足し算ができなくてパニックに。強迫神経症になった少女を救った一言とは
「鍵をかけたか心配になり、何度も確認してしまう……」意外と身近に起きている強迫神経症
強迫神経症、別名・強迫性障害は、不安障害の一つ。
厚生労働省によれば、ある強迫観念にとらわれ、無視したり抑制しようと思っても心からそのイメージが離れなくなってしまう症状を指します。
強迫神経症患者は、その強迫観念を打ち消すために特定の行動を異常なまでに繰り返してしまいます。
たとえば、トイレのたびに手の汚れを強く感じ執拗なまでに手を洗い続けたり、家を出る際に鍵をかけたかを切りがないほど確認したり。
本人の意思とは別に、異常な行動を続けてしまうのです。
マンガの作者・道雪さんを追い詰めたのは、数字の概念が理解できない強迫観念と、病気の理解がない周囲の反応
このマンガの作者である道雪さんは、小学1年生のときに「1という数字の概念を理解できない」という強迫観念にとらわれてしまいました。
そして教師や周囲の反応にひどい焦燥感に襲われたことをエピソードに描いています。
「病院に連れていかれたときは、子どもながらに『私は頭がおかしいと思われてるんだ』とショックでした」と道雪さん。
しかし、訪れた病院で「忘れてもいい」「間違ってもいい」と医師から教えられ、強迫観念に襲われても落ち着いて対処できるようになったそうです。
今では、「たまに(強迫観念で)そわそわすることがありますが、深呼吸して違うことを考えるか、このときの先生の言葉を思い出してがんばってます」とのこと。
日本人の100人に1人は、強迫神経症を患っている
統計によれば、日本における強迫神経症患者の割合は約1〜2%。つまり、100人に1人以上がこの症状を患っているということ。
しかし、まだ発症する原因についてわかっていません。
道雪さん次のように話します。
「鍵をかけたか何度も確認したり、何度も首を振ってたり…….。よく知らない人は不気味に思うかもしれません。
でもこの病気が「鬱」と同じくらい知られるようになって『そういうのもあるんだ』くらいに認識してもらえれば嬉しいです」