「猫のてんかん」は、突然発作を起こす脳の病気です。てんかん自体は予防ができないので、「どんなときに起きやすいか」を把握することが大切。今回は「猫のてんかん」について、原因や治療法、発作が起こったときの対処法を解説します。
「猫のてんかん」どんな病気? 治療法は?
「てんかん」は、突然"けいれん発作"を起こす脳の病気です。これは、脳内の神経回路がショートしたために起こるもの。血液検査とMRI検査を行って、てんかんの原因を探り、多くの場合「抗てんかん薬」による薬物治療で対応します。
原因はさまざまですが、「てんかん」は大きく3種類に分けることができます。
症候性てんかん
「症候性てんかん」は、脳炎や脳腫瘍によって脳が損傷することで起こります。血液検査とMRI検査を行って脳の異常が認められた場合は「症候性てんかん」が疑われますが、原因となっている病気を優先的に治療します。
疾患が治ると発作が起きにくくなることもありますが、発作が完全に治まるとはいい切れません。
特発性てんかん
「特発性てんかん」は遺伝的要素が強いといわれており、脳の直接的な損傷がないのに起こります。天候や音、光、ストレスが引き金となることが多いとされ、なかには救急車などのサイレンを聞いて、てんかんの発作を起こすこともあるそうです。
「抗てんかん薬」による薬物治療で対応し、発作の回数を減らしていきます。
潜因性てんかん
「潜因性てんかん」は、脳の損傷が認められたのに損傷の原因が分からない場合に疑われる病気です。「症候性てんかん」と「特発性てんかん」に分類できないものを、「潜因性てんかん」と分類することが多いようです。
「抗てんかん薬」による薬物治療で対応しますが、発作が少なくなると経過観察になることもあります。
「猫のてんかん」発作が出たら安全の確保を!
てんかんの発作は、体の一部がピクピクとけいれんする「部分発作」から始まって、動かせないほど全身がけいれんする「全般発作」に至る場合と、最初から「全般発作」を起こす場合があります。
けいれんに気付いたら猫の周りにあるものをどかし、高いところに居る場合は降ろして安全を確保しましょう。このとき、名前を呼び意識があるかどうか観察します。けいれんしている愛猫を見るのはつらいですが、手を出さずに見守りましょう。
てんかんの発作は"けいれん"がよく知られていますが、四肢が硬直したり倒れたり、意識が急になくなる場合や口から泡を吐くといった症状がみられることも。このような症状がみられたら、早急に動物病院を受診することが大切です。
参考/「ねこのきもち」WEB MAGAZINE『【獣医師が解説】死亡例も「猫のてんかん」症状から原因〜対処法まで』(監修:ねこのきもち相談室獣医師)
監修/ねこのきもち相談室獣医師
文/HONTAKA
※写真はスマホアプリ「まいにちのいぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。