猫は体に不調があっても、それを言葉で訴えることができません。
また、痛みや不調を隠してしまうこともある動物です。
この記事では、猫の「背中」の異変について取り上げます。
手のひらに神経を集中し、首筋から背中にかけてゆっくりとやさしくなでて、愛猫の健康チェックをしてみてください。
次の6つの症状に当てはまったら、早めに動物病院の受診を検討してみて!
①毛の感触がいつもと違う
ツヤがなく毛がガサガサしていたり、毛が束になっている場合は、体調が悪い可能性があります。
②毛が薄くなっている、部分的に脱毛している
皮膚炎があるか、内臓疾患や口内疾患のために栄養状態が悪くなっているかもしれません。
また、ストレスによる過剰な毛づくろいで脱毛している可能性も。
③ザラザラ・ボコボコとした感触がある
皮膚炎による発疹がある可能性があります。
④急にやせてきた
糖尿病、甲状腺機能亢進症(こうじょうせんきのうこうしんしょう)、がんなど、さまざまな病気の可能性が考えられます。
また、口内疾患のために食事をとれないのかも。
このほかに、ストレスなどの精神疾患も考えられます。
■甲状腺機能亢進症とは
首の付根、気管の脇にある甲状腺という器官から、甲状腺ホルモンが過剰に分泌されて、心臓などに負担をかける病気。
かかりやすいのは、10才以上の高齢猫。
初期は活発になり食欲が増すため、「元気になった」と感じる飼い主さんも多いので注意が必要です。
治療には、ホルモンの分泌を抑える飲み薬が使われます。
⑤触ると嫌がったり、鳴いたりする
触った場所に痛みがある可能性があります。
できれば当日中に受診して、獣医師に愛猫の状態を見てもらってください。
⑥背中の皮膚をつまんだ部分の戻りが遅い、戻らない
背中〜腰の皮膚を軽く指でつまんで、すぐに離して戻り具合をチェックしましょう。
皮膚が元に戻るのに時間がかかったり、つまんだ形のまま戻らない場合は、水分の摂取不足で脱水気味になっているかもしれません。
愛猫の健康を守るためには、飼い主さんが日頃から様子を観察し、実際に触れることで病気の早期発見に努めることが大切です。
ぜひチェックしてみてください!
出典/「ねこのきもち」2016年5月号『新 愛猫の家庭の医学事典』
文/Honoka