猫の祖先は、アフリカ大陸やアラビア半島に生息しているリビアヤマネコ。野性で生きていくためには食料確保が生死を大きく分けるため、獲物を確実に捕まえる身体能力や狩猟本能、敵への警戒心が自然と身についています。祖先のそうした野性味溢れる猫らしさは、現代の飼い猫にそれほど残っているのでしょうか? この記事では、猫の日常生活での「時間」に着目して、野性的な猫の特徴について解説します!
①なにかと毛づくろいしたり、排泄後の砂かけを10秒以上かけて行っている→敵に居場所を気づかれないよう、ニオイを消すことに時間をかけている
野生時代の猫は、自分の居場所を敵に知られないようにするため、体や排泄物のニオイを徹底的に消す必要がありました。もしも、愛猫が毛づくろいや排泄後の砂かけを入念に行っていた場合は、自分の居場所を守りたい思いが強いのかもしれません。
②ごはんを一気に食べ尽したり、ひなたぼっこが10分程度→周りを警戒しているので、リラックスする時間が短い
警戒心が強い猫は、ひなたぼっこや食事という本来ならば楽しい時間でも周りを警戒します。敵に襲われないようにするため、時間をかけずにすぐに別の場所へ移動するのでしょう。
③新しいグッズやおもちゃを与えてもなかなか手を出さない→疑り深く、慣れるまでに時間がかかる
猫は自分の縄張りの中に見慣れないものがあると、警戒して疑り深くなります。そのため、日常の変化になかなか順応できない場合も。慣れるのには時間がかかるので、そっと見守ってあげましょう。
④1日に20分以上は窓辺で外を眺めている→縄張りの監視に時間をかける
猫が窓辺で外を眺める行為は、景色に異常がないか確認していると考えられます。強い縄張り意識を持つ猫ほど、見張りに時間をかけているよう。
⑤抱っこしても10秒以内で逃げてしまう→身の危険に敏感で、拘束に耐えうる時間が短い
猫はもともと狩猟動物だったため、捕まって束縛されることを警戒します。身の危険に敏感なこともあり、スキンシップを嫌がる猫も。抱っこできる時間も短くなってしまうのです。
⑥朝6時前には活動を始めている→獲物に合わせて行動時間を早める
野生の猫は、獲物の活動時間に合わせて行動時間を早める場合があります。野鳥や野ネズミが早朝に動き始めるのならば、猫もその時間に生活リズムを合わせることも。人よりも早く起きて活動を始める猫は、狩猟本能が強く、生活リズムも野性の猫に近いといえるでしょう。
⑦フードやおもちゃの収納場所を次の日でも覚えている→獲物に関することを覚えている時間が長い
野生の猫は、獲物を捕ることに対して抜群の記憶力を持っています。自分の好きなものがある場所を記憶する能力は、その名残からくるのかもしれません。
⑧遊び始めたら飼い主がストップするまでずっと遊び続ける→獲物への執着心で遊び時間が長い
獲物への執着心が強いといわれる野生の猫は、獲物の首筋を噛んで確実に仕留めようとします。その名残もあってか、猫は動き続けるおもちゃを見ると「生きている」と勘違いして、動きが止まるまでしつこく追い続ける子も。
さて、どれだけの数が当てはまりましたか? 当てはまった数が多いほど、愛猫に野生の習性が残っていると考えられます。日頃の愛猫の様子をよく観察してみるとおもしろいですよ!
出典/「ねこのきもち」 2016年6月号『愛猫の中に潜む野性度はどれくらい? 猫度診断』
文/二宮ねこむ
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