早生ミカン、夕日色 熊本市の河内町一帯で収穫最盛期

11.16 10:59 熊本日日新聞

 熊本県内は15日、各地で秋晴れが広がり、熊本市西区河内町一帯では収穫の最盛期を迎えた早生ミカンと夕日が、オレンジ色で鮮やかに“共演”した。

 日没が近づいた午後5時ごろ、瞬く間に有明海に沈んでいく秋の夕日で空が真っ赤に染まり、たわわに実ったミカンのオレンジ色が一層輝きを増した。

 収穫に追われる近くの杉本建雄さん(72)は「見慣れた景色だけれど、夕日のミカン畑は何度見ても美しいね」と手を休めずに話していた。(上杉勇太)

【活写道】まるで宇宙船

11.15 15:01 熊本日日新聞

 SF映画のワンシーン? 陸上自衛隊第8師団が10日、大分県の日出生台演習場で公開した離島防衛を想定した訓練。斜面の地中にトンネル状に築かれた師団長の執務室兼寝室をのぞくと、まるで宇宙船の一室のよう。

 同師団司令部広報室によると、執務室は直径2メートル、長さ8メートル。鉄製のドーナツ型の部品を幾重にもつなぎ合わせて組み立てるため、広さも自由に変えられる。装飾のように円が連なる室内だが、爆撃などにも強い構造という。(池田祐介)

電力の地産地消めざす 三井物産など2社と協定 荒尾市

11.15 13:52 熊本日日新聞

 荒尾市は14日、大手商社の三井物産(東京)と新電力のグローバルエンジニアリング(福岡市)の2社と、再生可能エネルギーの地産地消や、荒尾競馬場跡地での低炭素型まちづくりに関する連携協定を結んだ。

 同市には、三井物産とソフトバンク子会社が出資する施設を含め、大規模太陽光発電所(メガソーラー)が集積。地元企業の木質バイオマス発電事業も活発なことなどから、両社が事業実施に適していると判断した。

 計画では、両社は新電力会社を設立。地域の再生可能エネルギーで発電した電力を、割安で市の公共施設や民間企業に供給する。

 さらに、新会社の収益の一部を活用し、市が集合住宅などの開発を計画する荒尾競馬場跡へのEVバス導入の検討や、使用電力の最適化のノウハウ提供などで、環境負荷の軽減を支援。若者へのIT教育や、空き家活用なども後押しする。

 同市役所で調印式があり、浅田敏彦市長は「エネルギーの町として発展し、さらなる地域活性化につなげたい」と強調。三井物産の山根正司・国内プロジェクト開発部長は、閉山20年の旧三井三池炭鉱に触れ「深い縁を次の世代につなげ、地域の未来づくりに貢献したい」と話した。(原大祐)

「福祉」就職先の一つに 23日、新卒対象の合同相談会

11.15 13:48 熊本日日新聞

 県内で知的障害者施設を運営する社会福祉法人など14法人が、来春以降の新卒者を対象とする初の合同就職相談会「FUKUSHI meets!」を23日、熊本市で開く。職員の高齢化が進む中、仕事の魅力をアピールして安定した人材確保につなげる狙い。参加する法人は「就職先の一つとして目を向けてほしい」と期待を寄せている。

 「できましたね」「次はこれをやってみましょうか」

 八代市の障害者支援施設「オーシャン」。職員の渡邊文也さん(31)が、絵合わせに取り組む施設利用者の傍らに座り、優しく声を掛ける。施設に通う重度の知的障害者を対象に行っている機能訓練の一つだ。

■やりがい

 利用者は1日当たり20人。職員は法定数(10人)を上回る12~14人が付き添い、送迎や健康チェック、創作、運動を兼ねた散歩などの活動を見守る。渡邊さんは「相手の気持ちに合わせて、やりたいことに寄り添うよう心掛けている」。

 結婚を機に古里の八代にUターンするため、2年前に食品会社から転職した。「初めは障害がある方とどう接すればよいか戸惑ったが、笑顔になってもらう仕事と分かった。人が好きな自分には向いている」と渡邊さん。やりがいを感じるという。

■進む高齢化

 県知的障がい者施設協会(熊本市)によると、県内の知的障害者施設は66法人・94事業所。通所と入所合わせて6775人の利用者を、2742人の職員が支える。

 各施設は法定の職員数を満たしているが、「利用者に喜んでもらえるサービスを提供しながら夜勤の人員などを考えると、どの法人も現状より1~2人多い職員がほしい」と同協会の古田浩二副会長。加えて中途採用の職員が多く高齢化が進んでいることも、業界全体の悩みという。

 古田副会長が施設長を務める社会福祉法人では、八代市内にオーシャンを含む4施設を運営。職員約100人の平均年齢は40代で、主力は40~50代。「施設を継続的に運営していくためには、職員の世代交代が課題」と古田副会長。

■仕事知って

 このため就職相談会では、次世代の福祉を担う人材を求める県内の法人が連携。対象を大学と短大、専門学校の新卒者として、福祉を学ぶ学生以外にも「仕事としての福祉のやりがい」をアピールする考えだ。

 各法人では、施設利用者の創作活動や就労支援を通じて、芸術や食品製造、ものづくりなどさまざまな分野で事業を進める。八代市の社会福祉法人から実行委員会に加わる梅田雅也さん(39)=八代市=は、「福祉施設では、幅広い知識を持った人が必要とされる。まずは相談会に来て、仕事について知ってほしい」と呼び掛けている。(松本敦)

福祉分野への就職を呼び掛ける合同就職相談会「FUKUSHI meets!」のちらし

遠火でじっくりエビぐるり 芦北町で「つるし焼き」始まる

11.15 13:40 熊本日日新聞

 芦北町の海産物問屋「みやもと海産物」で14日、正月の雑煮などに使う「つるし焼きエビ」作りが始まった。芦北伝統の「うたせ船」で取れたアシアカエビを遠火でじっくり焼く作業は、来年1月ごろまで続く。

 取れたての20センチほどのエビを竹串に刺し、直径約2メートルのいろりにぐるりと円を描くように並べ、約2時間焼き上げる。10匹ずつワラに編み込んでつるし、1週間から10日間陰干しすると出来上がる。

 うま味が深く、だしを取るだけでなく具材としても味わえる。同社の売店やホームページのほか熊本、鹿児島両市の百貨店で販売する。20匹1万円前後。

 焼け具合を確かめていた同店の宮本三希子さん(55)は「顧客は雑煮にエビが欠かせない鹿児島だけでなく、口コミで全国に広がっている」と話した。同店TEL0966(82)2320。(福山聡一郎)

「からすみ」づくり最盛期 天草市牛深町

11.15 13:37 熊本日日新聞

 天草市牛深町で、冬の高級珍味「からすみ」作りが最盛期を迎えた。加工所の屋上には日光を浴びて山吹色に色付いた製品が並んでいる。

 塩漬けしたボラの卵巣を2~3週間天日干しして作る。年末年始の贈答用として人気があり、牛深地域では主に3業者が生産している。県内の百貨店や関西、関東方面などに出荷、100グラム6千円前後で販売される。

 同町の井上勇商店では、10月中旬から天草近海のボラを使って仕込みを始めた。11月14日は屋上の作業場で従業員が一つ一つ乾き具合を確認しながら、油分を拭き取り、ツヤを出す作業に心を込めていた。年末まで続く。

 井上卓専務(36)は「晴れて北風が吹くのが好ましい。天候を見極め、手を抜かず、おいしいからすみを作っていく」と力を込めた。(上野和伝)

「奄美を描く美術展」 高山さん(必由館高教諭)が大賞

11.15 13:22 熊本日日新聞

 鹿児島県奄美市の田中一村記念美術館で開かれている「第16回奄美を描く美術展」で、必由館高教諭で画家の高山法雄さん(51)=熊本市=の水彩「台風のあと」がグランプリの大賞に選ばれた。高山さんの大賞受賞は10年前に続き2度目。

 美術展は、奄美の自然や文化をテーマに、8~15号の平面作品を全国公募。今回は92点が寄せられた。

 高山さんの受賞作品は、台風襲来の後、強風でなぎ倒された草むらを背景に大島紬[つむぎ]の糸を泥染めする職人の男性を描いた。「画面から人物の凜[りん]とした生き方が伝わる。構図の面白みと高い表現力で、自然や空気感、風を感じさせる」と評価された。同美術館によると、2度の大賞受賞は初という。

 高山さんは十数年前に奄美大島に旅行したのを機に毎年訪れ、泥染め職人やその工房などを描いて公募展に出品している。今年は、第5回青木繁記念大賞西日本美術展でも奄美大島を題材にした作品が奨励賞を受賞した。

 高山さんは「今回はすごみを感じるほどの職人の生きざまを描きたかった。疲弊する地方の現状が気になる。足元の負の側面も描きたい」と話している。奄美を描く美術展は19日まで。(中原功一朗)

高山法雄さんの水彩「台風のあと」

必由館高教諭の高山法雄さん

“働きやすい企業”に鶴屋 熊本労働局、県内で初選定

11.15 13:21 熊本日日新聞

 熊本労働局(徳田剛局長)は14日、長時間労働の削減や働き方改革などに積極的に取り組む「ベストプラクティス企業」に鶴屋百貨店(熊本市中央区)を選んだ。厚生労働省が昨年度から、過労死などを防ぐためのキャンペーンとして全国各地で選定を進めており、県内では初めて。

 鶴屋百貨店は2016年度、年間休日96日を108日に改定。本年度からは有給休暇の5日取得を義務付け、厳しくチェックしている。働きやすい職場づくりのため二つの事業所内保育園も開設し、利用を取引先の社員まで拡大している。

 この日は徳田局長が同百貨店を視察し、田村祐輔常務が取り組みを説明。意見交換の後、保育園を見学した。

 徳田局長は「休日を増やす仕組みを整えただけではなく、その実効性の高さが素晴らしい」と評価。「働き方改革の先進的な取り組みとして広く紹介していきたい」と話した。(上田良志)

「阿蘇援農」東海大に最高賞 農水省の大学生アワード

11.15 13:19 熊本日日新聞

 食と農林漁業を通じて地域再生に取り組む大学生を表彰する「食と農林漁業大学生アワード2017」(農林水産省主催)で、東海大農学部の「阿蘇援農コミュニティープロジェクト」が最高賞の農林水産大臣賞を受賞した。14日、熊本市東区の同大で報告会があった。

 同プロジェクトは、2008年に農学部生約10人でスタート。阿蘇地域を中心とする県内の農家に出向き、イチゴやアスパラガスの定植、管理などを手伝ってきた。

 熊本地震で継続が危ぶまれたが、人手不足に悩む農家の支援に向け、昨年7月に活動を再開。メンバーは現在160人に増え、活動範囲も熊本市や菊池郡市などに広がった。

 報告会では、書類選考と今月上旬の活動発表審査を経て、全国30団体の中から選ばれたことを紹介。荒木朋洋・九州キャンパス長は「地震を乗り越え、地域に貢献するプロジェクトで頑張ってくれた」とたたえた。

 リーダーで応用植物科学科3年の藤川志津香さんは「地震で農業をやめようかと悩んでいた方が、『どんどんうちに来てくれ』と元気になったのがうれしかった」と話していた。(植山茂)

九州・沖縄企業の9月中間決算 復興需要で建設好調

11.15 13:12 熊本日日新聞

 熊本地震の復興需要が、九州・沖縄の企業の業績を押し上げている。14日までに発表された2017年9月中間決算では、建設関連の企業を中心に増収、増益が相次いだ。一方で、反動減が一部に表れ、人手不足への懸念も膨らんでいる。

 コンクリート製品製造のヤマックスは、復旧工事の本格化で、道路など土木用の売上高が前年同期より13・8%伸びた。被災家屋の建て替えや修復も増え、住宅事業は2・8倍の大幅増収となった。

 同業のヤマウも11・9%の増収。総合機械商社の南陽は、建設機械のレンタルが好調で、過去最高益となった。土木建設の富士ピー・エスは、南阿蘇村の阿蘇長陽大橋の応急復旧工事を請け負い、売上高を伸ばした。

 震災で業績を落とした企業も復調した。JR九州は、鉄道の運休が響いた前年より運輸収入が41億円増えた。九州電力は、電線の復旧費など100億円が軽減。西部ガスも復旧費がなくなり、被災した工場の稼働再開でガス販売も伸びた。百貨店の岩田屋三越は、消費者の購買意欲が戻り、時計など高額品の売れ行きが好調だった。

 一方、震災後の特需の反動減もあった。電気通信工事のSYSKENは、光ケーブルや電柱の復旧工事が一段落し、減収となった。ホームセンターのナフコや即席麺のマルタイも、減収に転じた。

 今後については「被災したビルの建て替えに伴う受注が数年続きそう」(九電工)など、引き続き復興需要への期待が高い。

 ただ、人手不足に苦慮する企業も増えている。建築資材販売のOCHIホールディングスは、復興需要と人手不足に対応するため、県内の拠点を集約した物流センターの開設を検討している。(亀井悠吾)