常陸国(茨城県)の鹿島神宮は、武の神様を祭る神社として皇室や武士政権から厚い崇敬を受けてきた。県の南東部に位置し、十数キロ南へ下ればそこは千葉県である。
そんな両県は「チバラギ」の別称が付けられている。田舎臭い風土を指す言葉として主に用いられるが、全国でもとりわけヤンキーの多い地域としても知られている。
1位茨城、2位千葉、3位福岡、4位大阪、5位沖縄
武を尊ぶ風土が荒くれ者を多く輩出する要因かどうかは不明だが、「知性よりも気合いだ!」みたいな人は確かに多い。
2014年5月16日から7月17日までの約2カ月間、Jタウンネットは「ヤンキーが多そうな県は?」というテーマでアンケートを実施し、合計3564名に投票いただいた。
大方の予想通り――と言っていいのか、茨城が1位、千葉が2位という結果となった。
下の図表だと両県の差は短いように見えるが、茨城の獲得率は25.3%なのに対し、千葉は10.3%とダブルスコアだった。
以下、3位に福岡、4位に大阪、5位沖縄、6位神奈川、7位広島までがそれほど差がなく続き、そこからは栃木・埼玉・群馬と北関東の3県が並んでいる。逆に得票が最も少なかったのは、新潟・鳥取・長崎といった県だった。
「ヤンキー県」という自覚も茨城県民はダントツ!
いくら茨城にヤンキーが多いといっても、しょせん映画や漫画の話で、地元の人に聞けば「ヤンキー? 見かけないよ。あ・れ・は、マスコミが作ったイメージ!」という声が返ってくるのではないか――そう考えた編集部は、次に「自分の県に投票した数」に注目した。
47の選択肢中、自県に入れた票の割合が最も高かったのは茨城・奈良・広島・福岡の4県。このうち茨城県民の72%が、自県に投票していることが判明した。これは全国的にみても突出している。修羅の国と称される福岡や、仁義なき戦いの舞台・広島ですら30%台というのに。
茨城の好敵手というべき(?)千葉は、自県に投票した人の割合は18%しかいなかった。
ヤンキーが多すぎて明治維新に乗り損ねた?
これらのデータから、日本一のヤンキー県は茨城という事実はゆるぎないと思われる。
日本の警察組織が発足したばかりの明治時代、警察官の多くが茨城や福島会津地方の出身者だったという。茨城の県民性の研究では、正義感が強く警察官になりたがるという分析結果もある。そんな若者が不良に走ってしまうのはなぜなのか......。
ところで、2代藩主・徳川光圀で有名な水戸藩は幕末、尊皇攘夷の先駆け的立場だったが血で血を洗う内紛を繰り広げ、明治維新をリードする機会を逸したといわれる。この伝統が今も引き継がれているというのはうがちすぎか。