【憲法特集】誰も犠牲にしない国へ  岡野八代さん

05.06 16:40 神奈川新聞

【時代の正体取材班】日本国憲法は3日、施行から70年の節目を迎えた。国民主権、基本的人権の尊重、平和主義の三大原理は戦後の民主主義社会の中で息づいてきた。一方、国会では2016年7月の参院選の結果、初めて改憲勢力が衆参両院で3分の2以上を占めた。改憲テーマを論じる両院の憲法審査会も再開。そして、安倍政権下では安全保障法制や共謀罪、教育改革など実質的に憲法の理念を骨抜きにする動きが進む。われわれは今の時代をどう捉え、振る舞えばよいのか。思想家の内田樹さん、フリーライターの武田砂鉄さん、政治学者の岡野八代さんに聞いた。

子ども一人一人の尊厳を大切にした教育が行われているか

政治学者 岡野八代さん

岡野八代さん

 私が務める同志社大学の付属香里(こうり)中学校(大阪府寝屋川市)では2015年、横浜市、藤沢市、大阪市などと同様に育鵬社の歴史・公民教科書が採択された。

 採択を機に育鵬社版公民を読んで「家族」の記述の多さに驚いた。

 〈家族は、愛情と信頼で結ばれた、最も身近な共同体で、社会の基礎となる単位〉

 〈やがて私たちは新しい家族をつくり、今度は私たちを育ててくれた年老いた親を支え、介護をすることも大切な役割になります〉

 〈憲法(24条)や民法は、夫婦がたがいに協力すること、家族が共に助け合うことを定めています〉

 この教科書では日本人の両親と子どもという典型的な家族像があるべき姿とされている。「家族の助け合い」を強調する記述は他社版になく、際立っている。

 一方で、現実の子どもたちは、一人一人が異なる家庭環境の中で生きている。一人親家庭の子もいれば、親が外国籍の子もいる。多様な家族像に目を向けないこの教科書で教えられたら、子どもによっては自分の家族を否定的に見てしまわないか。

 教室には虐待に遭っている子や、保護者がいない子がいるかもしれない。家族の助け合いが強調されると、自分の境遇は無視されていると感じ、押し黙らざるを得ない状況に子どもたちを追い込むことにならないか。多感な時期の中学生に対し、社会科教諭は一人一人の家庭環境にどこまで気を配って教えているだろうか。

 家族の形は一つではない。自分の歩みや経験を否定され、声も上げられない状況になったら、大人だって耐えられない。子ども一人一人の尊厳を大切にした教育が行われているか。

 わたしたちはもっと目を凝らさなければならない。それは、大人としての責任だ。

育鵬社版公民の狙い

 それにしても育鵬社版公民はなぜ、ここまで家族の記述にこだわるのか。なぜ特定の家族像を子どもたちに押し付けようとするのか。

 ここで思い起こされるのは、この教科書が発するメッセージと軌を一にしている自民党改憲草案、安倍晋三政権の政治姿勢だ。

 個人の権利を保障するために国家権力の行使を制限する「立憲主義」という考え方では、国家は一人一人がよりよく生きるための「道具」にすぎない。個人の尊厳を尊重する制度を整えることが国家の役割だ。日本国憲法はこの考え方にのっとっている。

 だが、安倍政権や自民党改憲草案が描く国家像は、国家の繁栄のために「国民が道具になれ」というものだ。

 もっと言えば、戦前型の「国家のために犠牲になる国民づくり」を進めようとしているように見える。だからこそ、人格形成に影響を与える教育や家族の分野に介入しようとしている。自民党が議員立法で成立を目指す、国や自治体の施策に地域住民が協力するよう求める「家庭教育支援法案」や、小学校では18年度から始まる道徳教科化はその一環と言える。

 すでに形として現れている育鵬社版公民では国家のために役割を果たす生き方を学ぶことが、教科の目的のように読める。

 公民の「公」あるいは「公共性」とは何か。国家とは一線を画して市民の自由で対等な討論から「公共性」が生まれた西洋と異なり、日本の「公」は上意下達でつくられてきた色彩が強い。今もって国家と同一視されることが少なくなく、この教科書もその考え方にこだわっている。「目上の者には従え」と言わんばかりで、国家の思惑にとらわれずに個人がよりよく生きることを保障する立憲主義には否定的だ。

 家族には夫と妻、親と子、姉と妹といった上下関係があったり、仕事や家事などで役割分担があったりする。だが、立憲主義のもとでは、家族の中の不平等な関係やしがらみから社会に出たら、どんな境遇の人でも一人一人に同じ価値があり、自由に生きることができ、それぞれの意見が尊重される。

 確かに、現実の社会は平等ではない。だからこそ憲法が個人の尊厳の尊重を徹底するよう宣言しているのだ。

 「この社会であなたたちはそれぞれ価値があり、平等です。自由に発言していいのです。一票は同じように尊重されます」と、子どもたちに語ることこそ、本来の公民という教科の役割ではないか。

 森友学園の問題が表面化した当初、安倍首相らは学園の教育方針を評価していた。国家に命をささげることを命じる教育勅語を幼稚園児に暗唱させるような学校を全国につくりたかったのだろう。

 自らに近い人たちが執筆陣に名を連ねている育鵬社教科書を使う学校が増えることに、安倍首相やその周辺が期待を寄せているのは間違いない。

24条もっと生かそう

 個人の尊厳を大切にする社会を目指す上で、24条は重要だ。婚姻について単に定めた条文ではない。憲法の中で唯一、個人の尊厳を明記しているからだ。

 戦前の家父長制の下で権利を剥奪され、服従することを余儀なくされていた女性が、戦後は家族の犠牲になることがないように定められたものだ。家族の中で誰も犠牲になってはいけないことを示した条文と言える。

 しかし戦後、24条は9条とともに保守陣営からの攻撃にさらされた。「個人主義は家族を解体させる」という考えだ。自民党改憲草案には「家族は、互いに助け合わなければならない」という記述が盛り込まれている。(一見もっともらしい言説で)24条の意義が骨抜きにされようとしている。

 いま、家族間の経済格差が広がっている。生まれた環境で子どもたちの将来が左右されることのないように、誰一人として犠牲にしない政治を進めていく上で、この24条が礎になる。

 個人の尊重や幸福追求権を定めた13条を大切にしながら、生存権(すべての国民が健康で文化的な最低限度の生活を営む権利)を定めた25条を足掛かりに一人一人の生活を支える手だてを整えていくことこそ、いまの政治に求められている。

 戦争になると真っ先に犠牲になるのは国民生活で、個人の尊厳がないがしろにされる。国民が犠牲になる戦争を放棄した9条の根幹の一つには、誰も犠牲にさせないことを掲げる24条がある。

 安全保障法制を通じて戦争ができる国づくりを進めるのではなく、24条の潜在的な可能性を生かす取り組みを進めていくことこそ平和への道のりなのだ。

岡野八代さん

 昨年7月に相模原市で起きた障害者施設殺傷事件は、社会に貢献できるかできないかで人を測るような考え方が世の中に浸透していることを極端な形で示した。これは被告だけの問題ではなく、今の社会のありようが問われている。

 個人の尊厳を尊重し、誰も犠牲にしないという考え方が、いまを生きる一人一人に問われている。
【構成=成田 洋樹】

おかの・やよ
 1967年三重県生まれ。同志社大学大学院グローバル・スタディーズ研究科教授。専門は西洋政治思想史、フェミニズム理論。2016年11月からパリで在外研究中。立憲デモクラシーの会呼びかけ人、24条変えさせないキャンペーン呼びかけ人。著書に「戦争に抗する ケアの倫理と平和の構想」(岩波書店)、「フェミニズムの政治学 ケアの倫理をグローバル社会へ」(みすず書房)など。

憲法24条

【現行憲法】
 婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない。

 (2)配偶者の選択、財産権、相続、住居の選定、離婚並びに婚姻及び家族に関するその他の事項に関しては、法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して、制定されなければならない。

【自民改憲草案】
 家族は、社会の自然かつ基礎的な単位として、尊重される。家族は、互いに助け合わなければならない。

 2 婚姻は、両性の合意に基づいて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない。

 3 家族、扶養、後見、婚姻及び離婚、財産権、相続並びに親族に関するその他の事項に関しては、法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して、制定されなければならない。

■自民改憲草案への主な懸念
【新設第1項】尊重されるべき基礎単位が「個人」から「家族」とされ、戦前の家制度や家父長制度回帰への懸念など。

【第2項改正】婚姻成立は「両性の合意のみ」とある「のみ」2文字の削除。両当事者以外の第三者の合意を必要とする法改正への懸念が指摘されている。

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箱根・火山活発化2年 完全復旧へ高まる期待

05.06 16:40 神奈川新聞

 箱根山(箱根町)の火山活動活発化の影響で支障を来していた大涌谷からの温泉供給は、2年を経て「完全復旧」が視界に入ってきた。ことし4月に全ての供給先に温泉を届けられるようになり、今後の課題は湯量や温度などの回復に移った。大型連休真っただ中の5日には大勢の人でにぎわい、箱根を訪れる観光客の数も戻りつつある。年内が目標とされる温泉利用施設の全面的な再開は一層の弾みになると、関係者の期待は大きい。

 「温泉の湯が出ますよ」。同町仙石原の民宿「伊藤山荘」に連絡が入ったのは4月3日。程なくして乳白色の湯が注がれ、浴槽を満たしていった。

 2015年6月29日に大涌谷でごく小規模な噴火が起きてから、温泉の供給は完全に止まっていた。以降は、水道水を湧かした湯にハーブやユズを浮かべたり、日帰り温泉を紹介したりして穴埋めするしかなかった。客足は遠のき、以前と比べて3割ほど減った。

 「自然が相手だから待つしかなかった。でも、2年というのは長い」。まだ湯量が限られているため、露天風呂には使えないが、オーナーの伊藤恭二さん(73)は安堵(あんど)の表情を浮かべる。

       ■ ■ ■

 大涌谷の蒸気を利用して温泉供給事業を営む「箱根温泉供給」は、箱根山の噴火警戒レベルが2(火口周辺規制、現在はレベル1)に引き上げられた15年5月6日以降、立ち入り規制や地表の局所的な隆起の影響で設備のメンテナンスができない日々が続いた。

 さらに小規模噴火に伴う土石流で配管などが損壊。同社からの温泉を日常的に利用している旅館や保養所約250軒のうち、約70軒に提供できない状況に追い込まれた。別荘なども含めれば、大きな影響を受けた供給先は最大で100軒ほどに上ったという。

 再開への道筋が見え始めたのは、メンテナンスの立ち入りが認められた昨年4月。火口に近く、硫黄が詰まるなどした蒸気井や配管の修復作業を始め、温泉を届けられなくなっていた供給先への提供を12月以降に順次再開、この4月で全施設への供給にこぎ着けた。

 同社の担当者は「大型連休前に再開できてよかった」と胸をなで下ろすが、供給量はかつての7~8割程度という。湯の温度が本来より10度ほど低い供給先もあり、「まだ完全復旧と言える段階ではない」とも話す。

 活発に蒸気が噴出している斜面で、損壊した蒸気井などを修復する作業を進めなければならず、「年末までには何とか復旧させたい。そうすれば100%に近い状態に戻るはず」と今後を見据える。

       ■ ■ ■

 「温泉は箱根の生命線。町の観光振興にとっても大きな一歩」。町観光協会の高橋始専務理事は全施設への供給再開を喜ぶ。

 年間の観光客入り込み数2千万人という箱根観光の目標は、火山活動の影響を受けた15年は達成できなかったが、回復基調となった16年は「届いたのではないか」との手応えがある。今年に入ってからは、さらに上回る状況が見込まれ、小田原箱根商工会議所が2月に行った景況調査でも商工業者のマインドが大幅に改善している。

 大型連休も客足の改善を裏付けるような混雑ぶりとなっている。箱根の玄関口である箱根登山鉄道箱根湯本駅は5日、家族連れや外国人観光客など、多くの人でにぎわった。海老名市の主婦(42)は「思ったより人が多くてびっくりした。温泉やガラス細工を楽しみたい」と話し、都内から家族で訪れていた男児(4)は「楽しかった。外の風呂が気持ちよかった」と笑顔を見せていた。

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海岸通「お弁当のタイム」 とり唐揚げ弁当 

05.06 16:40 神奈川新聞

隠し味に黒こしょう

 象の鼻パーク入口脇、昭和の面影を残すビル1階に構える弁当店。先代が喫茶店として当地に開き「港湾関係者に温かいお弁当を」と、30数年前から手作り弁当の専門店になった。

 メニューは約30種類あり、大ぶりの唐揚げが入った「とり唐揚げ弁当」(520円)は男女問わず人気。しょうゆベースの衣は隠し味に粗びき黒こしょうを入れ、さっぱりした仕上がりに。自慢のご飯は冷めてもおいしいと評判だ。

 「その時季一番おいしい国産のお米を仕入れています」と2代目の山下祐子さん。9月に入ると新米を使って炊くという。2人の娘が考案した昼限定メニューも人気。「女性からの評判も上々です」(山下さん)と、うれしそうに話す。

お弁当のタイム

・横浜市中区海岸通1の1
・みなとみらい線日本大通り駅徒歩3分
・午前8時~午後4時(土日祝は3時まで)
・年末年始休み
・近隣に限り配達可
・電話045(651)9610。

お弁当のタイム

※価格等は変わっている場合があります。

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魅力いっぱい大学のある街 テーマ特集@土曜日

05.06 16:40 神奈川新聞

 ひしめく喫茶店や食堂、アパートなど、かつての「学生街」を思わせる景色は少なくなったものの、いつの時代も大学周辺には、若者たちの学びや暮らしを応援する人がたくさんいます。県内大学のお膝元となる街の魅力を紹介する新企画。初回は、神奈川大学の最寄り駅、東急東横線白楽駅前に広がる六角橋商店街周辺(横浜市神奈川区)を訪ねました。

【六角橋商店街】下町のような懐かしさ

六角橋商店街のアーケード

 戦前から続く横浜市内有数の商店街。東急東横線白楽駅と六角橋交差点を結ぶアーチが架かる約300メートルの大通りと、並行する約250メートルのアーケード街「ふれあい通り」からなる新旧約170店舗が軒を連ねる。青果店や精肉店、雑貨店や衣料品店からカフェ、バーなどさまざまな店が並ぶ。

 アーケード街は戦後間もなく建った建物が多く残り、長屋風の木造店舗は昭和レトロな雰囲気を醸し出している。下町のような懐かしい風情は、ドラマや映画のロケ地としても有名。

 年間を通して数多くのイベントを開催。夜のフリーマーケット、夏に行われる商店街プロレスは人気で、大勢の人が楽しみに集まる。また、地元神奈川大学(神大)と連携した交流イベントも盛んだ。

アーチと街路灯リニューアル

 昨年、約30年ぶりにリニューアルしたアーチと街路灯は、神奈川大大学院生がデザイン。約300メートルの大通りに、アーチ(高さ約7メートル)が7基、街路灯は45本ある。色とりどりのステンドグラスをちりばめ、商店街の名にちなんで所々に六角形や漢数字の「六」をあしらっている。

学生がデザインした街路灯

突撃!インタビュー

 「六角橋商業協同組合」「六角橋商和会」「六角橋興和会」「六角橋中央会」の4商店会で構成される六角橋商店街連合会。同連合会役員の糸井勇さん(72)、野村浩さん(64)に話を聞いた。

六角橋商店街連合会役員の糸井勇さん(72)=写真右、野村浩さん(64)=同左

-「ドッキリヤミ市場」は、今年で20年。商店街の名物イベントの一つになりましたね。

糸井:空き店舗対策をはじめ、ファミリー層や学生を商店街に取り戻そうと、台湾やタイのナイトマーケットをヒントに始めました。

-神大生も協力していると聞きましたが。

糸井:第1回から運営を手伝ってもらっています。

-全国的に路面店の商店街が減少するなか、力を入れている取り組みは?

野村:地域の皆さんに愛されるよう、各店舗が協力して魅力あるイベントを続けていくことです。

-若い世代に向けては?

野村:フェイスブックやツイッターなどのSNS、無料通信アプリ「LINE」を使ってセールやイベント情報、お得クーポンなどを積極的に配信しています。

イベントも多彩

■うまいもの市場/第1日曜 正午~
※3~11月(7、8月は休み)
 商店会加盟店舗の女性スタッフでつくるおかみさんの会「元気かい」が企画・運営する。早朝から商店街名物の具だくさんのすいとんを仕込み、1杯150円で販売。この日のために取り寄せる菓子や、各店自慢のパンやおにぎりなどが並ぶ。次回は5月7日。

■ドッキリヤミ市場/第3土曜 午後8~10時
※4~10月(8月は休み)
 1997年から続く商店街の風物詩。道幅約2メートルの木造アーケード「ふれあい通り」の店が閉店後、シャッター前の通り一帯が夜のフリーマーケット会場に様変わりする。約20組が出店。古着やアクセサリーといった掘り出し物を探しに、若者や親子連れら大勢の人が繰り出す。焼き鳥などの露店も並ぶ。

 「大通り」ではライブパフォーマンスやダンス、大道芸などが行われ、商店街一体がお祭りムードに。次回は5月20日。

「ふれあい通り」の店が閉店後、シャッター前の通り一帯が夜のフリーマーケット会場に

■商店街プロレス
※8月の第1土曜
 大日本プロレスの協力で2005年にスタート。商店街に隣接した駐車場に特設リングを設置し、6、7試合が行われる。迫力ある試合を間近で観戦できるとあり、地元のみならず地方からもファンが押し寄せる人気ぶりだ。

 きっかけは、映画の撮影。プロレスラーが主人公の映画のロケが同商店街で行われ、出演者として参加した大日本プロレス所属のレスラーと「地域を盛り上げようと」意気投合。翌年から夏休み恒例イベントとして開催されるようになった。今年は8月5日。チケットは6月1日発売開始。

商店街に隣接した駐車場に特設リングを設置し、6、7試合が行われる

== 六角橋商店街事務所
住所:横浜市神奈川区六角橋1の10の2
電話:045(432)2887
ホームページ: http://www.rokkakubashi.jp/

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多彩な沖縄文化堪能「はいさいFESTA」 7日まで

05.05 16:40 神奈川新聞

 沖縄の魅力を紹介する恒例イベント「はいさいFESTA2017」が、JR川崎駅東口の複合商業施設「ラ チッタデッラ」とチネチッタ通り商店街で開かれている。沖縄の料理や映画、出身歌手らによるライブなど多彩な沖縄文化が楽しめる。7日まで。

 現地の料理や特産物などを販売する約50店の屋台が並ぶほか、三線(さんしん)やシーサーの色塗りなど七つのワークショップを企画。野外フリーライブや有名アーティストらが出演する音楽祭、沖縄民謡が流れるカフェなども開かれている。伝統芸能「エイサー」の舞台は、日替わりの出演者が力強い掛け声と太鼓の音で迫力ある演技を披露している。

 行楽日和となった4日は多くの来場者で大盛況。母親と訪れた東京都北区の男児は「運動会に向けて練習しているエイサーと似ていて、すごかった。あんな風に踊りたい」と笑顔を見せ、観客も入り乱れて踊る「カチャーシー」に参加していた。

 同商店街振興組合とチッタエンタテイメントの主催で14回目。イベントの詳細は「ラ チッタデッラ」のホームページに掲載している。

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ハマの技術力発信 ADB横浜総会開幕

05.05 16:40 神奈川新聞

 アジア開発銀行(ADB)年次総会が4日、横浜市で開幕し、会場のパシフィコ横浜(同市西区)には、市内を地盤とする企業が展開する事業などを紹介する「YOKOHAMAブース」が設けられた。各社は自慢の技術力をアジア地域に発信する好機と捉え、7日までの期間中、ADB加盟各国・地域の関係者らにオンリーワンの取り組みを精力的に売り込む考えだ。

 ブースには8社と横浜市、県が出展した。富士ソフトは、最先端のセキュリティー技術を展示。なりすましが困難な上に精度が高い、指の静脈による認証システムなどが注目を集めた。安江令子常務執行役員は「金融機関関係者が多く、セキュリティー対策への関心が高い。日本勢が技術をリードしている分野だけに、しっかりアピールしたい」と話した。

 中小企業の技術力発信もテーマ。キーストーンテクノロジーは発光ダイオード(LED)照明で、寒冷地でも野菜が栽培できるショーケース形の菜園設備を紹介。SHCデザインは、3Dプリンターを用いて最適な義足を提供する技術を売り込む。

 主にアジア地域で事業展開する取引企業の紹介にスペースを割くのは横浜銀行。神奈川トヨタ自動車は会期中、ADB総裁の公用車として燃料電池自動車(FCV)を提供する。横浜市は低炭素社会など環境面の取り組みをPRするほか、リコーの技術で三渓園の四季を障子越しに映像で投影するプロジェクションマッピングなどを通し、市内の観光スポットもアピールする。

 訪れたインド政府関係者は「日本の技術水準の高さを再認識した。警備の人まで笑顔で接してくれる横浜の歓待ぶりは素晴らしい」と話した。

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【憲法の足元】(1)基地のまち 不安、有事と隣り合う

05.05 16:40 神奈川新聞

 4月10日の昼下がり。仕事の合間に、ほっと一息ついている時だった。横浜市戸塚区の会社員の男性(23)が携帯電話に目を落とすと、1通のメールが届いていた。

 「米海軍の都合により、大変申し訳ありませんが中止とさせていただきました」

 差出人は横須賀市国際交流課。男性は19日に予定されていた米軍関係者と市民ボランティアによる清掃イベントに応募していた。「米海軍の都合」という以上の説明はない。男性の心はざわついた。

 緊迫の度を増す北朝鮮情勢。米原子力空母カール・ビンソンが朝鮮半島近海に向け、シンガポールを出港したと報じられていた。

 トランプ政権誕生後、米国は強硬路線に転じ、シリアへの巡航ミサイルによる空爆やアフガニスタンでの過激派組織「イスラム国」(IS)を狙った大規模爆風爆弾の使用に踏み切った。北朝鮮への先制攻撃もあるのではないか、そして日本への報復攻撃も-。どこか遠く思えた出来事が、にわかに身近に感じられ、自身の身の回りにも何か起きはしないかと不安を覚えた。

 在日米海軍はその後、イベント中止と北朝鮮情勢の関連を示唆した一部報道を受け、公式フェイスブックで「(中止は)副大統領の訪問に伴うもの」と説明した。それでも男性は「後付けの理由では」との思いが消えなかった。情報不足が疑念を生み、不安を増幅させていた。

 迎えた19日。来日したペンス米副大統領は原子力空母ロナルド・レーガンの甲板で、米兵や海上自衛官ら約2600人を前に拳を振り上げた。「核兵器を含むあらゆる攻撃に対し、われわれは圧倒的かつ効果的な反撃で打ち負かす」。北朝鮮を脅威と名指しして語気を強めると、大きな拍手と歓声が上がった。

      ■ ■ ■
 
 米軍と自衛隊の基地を抱える横須賀。漠然とした不安や恐怖心を抱える住民は少なくない。

 米海軍横須賀基地に隣接する高校に通っていた横須賀市在住の女性(32)には、忘れられない経験がある。2001年9月11日の米中枢同時テロから程なくして、体育の授業でフェンス近くのテニスコートにいたときのことだ。

 「パーン」。グラウンドで陸上競技のスタートを合図する乾いたピストル音が鳴ると、米兵がフェンス越しに銃口を向けてきた。基地内の警戒レベルの高まりを感じ、海の向こうで起きたテロ事件が「実は人ごとではなかった」と思い知らされた。

 それから16年、2児の母になった。東京電力福島第1原発事故後、横須賀配備の原子力空母が事故を起こさないかと懸念が募る。根っこにあるのは情報開示に後ろ向きな日米当局への不信感だ。「東日本大震災の発生時、多くの米軍関係者は帰国した。でも、私たちには正確な情報は伝えられなかった」

 北朝鮮の弾道ミサイルは在日米軍基地を標的にしているとも言われる。13年には基地のある青森、沖縄県とともに横須賀を名指しし「射程圏内だ」と攻撃をちらつかせた。

 一方、今月1日には海上自衛隊のヘリコプター搭載型の護衛艦「いずも」が海自横須賀基地を出港した。平時から米軍の艦艇などを守る「武器等防護」を実施し、北朝鮮をけん制する狙いがある。自衛隊が安全保障関連法の新任務を行う初舞台が横須賀となった。安保関連法施行に伴い、攻撃対象となる恐れが高まったように思う。

 「基地があるから守られているのではなく、基地あるがゆえに狙われるのではないか」

 軍港のまちでは日々の生活の中で、五感で感じる基地被害に直面することはない。基地従業員や自衛隊員とその家族が暮らし、米軍相手の商売は多い。歴史的に国防を担ってきたという自負もあり、「基地問題や安全保障について否定的な議論をしにくい雰囲気を感じる」。

 ただ、常に有事と隣り合わせになり得る。何げない日常が急変する不安がつきまとう。

      □ □ □

 日本国憲法が施行70年を迎えた。日常の中から見詰める。

◆前文
われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。

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旭日旗掲出、AFCに質問へ J1川崎

05.05 16:40 神奈川新聞

執行猶予付き無観客

 AFCが川崎に対する処分を発表したことを受け、川崎市内のクラブ事務所で取材に応じた川崎の藁科義弘社長(59)は「(旭日旗が差別的という)理由を確認したい。その結果が出てから今後の対応を考える」と述べ、AFCに対して近日中に質問状を送る方針を示した。

 藁科社長は「(旭日旗に)政治的、差別的な意図はないというのがわれわれの考え方。非常に残念」とこれまでと同じ見解を強調した。

 規約通りならば、AFC主催のホームゲーム2試合を無観客とする罰則が科される可能性もあったが、今回は1年間の執行猶予付きで1試合のみの処分となった。それでも、「(罰則の)軽重を意識しているわけではない。われわれの主張に対して罰則が出たことが不本意なので、それに対して質問する」と訴えた。今後の異議申し立ての可能性については「(解答の)結果が出てからJリーグ、JFAと相談しながら考えたい」とした。

 9日にはアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)のイースタン(香港)戦がホームの等々力陸上競技場で開催されるが、従来通りに手荷物検査を実施するという。旭日旗の持ち込みに関しては「遠慮をお願いする可能性がある」と話した。

旭日旗問題で取材に応じるJ1川崎の藁科社長=川崎市高津区

 クラブによると、水原(韓国)戦で旭日旗を掲出した男性2人組はすでにクラブ側から事情聴取を受けて、謝罪。当面の間、観戦を自粛する申し入れがあったという。

処分受け入れず議論を

◆川崎のサポーター団体「川崎華族」の山崎真代表の話

 何が相手に嫌悪感を持たれるものなのか分からない状況で執行猶予というのはいかがなものなのか。(旭日旗が差別的だと)言った者勝ちの状況はおかしい。今回の処分は受け入れずにAFCと議論をしてほしい。

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【照明灯】改革も実態は過労死レベル

05.05 16:40 神奈川新聞

 ゴールデンウイークまっただ中。9連休という方も中にはおられよう。だが、優雅なイタリア人夫妻の話を聞けば「大型連休」がかすむかも▼「冬に1週間と結婚記念日のある6月に1週間、8月には3週間の旅に出る」。警察官の夫ジョニーと衣服バイヤーの妻クリスティーナがほほ笑む。「有給で?」。夫妻のバカンス自慢を聞く白人男性が尋ねる。「もちろん。毎年30~35日間は有給で、祝日も12日ある」▼驚きながら夫妻の話を聞く男性は、アポなし取材と辛辣(しんらつ)インタビューが身上のマイケル・ムーア監督。昨年公開のドキュメンタリー映画「マイケル・ムーアの世界侵略のススメ」の一コマだ。米国にない優れた制度を“盗んで”持ち帰ろうと各国を巡る▼年間休日8週間のイタリアでは、昼休みは自宅で食事をして2時間取る。ドイツは週36時間労働で午後2時に帰宅、従業員の私的時間に上司がメールを打つのはご法度だ。こうした施策の根にある人間尊重の精神はもともと「米国から学んだ」と関係者。監督らしい含みのある締めだ▼さて、安倍晋三首相が胸をはった「働き方改革」。だが、ふたを開ければ過労死するレベルの長時間労働を容認するような内容だ。ムーア監督の日本「侵略」は当面なさそうである。

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注目集める「5ラウンド」反復授業

05.05 16:40 神奈川新聞

 1年間で英語の教科書を5回繰り返す横浜市立南高校付属中学校(同市港南区)の授業が注目を集めている。切り口を変えて何度も学習することで、話す・聞く・読む・書くといった総合力が向上し、実用英語技能検定(英検)でも一定の効果が出ている。従来と一線を画す授業は、市内にとどまらず県外の自治体も導入し、広まりを見せる。

 新学期が始まった4月下旬、2年生の教室。山本丁友(ていゆう)教諭(26)は絵が描かれたカード6枚を黒板に並べ、英語の音声を流した後、呼び掛けた。「今のストーリーの内容に合わせてカードを並べ替えよう」。教科書を開かずに聞いていた生徒はカードの順番をすらすらと答えていく。

 開校時の2012年度に取り入れた「5ラウンド制」は、1巡目に絵を見ながら全文リスニングだけを実施。2巡目は音を聞いて単語や短文を正しく並べ替える作業を繰り返す。3巡目は教科書を使って音読。4巡目で一部穴開きの本文を音読し、5巡目で内容を友達に話す。授業は全て英語。50分間の授業の冒頭15分ほどは教科書を使わず生徒間でスピーチやディスカッションを行う。

 5ラウンド制を採用した同校元英語教諭の西村秀之さん(44)は、前任校で教科書を繰り返すことで生徒の表現力が向上したことが発案のきっかけだったと説明。教科書は他校でも使う「コロンブス21」(光村図書)で150ページほど。「文字からよりも、音からのほうが頭にすんなり入る。同じ内容を年間約100回繰り返すことで、文法や単語も自然と身に付く」と効果を話す。

 その結果、国の目標で「英検3級程度」とされる中学3年生は、導入後に87%が準2級、20%が2級を取得した。現在2年生の後藤匠(たくみ)さん(13)は「知らない単語が出ても自分で想像する力がついてきた。積極的に英語で話すことができるようになって楽しい」と話す。

 中高一貫の同校では、他の市立中より授業数が多く、高校受験がないといった特殊事情がある。だが毎年実施する公開授業には教諭や塾関係者、出版関係者ら約200人が全国から視察に訪れる。

 埼玉県熊谷市は14年度に1校で試行したところ、全市一斉テストの年間の伸び率が他校より大幅に高かったため、16年度から全16校に展開。同市教育委員会は「授業では生徒がよく話し、とにかく書いている。明らかに変わった」。全校展開についても「大きな問題は生じていない。市全体の英語力が底上げできればいい」と話す。

 横浜市では17年度から中川西中(都筑区)が始めた。市教委は一般校に導入する上での課題として、授業数の少なさや高校受験、塾との学習方式の違い、慣れない教諭への負担を挙げる。担当者は「一般校でも効率的に授業を進めたり、3年時の学習内容を工夫させたりして効果や課題を検証したい」としている。

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