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植物は動物とまったく違った音を出して会話をしている

植物も音や化学物質を使ってコミュニケーションを取っているそうだ。にわかに言われても信じがたいかもしれないが、人間には聞こえない、見えない方法で、植物は日々仲間に危険を知らせたり、栄養素をやり取りしているらしいことが数多くの研究結果からわかってきている。

ここでは「音」「地下茎ネットワーク」に焦点を当てて、植物の会話に聞き耳を立ててみようと思う。

まったく別の進化

植物と動物はおよそ15億年前に共通の祖先から分岐して別々の進化の道を歩んできたと考えられている。光合成の能力を手に入れた植物は、定住して自給自足の生き方を選んだ結果、地球上のあらゆる環境に適応して繁栄し続けている。New Yorkerの記事によれば、陸上のバイオマスのじつに99%を植物が占めているそうで、植物の生き方がいかに理にかなったものかを立証しているといえるだろう。

地に根を下ろして動かない植物は、一見受け身で無反応のように見える。しかし、動けないからこそ、植物は自分が置かれた環境に対して能動的にはたらきかけていることが徐々にわかってきている。その感覚機能は15にものぼるそうだ。それは私たち人間にも備わっている嗅覚、味覚(空気中、あるいは自分の葉についた化学物質に反応する)、視覚、触覚、聴覚に加えて、光、水、重力、温度、土壌、栄養分、毒素、微生物、草食動物(敵)や、仲間の植物からのメッセージを感知できるそうだ。

たとえば、マメ科のつる植物はほかの植物に巻きひげを絡ませて成長する。支えになりそうな樹木がどの方角にどのぐらい離れて立っているかを正確に把握し、無駄な動きを一切省いてまっしぐらにそちらに延びていくという。「目」という器官を持たない植物が、一体どのように支柱を探しているのだろうか?

植物は音を出し、音を聞ける

こんな仮説がある。植物はその頂部から、あるいは根の先端部分から音を出し、その反響を頼りに周りのものの位置関係を探っているというもの。コウモリも使うエコーロケーションだ。イタリアの植物学者、ステファノ・マンクーゾ氏によれば、植物の細胞は成長する際に低い「カチッ」という音を出す。この音の反響を使ってエコーロケーションを行っているとも考えられるという。

別の植物学者、モニカ・ガリアーノ氏は、精密機械を傾けてトウモロコシの根から220ヘルツの小さな「ハミング音」を確認した。さらに、同じ周波数の音をトウモロコシに聞かせると、根が音の方向へ近づいてきたそうだ。根の出す音は地中でかき消され、人の耳には聞こえないものの、植物同士のコミュニケーションに使われているのではないかと推測される。

また、こんな研究もある。甘い香りのハーブとして親しまれているフェンネルだが、じつはとてもしたたかな植物で、まわりに生える他の種類の植物に対して成長を弱める化学物質攻撃をしかけるそうだ。そんな強気のフェンネルに箱をかぶせて化学物質を遮断したうえで、そのとなりにトウガラシの苗を置いた実験では、結果的にトウガラシの成長が早まったとされる。研究者の分析では、フェンネルが出す特定の音を聞きわけたトウガラシの苗が、自分を守るために成長を早めたのではないかとみられている。

根っこのネットワーク
さらに驚くことに、植物は根っこのネットワークを使って地中で他の植物とコミュニケーションをとっているという。それはあたかも人間が開発したインターネットの世界のように地下茎でつながり、化学物質による情報のやりとりや、栄養素の貸し借りまでが行われているとされる。そしてその情報のやりとりに役立っているのが、植物の根に宿って栄養素の分解を助ける菌類ではないかといわれている。

森林生態学者、スザンヌ・シマード氏は、森の中のモミの木に炭素の放射性同位体を注入し、ガイガーカウンター片手に炭素がどのように広がるかを観察した。数日の間に炭素は森中に広まり、30メートル離れた木にも確認された。古い木はハブのような役割をもっており、多い場合は1本の木が47本もの植物につながっていたそうだ。

このワールドワイドウェブならぬ「ウッドワイドウェブ」により、森の一部が害虫に襲われた場合でもいち早く仲間に危険を知らせたり、炭素、窒素、水など植物に必要な要素をシェアしたりするのに活用されていると考えられる。ネットワークを通じて森全体が健康になれる仕組みは、明らかに植物同士の意図的なコミュニケーションを意味している。

偉大な植物たち

植物が動物に先駆けて上陸したのがおよそ5億年前と言われている。そのころの地球の大気は温暖化ガスの二酸化炭素に満ち、とても生物が上陸したところで生き残れる環境ではなかった。

陸に上がった最初の植物は地表を緑で覆いつくし、光合成の活動によって徐々に大気を酸素に変えて、地球冷却化を引き起こした。こうしてようやく動物の上陸が可能となったのだ。

人間は、そして動物すべては、いまも植物に依存して生きている。植物なしでは衣食住はおろか、毎秒吸い込む酸素さえも充分に確保できないだろう。そう思うと、植物に敬意を感じる。そしていずれ植物と人間とで会話できるとしたら、この感謝をうまく伝えられる日も来るだろうか。

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cat_17_issue_oa-dnews oa-dnews_0_1db623b8ca28_愛妻の病死からわずか1ヶ月……なぜ夫は惨殺されたのか? 1db623b8ca28 0

愛妻の病死からわずか1ヶ月……なぜ夫は惨殺されたのか?

メキシコ湾に面する閑静な港町、パーム・ハーバー。2003年3月、平和なこの町の住人であるデビッド・ランツが遺体となって発見された。現場となった自宅の壁と天井には彼の頭蓋骨や脳しょうが飛び散るという、凄惨きわまりない状況だった。

バツイチのデビッドが再婚相手とこの町に引っ越してきたのは数年前。隣近所に親友もでき、フロリダの温暖な気候の下で幸せな時間を過ごしていた彼だったが、2003年2月に妻をガンで亡くしてしまう。前妻との間にもうけた子どもとは長年疎遠であり、たった1人の家族である妻を失ったことでデビッドは強い孤独に打ちのめされた。だが、友人らの支えを受け人生の再出発へ向けて歩みだそうとしていたその矢先、彼は凶悪な殺人事件の被害者となってしまった。妻の死からわずか1ヶ月後のことだ。

警察の現場検証から、犯人が至近距離から散弾銃で撃っていること、金目のものは一切盗まずに寝室にあった拳銃を持ち去っていること、そしてテーブルに残された2つのグラスから犯人は来客だった可能性があることがわかった。

さほど広くなかったデビッドの交友関係から、誰よりも彼のことを知る親友、新しい恋の相手となりかけていた女性、亡くなった妻の親戚、前妻との間の子どもなどが洗われたが、犯人として結びつけられるだけの条件を満たす者は見つからなかった。また、すぐ近くの町でデビッドと同年代の中年夫婦が殺害される事件が起こり、ほどなく逮捕された前科持ちの男にデビッド殺害事件への関与が疑われたが、完璧なアリバイがそれを阻む。捜査は完全に暗礁に乗り上げてしまった。

全くといっていいほど進展がないまま2年以上が過ぎたある日、事態は急展開を迎える。ノース・カロライナにある水を抜かれた貯水池の底から、デビッドの寝室から持ち出された銃が発見されたのだ。フロリダでデビッドを殺した犯人が、およそ900km離れたその土地まで捨てにきたと考えるのが自然だろう。

この発見はデビッド殺害事件の謎を解く鍵であると同時に、数か月前に寄せられた“被害者不明の殺人事件”に関するタレコミの信憑性を大きく引き上げた。それは、とある女性からの「自分の恋人であるウィリアム・ウェスターマンから、2年前に友人と2人でフロリダに住む男性を殺したと打ち明けられた」というものだ。調査を進めると、この情報の中には一般には公開されていない、事件現場にいた人物しか知りえない情報が含まれていたのだ。

まさしく点と点が繋がり“一本の線”となったが、警察は他に首謀者がいることを見越していた。ウェスターマンの供述によって判明したもう一人の実行犯の名は、クリストファー・ランツ。デビッドが前妻との間にもうけた子どもである。しかし10年以上も音信不通となっていた父親を、なぜ今になってわざわざ殺す必要があったのだろうか。

その答えは、クリストファーの浅はかすぎる“欲望”にあった。義理の母親が亡くなったことを耳にしたクリストファーは、いま父親を殺せば一番の近親者である自分に何らかの遺産が入るだろうと目論んだのである。しかし蓋を開けてみれば、父親は他人同然となって久しい息子を相続人に使命しているはずもなかった。深い孤独の悲しみから這いあがろうとしていた者の命を奪ったのが、一番の親近者による愚直な思考回路によるものであったとは、あまりにも皮肉な現実だ。

目撃者、指紋、DNAといった証拠の一切が見つかっていないこの事件において、クリストファーの罪を立証するのは困難を極めた。さらにクリストファーは、逮捕状の発行後に逃亡を図ったかと思えばテレビカメラの前での逮捕を望んだり、裁判において弁護士を雇わずに自力で無罪を勝ち取ろうとしたりと、奇行を繰り返す。ようやく2006年に終身刑が言い渡されるも、その3年後に刑務所内で囚人を殺した後に自殺。最後の最後まで傲慢かつ身勝手な男であった。

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cat_17_issue_oa-dnews oa-dnews_0_67cca7801480_楽しく身につく世界の常識!アラスカ雑学クイズ【初級編】 67cca7801480 0

楽しく身につく世界の常識!アラスカ雑学クイズ【初級編】

年中極寒のイメージのあるアラスカ。アラスカと言えば、オーロラ観測、犬ぞり、スキーなどを思い出す方も多いのではないだろうか。そんな旅行先としても人気のアラスカは、自然に恵まれ、実は通年に渡ってさまざまな魅力あふれるアクティビティを体験することのできるアウトドア派にはうってつけの地だ。

楽しく身につく世界の常識クイズシリーズ、今回はそんな魅力あふれる米国最北端の州、アラスカの基礎知識が身につく初級編。北米最大の山は?最大の湖は?などなど、一度は聞いたことがあるはずなのに、パッと浮かばない…そんなクイズにチャレンジ!

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アカデミー賞とNASAの意外な関係

米国ハリウッドでアカデミー賞授賞式が行われた。誰もがどの映画、どの俳優が選ばれるのかと注目していたことだと思うが、実はアカデミー賞にもNASAの技術が導入されていることを知っていただろうか?

その技術が使われているのが、アカデミー賞受賞者に手渡されるオスカー像。金色の人型の像で、ハリウッドに行けば土産物店で同じようなものを購入できるほど、多くの人に知られているアカデミー賞のシンボルだ。実はこのオスカー像に使われている金コーティングが、宇宙望遠鏡に使われているものと同じ技術なのだという。

NASAによると、金は赤外線の高い反射率や錆びないという特性などから、宇宙空間においてもとても役立つ物質であるという。熱を遮断するため、ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の冷却チューブのコーティングなどにも使用されている。

しかし金にも弱点があり、それは反射率が次第に下がってしまうことと、とてもデリケートだということ。金でコーティングしても、折り曲げたりすることにより、全体が剥がれてしまうということだ。宇宙望遠鏡の開発者たちはこれらの弱点を克服するべく、民間企業のEpner Technologyと協力。その結果、高い反射率と耐久性を備えたコーティング技術が完成し、宇宙望遠鏡やその他の製品に使用され始めた。

そして2016年、アカデミー賞の選考を行う映画芸術科学アカデミーがその評判を聞きつけ、オスカー像への採用が決まったという。それまでの金コーティングは時間が経つにつれ剥がれてしまうことが知られていたが、NASAによると新たに採用されたコーティングは、どれだけ時間が経っても絶対に剥がれることはないということだ。

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cat_17_issue_oa-dnews oa-dnews_0_c8740797a6b8_世界の植物の箱舟は多様な未来を創造する...その歴史 c8740797a6b8 0

世界の植物の箱舟は多様な未来を創造する...その歴史

種子バンク。Smithsonianによれば世界に約1,750存在しており、地域に根差したものから国が管理するものまで規模は様々だ。

なぜ種子バンクができたのか、そしてなぜ必要なのか。その成り立ちは作物の品種改良と深く関係していた。


種子バンクの成り立ち
おなじ小麦であっても、肥沃な土壌で育てられた品種と、やせこけた山岳地帯でなんとか生き残ってきた品種とではその特徴や強度はまったく違ってくる。その差は、長い年月をかけてその地域の環境に適応してきた遺伝子の多様性からきているのではないか?と農作物の多様性について最初に研究したのはソビエト連邦のニコライ・ヴァヴィロフ(1887-1943)だった。

ユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)のサラ・ペレス氏によれば、ヴァヴィロフは世界各地を巡って種子のサンプルを採取し、在来品種の遺伝子多様性について研究した。彼がロシアに持ち帰った種子は当時世界最大の種子コレクションとなり、今でもニコライ・ヴァヴィロフ記念全ロシア植物栽培研究所に受け継がれている。

ヴァヴィロフ以前にも世界中から種子を集めたコレクションは存在していたのだが、主に種(species)の多様性に目が向けられていた。ヴァヴィロフは、同じ種の中のさらに細かい分類の属(genus)の多様性に初めて目を向けた。そして彼のコレクションは後の種子バンクの原型となった。

見直された多様性

1940年代にアメリカのロックフェラー財団が後ろ盾となって始まった第二の農業革命ともいわれる「緑の革命」は、農作物の生産性の向上させるために科学的な品種改良が行われ、コムギやトウモロコシの交配種が次々と誕生した。そのおかげで食糧難を免れた地域は少なくなかったが、同時に世界中で同じ品種の作物が育てられるようになると「遺伝的浸食(genetic erosion)」が問題視されるようになった。

遺伝子の多様性が失われると、疫痢が流行ると作物が全滅しかねない。遺伝子の多様性があるからこそ、多様なリスクを回避できるのだ。ところが国際連合食糧農業機関(FAO)によれば、すでに全世界の75%にのぼる作物の遺伝資源は失われてしまったという。

そこで、1970年代から在来品種の保護に向けて国際的な取り組みが始まった。世界中に種子バンクが設置され始めたのもこの時期だ。1971年には国連の指導のもと国際農業研究協議グループ(CGIAR)が結成され、世界各国で次々と農作物の研究機関が設立された。その中でも、

・国際熱帯農業センター (CIAT) コロンビア

・国際トウモロコシ・コムギ改良センター (CIMMYT)メキシコ

・ 国際馬鈴薯センター (CIP)ペルー

・国際乾燥地農業研究センター (ICARDA)シリア

・国際半乾燥熱帯作物研究所 (ICRISAT) インド

・国際熱帯農業研究所 (IITA)ナイジェリア

・ 国際稲研究所 (IRRI)フィリピン

・ アフリカ稲センター (WARDA)

にはそれぞれの地域において主要な農作物の種子バンクが設置されている。

スバールバル世界種子貯蔵庫(ノルウェー)

種子バンクで一番有名なのは、先日こちらでも紹介した北極圏にあるスバールバル世界種子貯蔵庫ではないだろうか。上記の8ヵ所を含む、世界中のローカル種子バンクから集められた作物の種子89万個以上を−18℃で冷凍保管しており、今後人類がどのような人災や天災に見舞われようとも小麦、米、マメ、トウモロコシ、ダイズ、イモ類やバナナを含む主要な農作物を未来の人類に提供するのがその目的だ。
いかなる災害にも耐えうるために、種子は山の中へ120メートル続くトンネルの先に作られた金庫のような部屋の中に保管されており、頑丈なコンクリート壁と重い鉄の扉に守られている。万が一ほかの種子バンクが災害により破綻しても、スバールバルの種子がバックアップとなり、世界の生物多様性を担保している。

ミレニアムシードバンク(イギリス)

王立植物園キューガーデン内に設置された種子バンクで、スバールバルと違って主に野生種の種子を保管している。現在80,000以上の種子サンプルが保管されており、2020年までに世界中に棲息している在来種のおよそ25%の種子をコレクションに加えるという非常に野心的な目標を掲げている。
優先的に集められているのは農作物の祖先にあたる野生種、樹木と、野生での絶滅が危惧されている植物の種子だ。こちらも−18℃で冷凍保存されている。

種子バンクの役割

「種子バンク」と言われているが、じつは「種子図書館」に近いのでは、と話すのはアメリカ合衆国農務省に所属するクリスティーナ・ウォルターズ氏だ。

「バンク」というと預けっぱなしという印象があるが、種子バンクに預けられている種子はむしろ図書館の本のようだという。貸し出しもできるし、情報を読み取ることもできる。しかし、それらの本自体から新しい物語や可能性が生まれてこない。その本から得た情報や知識をもとに、人間がどれだけ想像力を発揮できるかが鍵だとウォルターズ氏はいう。

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cat_17_issue_oa-dnews oa-dnews_0_cc91ec3cc15d_ハグやキスが大好き! プレーリードッグ流「愛の挨拶」 cc91ec3cc15d 0

ハグやキスが大好き! プレーリードッグ流「愛の挨拶」

大きく澄んだ瞳、下半身太めのずんぐり体型、そして愛らしくユーモラスな仕草がたまらないプレーリードッグ。北米の草原地帯(プレーリー)にトンネルのような巣穴を掘り、オス1匹に対し数匹のメス、その子どもたちからなる集団で生活を営むリス科の草食動物だ。

二本の後ろ足ですっくと立つ姿が印象的な彼らだが、それは巣穴近くで“見張り”をしているから。外敵が接近していないか? と、少しでも遠くまで確認するために立ち上がってキョロキョロと見渡しているのだ。食事も立ってとることが多く、数匹が横一列に並びモグモグと両手に持ったエサを頬張っている姿は実に可愛らしい。

そんな彼らの魅力を語る上ではずせないのが、家族間で交わすコミュニケーション行動。豊かな社会性を持つ彼らは、家族同士で抱き合い頬を寄せ合うことで互いに挨拶を交わしている。中でもお互いに向かい合い、歯を見せあったり接触させたりして愛情を示す姿はキスそのものだ。

プレーリードッグは日本の動物園にも見ることができるが、特に寒い時期には冬毛でモフモフになるので、ぜひ愛らしい仕草を生で拝見しに行ってみては?

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cat_17_issue_oa-dnews oa-dnews_0_8f80037da308_NASA、次世代気象衛星「GOES-S」の打ち上げ成功 8f80037da308 0

NASA、次世代気象衛星「GOES-S」の打ち上げ成功

NASAは3月1日午後5時02分(米国東部標準時)、アメリカ海洋大気庁(NOAA)の次世代気象衛星第2弾となる「GOES-S」の打ち上げに成功したと発表した。

打ち上げられたのは、Geostationary Operational Environmental Satellite-S(GOES-S)と呼ばれる気象衛星で、アトラスVロケットによってフロリダ州のケープカナベラル空軍基地から打ち上げられた。同日午後8時58分には、計画通りにロケットから分離されたことが確認されたという。GOES-Sは今後およそ2週間かけて高度2万2,300マイルに到達し、GOES-17という名称に変更される。今年の下半期にはGOES-Westの位置(西経135度)に移動し、正式に稼働を開始する予定だ。

GOES-17は今までの気象衛星と比べ、より高速に、より精度の高いデータをリアルタイムで地球に送ることが可能になるという。これにより、地球の大気中で起こっている台風や雷、濃霧などの自然災害の情報を提供していくということだ。気象予報の精度を高めるだけでなく、山火事の位置や動きを観測することができるため、消火活動や避難経路の選定などにも役立つという。また、霧の出現と消失を予測することに役立つため、空港の管制業務にも役立つということだ。

GOES-17は、先に打ち上げられGOES-East(西経75度)の位置にあるGOES-16と協力して活動に当たる。GOES-17が参加することにより、観測できる範囲が大幅に広くなるということだ。

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最強生物クマムシの新種、山形の駐車場で発見

出典: YouTube

慶應義塾大学は3月1日、「最強生物」としても知られるクマムシの新種が山形県で発見されたことを発表した。駐車場で発見されたこの新種は、庄内地方で見つかったチョウメイムシ科であることから「ショウナイチョウメイムシ」と命名された。

1mm以下の小さな体で様々な生息環境に存在するクマムシは、体から水分をほとんどなくして代謝しない「乾眠」状態になることができる。この状態では超低温や放射能、宇宙真空にも耐えられるという極限環境耐性を持っているため「最強生物」などと呼ばれることもある。クマムシの仲間は1700年代に始めて見いだされ、世界中にこれまで約1200種見つかっている。日本では見つかっている167種のうち、新種は26種類とさほど新種発見例は多くない。そんな中で日本での新種168種目となったのがショウナイチョウメイムシだ。

ショウナイチョウメイムシが発見されたのは、山形県鶴岡市大塚町のアパートの駐車場。そのコンクリートに生えたコケの中から見つかった。クマムシは研究室環境で育てることも難しいとされるが、幸いなことに今回のショウナイチョウメイムシはクロレラとミネラルウォーターなどにより育て、繁殖させることができた。このクマムシは、1834年にドイツで発見された「Macrobiotus hufelandi」という種にとてもよく似ていたものの、体の表面を覆うクチクラという表皮膜の層に観られる孔の大きさの違いや、脚の一部の形状の違い、卵の表面の突起の違いなどが異なっていた。さらにこれをDNA情報を解析することにより、これが新種であると判明したのだ。

これまでクマムシの分子生物学的研究では、今回見つかった物とは別の科である「ヤマクマムシ科」に関するものがほとんどだった。また、ヤマクマムシ科は、単為生殖をするものであり雌しかいないものだ。一方ショウナイチョウメイムシは雄雌が存在し、生殖に交尾を必要とする。このため今回発見されたショウナイチョウメイムシを研究することで、クマムシの極限環境耐性や生殖に関してより理解が深まるとみられている。

なおこのショウナイチョウメイムシは、ケニアやエクアドル、アルゼンチンやスコットランドで見つかっているチョウメイムシ科のクマムシと同じ「hufelandi」という分岐群に属すとされる。そして日本では、この上種に属すとされるのは今のところ今回のものしか知られていない。この発見はPLOS ONEに2月28日に発表された。

(下動画はショウナイチョウメイムシが脱糞する貴重な映像。)

出典: YouTube

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幻覚剤は1回使用しただけで性格が変わる...研究発表

31年間に渡る科学的な研究をまとめたメタアナリシスによると、LSDや幻覚キノコなどの幻覚剤を一度でも使用した人には性格の変化が見られ、またその変化は持続したそうだ。学術誌「Neuroscience & Biobehavioral Reviews」が発表した。

伝統的なルーツ

この発見はなにも新しいものではない。昔から宗教儀式にペヨーテ、アヤワスカやテオナナカトル(幻覚キノコ)などを使用してきた民族は、それらの幻覚剤に人の精神状態を変える効能を認めてきた。

神経生物学、薬理学などの研究が進むにつれ、科学の力で幻覚剤が人間にどのように作用するかが解明されつつある。今回、ブラジルとスペインの研究者チームが1985年から2016年までに発表された369件の学術研究のうち、特にセロトニン作動性の幻覚剤に言及したもの18件を調べた結果、幻覚剤の使用による性格の変化が確認されたそうだ。

複数の鍵

セロトニン作動性の幻覚剤にはLSD、幻覚キノコやアヤワスカが含まれる。「セロトニン作動性」という名前のとおり、神経伝達物質のセロトニンに似た構造をしているこれらの薬物は、セロトニンに替わって5-HT2A受容体に作用することで大脳皮質に影響する。

もともと神経伝達物質と受容体は、鍵と鍵穴のような1対1の関係だと考えられてきた。ところが幻覚剤のようにセロトニン以外の物質でも5-HT2A受容体に作用することが解明され、幻覚剤の生化学的な働きがより明らかになってきた。

幻覚剤が実際どのように5-HT2A受容体に作用しているかは諸説があるようで、セロトニンよりも頑丈にくっついて長い間離れない幻覚剤もあれば、セロトニンとは違うスイッチを入れることで、受容体の働きを変えてしまう幻覚剤もあるようだ。

薬物が性格を変える

効果は薬物によっても摂取する人によっても様々なようだが、脳の視覚的な働きに大きく影響し、時間と空間の感覚が変化したり、自己を超越して広い世界とつながる一体感を感じたり、高揚感を伴う幻覚を見るという。

LSD、幻覚キノコとアヤワスカを使用した臨床実験の結果をまとめたところ、いずれの薬物を使用した人には長期的(あるいは恒久的)な性格の変化が見られたそうだ。

特に少量の薬物を臨床研究のために摂取した被験者においては、摂取しなかった被験者よりも「経験への開放性」という項目において高い数値を記録したという。いくつかの研究においては、薬物摂取後に一年以上も持続した抗うつ効果が見られた場合もあったそうだ。

性格の流動性

ここで問題となるのが「性格」の定義だ。性格とは、人がそれぞれ生まれ持った不変的な要素なのか、それとも環境や状況の変化によって流動的に変わっていくものなのだろうか。

薬物がもたらす性格の変化を見極めるには、被験者の数を増やして大々的に調べる必要があると研究の著者は結びに書いている。しかし、アメリカを始め、日本、ヨーロッパ諸国でもLSDなどの幻覚剤の使用が認められていないため、なかなかそのような研究を行えないのが現状だという。

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cat_17_issue_oa-dnews oa-dnews_0_fbf485e34a59_【動物雑学クイズ】イルカはどこから超音波を出す? fbf485e34a59 0

【動物雑学クイズ】イルカはどこから超音波を出す?

犬や猫、動物園でおなじみの動物たち、そして太古の昔に絶滅してしまった恐竜まで、動物にまつわる様々な雑学をクイズ形式で紹介。

今回の動物は、高度な知能を持つ「イルカ」。さて、あなたは正解できる?

地球の誕生から46億年、生命の誕生から40億年…地球の歴史上、生物の大絶滅が5回あった。原因はいずれも自然によるものだったが、現在 有史上、初めて人間による環境破壊が進んでいる。多くの生物が絶滅の危機に瀕し、その未来は不透明だ。このクイズを通し、動物の不思議な生態や進化を知ってもらえたら、きっと今とは違う世界が見えてくるだろう。

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