「あなたの郷里の娘を呼んでやってください」「お国の言葉でお話ができます」という看板でみんなの興味をひく「白いばら」。創業昭和6年と、銀座最古にして現存する唯一のキャバレーです。あざやかなブルーの壁に輝くネオン、手づくり感のある日本地図看板など銀座の名物となっていますが、果たしてその内部を知っている人はどれほどいるでしょう?
今回はその「白いばら」の営業に密着!
中はどうなっているの? 女の子はどんな感じ? 高いの? などみなさんの疑問にお答えいたします!
「白いばら」の内部へ侵入!
時刻は17時過ぎ。18時からの営業に備えて朝礼(夕方ですけど)中にお邪魔しました。中は2層になっていて「広いなぁ」が第一印象。合計83席というのは銀座でも最大級です。白と黒の市松模様の床に真紅のソファ、吹き抜け天井のダンスフロアに、バンドが入る中2階…かつて一世を風靡した「社長シリーズ」(1956~1970年の東宝による人気映画)に出てきそうなレトロな内装に心ひかれます。
開店30分前。そろそろホステスさんたちが出勤してきます。「白いばら」に在籍しているのはなんと200余名の女性たち。毎晩100名以上が出勤してきますが、その多くは昼間別の仕事をしている昼・夜ダブルワークの女性たち。どこか初々しい雰囲気も顧客の心をつかんで離さない理由のひとつなのかもしれません。
銀座の夜の遊び場としてはかなり大箱の「白いばら」。顧客に何度も足を運んでもらうためには、ただ大人数のホステスを抱えるだけではなく、毎月さまざまな趣向を凝らしています。8月は甲子園優勝校を占って、当てた人はワインがもらえる「熱闘!甲子園2017」を開催。
「そもそも、全国各都道府県の女の子を揃えているのも、出身地を会話の緒として、お客さまと話が弾むように、という心配りのひとつ。『白いばら』は色を売るだけではなく、人と人のつながりを大切にしたいんです」と大住社長が語るように、ここはオトナのための健全、明朗な社交場であるようです。
銀座に現存する唯一のキャバレー「白いばら」のホステスさんご登場!
ではいよいよ、「白いばら」のホステスさん200余名から選抜された4名をご紹介。先月上京してきた新人さんからベテランさんまで…それぞれお国言葉でひと言披露していただきました。アナタはどなたを指名しますか?
『白いばら』では遅刻・欠勤などによる罰金や、強制同伴、売上ノルマなどないため、女性が働きやすいと評判。なかには30年近く勤続しているベテランがいるということからも、その雰囲気の良さが想像できるというものです。
ショーの後もチークタイムあり、生バンドで歌うカラオケありと顧客の心をそらさない演出が次から次へと用意され、気づけばもうすぐ終電タイム。ひとり、またひとりと見送られていくお客さまは誰もが満面の笑みで、心から満足しているようです。
「ここは男性が殿さまになれる場所ですから。ぼくたちはみなさんの夢を叶えるように、全力でお手伝いするんです」という大住社長のひと言に、「白いばら」が86年もの間、枯れずに毎夜咲き続ける理由を垣間見たように思います。
気になる料金体系は、平日で1時間飲み放題(ウイスキー、焼酎)2名から8,800円(税・サ込み)または、ワンドリンク+おつまみで21時までに帰れば最長3時間で8,500円と明朗にしてコスパ良。キャバクラやガールズバーも楽しいけれど、たまには銀座で紳士のお愉しみ、いかがですか?
◆ 白いばら
住所/東京都中央区銀座3-5-18
営業時間/月~土18:00~23:30、日・祝17:30~22:30
定休日/日曜・祝日の不定休
☎/03-3564-0967
●支払いは現金のみ。
文/秋山 都
写真/松井 康一郎