なにかに失敗した猫が、それをごまかすかのように体を舐めたり、爪をといだりする姿を見たことはありませんか?
人間なら恥ずかしさからごまかすのはわかりますが、はたして猫も恥ずかしさを感じるのでしょうか。
そこで、ねこのきもちWEB MAGAZINEでは「猫の羞恥心」について、ねこのきもち獣医師相談室の先生に聞いてみることにしました!
猫は失敗をごまかすことがあるの? どんな心境なの!?
引用元:ねこのきもち投稿写真ギャラリー
ーー失敗をごまかそうとする猫はいるのでしょうか?
ねこのきもち獣医師相談室の獣医師(以下、獣医師):
「失敗をごまかそうとする(というより、気を紛らわせようとする)猫は存在します。ただし、当の猫本人は『あ、失敗しちゃった』とか『うまくいかなかったなぁ』といった、失敗を認識する程度の気持ちでしょう」
ーーということは、そのときに猫は恥ずかしさを感じていないということなんですね。
獣医師:
「猫は人間のように周りの人の目を気にすることはしませんので、『恥ずかしい!』という気持ちまでは持たないと考えられますね」
猫はなにかに失敗すると、「転位行動」で気を紛らわせる!
引用元:ねこのきもち投稿写真ギャラリー
ーーでは、なぜ猫は気を紛らわせようとするのでしょうか?
獣医師:
「気を紛らわせようとする行動は、『転位行動』と言われています。猫の心の中で、葛藤しているときに見せるしぐさです。
これは猫が比較的軽いストレスを感じたとき、気持ちをしずめるために本来の原因とは関係のない行動をすることで、心のバランスをとる行動なのです。
人においては、ミスをしたときに頭をポリポリとかいたり、イライラしたときに貧乏ゆすりをしたりといったような行動が、転位行動にあたりますね」
ーー猫の転位行動には、具体的にどのような行動がありますか?
獣医師:
「猫の転位行動としては、グルーミング(毛づくろい)や爪とぎをする、あくびをする、などの行動があげられます。
もしなにかに失敗した後に、愛猫に転位行動が見られたとしても、本人の気持ちをしずめるために行っていると考えられる行動なので、深刻な問題を心配することはほとんどないと思われます」
引用元:ねこのきもち投稿写真ギャラリー
失敗をして気を紛らわすのは、人も猫も同じ。ただ、猫に恥じらいがないのは、ある意味うらやましいかも……?
(監修:いぬのきもち・ねこのきもち獣医師相談室 担当獣医師)
※写真は「いぬ・ねこのきもちアプリ」にご投稿いただいたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。
取材・文/二宮ねこむ