ヒース・レジャー演じるジョーカーをもう一度見たかった…と悔やんでいる人も、かなり多いのではないでしょうか…。
ジョーカー役を怪演したヒース・レジャー
悲劇的な死を遂げた俳優ヒース・レジャーは、もし生きていればジョーカー役としての名演技を再び見せてくれていたことでしょう。ヒースの姉ケイト・レジャーによれば、彼は2008年に急性薬物中毒で亡くなる前、ジョーカー役で復活することをすでに決めていたと言います。
ヒースの姉であるケイト・レジャーのインタビュー(このインタビュー自体は2017年に行われたものですが、最近、改めて話題になっています)によれば、ヒースはジョーカー役について「完璧な役にめぐり会った…」と喜んでいたそうです。
「ヒースは、ダークナイトで成し遂げたことをとても誇りに思っていました。そして彼は、別のバットマン作品にも登場する計画があったと思います。クリストファー・ノーランやクリスチャン・ベール、ゲイリー・オールドマンとの仕事を、本当に楽しんでいましたから…。あの映画は彼にとって、これまでで最高の仕事だったんです。クリスマスに家に帰ってきたときには、あの映画について夢中で語りながら、ジョーカーの声や笑い方を披露してくれたり、未編集のフィルムなども見せてくれました。私たちは素晴らしい時間を過ごしたのです…」とケイト・レジャー。
妹ケイト・レジャーが兄ヒースが
亡くなった前日の様子を語ってくれた
またケイトは、「ヒースがジョーカー役を演じたことで、鬱や精神的苦痛を感じていたことが死をもたらした」とする噂を否定。「亡くなる1日前に話したとき、私たちは笑ったりジョークを言い合ったりしていたんです…」と語っています。
『ダークナイト』について言えば、最後にジョーカーが出てくるのは、ビルから宙吊りにされているシーンです。これは、バットマンの宿敵復活への伏線とみなすこともできたでしょう。
写真:自由過ぎるジョーカーは、「バットマン」シリーズで最もインパクトのあるヴィラン(悪役)であります。Courtesy of Warner Borthers
ヒース・レジャーの死後ほどなくして、クリストファー・ノーランは『ニューズウィーク』誌に寄せた追悼文のなかで、ヒースなしでダークナイトを公開することの難しさについて、感動的な言葉を綴っています。
「撮影が終了して編集室に入るときには、自分を信じてくれた俳優への責任を感じるものです。そしてヒースは、私たちにあらゆるものを与えてくれました」と、ノーランは綴っています。そして…
「編集を開始するときには、どのテイクを採用するか、どの部分をトリミングするかといったことを迷うものです。私は、編集が終わった映画をヒースに見せるときのことを想像していました。3、4列後ろから彼の頭の動きを観察するんです。彼の素晴らしい演技を自分たちの手で演出したものについて…彼がどう考えているかを知りえるヒントになりますから…。それも今となっては不可能になってしまいました」とクリストファー・ノーラン。
またノーランは、「彼とは編集室で、毎日会っていました。その表情や声も覚えています。もう会えないことは本当に残念でなりません」と当時を振り返っています。
ヒース・レジャー演じるジョーカーの名演技動画
この動画を観終わった後に、ヒースが生きていたなら…次回作『ダークナイト ライジング』がどんな展開を迎えていたか?…と、必ずや想像してしまうことでしょう。