着なくなった着物、どうする?
着物をほどいて洋服や小物に作り変えることが、パッと頭に浮かぶひとは多くはないかもしれません。「着物リメイク」とは、日本古来の着る衣服(和服)をほどき現代のファッション性のある洋服や小物へ変化することを言います。着物リメイクは衣服として着なくなった「着物(和服)」を現代風にアレンジして再利用をします。
着物のリフォームとリメイクは似ていますが、ちょっと意味合いが異なります。違いは、リフォームは裾直しやウエスト詰めなどサイズ直し的なものが主流でデザインそのものには変化がなく、リメイクとは、デザインの変化(英語でre make=作り変える・再生)を含め、仕上がりが全く変わるもののこと。
幕末に洋服が入ってきてから、従来の日本の衣服を「和服」と呼ぶようになり、さらに「着物」と置き換えられるようになりました。 そして時代が進み、日常生活で頻繁に洋服が用いられるようになり「着物」から「着る物」という本来の意味は薄れていき、「和服」の意味が濃くなっていきました。「和服」のことを「着物」ということが主流となったのです。
着物リメイクやってみようかな、というときは
リメイクしてみたいけど自分でやるのは難しい、という場合には、着物リメイクを手がけているお店を探してみましょう。近くにお店がない人はインターネットで探してみるのもひとつの手です。
着物で洋服や小物づくりもよし、できあがった製品も買うもよし、役立つショップを見つけましょう。手作りイベントなどへ足を運ぶのもおすすめです。着物リメイク商品を見たり、作家やお店の方と直接お話するとグンと具体的に想像しやすくなります。
着物からこんなものが!?
着物リメイクもさまざまあり、ワンピースにしたり、振袖ならばドレスなども作れます。また着物独特の文様を活かした、小物へのリメイクもまた素敵です。大きなものから小さなものまで、着物リメイクの可能性は無限大です。
着物リメイクで大事にしたいこと
着物リメイクをする場合いくつか注意すべき点があります。限られた着物地幅でリメイクするには想像力を膨らませて、デザインをできるだけ再現可能な製図をして調整します。それが着物リメイクの醍醐味であり、またリメイクするときの命取りになる重要な部分でもあります。
・着物地には制約がある
・初心者は直線裁ちを生かせるデザインを選ぶ
・独特な柄合わせを楽しむ
・シミや傷は工夫して素敵なアクセントに仕上げる
・コーディネートしやすいものを作る
・着物リメイク上級者は個性派コーディネートを楽しむ
着物リメイクは、新しい命を吹き込む、全く違うものを作ることで、着物という生地の奥深さを新しい価値として創り変えるものです。実用性や利便性または着付けができないなどの理由で、着物を着なくなった現代。我が国の高度成長期がすぎたころに再利用、リサイクルという語が使われてきました。消費する世の中から、古来からあるものを大切にすることが、おのずと注目されるようになったのです。現代ではそこから着物リメイクというものが誕生したのではないでしょうか。
お手元に着なくなった着物をお持ちではありませんか?着物リメイクで美しい日本の布にもう一度、命を吹き込んでみてはいかがでしょうか。
写真提供協力:博多浪漫着物服(はかたろまんちか)、着物リメイクのお店 カナタツ商店、着物に新たな命を吹き込む mana kaban(マナ・カバン)