【憲法特集】「属国」直視から 内田樹さん

05.03 16:40 神奈川新聞

 日本国憲法は3日、施行から70年の節目を迎えた。国民主権、基本的人権の尊重、平和主義の三大原理は戦後の民主主義社会の中で息づいてきた。一方、国会では2016年7月の参院選の結果、初めて改憲勢力が衆参両院で3分の2以上を占めた。改憲テーマを論じる両院の憲法審査会も再開。そして、安倍政権下では安全保障法制や共謀罪、教育改革など実質的に憲法の理念を骨抜きにする動きが進む。われわれは今の時代をどう捉え、振る舞えばよいのか。思想家の内田樹さんに聞いた。

「日本には『起死回生の大ばくち』以外にプランBもCもない」

思想家 内田樹さん

 いま日本で起きている絶望的なまでの「公人の劣化」は何に由来するのか。結論から言ってしまえば「日本はアメリカの属国でありながら、日本人がその事実を否認している」という事実に由来する。日本社会に蔓延(まんえん)している「異常な事態」の多くはそれによって説明可能である。

 ニーチェによれば、弱者であるがゆえに欲望の実現を阻まれた者が、その不能と断念を、あたかもおのれの意思に基づく主体的な決断であるかのようにふるまうとき、人は「奴隷」になる。「主人の眼でものを見るようになった奴隷」が真の奴隷である。彼には自由人になるチャンスが訪れないからである。

 日本はアメリカの属国であり、国家主権を損なわれているが、その事実を他国による強制ではなく、「おのれの意思に基づく主体的な決断」であるかのように思いなすことで自らを「真の属国」という地位にくぎ付けにしている。

 日本が属国なのだと明確に認識したのは、鳩山由紀夫元首相が2009年に米軍普天間飛行場の移設を巡り「最低でも県外」と発言した際の政治と社会の反応を見たときだ。

 鳩山氏は軍略上の重要性を失った日本国内の米軍基地を移転し、日本固有の国土の回復を求めただけである。首相として当然の主張をしたにすぎない。だが、これに対して外務省も防衛省もメディアも猛然たる攻撃を加えた。その理由は「アメリカの『信頼』を損なうような人間に日本は委ねられない」というものだった。ニーチェの「奴隷」定義を援用するならば、宗主国の利益を優先的に配慮することが自国の国益を最大化する道だと信じる人々のことを「属国民」と呼ぶのである。

戦後成功体験の悲劇

 北朝鮮を巡る情勢が緊迫している。アメリカが北朝鮮に対し先制攻撃した場合、日本国内にミサイルが飛来して国民が死傷するリスクはある。

 だが、これを「アメリカがする戦争になぜ日本が巻き込まれなければならないのか」と憤る声はほとんど聞かれない。主権国家であれば、国土と国民を守ることをまず第一に考えるはずだが、日本政府は北東アジアの危機を高めているアメリカに一方的な支持を与えて、アメリカに軍事的挑発の自制を求めるという主権国家なら当然なすべきことをしていない。

 「対米従属を通じて対米自立を達成する」という国家戦略は敗戦後の日本にとってそれ以外に選択肢のないものだった。ことの適否を争う余裕はないほど日本はひどい負け方をしたのである。そして、この国家戦略はその時点では合理的なものだった。

 徹底的な対米従属の成果として、日本は1951年のサンフランシスコ講和条約で国際法上の戦争状態を終わらせ、国家主権を回復した。68年には小笠原諸島、そして72年には沖縄の施政権が返還された。戦後27年間は「対米従属」は「対米自立」の果実を定期的にもたらしたのである。

 だが、この成功体験に居ついたせいで、日本の政官は以後、対米従属を自己目的化し、それがどのような成果をもたらすかを吟味する習慣を失ってしまった。

 沖縄返還以後45年で対米自立の成果はゼロである。米軍基地はそのまま国土を占拠し続け、基地を「治外法権」とする地位協定も改定されず、首都上空には米軍が管轄する横田空域が広がったままである。主権回復・国土回復という基本的な要求を日本は忘れたようである。

 それどころか、対米自立が果たされないのは「対米従属が足りない」からだという倒錯的な思考にはまり込んで、「年次要望改革書」や日米合同委員会を通じて、アメリカから通告される全ての要求を丸のみすることが国策「そのもの」になった。

 郵政民営化、労働者派遣法の改定、原発再稼働、環太平洋連携協定(TPP)、国連平和維持活動(PKO)での武器使用制限の見直しなど、国論を二分した政策は全部アメリカの要求が実現された。

 そして、わが国の国益よりもアメリカの指示の実現を優先する政権にアメリカは「同盟者」として高い評価を与え、それが属国政権の安定をもたらしている。

戦前ノスタルジー

 日本人は心のどこかで「属国であること」を深く恥じ、「主権の回復」を願っている。けれども、それは口に出されることがない。だから、その抑圧された屈辱感は病的な症候として表れる。安倍政権とその支持者たちの「かつて主権国家であった大日本帝国」に対する激しいノスタルジーは「主権のない戦後日本国」に対する屈辱感の裏返しである。

 けれども主権回復のための戦いを始めるためには、まず「日本は主権国家でなく、属国だ」という事実を受け入れるところから始めなければならないが、それはできない。痛苦な現実から目をそらしながら少しでも屈辱感を解除したいと思えば、「大日本帝国」の主権的なふるまいのうち「今でもアメリカが許諾してくれそうなもの」だけを選び出して、政策的に実現することくらいしかできることがない。それが対外的には韓国や中国に対する敵意や軽侮の表明であり、国内における人権の抑圧、言論の自由や集会結社の自由の制約である。

 だが、日本が隣国との敵対関係を過熱させることには宗主国アメリカから「いいかげんにしろ」という制止が入った。米日中韓の連携強化は、トランプ政権のアメリカにとっても東アジア戦略上の急務だからである。やむなく、日本の指導層の抱え込んでいる「主権国家でないことの抑圧された屈辱感」は日本国民に「主権者でないことの屈辱感」を与えるというかたちで病的に解消されることになった。それが特定秘密保護法、集団的自衛権行使の閣議決定、安保法制、共謀罪と続く、一連の「人権剥奪」政策を駆動している心理である。

 改憲への熱情もそれによって理解できる。憲法に底流する国民主権のアイデアはアメリカの統治理念そのものである。それを否定することで、対米屈辱は部分的に解消できる。そして「国民に対してだけは主権的にふるまう」ことで国家主権を持たないストレスも部分的に解消できる。

 自民党改憲草案は近代市民社会原理を全否定し、むき出しの独裁政権を志向する病的な政治文書だが、それが全篇(ぜんぺん)を通じて「決してアメリカを怒らせないような仕方で対米屈辱感を解消する」というねじれた政治目標に奉仕しているのだと思えば、理解できないことはない。

国家主権回復の道

 日本人に対して、私から言いたいことは「現実を直視しましょう」ということに尽きる。

 国防についても、外交についても、エネルギーについても、食糧についても、基幹的な政策について日本は自己決定権を持ってないこと、国土を外国の軍隊に占拠されており、この状態がおそらく永久に続くこと、明治維新以来の悲願であったはずの「不平等条約の解消」という主権国家の基礎的目標を政治家たちが忘れたふりをしていること、海外の政治学者たちは特段の悪意もなく、日常的に「日本はアメリカの属国である」という前提で国際関係を論じていること、そういう事実を直視するところからしか話は始まらない。この否定的現実をまず受け入れる。

 その上で、どうやって国家主権を回復するのか、衆知を集めてその手だてを考えてゆく。鳩山一郎や石橋湛山や吉田茂が国家的急務としていた問題をもう一度取り上げるということである。

 日本が属国であることも、その事実を否定するために異常な人権抑圧が行われていることは沖縄や福島へ行けば分かる。現場に行けば政治家や官僚やメディアがどのように隠蔽(いんぺい)しようとも痛ましい現実が露呈する。まずそこに立つこと。幻想から目を覚ますこと。それが日本国民のしなければならないことである。

長期後退戦を生きる

 日本ははっきりいって末期的である。これから急激な人口減局面を迎え、生産年齢人口が激減し、経済活動は活気を失い、国際社会におけるプレゼンスも衰える。日本はこれから長期にわたる「後退戦」を戦わなければならない。

 後退戦の要諦は、ひとりも脱落させず、仲間を守り、手持ちの有限の資源をできるだけ温存して、次世代に手渡すことにある。後退戦局面で、「起死回生の突撃」のような無謀な作戦を言い立てる人たちについてゆくことは自殺行為である。残念ながら、今の日本の政治指導層はこの「起死回生・一発大逆転」の夢を見ている。五輪だの万博だのカジノだのリニアだのというのは「家財一式を質に入れて賭場に向かう」ようなものである。後退戦において絶対に採用してはならないプランである。

 けれども、今の日本にはこの「起死回生の大ばくち」以外にはプランBもCもない。国として生き残るための代替案の案出のために知恵を絞ろうという人が政官財の要路のどこにもいない。

 だがそうした危機的現状にあって、冷静なまなざしで現実を眺め、自分たちが生き残るために、自分たちが受け継ぐはずの国民資源を今ここで食い散らすことに対して「ノー」を告げる人たちが若い世代からきっと出てくると私は思っている。

 日本の人口はまだ1億2千万人ある。人口減は止められないが、それでもフランスやドイツよりははるかに多い人口をしばらくは維持できる。指導層の劣化は目を覆わんばかりだけれど、医療や教育や司法や行政の現場では、いまも多くの専門家が、専門家としての矜持(きょうじ)を保って、私たちの集団を支えるために日々命を削るような働きをしている。彼らを支えなければならない。

 後退戦の戦い方を私たちは知らない。経験がないからだ。けれども、困難な状況を生き延び、手持ちの資源を少しでも損なうことなく次世代の日本人に伝えるという仕事について私たちは好き嫌いを言える立場にはない。

 それは国民国家のメンバーの逃れることのできぬ義務だからである。

うちだ・たつる
 1950年東京生まれ。思想家、武道家、神戸女学院大名誉教授。東大卒。専門はフランス現代思想。著書に「日本の反知性主義」(編著、晶文社)、「日本戦後史論」(共著、徳間書店)。

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海洋機構船の限定切手発売

05.03 16:40 神奈川新聞

 日本郵便南関東支社(川崎市川崎区)は12日から、海洋研究開発機構(JAMSTEC、横須賀市夏島町)が所有する運用船などを題材にしたオリジナルフレーム切手を販売する。

 「海と地球の研究所 JAMSTEC 第2弾」と銘打ち、深度6500メートルまで潜ることができる潜水調査船「しんかい6500」をはじめ、最大3千メートルまでの潜航が可能な無人探査機「ハイパードルフィン」などが題材。82円切手10枚で構成され、価格は1シート1300円。千シート限定。

 販売する郵便局は、田浦、横須賀船越、追浜、横須賀長浦、横須賀浦郷、横須賀本浦、横須賀鷹取台、逗子、逗子小坪、逗子桜山、逗子久木、東逗子、逗子ハイランド、逗子池子の計14局。

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東海2年ぶり10度目のV 高校野球県春決勝

05.03 12:44 神奈川新聞

サーティーフォー保土ケ谷球場

横浜-東海大相模(13時1分試合開始)

横浜
202 010 242|13
1101 011 00×|14
東海大相模

横:及川、黒須、天内、塩原、板川ー吉原、福永
東:秋田、大和田、斎藤、安里-山田翔

両雄激突 5・3県春季高校野球決勝(上)
横浜、東海に関東切符 高校野球春季大会

▼試合経過

横浜と東海と言えば県内の永遠のライバル。両校の対戦を振り返りました。
横浜 対 東海大相模 15、16年振り返り

9回表:横浜
市村 四球 一塁
増田 センター前ヒット 一、二塁
◆東海4番手安里をマウンドへ
板川 送りバント成功 1死二、三塁
代打角田 ライト前タイムリー 一死一、三塁 12-14
齊藤 四球 一死満塁
福永 ファーストエラーで三走生還 一死満塁 13-14
万波 三振 二死満塁
長南 サードライナー ゲームセット

東海大「あと1点に泣いた」 県高校野球秋季大会

8回裏:東海
菊池 ライト前ヒット 一塁
山田翔 送りバントをサードがエラー 一、二塁
斎藤 キャッチャーファールフライ 一死一、二塁
小松 ショートゴロ併殺 チェンジ

8回表:横浜
増田 センターフライ 一死
代打辻村 四球 一死一塁
内海 レフト前ヒット 一死一、二塁
齊藤 レフト前タイムリー 一死一、二塁 8-14
福永 スリーランホームラン 一死 11-14
◆東海3番手斎藤をマウンドへ
万波 三振 二死
長南 四球 二死一塁
山崎 サードゴロ チェンジ

7回裏:東海
黒澤 センターフライ 一死
森下 四球 一死一塁
門馬 三振 二死一塁
喜友名秋 一走盗塁 二死二塁
     三振 チェンジ

「増田祭り」に期待 高校野球県秋季大会

7回表:横浜
内海 死球 一塁
齊藤 セカンドゴロ 一死一塁
福永 四球 一死一、二塁
万波 ライト前タイムリー 一死一、三塁 6-14
長南 サードファールフライ 二死一、三塁
山崎 パスボールで三走生還 二死二塁 7-14
   四球 二死一、二塁
市村 ショートゴロ チェンジ

6回裏:東海
◆横浜5番手万波をマウンドへ
菊池 ソロホームラン 5-14
山田翔 四球 一塁
大和田 スリーバント失敗 一死一塁
小松 レフトフライ 二死一塁
山田拓 ショーフライ チェンジ

増田、万波が投手デビュー 県高校野球秋季大会

6回表:横浜
山崎 三塁ファールフライ 一死
市村 三振 二死
増田 ライト前ヒット 二死一塁
杉本 三振 チェンジ

5回裏:東海
山田拓 サードゴロ 一死
黒澤 二塁打 一死二塁
森下 センター前ヒット 一死一、三塁
門馬 セカンドゴロの間に三走ホームイン 5-13
喜友名秋 セカンドゴロ チェンジ

東海・門馬が一発 高校野球県春季地区予選

5回表:横浜
増田 死球 一塁
塩原 死球 一、二塁
内海 セカンドフライ 一死一、二塁
齊藤 レフトフライ 二死一、二塁
福永 四球 二死満塁
万波 ショートエラー 二死満塁 5-12
長南 キャッチャーフライ チェンジ

4回裏:東海
山田翔 三振 一死
大和田 サードファールフライ 二死
小松 センターフライ チェンジ

4回表:横浜
長南 ショートフライ 一死
山崎 セカンドライナー 二死
市村 ライトフライ チェンジ

3回裏:東海
◆横浜4番手増田をマウンドへ
黒澤 四球
森下 セカンドフライ 一死
門馬 セカンドヒット 一死一、三塁
喜友名秋 ライト前タイムリー 一死一、二塁 4-12
菊池 サードゴロ併殺 チェンジ

3回表:横浜
◆東海2番手大和田をマウンドへ
小泉 四球
内海 暴投で無死二塁
   セカンドゴロ 一死三塁
齊藤 左翼にツーラン 4-11
吉原 レフト前ヒット 一死一塁
   代走に福永
万波 一塁ファールフライ 二死一塁
長南 一塁ランナー盗塁を試みるもアウト チェンジ

2回裏:東海
喜友名秋 三塁打
菊池 三塁打 2-2
山田翔 ライト前ヒット 2-3
秋田 送りバント成功 一死二塁
小松 ライト前タイムリー →ライト捕球エラーで二塁へ 一死二塁 2-4
山田拓 この打席で暴投 一死三塁
    ライト前ヒット 一死一塁 2-5
◆横浜2番手黒須をマウンドへ
黒澤 四球 一死一、二塁
森下 キャッチャーフライ 二死一、二塁
門馬 センター前ヒット 二死二、三塁 2-6
喜友名秋 左中間二塁打 二死二塁 2-8

期待のサイドスロー1年・黒須

◆横浜3番手天内をマウンドへ
菊池 センター前タイムリー 二死一塁 2-9
山田翔 四球 二死一、二塁
秋田 センター前タイムリー二塁打 二死二塁 2-11
小松 四球 二死一、二塁
山田拓 セカンドフライ チェンジ

東海・小松が猛攻の口火 県高校野球春季大会

2回表:横浜
山崎 三振 一死
市村 三振 二死
及川 三振 チェンジ

1回裏:東海
小松 レフトフライ 一死
山田 センター前ヒット 一死一塁
黒澤 この打席で暴投 一死二塁
   ライトオーバー二塁打 一死二塁 2-1
森下 ライトファールフライ 二死三塁
門馬 ショートゴロ チェンジ

横浜1年生エース板川、絶妙な変化球制球 高校野球県秋季大会

1回表:横浜
小泉 四球
内海 二塁強襲ヒット 無死一、二塁
齊藤 三塁送りバント成功 一死二、三塁
吉原 ライト犠牲フライ 二死三塁 1-0
万波 ライト前タイムリー 二死一塁 2-0
長南 三振 チェンジ

一発にこだわる万波 県高校野球秋季大会

東海スタメン
(6)小松
(4)山田拓
(7)黒澤
(8)森下
(5)門馬
(9)喜友名秋
(3)後藤
(2)山田翔
(1)秋田

横浜スタメン
(8)小泉
(3)内海
(4)齊藤
(2)吉原
(9)万波
(7)長南
(5)山崎
(6)市村
(1)及川

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大涌谷、全面再開遠く 「客足7割」にため息

05.02 16:40 神奈川新聞

 2015年4月に活発化した箱根山(箱根町)の火山活動は、2年を経た今も完全には終息していない。5段階の噴火警戒レベルは最低の1(活火山であることに留意)が継続しているものの、大涌谷で観測される火山ガスの濃度は安全なレベルにまで低下していない状態だ。県は本年度、ガスの影響で立ち入りが禁じられている自然研究路(往復約600メートル)の再整備に乗り出すが、観光関係者らが期待する規制の全面解除はいまだ見通せない。

 蒸気の噴出する斜面を背景に記念撮影する団体客、黒たまごをほおばるカップル、富士山に見入る外国人客-。

 4月半ばの平日、大涌谷に通じる道路には、駐車場待ちの車の長い列ができていた。週末になると混雑に拍車が掛かるが、園地内の飲食店や土産物店の関係者は口々に言う。「(火山活動の活発化前と比べ)客足は7割」「売り上げはまだ半分ぐらい」

 園地内は今も、立ち入り可能な範囲や時間帯が限定された「部分開放」。火山地帯特有の植物や噴煙地を間近に見学できる自然研究路は、火山ガスの影響で規制が続く。解除されれば周辺の山々への登山客らの来訪も見込めるだけに、地元観光関係者の「全面開放」に対する期待は高い。

 その実現を視野に県が本年度に約1億円を投じて行う大涌谷の事業は、自然研究路の再整備とシェルターの設置が柱。2002年の台風による土砂崩れで通行できなくなっていた往路を復旧し、噴火やガスの濃度上昇といった緊急時の避難ルートとして活用できるようにする。シェルターは万が一の際に、観光客らが噴石から身を守れるようにするためだ。

 しかし、事業を担当する県自然環境保全課は「経年劣化や火山活動の影響で研究路がどの程度損傷しているか分からないため、まずは調査を行う。秋にも工事に入りたいが、完了のめどは立っていない」と説明。実際の施工に関しても、「ガスマスクなど工事関係者用の装備の検討が必要。地盤も安定していないので、安全を第一に取り組んでいく」とし、完了が2018年度以降となる可能性も示唆する。

 町は昨年7月の部分開放以降、園地内に3カ所ある観測装置で火山ガスの二酸化硫黄(SO2)が0・2ppm以上となった際に注意喚起の放送を行っている。その基準に達した日は今年3月末までに49日あったが、規制エリア内の自然研究路でで109日、火口に最も近い神山登山口は193日に達した。箱根ロープウェイも火山ガスの濃度上昇に伴い、運転を中止した日が計13日(4月23日現在)あった。

 火山ガスの濃度が下がりきっていないのは、大涌谷の斜面にある火口や噴気孔などからの噴気が衰えていないからだ。

 監視カメラによる気象庁の観測では、噴気はおおむね高さ400メートル以下で推移しているが、3月17日と23日には一時的に千メートルほどに上昇した。大涌谷で火山ガスの定点調査を続けている東海大の大場武教授は「今回の火山活動によって形成された火口や噴気孔などがガスの抜け道のようになっているのではないか」と、勢いが弱まらない要因を分析。「風向きによってはSO2の影響でせき込むこともあるが、噴気がこれ以上収まることは考えにくい。現在のような状況を定常と捉えてガスの対策を講じていくしかない」と注意を促す。

 一方、これまでの活動で観測されてきた主な現象のうち、微小な火山性地震と山体膨張の地殻変動は既に終息している。県温泉地学研究所の板寺一洋研究課長は「一時的に地震が増えることはあっても、全体としては落ち着いた状況が続いている」とした上で、こう話す。「いつ再び活発化するか分からないので、引き続き注意深く観測していきたい」

箱根山の火山活動を巡る主な経過

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銀座に研究技術ギャラリー開業 ファンケル

05.02 16:40 神奈川新聞

 ファンケル(横浜市中区)は、ファンケル銀座スクエア(東京都中央区)に「ファンケル研究技術ギャラリー」をオープンした。同社の総合研究所で培った研究成果などを取り上げている。

 5階の「未来肌研究室」を同ギャラリーにリニューアル。添加物による肌へのストレスを科学的に解析したデータや、無添加を守る密封容器の設計技術、体内効率の考え方とその効果、機能性表示サプリメントの臨床データなどを紹介している。

 午前11時~午後8時。問い合わせは、ファンケル銀座スクエア電話03(5537)0231。

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シンガポールのサプリ市場に参入 ユーグレナ

05.02 16:40 神奈川新聞

 横浜市鶴見区に主要研究拠点を置くバイオ企業ユーグレナ(東京都)は4月から、シンガポールのサプリメント(栄養補助食品)市場に参入した。中国に続く海外展開で、今回は自社ブランドとして初の海外専用製品を用意。技術的に強みを持つ微細藻類ミドリムシを活用したサプリ「ユーグレナP-3」で同国への浸透をまず図りながら、東南アジア地域内での横展開にもつなげる方針。

 4月25日から同国での投入第一弾として「P-3」を販売開始した。複数の栄養素に富むミドリムシに、腸内環境を整えるとされるビフィズス菌、オリゴ糖を加えた。価格は「日本よりやや高め」(同社)という90粒入りで約9千円の設定で、日本で生産して輸出する。

 同社は2015年に中国に設立した子会社を通じ、同国で健康補助食品などを展開。「さらなる海外展開に向けた新たな一歩」を探る中、経済成長が著しい東南アジア諸国連合(ASEAN)の域内で存在感があり、世界保健機関の統計などから健康志向も強いとされるシンガポールを選んだという。

 同社は、「シンガポールは成長市場であるASEANでの水平展開を探る上でも重要な試みになる」と説明した。

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「ヒマワリの街」をPR 座間市、種を配布

05.02 16:40 神奈川新聞

 ヒマワリの街としてのPRにつなげようと、座間市は市民、小学校といった施設向けに約15万本分のヒマワリの種の配布を始めた。市内では約55万本が咲き誇る「ひまわりまつり」が夏の風物詩として定着。まつり会場だけではなく、地域全体を花いっぱいにする初めての試み。

 「ひまわり100万本のまち座間」と銘打ち、市の花ヒマワリの栽培を通じて郷土に愛着を持ってもらい、観光振興につなげる狙い。種は市観光協会が用意し、各家庭の庭や校庭の一角で育ててもらう。

 市民用に配られるのは40~60センチほどの大きさに育つ種。6万6千本分(1万1千袋)で、このうち小学校11校の全児童約6400人にすでに配布し、残りを市役所や公民館などで配布する。

 小学校など各施設向けには背丈150センチほどに育つ種を配布。8万4千本分(4200袋)で1日現在、8割以上は小・中学校などに配布済みだ。

 市市政戦略課によると、5月下旬から6月中旬ごろに種をまくと、7月中旬から8月中旬にかけて開花するという。

 ひまわりまつりは、荒廃地対策の一環で2000年に始まり、時期を分け2会場で行われる。計5・5ヘクタールに大輪が咲き誇り、昨年は20万人を超す来場者が訪れ、風物詩として定着した。来訪者は増加傾向という。

 同課は「まつりの盛り上げに加え、地域一丸で取り組むことで、地元への愛着を育むきっかけになってほしい」と期待している。

 種は市役所や公民館、コミュニティセンターで配布し、なくなり次第終了する。問い合わせは、同課電話046(252)8321。

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ガンダムなど120点 メカニックデザイナーが画集

05.02 16:40 神奈川新聞

 横須賀市在住で日本を代表するメカニックデザイナーの宮武一貴さん(67)が1日、横須賀市役所を訪れ、吉田雄人市長に新しい画集の発売を報告した。

 メカニックデザインは、アニメやゲームに登場するロボットや兵器、宇宙船などをデザインすること。今回の画集は「マジンガーZ」などの初期の作品から「宇宙戦艦ヤマト」や「機動戦士ガンダム」といった人気作品まで、宮武さんの貴重なイラストを美しい高精細印刷で再現。約120点が収録されている。

 宮武さんは「僕が残してきたものは僕だけのものじゃない。他の人に喜んでもらうために描いており、多くのファンがいるのであれば、その人たちのためにも出さないといけない」と出版に至った理由を説明。吉田市長は「創作意欲は枯れることがない感じですね」と感心した様子だった。

 宮武さんは2015年、同市の記念艦「三笠」で初となる個展「宮武一貴原画展」を開催。当時の展示作品が今回の画集にも収録されている。

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夏を先取り 川崎モアーズ屋上にビアガーデン

05.02 16:40 神奈川新聞

 ジョッキ片手に夏を先取り-。JR川崎駅前の川崎モアーズ屋上で1日、ビアガーデンがオープンした。にわか雨が降ったものの暖かな陽気に誘われるように、仕事後の一杯を求める多くの会社員らがジョッキを傾けた。

 今年は、網焼きのジンギスカンが楽しめる2時間制のバーベキュースタイルで営業。爽やかな風が通る屋上で、仲間とテーブルを囲みながら、ラム肉や牛カルビ肉を焼いていた会社員(43)は「今年も楽しみな季節が始まった。仕事帰りの一杯は最高」と笑顔だった。

 9月30日まで。バーベキューセット・飲み放題で大人3800円など。営業時間は時期によって異なる。問い合わせは、同店電話044(211)9557。

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川崎大師「開創890年祭」 参拝者でにぎわう

05.02 16:40 神奈川新聞

 「厄除(よ)け大師」として有名な川崎大師平間寺(川崎市川崎区、藤田隆乗貫首)で1日、「開創890年祭」が始まった。7日まで、法要や稚児練(ねり)供養などが行われる。記念事業として日本百観音霊場お砂踏み参拝所が1日に開設され、多くの参拝者でにぎわった。

 890年祭を始める開白(かいびゃく)大法要が本堂で行われ、多くの信徒や参拝者が見守る中、緋(ひ)色の法衣をまとった藤田貫首が大導師を務め、厳かに行われた。

 お砂踏み参拝所は、西国三十三観音、板東三十三観音、秩父三十四観音の計100寺院を藤田貫首が回って集めた土砂が埋められ、長さ約30メートルの壁面に各寺院の本尊と詠歌をブロンズ製レリーフにして飾られている。金工家の鈴木長吉が1903年に制作し川崎大空襲で損傷したとみられる聖観音銅像も修復されて移設している。同参拝所は、100観音をお参りしたのと同じ御利益があるといわれ、参拝者らはレリーフを触るなどして熱心に参拝していた。

 890年祭に合わせ、寺宝展「観音さまと聖教展」が21日まで、境内のお護摩受付所地下ホールで開かれ、棟方志功作「二菩薩(ぼさつ)釈迦(しゃか)十大弟子図屏風(びょうぶ)」や平安・鎌倉期の古写経など貴重な資料を展示している。入場無料。

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