もしドラゴンボール大好きな男の子がヤムチャに生まれ変わったとしたら――そんなドラゴンボールの「if」の世界を描いた漫画が大きな反響を呼んでいます。
タイトルは「ドラゴンボール外伝 転生したらヤムチャだった件」。
集英社のWebマンガ誌「少年ジャンプ+」に読切作品として前編が公開されています。
平凡な男の子が不運な事故をきっかけに、悟空が少年時代のヤムチャに生まれ変わってしまうというストーリー。
その後の展開を知っている主人公は、サイバイマンの自爆に巻き込まれ、死亡してしまう未来を変えるために奮闘します。
公開直後から大きな話題となり、Twitterには「何度観ても噴き出して笑っちゃう」「かませじゃないヤムチャにドキがムネムネだよ」「どっかの同人ネタかと思ったらジャンプ+じゃないですかw」「主人公と一緒に答え合わせを共有できるのっていいですね」などの反響が寄せられています。
「転生ヤムチャ」はどのようにして生まれたのか、集英社の担当編集者に話を聞きました。
――『ドラゴンボール外伝 転生したらヤムチャだった件』はどのように企画されたのですか?
飲んでいるときの馬鹿話からスタートしました。
編集部のみんなと飲んでいるときに、「ジャンプで“なろう”小説みたいな異世界転生物をやるなら、どんな形があるだろう?」という話になり、「やっぱりドラゴンボールの世界に転生したら燃えるよね」と盛り上がりました。
――なぜヤムチャだったんですか?
「最弱であるヤムチャだと逆転劇としていいよね」と。
サイヤ人じゃない、恋人や配偶者がいない、他の地球人と違ってフェードアウトが早い、情けない死に方…などから、ギャップが生まれて面白そう…という感じです。
――今回はヤムチャ一択だったのでしょうか?他のキャラクター候補がいれば教えてください。
クリリンでループもの…というアイデアもありました。
――鳥山先生の反応はどうでしたか?
企画段階でご相談しました。
NG が出ると思っていたのですが、おおらかな心で許していただけたようです。
また、ネームをお見せしたら、改善のアイデアもいただけました。
完成した原稿も「面白い」と言っていただけて、大変うれしかったです。
――改善のアイデアはどんな内容だったんですか?
「主人公の死に方を面白くして欲しい」というのがあったほか、主人公のキャラ設定など、読者の入りやすさを意識された指摘がありました。
――配信にいたるまで、大変だったことはありますか?
特にはないです。鳥山先生にもご快諾いただいたので。
ただ、TVアニメ『ドラゴンボール超』でも「ヤムチャ回」があるというのが執筆中に分かったので、そのタイミングに合わせるのが大変でした。
――作者の方は以前から「悟空の代わりに赤ん坊のベジータが地球に送り込まれてたら…」などのパロディ漫画をピクシブに公開して話題となっていましたが、集英社からスカウトしたのでしょうか?
編集部にドラゴン画廊・リーさんに注目しているスタッフがいて、教えてもらいました。
その後、Twitterで問い合わせて、企画概要をお伝えしたら描いていただけることになりました。
――ネットで大きな反響がありましたが、どう思われましたか?
正直、驚きました。ここまで反響があるとは…。Twitterなどで「公式がコレをやるのかよ!」というツッコミがあって面白かったです。
アニメとタイミングを合わせられたのも良かったと思います。
また、ネットでの「ヤムチャいじり」がひとつの文化になっているというか…ヤムチャ愛されてるな、と思いました。
――作品はどれぐらい読まれたんですか?
普通の読切の倍以上、連載陣と比べても圧倒的で、その週で一番読まれました。
――今後、ドラゴンボール以外の外伝が掲載される可能性はありますか?
可能性はあります。『NARUTO-ナルト-』とかも良さそうですよね。
ただ、その前に、まず「ヤムチャ」の続きを読者の皆さんにお届けすべく頑張ります。