痛みを隠す動物といわれる猫でも、体は正直なので、見た目や行動に病気のサインが表れるもの。
今回は2回にわたり、見た目や行動の「○○がある・ない」といった症状から考えられる病気をご紹介します。
第1回目は夏の大敵、熱中症を「○○がある・ない」で判断する方法を解説します!
「いつもより…」が早期発見の手助けに
愛猫の健康を守るためには、ふだんの猫の様子をよく知っておくことが大事。
ふだんの様子と比較して、見た目や行動の「多い/少ない」、「する/しない」といった小さな変化に気付くことができれば、病気の早期発見につながります。
直前まで元気だったのに…こんな異変があったら熱中症!
口呼吸をしていて、まっすぐ歩け「ない」
口呼吸をしていて、被毛が少ないお腹や毛のない肉球に異常に熱が「ある」
上のイラストのどちらも当てはまったら熱中症です!
熱中症は十数分で突然発症します。猫はふだん鼻から呼吸をしていますが、熱中症になると口でハァハァと呼吸をし、ふらつき、高熱などの症状が見られます。
命に関わることもあるので、適切な応急処置が必要です。
意識があるときの応急処置法を覚えておいて
熱中症は発見が遅れて重症化すると、命を落としてしまう恐れが。
応急処置法も「意識があるとき」と「意識がないとき」で内容が異なります。
ここでは意識が「ある」ときの応急処置法をご紹介します。しっかり覚えておきましょう。
処置1:エアコンや扇風機などをつけて部屋を涼しくする
猫が熱中症を発症したということは、部屋に熱がこもった状態になっているので、窓を開けて部屋全体の温度を下げましょう。
さらに、エアコンをつけ、扇風機を猫に当てて。
カーテンを開けている場合は閉めて、猫に日光の当たらないようにするか、日陰に猫を移します
処置2:濡らしたタオルなどで猫の体を冷やす
タオルを氷水につけて、水がしたたるくらいに軽く絞って猫の体を覆うようにかけて。
とくにお腹など毛の薄い部分を重点的に冷やし、体温を下げます。
タオルをかけられるのを嫌がる場合、保冷剤を鼻や口の前に置き、冷気を送っても
処置3:水分補給をさせる
熱中症の猫は脱水症状を起こしています。
あごに軽く手を添え、スプーンやスポイトを口に入れ、ゴクンとのどが動くなどしっかり飲み込んでいることを確認しながら水を垂らして。
応急処置は落ち着いて行うことが大切です。
そうはいっても、猫の異常事態に慌ててしまうことも多いと思いますので、少しでも困ったことがあれば動物病院に電話をするのもよいでしょう。
出典:「ねこのきもち」2017年8月号『いつもより目ヤニがある、食欲がないetc. ○○がある・ないのサインでわかる猫の病気』