朝を実現します」と巧みに取り入り、カネをせしめようとする。

 日本の政治家は、与野党が裏で握って法案を通す“国会対策政治”に慣れ切っている。外交においても〝国対政治〟の感覚が抜けず、北系団体や運動組織にカネをバラまけば日朝交渉がうまくいくと考えてしまう。だから「北とつなぎます」と寄ってくるエージェントにコロリと騙される。

 実際に民主党の野田政権時代、「拉致被害者を帰国させる」と売り込むエージェントが現れて、日本政府が訪朝のためのチャーター機を羽田空港に準備したことがある。最終的に北朝鮮サイドの合意が得られず実現しなかったが、この時、官房機密費から億単位のカネがエージェントに流れたと言われる。

 北朝鮮の件なら日本政府はいくらでもカネを積むという話はソウルの脱北者の間でも有名だ。

 しかし、そもそも日本に金正恩と直接つながる個人や組織が存在すれば、とっくに機能しているはずだ。功名心や野心を抱える政治家ほど、この手の「詐欺師」にひっかかるので手に負えない。

 日本は北の核・ミサイル問題のメインプレーヤーではなく、あくまでサブプレーヤーだ。北朝鮮が交渉相手にするのは米中韓の3国であり、日本がしゃしゃり出ても何も解決しない。日本が率先して北朝鮮と関わるべき唯一の課題は、拉致問題である。

 そのためにも安倍首相がトランプ大統領に働きかけ、日本が拉致問題と核・ミサイル問題を切り離して対北交渉を行うことへの理解を得たうえで、日米共同で圧力をかけ、直接交渉に持ち込みたい。

 朝鮮半島問題は一筋縄ではいかない。日本にとって最も重要なのは北朝鮮外交に巻き込まれないことであり、チャンスが訪れるまで、安倍首相は蚊帳の外で「高みの見物」を決め込めばいい。

【PROFILE】重村智計(しげむら・としみつ)/1945年、中国・遼寧省生まれ。毎日新聞記者としてソウル特派員、ワシントン特派員、論説委員などを歴任。朝鮮半島情勢や米国のアジア政策を専門に研究している。『金正恩が消える日』(朝日新書)、『外交敗北』(講談社刊)など著書多数。

●取材・構成/池田道大

※SAPIO2018年5・6月号

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写真家・秋山庄太郎氏 撮影に遅刻の美空ひばりに憤慨した

2018年5月5日 07:00 NEWSポストセブン

 1946年、26歳から写真家として活動を開始してから2003年に急逝するまで、秋山庄太郎は女性ポートレートを中心に撮影を続けた。原点は女優・原節子だった。その特別な思いは多数の著書から窺うことができる。

 秋山は、山形県米沢市に「山粧亭」というスタジオを兼ねた別荘を建て撮影を行なっていた。名前の由来は秋山庄太郎と山形県米沢市から来ている(『山粧う(やまよそおう)』とは「秋」の季語。「秋山」と「山形」の『山』、米沢市の「米」と庄太郎の「庄」を組み合わせて『粧』で、山粧亭とした)。

「大原麗子さんや浅丘ルリ子さんなど、多数の女優さんがいらっしゃいました。もう取り壊してしまいましたが、一度あそこで大原さんについて、『人懐っこくて良い子なんだよなあ』と語っていたのが思い出されます。まだ人も多くなかったので、風景や花、ヌードなどの撮影をしやすかったんだと思います。特に東てる美さんは、ここでの撮影をかなり気に入っているようで、今でも旅番組で米沢と秋山の思い出を懐かしそうに紹介してくれます」(秋山庄太郎写真芸術館・館長の上野正人氏)

 秋山は写真家としての地位を確立してからも、被写体を和ませ、穏やかな表情で撮影するということに生涯努力していたという。

「自宅や別荘では、原稿を書くときでもなんでもテレビはつけっぱなしで映画やバラエティ番組が流れていました。こういう番組が好きなのかと尋ねたら『好きとか嫌いとかじゃない。これから売り出すタレントさんや女優さんとかが出てるから、撮影の時にちゃんと名前が言えるかどうか。礼儀だよ。相手のことを勉強しないと写真家失格だ』と」(上野氏)

 秋山は何より「礼儀」を重んじる人間だった。被写体に対しても厳しい面があり、相手がどんなビッグネームだろうと同じだった。

 撮影に遅刻した美空ひばりが、挨拶もお詫びもなく撮影に臨もうとしたので、秋山は「失礼だぞ」と憤慨しながら2枚だけ撮影。以降、秋山とも美空とも親しかった編集者が土下座して撮影を頼んだが、秋山は「自信がない」と断わり続けたという。

 逆に挨拶がきちんとできる人は撮影もスムーズだったという。

「その点で特に印象深いのは黒木瞳さん。礼儀正しくスタジオに入られる様が今でも思い出されます。宝塚歌劇団の皆さんは見事でした。背筋を伸ばして隊列を組み、タッタッと足並み揃えるようにして来られました」(上野氏)

 ちなみに宝塚歌劇団の男役で人気を博した越路吹雪のことはこう振り返っている。

「女ってのを超えてるところがあるね。色っぽいとかそんなんじゃない。すごく人間のスケールが大きかった。楽しい人でしたよ。写真は撮りにくかったね」(著書から)

 2003年で急逝するまで、女性の自然な姿を引き出す姿勢を貫いた。

「女よ、より美しくあれと願って、シャッターを押し続けた」(同前)

 その軌跡は、日本の写真界の歴史に燦然と刻まれている。

(文中一部敬称略)

※週刊ポスト2018年5月4・11日号

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cat_1_issue_oa-newspostseven oa-newspostseven_0_1b08af4dc261_大谷・羽生…94年生まれはゆとりど真ん中、「個の力」重視 1b08af4dc261 0

大谷・羽生…94年生まれはゆとりど真ん中、「個の力」重視

2018年5月5日 07:00 NEWSポストセブン

 今米ロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平(23才)の人気は高まる一方だ。大谷は1994年生まれだが、同級生で活躍するアスリートや芸能人は数多い。

 フィギュアスケートの羽生結弦、水泳の萩野公介・瀬戸大也、卓球の丹羽孝希、スピードスケートの高木美帆など、世界を舞台に活躍する若きアスリートたちはみな、1994年生まれだ。また、二階堂ふみ、土屋太鳳、広瀬アリスなどの人気女優も同い年だ。著名人だけでなく一般人にも“94年スタイル”がある。都内で働く40代会社員がこう言う。

「うちの会社の2年目にあたる1994年生まれの若手はパソコンや英語を使いこなすうえ、上司や先輩にも物怖じすることなく意見します。その一方で残業はせずサクッと帰宅するし、彼の同期には、『もうこの会社でやることはない』とあっけなく退社した者もいます。われわれの世代なら入社して、すぐに会社を辞めるなんて考えられませんが、時代は変わったなと思います」

 そんな1994年生まれに強い影響を与えたと多くの人が指摘するのが「ゆとり教育」だ。それまでの詰め込み教育から、子供たちが自ら学び考える力の育成を目指したゆとり教育は実質的に2002年から始まった。このとき1994年世代は8才。小学2年生だ。

「1994年生まれはゆとり教育のど真ん中だったんです」と言うのはその年に生まれた歌手の家入レオだ。

「私たちが小学校に入ってすぐに週休5日制が始まり、高校に入った途端にゆとりの見直し(2011年)があって、小中学校で土曜日の授業が再開されました。だから1994年生まれは、実際に学校に行った日数がいちばん少ない世代なんです。その分、私たちには自由な時間がありました。そのなかで自分がやりたいことに打ち込み、何でも自分で判断する能力を養ったのです」

“これだからゆとりは”とさんざん揶揄された世代だが、1994年生まれに卑屈さはなく、飄々と「自由」を謳歌しているように見える。「ゆとり教育の生みの親」とされる元文科省官僚で京都造形芸術大学教授の寺脇研氏が指摘する。

「文科省が目指したのは自分の頭で考えて、積極的に学ぶ子供の育成です。1994年生まれはゆとり教育の目玉として導入した、教科にとらわれない『総合的な学習の時間』をどっぷりと施された世代。彼らが大人になった今各分野でゆとりの成果が開花していると思います」

 前述の「この会社でやることはない」と辞めた会社員に代表されるように、この世代の若者は「組織」や「世間体」ではなく、「個」を重視する。前出の寺脇氏が言う。

「現在の30代ぐらいまでの世代は『組織』に属して、その中で評価されて出世していくことが重要でした。しかし、1994年世代が大切にするのは、あくまで『自分』です。自分の実力があれば、どの世界でも活躍できると本気で思い込んでいる世代。SNSを中心とするネット社会では、スキルや実力があれば、すぐに『いいね!』という評価が返ってくる。だからこそ、会社選びも“自分の力が伸ばせる会社”、“自分の目標に最も早く辿り着ける会社”という基準です。そして『個の力』が身につけば、その組織に長居せず次のステージへと進む決断をくだすのです」

 まさに「メジャーで活躍する」という目標のために、まずは日本のプロ野球に入り、そこで実力を磨き、階段を駆け上がった大谷は1994年世代の象徴といっても過言ではない。大谷の母は本誌・女性セブンの取材に、「単身渡米した息子の挑戦に、親として一線を置いて見守りたい」と語った。大谷に続いて「個の力」で世界を席巻するのは誰だ…?

※女性セブン2018年5月10・17日号

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