先週華々しく開催されたヴィクトリアズ・シークレットのランウェイショー。モデルの多様性に関するヴィクシーのCMOエド・ラゼックの発言を巡って議論が勃発! リアーナも彼の意見に批判的な姿勢を示している。
きっかけになったのはヴィクトリアズ・シークレットのチーフ・マーケティング・オフィサーでショーのキャスティングディレクターを務めるエド・ラゼックの発言。ランウェイショーに関するインタビューでトランスジェンダーやプラスサイズのモデルは採用しないとブランドの方針を明らかにした。「トランスセクシュアルのモデルを出演させるべきか? そうするべきだとは思わない。なぜか? 我々のショーはファンタジーだからだ。42分の特別なエンターテインメントだ」。またプラスサイズのモデルについても「将来的にも採用する予定はない」。ラゼックによるとヴィクトリアズ・シークレットでも2000年にプラスサイズのランジェリーのショーを姉妹ブランドで行ったけれど「誰も興味を持たなかった」。「我々は我々が売る人に対してマーケティングしている。世界中に対してマーケティングしているわけではない」とも!
これに対して一部のマスコミや女性たちから批判の声が! ヴィクトリアズ・シークレットのショーが体型を恥じる女性たちの気持ちを煽り、多様性を阻んでいるという意見が上がった。またランジェリーライン「サベージ×フェンティ」を立ち上げているリアーナもラゼックの意見に批判的な姿勢を表明。モデルのルイーズ・オライリーが「ブランドがキャスティングディレクターの意見に注意を払わなくてはいけない典型的な事例。それが過去に生きている70歳の男性である場合は特にね。リアーナが多様性に対して本物の愛と配慮のある『サベージ×フェンティ』を私たちにもたらしてくれたことに感謝したい」とツイートすると、リアーナが「いいね」を進呈!
Prime example of why brands need to be careful of casting directors opinions. Especially when it’s a 70 year old man who’s living in the past. Thank god @rihanna brought us @SavageXFenty this year with genuine attention & love of diversity in her branding 🙌 https://t.co/pdCk2ueSGq
リアーナの方針はヴィクシーとは対照的。「サベージ×フェンティ」ではあらゆる体型の女性に向けたランジェリーを発表、9月に開催したショーでも妊娠中の女性を含め様々な体型の女性を登場させ大喝采を浴びた。
高まる批判の声にラゼックは声明を発表。「トランスジェンダーのモデルをヴィクトリアズ・シークレットのショーに採用することに関する私の意見は無神経なものだと受け取られました。謝罪します。誤解のないように言うと私たちはトランスジェンダーのモデルをショーにキャスティングしたいと思っています。オーディションにはトランスジェンダーのモデルも参加しています。そして多くの他のモデルたちと同じように落ちているのです。それはジェンダーのせいではありません。彼女たちが本当の自分を受け入れるまでの道のりを私は賞賛し、尊敬しています」。
Please read this important message from Ed Razek, Chief Marketing Officer, L Brands (parent company of Victoria’s Secret). pic.twitter.com/CW8BztmOaM
ちなみにラゼックのインタビューでの発言には今年ショーに復帰したケンダル・ジェンナーも密かに反発。インスタグラムのストーリーに「トランスジェンダーの女性たちに祝福を」というメッセージをアップしていた。父のケイトリン・ジェンナーがトランスジェンダーであるケンダルとしては、この問題に黙っていられなかったもよう。
エンタメ界でもファッション界でも性や体型、人種を巡って多様性が進んでいる。これからヴィクトリアズ・シークレットがどのような姿勢を示していくのか、注目したい。
text: Yoko Nagasaka