cat_17_issue_oa-dnews oa-dnews_0_53b601a99952_「左利きの日」に考える人間の利き腕の謎 53b601a99952 0

「左利きの日」に考える人間の利き腕の謎

2018年8月13日 11:30 Daisuke Sato

あなたの周りに左利きの人は何人いるだろうか?もしかしたらあなた自身が左利きかもしれない。

左利きは芸術家が多いと一般的に言われており、ミケランジェロやモーツァルト、ピカソなどが左利きであった。レオナルド・ダ・ヴィンチは、左手であると言われているが、右手も使える両利きだったという説もある。近年の著名人としてはエリザベス女王やオバマ元米大統領なども左利きだ。

8月13日は左利きの日(International Lefthanders Day)である。これは、右利きを標準とする社会の中で左利きの人間が受ける不利益の認知度向上や、左利き用の人でも安全に使用できる製品の普及を呼びかけるために制定された日だ。この動きは1976年から始まったとされる。

 

なぜ人は左利きになるのか

世界の人口の10%が左利きだと言われており、2015年までの調査ではこれは50万年前から続いているとしている。では、右利きと左利きはどのように別れるのだろう。

実は人間の利き腕は、両親の利き腕によって決まるとされる。つまり遺伝に左右される部分が大きいということだ。父親が左利きで母親が右利きの場合、その子供は17%の確率で左利きになる。父親も母親も右利きの場合、その子供は10%の確率で左利きになる。父親が右利きで母親が左利きの場合は22%、父親も母親も左利きの場合は25%といった具合だ。


人間の進化の過程で、競争のみの社会であったならば右利きと左利きは半々になった可能性がある。だが、協調圧力が存在する人間社会では、左利きの人間は右利き用の道具を使わねばならくなった。人間が生み出してきた道具の多くは右利きが基準となっていたからだ。その結果、道具を使用する際の危険性は右利きの人間よりも高くなり、左利きが減らざるを得ない環境になっていったのだそうだ。これらはTED-EDでダニエル・M・エイブラムス氏が語っているもの。

 

左利きは人間だけじゃない?

動物の世界では、霊長類、両生類、齧歯類、有袋類、はたまたクジラなどもいわゆる利き腕があることが判明している。オランウータンやゴリラは右利きが多い傾向があり、ホッキョクグマのほどんどは左利き、アマガエルは右利きが多く、ネズミはおおよそ半々、シロナガスクジラはほとんどが右利きであるといったデータがある。さらに魚やタコにまで利き腕があるのだそうだ。


最近では、英クリーンズ大学の研究チームによって、オス猫に左利きが多いことがわかっている。猫の性別によって異なっているのは、オスとメスでは脳の構造が異なっているためではないかとしている。同様の調査を犬に対して行なった際は、猫のように性別によって利き腕が異なる傾向は見られていない。

英国での「左利きの日」を提唱したロンドンの左利き用品販売店のAnything Left-Handedは、「The Left Handers Club」という団体を創設し、日々、左利きにまつわる様々なことを知ってもらう活動を行なっている。左利きの日をきっかけに、右利きの方も一度、左手で右利き用の道具を使ってみてはいかがだろうか。普段は気づくことのなかったその大変さを知ることができだろう。

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cat_17_issue_oa-dnews oa-dnews_0_d95e7c4a6d34_新製品ゾクゾク。折りたたみドローンはどこまで進化するか d95e7c4a6d34 0

新製品ゾクゾク。折りたたみドローンはどこまで進化するか

2018年8月10日 17:47 Naoki Tsukamoto

持ち運び時にはコンパクトに、そして飛行時にはローターを大きく広げる「折りたたみドローン」が、今注目を浴びている。

さらにドローン大手のDJI社は、今月にも新製品を発表すると予測されている。

折りたたみドローンのメリットから今後の進化まで、最新情報を追ってみよう。
 

完成度で他社を先行するDJI

Image Credit by DJI

一般向けと業務用のドローンで大きな存在感を示しているDJIだが、折りたたみドローンでも他社に遅れることなく魅力的な製品を複数ラインナップしている。

まず記事一番上の画像は、2016年9月に発表された折りたたみドローン「Mavic Pro」だ。4本の脚を折りたたんだ状態ではペットボトルサイズにまで小さくなり、一方では飛行性能や撮影画質でもハイエンドモデルなみの性能を実現。一挙に折りたたみドローンのデファクトスタンダード的な機種となった。

さらに、2018年1月にはより小型サイズの「Mavic Air」を発表。Mavic Proの半分程度のサイズ・重量ながら充実の撮影機能を搭載し、はじめての折りたたみドローンとして最適な1台に仕上がっている。
 

試行錯誤を続ける他メーカー

Image Credit GoPro

大きな成長が見込まれる折りたたみドローンに注目していたのは、DJIだけではない。アクションカメラメーカーのGoPro社も2016年9月、「Karma」を発表した。こちらは本体前面に同社のアクションカメラ「HEROシリーズ」が搭載できるなど、意欲的な設計となっている。

しかし発売直後に電源関連の不具合が見つかり、全台がリコールに。その後対策が施され販売は再開されたが、GoProはKarmaを最後にドローン事業からの撤退を発表してしまった。

Image Credit Parrot

しかし、悪いニュースばかりではない。2018年6月にはドローン老舗のParrot社が、折りたたみドローン「Anafi」を発表した。こちらは使いやすいドローン開発に定評のある同社らしく、本体スペックから価格設定まで上手くまとめられており、DJI以外の折りたたみドローンの選択肢が再び登場した形だ。
 

DJIは新機種で他社の突き放しへ

 


Image Credit by DroneDJ

ここからはメーカーの公式発表ではないが、DJIはさらなる新型折りたたみドローン「Mavic 2 Pro」「Mavic 2 Zoom」の2機種を用意していると噂されている。上画像は、海外テックサイトのDroneDJが掲載したリーク画像だ。

事前情報によれば、Mavic 2 Proは大型の1インチセンサー採用の「ハッセルブラッドカメラ」を搭載。またMavic 2 Zoomも光学ズーム機能が搭載されるなど、折りたたみタイプでないハイエンド機種に迫る性能の実現が期待されている。

新機種が次々と登場する、折りたたみドローン。持ち運びの容易なこのスタイルこそ、一般向けドローンの正解なのかもしれない。

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プラスチックゴミを減らすために今すぐできること

2018年8月10日 17:00 Chitra Yamada

太平洋の真っただ中に浮かぶ大量のプラスチックゴミを初めて発見したのは、アメリカの海洋研究家、チャールズ・ムーア船長だった。

1997年7月、第39回トランスパックヨットレースを終えたムーア船長率いるアルギータ号は、ホノルルから北アメリカ西海岸への帰路に着いていた。異例のエルニーニョ現象が続き、太平洋の海水は未だかつてないほど暖かかったとムーア氏はThe New Republicに語っている。

近道をするために普段の航海ルートから逸れたアルギータ号を迎えたのは、水面を漂う大量のゴミだった。陸地から何千キロメートルも離れた大海原に浮き沈みしている大小さまざま、色も形もさまざまな大量のプラスチックゴミの目撃情報に、世界は騒然となった。ムーア氏は後に洋研究所を開設し、調査を進めて「太平洋ゴミベルト」の名を世に知らしめた。


 

世界中の河川や海辺に捨てられたプラスチックゴミが沖に流され、潮の流れに沿って溜まっていく「ゴミベルト」は世界中で複数が確認されている。大海原に巨大なゴミの山が浮かんでいる様子を想像してしまうが、その実態はもっと複雑だ。

水面下を漂うゴミも多く、それぞれのゴミの大きさがバラバラで動きもバラバラなため、衛星画像からは容易に確認できない。

レーザー光を駆使した最新の調査によれば、ムーア船長が発見したアメリカ寄りのゴミベルトの面積は160万平方キロメートル。フランスの面積のおよそ三倍だ。その中に漂うプラスチックゴミは8万トンにも及ぶとThe Ocean Cleanupは試算している。

 

プラスチックの被害

分解されにくい大きなプラスチックゴミは、海洋生物に絡みついたり体内に取り込まれたりして、窒息死や餓死を引き起こしている。胃の中に29キロものプラスチックゴミが溜まって食べることができなくなり、餓死したマッコウクジラが2018年2月にスペインの浜辺に打ち上げられた例をはじめ、ウミガメ、ペンギン、海鳥や魚類にも同じような悲惨な被害が報告されている。

マイクロプラスチックの被害はもっと深刻だ。

プラスチックゴミの多くは波や太陽の力によって破砕され、5ミリ以下の「マイクロプラスチック」と呼ばれる粒子になって波間に漂っている。ときに肉眼で見えないほど小さく、たやすく海洋生物の体内に取り込まれてしまう。


 

ところが、いくら小さくなろうとも分子レベルまで分解されることを拒むため、生物の体内に蓄積されてその生命を徐々に脅かしていく。最近の研究では深海魚やサンゴの中からもマイクロプラスチックが検出されており、海洋生物の食物連鎖にマイクロプラスチックが混入していることは明らかだ。

さらに、波と太陽が徐々にプラスチックを破砕していく過程で化学物質が溶けだし、海水を汚染していく。プラスチックを製造する際に使われる化学物質の中には細胞の成長を妨げたり、細胞分裂を阻止したり、細胞同士の情報伝達を阻害するものもあるという。食物連鎖の頂点に立つ人間の体に取り込まれるのも、時間の問題だ。

 

脱・プラスチック宣言

19世紀に発明されたプラスチックは、軽くて、丈夫で、製造が安価なため、いまや人間のくらしとは切っても切れない存在となっている。医療機器や電気製品、自動車や航空機はプラスチックなしではもはや成り立たないだろう。これらのプラスチックは種類にもよるが、家電リサイクル法などによって効果的に再利用できる仕組みが確立しつつある。

目下の問題は、梱包などの用途に使われる「single-use plastic(使い捨てプラスチック)」。レジ袋、ストローやカップなどが含まれ、プラスチックゴミの約3割を占めていると言われる。そもそも耐久性に優れたプラスチックだからこそ、一度きりで使い捨てするのは理に叶っていない。

[caption id="attachment_30514" align="alignnone" width="1280"]

The Ocean Cleanup[/caption]

 

2007年にレジ袋の使用を廃止したブータンは先駆者と言えるだろう。最近は世界各国でレジ袋廃止の動きが顕著になっており、オーストラリアは2018年7月から全土でレジ袋禁止に踏み切り、賛否両論を呼んでいる。CNNによれば、レジ袋に対する禁止や課税などの措置はすでにイギリス、フランス、中国、オランダなど数十カ国が導入済みだという。

途方もなく広がってしまったプラスチックゴミだが、希望はある。今年中にも稼働するThe Ocean Cleanupというプロジェクトは、太平洋ゴミベルトのプラスチックゴミを回収し、5年間で半減させる予定だ。

私たちひとりひとりがゴミを減らすことも不可欠だ。常にマイバッグとマイボトルを持参して、レジ袋やプラカップの使用を断ろう。自分のテイストに合ったものを選べば、ファッションにもなる。また、海や山で自然を満喫している際にゴミを見つけたら、迷わず拾って帰ろう。地域のゴミ拾いボランティアに参加するのも気持ちがいいし、仲間も見つかる。


 

なにより、今手元でガサガサ音を立てているレジ袋が、もし、はるか太平洋の沖まで流されて、美しいウミガメの命を奪うことになってしまったら……と少しばかりの想像力を働かせることが一番の抑制力になる。

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cat_17_issue_oa-dnews oa-dnews_0_5032c341cdca_アートと科学の力…SNSで広まる誤情報に立ち向かえるか? 5032c341cdca 0

アートと科学の力…SNSで広まる誤情報に立ち向かえるか?

2018年8月10日 11:00 Yu Ando

嘘や誤報は真実よりも広まりやすい。そんな中で人々に正しい科学を伝えるには…もしかしたらアートの力が助けになるかもしれない。


広まる嘘



The Conversationに寄稿するカナダ、アルバータ大学衛生法学研究所研究部長で教授のティモシー・コールフィールド(Timothy Caulfield)は、セレブリティーや疑似科学を信じる「健康の専門家」らが健康に関する誤った知識を人々に広めている現状を危惧している。特に昨今はソーシャルメディアの流行により、これまでよりもこのような誤情報が広まりやすい状況となっているのだ。

人々が誤った情報に惑わされず、正しい知識を得るためにはどうすれば良いだろうか?これには人々に科学とクリティカルシンキングを教えるのが有効だという研究がある。ジャーナルScience & Educationに今年2月に掲載されたジェームズ・A・ウィルソン(James A. Wilson)による研究では、超自然や疑似科学のテーマに挑んだ科学とクリティカルシンキングのコースを受けた後の学生は、受ける前と比べて超自然や疑似科学への信仰心が6.8~28.9%減少したという(なお迷信への信心については有意義な変化は見られなかったというのも興味深い)。

では正しい情報や科学を人々にこれでもかと教え込もうとすれば良いのかと言えば、そうでもない。いくら正しい情報を提供しても、元々人々が持っている意見とその情報が相容れない場合はこれを批判的に見てしまうという認知バイアスも存在するからだ。このために、ただ単に「事実」や「証拠」を人に伝えようとしても、それで逆に人々の意見が両極化することになるという研究もある(Lord, et al. 1979)。


アートを通じた伝達


ここでコールフィールドが提唱するのは、視覚的に訴え、共感してもらえる形式で正しい情報を伝えること。つまり、科学をナラティブ性を持ったヴィジュアルアート作品で人の注目関心を集め、これを助けに人々に正しい知識を伝えるというアイデアだ。コールフィールドの衛生法学研究所のチームはこのアイデアの基に「SCI+POP」と題し、ソーシャルメディアで科学をアートと共に伝えるプロジェクトを行っている。

見る者に瞬時に直感的、感情的な反応をもたらし、複雑で含みを持ったアイデアを伝えることが出来、記憶にも残りやすいアートを上手く使えば、人々に正しい科学教育ができるようになるというわけだ。これに似たものが上手く機能した例として、ウェールズで気候変動に対する取り組みにアートが用いられたことで、人々がこの話題により関心を持ち、一部はこの取り組みのために行動も取ったという研究がある(Evans, 2015)。


アートで科学への関心の種を作れるか


アートと科学を組み合わせたこのプロジェクトは、Twitterやinstagramなどで「#SciPop」ハッシュタグを通じて正しい知識を人々に広めたいようだ。ここで問題となるのは、誤情報や疑似科学もまたこれと同様に、(セレブリティーを通してなど)人々に受け入れられやすい形をとることでソーシャルメディアを通じて広まってきたと言うことだ。

こうなるとある意味でこれはプロパガンダの戦いとも言えるかもしれない。(これらに主立った政治的な意図はないかもしれないが、知識教養を人に教えること、またその反対に人に誤った知識を教えることはどちらも政治的な意図を持っていると考えることもできるだろう。)その意図はどうであれ、どちらも自分の伝える情報を正しいと考えて広めようとしている場合、この戦いの勝者はどちらになるだろう。結局そのもたらす効果は、人がその情報を受けるまでに身につけた科学的知識がどれだけあるのか、客観的な思考を取る術を身につけているかどうかにかかってくるのではないだろうか?

特に疑似科学は一見すると科学的に見えることからも、正確な知識がなければ見極めは難しいだろう。「真実」にせよ「科学」にせよ、ビジュアルアートはおろか、サイエンス系ニュースを軽く読んだだけで簡単に理解できるものではない。それらは、多くの場合土台となる情報の上に積み重ねられ、絡み合い、複雑に形成されて成り立っているものであり、これを簡潔に伝えようとすればそこに無数に但し書きをつける必要があるべきものだ。(加えて、ある時点で「正しい」科学知識であっても、新たな発見や研究により覆されることもあるという忘れてはならない。)

アートを通じて人々に正しい科学知識をもたらそうというSCI+POPプロジェクトだが、もしかしたら一番重要な点は正しい知識をそのままの形で伝えることにはなく、科学そのものへの興味をより強く持ってもらうことにあるのかもしれない。疑似科学や偽情報にありがちな、誤ったデータを示して終わるだけの情報ではなく、人々に興味関心の種を植え付け、知識欲を刺激し、その物事に関しての学習意欲をかき立てることができれば、その先には人々が怪しげな誤情報に騙されることのない未来が待っているかもしれない。

(なおコールフィールドは2017年に予防接種に関する人々の誤解を解くために科学的分析にアートとエッセイを交えた書籍『The Vaccination Picture』も出版している。)

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cat_17_issue_oa-dnews oa-dnews_0_b23a51a80107_猛暑のフィンランドで落ちる雛たち b23a51a80107 0

猛暑のフィンランドで落ちる雛たち

2018年8月10日 07:00 Yu Ando

今年異例の猛暑を記録したフィンランドでは、ツバメの雛が保護されるケースが多くなっている。果たしてツバメたちは気候に適応できるのだろうか?


猛暑のフィンランドで…


森、湖、雪、オーロラ。涼しげなイメージのある北欧フィンランドだが、今年の夏は記録史上希に見る猛暑であった。とは言っても今年の最高気温は32度程度で、40度を超す日本と比較はできない。それでも、6月に首都ヘルシンキでは雨が30日間降らないという史上初を記録、7月にはフィンランド全体では25度を超える「猛暑日」が1838年の観測開始史上2番目に長く27日間続いた。通常7月の平均気温は20度以下のフィンランドでは、日本と違い家庭用エアコンもメジャーではない。慣れない暑さに人も苦しんだが、それは動物も同じようだ。

YLEの報道によれば、今年は普段以上に多く鳥の雛が巣から落ちている。
首都ヘルシンキでは7月末にコルケアサーリ動物園附属野生動物病院には50羽以上のヨーロッパアマツバメの雛が保護されている。餌は2時間おきにやる必要があるため保護する側の人間も大変で、同野生動物病院ではその保育のために追加のスタッフが必要であった。またフィンランド南部のミッケリ市でも保護するヨーロッパアマツバメの雛の数が昨年の倍以上となっている他、イワツバメの雛も保護されている。


巣の中70度…



今年増えたツバメの雛の保護、その原因はやはり暑さのようだ。ヨーロッパアマツバメもイワツバメも共に家の屋根に巣を作るのだが、今年は猛暑であることもあり巣の中が摂氏70度にも上ったという。雛たちはこの暑さに耐えかねて巣から出るという決断をしたのだ。

巣から出たことで蒸し鶏(蒸し燕?)になることは免れたものの、だからといって雛たちがそのまま生き延びることができるわけではない。通常ヨーロッパアマツバメは卵から孵り42日で巣立ちすると言うが、これらの雛たちはまだ飛べることができない状況だ。しかもヨーロッパアマツバメの脚は壁などの垂直な場所に留まる時に用いられはするものの、地面を歩くようにはできていないのだ。保護されたツバメたちは幸運だが、野生動物病院もその対応の準備ができていないほど多くの雛が落ちるという状況は、この先温暖化に歯止めが効かなければ平均気温も海抜も上昇する「ホットハウス・アース」に向かうと言われる中で心配でもある。


ツバメたちは適応できるか



猛暑に伴う巣の中の温度上昇。これに上手く適応する事の出来ない生物たちは、人間の助けなしに生き残ることはできるのだろうか?

先日は大型ハリケーンによる暴風で飛ばされにくい身体特徴を持ったトカゲが生き残ったことが確認されており、これが「自然選択」が引き起こされた例である可能性をお伝えした。

もしかしたらこのような猛暑の中でも、本来であれば地面に降り立ち歩き回ることに適さない脚を持ったヨーロッパアマツバメ(の雛)なかでも、より地上活動に適した特徴を持つものや、暑さに強いという身体的な特性を持つものが生き残るかもしれない。はたまた、通気性が高く内部が熱くなりすぎない巣を作る(それが巣作り時に手抜きをした結果であったとしても)、といった身体面以外での特徴により生き残るものや、巣から落ちた場合により人間に気づかれやすく、人の注目を浴びやすい声や見た目のものといった、人家に巣作りを行うという今も見られる人との共存形態を更に一歩進めた形での生き残りもあり得るかもしれない。

だが、人も上手く予測し対応することの難しい気象異常が増える中、果たして生物たちは気候に対応できるだろうか?

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地球の水はどこから来たのか!? 海の誕生の秘密

2018年8月9日 21:33 Discovery編集部

水を表面にたたえ、生命を育む惑星-“地球”。地球の水はいったいどこから来たのか?

ある仮説では、遠い宇宙にある氷の天体からもたらされたという。海王星の軌道の外側にある円盤状の領域には氷の天体が存在する。これが時に彗星として地球の近くまで飛んでくることがあるのだ。

しかし地球全体の海を満たすには、平均的な大きさの彗星で数千万個必要だという。果たして本当に大量の彗星は降り注いだのか?実はその爪痕が月に残されている。手がかりはクレーターだ。

今から40年以上前、アポロ計画で月のクレーターから岩石を持ち帰り、調査。そもそもクレーターは月の形成時に作られたと推測されていたが、その数億年後にできたものだと判明した。

その当時、ガス惑星の重力が小惑星帯に浮かぶ天体をかき乱し、地球や月などの太陽に近い天体に岩の塊が降り注いだのだ。月より大きい地球は被害の程度も大きく、クレーターは数多くあったと考えられている。

ところが1990年代、ある2つの彗星を調査すると彗星の水の化学的性質は地球の海水の性質とはほとんど一致しないことが判明。つまり彗星が地球の水すべてを運んできたとは考えられないのだ。しかしここで、予期せぬ候補が現れる。

2011年、探査機ドーンが小惑星「ベスタ」を観測。これまで水は存在しないとされてきたベスタの表面に水の痕跡が発見された。さらに、ベスタの水の特徴が地球の海のものと完全に一致したのだ。

およそ40億年前、無数の小惑星が地球に衝突。衝突によって生まれた高温の熱で小惑星に閉じ込められた水は放出され、水蒸気が雨となり地上に降り注ぐ。

そしてこの水が現在も私たちの地球の海や川を満たしているのだ。

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cat_17_issue_oa-dnews oa-dnews_0_ab4fa2e230a3_【名車再生】エドのレストア、ウィリスジープ ab4fa2e230a3 0

【名車再生】エドのレストア、ウィリスジープ

2018年8月9日 20:33 Discovery編集部

今回レストアするのは、ウィリスジープ。1940年代、アメリカ軍用に設計された伝説の四輪駆動車だ。外観は美しいがフロアパンに傷やへこみなどの問題がある。そこで、まずはシャシーからボディー後部を取り外し、傷んだフロアパンをカット。そこに新しいパネルを溶接していく。さらに過酷な環境での走行を想定してストーンチップで厚く保護し、オリーブグリーンに塗装して仕上げる。

次は、サードギアが入らないというトランスミッション。これを調達した再生部品のユニットと交換する。あらかじめ取り外しておいたトランスファーと新しいユニットの両方にシーリング材を塗り接合。最後に取り外したパーツを元に戻せば完了だ。エドの手によって当時のジープを細部まで再現していく。

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南洋の楽園パラオが世界に発信,『パラオ・プレッジ』とは

2018年8月9日 19:21 Discovery編集部

「南洋の楽園」を乱す者、入るべからず。

2017年12月7日から実施されている『パラオ・プレッジ』は、パラオ共和国に入国するすべての観光客から署名を要求し、自然保護の誓約をとりつける世界初の試みだ。


 

まずはパラオ行きの飛行機内で案内ビデオを視聴し、入国時にはパスポートに『パラオ・プレッジ』が書かれた入国スタンプを押される。署名しないと入国できず、違反すると100万ドル(約1億1千万円相当)を上限とする罰金を取られる仕組みになっている(が、いまだ罰金を科されたという報告はない)。2018年8月8日現在ですでに103,000名以上の署名を集めている。

英語、中国語、韓国語、日本語をはじめとした多言語の入国スタンプが用意されており、実際の文言はこのとおりだ。

 
パラオの皆さん、

私は客人として、皆さんの美しくユニークな島を保存し保護することを誓います。足運びは慎重に、行動には思いやりを、探査には配慮を忘れません。与えられたもの以外は取りません。私に害のないものは傷つけません。自然に消える以外の痕跡は残しません。

(駐日パラオ共和国大使館ウェブサイトより)
 

 

『パラオ・プレッジ』は観光客のマナー向上に役立つと同時に、地元民の教育にも一役買っているそうだ。実際『プレッジ』に一番最初に署名したのはパラオ共和国の大統領、トミー・レメンゲサウ氏自身だった。

誓約の内容はパラオの子どもたちに意見を出してもらったうえで、パラオの未来の子どもたちのために考案されたそうで、具体的にはこのようになっている。

サンゴ、貝類、魚類、カメ、サメを含む海洋生物を捕らない。
魚やサメにエサを与えない、触らない。
サンゴを傷つけない。
花や果実を採らない。
ゴミを捨てない。
禁煙エリアではタバコを吸わない。またタバコの吸い殻をポイ捨てしない。
地元産業やビジネスを支援する。
地元の風習を尊重し、従う。
地元の人々や文化についてもっとよく知ってもらう。

 


 

パラオ共和国にとって、マリンブルーの海に囲まれた自然環境は最大の観光資源だ。国の積極的な誘致もあり、2010年以降は観光客が70%も激増し年間約15万人にのぼる外国人観光客を迎え入れるようになった。

ところが、観光が盛んになるとともに環境の悪化も顕著になった。海岸に無造作に捨てられたゴミ、破壊されたサンゴ礁。一部の観光客のマナーが地元住民の怒りを買い、国レベルの対策が求められた。

 


 

そこで、2015年にはまず約50万平方キロメートルの海域をサメ保護区や海洋保護区に指定し、商業的な漁業や採油活動を一切禁じた。さらに2017年から『パラオ・プレッジ』を導入。環境保護のために入国審査法を書きかえた世界初の試みで、サステイナブルツーリズム(持続可能な観光)に向けての取り組みとして世界中の注目を浴びている。

問題はいかに取り締まるかだ。The New York Times Magazineによれば、パラオ共和国は250もの島から成り、およそ60万平方キロメートルもの排他的経済水域を有するにもかかわらず、わずか18名の海洋パトロール隊員しかいない。とてもではないが観光客の行動を隅々まで監視できるような体制ではない。

入国時に『パラオ・プレッジ』に誓約したら、あとは個々の観光客の良心に頼るしかないのが現状のようだ。どのぐらいの効果が出るのかは未知数だが、『プレッジ』をきっかけに環境保護への意識が高まり、自然資源を大切にする行動が増えると期待されている。同じような悩みを抱える国や地域が、観光資源を守るために似たようなプレッジを導入する可能性にも期待したい。

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cat_17_issue_oa-dnews oa-dnews_0_2dd00cfc4655_将来のロボットとアイコンタクトをとれるか? 2dd00cfc4655 0

将来のロボットとアイコンタクトをとれるか?

2018年8月9日 12:00 Discovery編集部

エンターテインメント作品に登場するロボットや玩具としてのロボットには、目や顔を持つものが多い。しかし、物語を語る上でのキャラクターとしてのロボットとは異なり、現実のロボットには人がアイコンタクトを取るための目を持たないものも多い。そのようなロボットに人は慣れ親しむことができるだろうか?

 

顔や目を持ったロボット


『スター・ウォーズ』シリーズに出てくる人型の通訳儀礼用ロボットのC-3POは人の顔のような頭部を持ち、人の目に該当する部分に視覚センサーがあることが『スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲』作中からわかる。1986年の映画『ショート・サーキット』では戦争用にデザインされたはずのロボットが、視覚センサーである目と「まぶた」にあたる部品により豊かな表情を見せる。2008年のCG映画『ウォーリー』もゴミ処理ロボットであるにも関わらず同様に目や頭の仕草で様々な表情を作っている。現実のロボットでは「目」に表情こそ見て取れないものの、Pepper君もこれらに共通する、3Dセンサーとなっている「両目」を持つものだ。

これら例に挙げた「目」すなわち視覚センサーは設定上機能を伴うものだが、単純にコミュニケーションのためだけに機能を伴わない目を持つロボットもある。例えば2010年のゲーム『フォールアウト: ニューベガス』では前面にブラウン管ディスプレイのようなものを備え、そこに人の顔がイラストレーションで描かれ、見る者がロボットの反応を理解する助けとなっている。それらは「見せかけだけの目」と言うことができるだろう。

 

見せかけだけの目


このようなエンターテインメント作品の影響もあってか、いわゆる玩具としてのロボットにも同様に、ユーザーとのコミュニケーションのため(もしくはユーザーにコミュニケーションを取っているという幻想を抱かせる助けとするため)に、機能的には目としての意味をなさない「目」を持つものがある。

1990年代末に流行ったロボットおもちゃ「ファービー」には二つの大きな目があるが、実際の光センサーはファービーの目に見える部分ではなく、眉間に存在する。そして「目」のように見える部分はファービーの表す感情をユーザーに伝えるために存在する、情報を出力する装置でしかない。2016年に登場したAnki社の小さなロボットおもちゃ、「コズモ」も先の『フォールアウト~』のロボットのようにディスプレイにロボットの「目」が表示されることによりロボットの「表情」を表す役割をしており、実際のカメラモジュールはディスプレイ下についている。昨年新たに登場したソニーのロボット犬「aibo」も様々な情報を「目」により伝えてくれるが、実はカメラは目ではなく鼻先にある。

 

ロボットに目は必要か

コミュニケーションインターフェイスの意味では、顔や目といった部品は人にとって重要な意味合いを持つ。だが人とのコミュニケーションよりも機能を優先したロボットには人のような目や頭は必要ないし、人のような形をする必要も無い。工場の組み立てロボットにしろ、カリフラワー収穫ロボットにせよ、院内滅菌ロボにせよ、掃除ロボットのルンバにせよ、人と接することが主な機能ではなく、特化した仕事内容を持ったロボットは現にそのようになっている。

出典: YouTube


MITのロボット「Cheetah」(チーター)も、体こそ四足動物に見えるものの顔らしいものはなく、視覚情報を使うことなく階段を上ることができる。Digital Trendsに語るMITのロボットデザイナー、サンバエ・キム(Sangbae Kim)は、視覚情報は機械にとってデータが多すぎてノイジーだと語っている。

人からの指示を受けるために何らかのコミュニケーションを取る必要があるロボットであっても、コミュニケーションを取ることが最重要目的ではない場合、わざわざ人とのコミュニケーションを円滑にするためだけに視覚センサーのような複雑な処理を要する部品をつけることは無駄であろう。だが自律的に機能するにも関わらずコミュニケーションを取るために見つめる目がないというのは、相手がこちらの話を聞いているのかわからずなんだか取り付く島もない感じがしないだろうか。

エンターテインメント作品の中に登場するロボットの中でも、2014年の『インターステラー』に登場するTARSやCASEは目らしい部品を持っていない。周りの環境を把握するための視覚センサーは付いているのだろうが、顔に見える部位はもなければ、人の形もしていない。Interstellar Wikiによれば元々アメリカ海兵隊で使われていたという設定のモノリス状のこのロボットたちは、四角い体に備わった軸を使い様々に形を変化させて人を救助したり宇宙船を操縦したりしている。しかし滑らかな音声でしゃべる人間らしい会話内容と、それにそぐわない姿形は見る者にどこかしら違和感や不安感を感じさせる(これはストーリーテリングでのこれらの効果を狙った意図的なデザインであるかもしれないが)。

このような目を持たないロボットたちは、ある意味では道具の延長上、またある意味では現代のスマートスピーカーもこの延長線上にあると言えるかもしれず、この点を考えて見るのも面白いだろう。(スマートスピーカーに関しては、スマートフォンの持つデジタルアシスタント機能にも似ており、人がデバイスそのものを電話機に近い存在として認識している可能性もあるかもしれない。これに関してはGoogleアシスタントやAppleのSiriとは違い、ドコモのデジタルアシスタント「ひつじのしつじくん」などは顔を持ったキャラクターとして描写されていたのも興味深い点だ。)

 

アイコンタクトの重要性

 


人間にとってアイコンタクトの重要性はとても大きなものだ。生まれて2日目の新生児も自らを見つめる顔を好むという研究があるし、生後7ヶ月では僅か50ミリ秒の間に自らを見つめる瞳と、目を逸らしたものとを識別するという研究などもある(Farroni, et al. 2002)(Jessen, Grossmann, 2014)。アイコンタクトは相手の表情を読み取るのに重要なだけではなく、自己意識にも重要な役割を果たす(Baltazar et al. 2014)。その上、目を見て話されたことはより信用できるとされる(Kreysa et al. 2016)。

しかしその一方で、現代スマートフォンやタブレットなどの技術の発展に伴い、人と面と向かってコミュニケーションを取る機会が減ってきているのも事実だ。米イーロン大学のエミリー・ドラゴ(Emily Drago)による2015年の研究では、技術が人との直接のコミュニケーションに悪影響をもたらすと考える回答が92%あった。また、人と実際に合っている最中にスマートフォンなどを用いることも問題となっており、同研究では、友達や家族が自分と過ごすときにそのようなテクノロジーを用いることを不愉快に感じるという回答が74%あった。

将来我々の生活を手伝ってくれるであろうロボットにはアイコンタクトを取るための目がついているだろうか?それとも、我々の後の世代には、ロボットの顔や目を見つめずとも違和感を感じることなくコミュニケーションを取ることができるだろうか?

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ハエの幼虫がまぶたで成長!?人間を蝕む寄生虫の恐怖

2018年8月8日 20:33 Discovery編集部

まぶたが異常に腫れ上がり、激しい痛みを訴える男性。彼が担当した医師が膿の状態を確認するために綿棒で突くと、腫れに出来ていた穴のなかで何かが動くのが見えた。生物がいると確信した医師によってすぐさま手術が行われ、長さが4センチ弱で円筒形の柔らかい生物が摘出された。

生物学者の協力を仰ぎ、彼のまぶたに寄生していた生物は、ウシバエの幼虫と判明した。ウシバエは米国に生息するハエの仲間でその幼虫は主に哺乳類の皮下に寄生する。しかし、幼虫が生息するのは皮下だけではない。宿主の体の奥に忍び込んで1年ほど 身を潜め成長に適した場所を探すものもいるのだ。最悪の場合、脳に到達した幼虫が神経まひを引き起こし死をもたらすこともある。

ところで、幼虫は どうやって寄生したのだろうか。ウシバエが寄生する経路は様々で、傷口に直接産卵するほか、卵を産みつけた木々に触れた宿主に移ることもある。そして孵化した幼虫は毛穴もしくは口や鼻などの開口部から体内に侵入するのだ。この男性の場合は仕事中に卵の付着した食料品を触れたことで寄生されたと考えられた。

最悪の場合死に至ることもある恐怖の寄生虫、ウシバエ。このハエが寄生がすることを防ぐにはディート配合の虫よけ剤を使用し、網戸や蚊帳を設置することが大切だ。

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