cat_11_issue_oa-businessinsider oa-businessinsider_0_ffd7b4507501_日経新聞社が「note」のピースオブケイクに3億円出資 ffd7b4507501 0

日経新聞社が「note」のピースオブケイクに3億円出資

日本経済新聞社(以下、日経新聞社)と、「note」や「cakes」などのコンテンツプラットフォームを展開するピースオブケイクは8月3日、資本業務提携を発表した。

ピースオブケイクが明らかにしたところによると、7月30日に日経新聞社、日本ベンチャーキャピタル、新潟ベンチャーキャピタルから合計約4億円の第三者割当増資を実施。そのうち3億円は日経新聞社によるもの。これに伴い、日経新聞社 常務取締役の渡辺洋之氏が社外取締役に就任した。

ピースオブケイクの代表の加藤貞顕氏は編集者でもあり、累計280万部のベストセラー『もしドラ』(岩崎夏海 著)や『ゼロ』(堀江貴文 著)※、『マチネの終わりに』(平野啓一郎 著)を仕掛けたヒットメイカーとしても知られる。noteをはじめとするコンテンツプラットフォームを通じて、「クリエイターの活躍の舞台を広げる」ことについては、パートナーの立場である出版社も巻き込んで、さまざまな形で取り組んできた。

コンテンツプラットフォーム「note」。ブログ的に記事公開ができるほか、簡単に有料課金コンテンツも発信できる。ピースオブケイクはコンテンツ連携先を広げ、noteのクリエイターとつなげて、プロデビューも含めた活躍の場を広げる取り組みにも力を入れている。

加藤氏によると、今回の日経新聞との資本業務提携の構想は、数カ月前から話を詰めてきたもの。noteにおけるコンテンツ連携先・既存21社を拡大するために、日経新聞社と交渉していたことがきっかけとなった。

両社の今後のコミュニティ連携の形として、「日経IDを使ってnoteにログインできるID連携も具体的に検討している」(加藤氏)ほか、日経新聞社が展開するビジネスコミュニティ「COMEMO」でのnoteのクリエイターらの連携も、両社の連携テーマの1つとして議論されていると言う。

8月3日配信の日経新聞電子版によると「日経とピースオブケイクはミレニアル世代向け新サービス開発などに取り組む」としている。

4億円の増資でエンジニア、データサイエンティストの人材採用を加速
現在、ピースオブケイクは従業員35名。規模拡大に合わせて移転を重ね、3件目となる東京・渋谷のオフィスも手狭になってきた。

加藤氏は、今回の増資による調達資金の使途として、積極的に取り組んでいるnote関連の人材採用を挙げる。具体的には、プラットフォームを開発するエンジニア、コンテンツ分析をするデータサイエンティスト、サービスへのAI実装にまつわる人材、noteコミュニティーを活性化させるコミュニティーマネージャーといった職種を厚くしていく方針だ。

note事業は、外部の企業がnoteのシステムを独自ドメイン上で運営し、独自コンテンツの発信や集客をするB2B2Cのコンテンツプラットフォームとしての側面も持っている。

今回の資本業務提携は、こうした幅広い用途も含めたnoteプラットフォームを拡充させるための動きと言える。

※『もしドラ』=『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら 』、『ゼロ』=『ゼロ ── なにもない自分に小さなイチを足していく』

(文・伊藤有)

外部リンク

cat_11_issue_oa-businessinsider oa-businessinsider_0_c56c78a31134_米国の書店で今、ものすごく売れているのは「不安」の本 c56c78a31134 0

米国の書店で今、ものすごく売れているのは「不安」の本

2018年8月3日 10:45 Getty/Scott Olson

・アメリカの書店チェーン大手「バーンズ・アンド・ノーブル(Barnes & Noble)」によると、アメリカでは不安との付き合い方に関する書籍の売り上げが、1年前に比べて26%も増えていることが分かった。
・この売り上げデータは、「不安だらけの国」で高まるストレスとうまく付き合うための実用書やツールキットに顧客が引き寄せられていることを示している。
・「不安とどう付き合っていくか、その実践的な方法が分かるような本をバイヤーが並べてみると、不安に関するカテゴリーは本当によく売れました」バーンズ・アンド・ノーブルの販売担当のシニアディレクター、リズ・ハーウェル(Liz Harwell)氏はプレスリリースに書いている。
書店チェーン大手のバーンズ・アンド・ノーブルは、"不安"をチャンスに変えている。

同社は1日(現地時間)、6月時点の不安に関する書籍の売り上げが1年前に比べて26%増えたと、プレスリリースの中で述べた。このカテゴリーのベストセラーには、不安との付き合い方に関する実用書、ツールキット、自己啓発書が含まれているという。

「不安とどう付き合っていくか、その実践的な方法が分かるような本をバイヤーが並べてみると、不安に関するカテゴリーは本当によく売れました」バーンス・アンド・ノーブルの販売担当のシニアディレクター、リズ・ハーウェル氏はコメントした。

ただ、全ての州が同じようにストレスを感じているわけではない。カリフォルニア州、ミシガン州、マサチューセッツ州で不安に関する書籍への関心が最も大幅に高まったのに対し、テキサス州、ノースカロライナ州、フロリダ州では関心が大幅に低下している。

Barnes & Noble

バーンズ・アンド・ノーブルは、不安との付き合い方に対する関心がなぜこれほど急に高まったのか、その原因を解き明かしてはいないが、本を買うということは何かしらの解決策を人々が求めているのだろうと述べている。
「この売り上げデータから、わたしたちは不安だらけの国に暮らしているのかもしれません。ただ、ありがたいことに国中の本のバイヤーたちも自身のストレスの解決策を探しています」ハーウェル氏は言う。

不安に関する書籍だけでなく、バーンス・アンド・ノーブルではファンタジーのジャンルで10%、幸せ探しのカテゴリーで83%、それぞれ売り上げが伸びているという。

[原文:Barnes & Noble says books about anxiety are trending because 'we may be living in an anxious nation' (BKS)]

(翻訳、編集:山口佳美)

外部リンク

cat_11_issue_oa-businessinsider oa-businessinsider_0_306cf9222868_チャートで振り返る、アップルの時価総額1兆ドルまで 306cf9222868 0

チャートで振り返る、アップルの時価総額1兆ドルまで

2018年8月3日 10:30 AP

・アップル(Apple)は2日(現地時間)、アメリカの企業として初めて時価総額が1兆ドル(約110兆円)を超えた。
・ここ10年で、アップルはエクソンモービルやゼネラル・エレクトリックといった大企業を追い抜いてきた。
・アップルの最新の株価情報はこちら。
アップルの時価総額が2日、1兆ドルを超えた。アメリカの企業の時価総額が1兆ドルを超えるのは、初めてのことだ。

1980年12月12日に1株あたり22ドルで上場して以来、ナンバー1にのぼりつめるまでには、長い道のりがあった。

Pension Partnersのチャーリー・ビレロ(Charlie Bilello)氏が指摘したように、以下のチャートはアップルがどのようにして、かつて"世界で最も価値のある企業"と言われたゼネラル・エレクトリックやマイクロソフトといった大企業を打ち負かしたかを示している。

アップルの時価総額の成長ペースが勢いを増したのは2000年代後半、初代iPhoneの登場時期と一致している。

同社の時価総額1兆ドル超えは、投資家ひいては社会がどういった企業に最も価値を見出してきたか、その変遷の象徴でもある。2日現在、アメリカ企業の時価総額トップ10のうち5社は、アマゾンやアルファベット、フェイスブックを含むテック企業だ。2011年、トップ5に入ったテック企業はアップルのみだった。

7月31日の第2四半期決算で金融街の予想を上回った後、アップルの時価総額は1兆ドルを超えた。株価も207ドルを超えている。

Andy Kiersz/Business Insider; data via Bloomberg

[原文:Apple is officially the first $1 trillion US company — here's the competition it knocked out to clinch that milestone]

(翻訳、編集:山口佳美)

外部リンク

cat_11_issue_oa-businessinsider oa-businessinsider_0_7e99c1ab358c_マイクロソフト本社のツリーハウスに行ってみた! 7e99c1ab358c 0

マイクロソフト本社のツリーハウスに行ってみた!

アマゾンとアップルの新本社が話題になっている間に、マイクロソフトはひっそりと、レドモンドの本社を改築している。

そこで筆者は、マイクロソフトが2017年、従業員のための作ったツリーハウスに行ってみた。従業員はここで会議をしたり、雑談をしたり、あるいは日光浴もできる。ツリーハウスは同社CEOサティア・ナデラ氏などの幹部のオフィスがあるビルのすぐ近くにある。だが従業員なら誰でも利用できる。

ツリーハウスはWi-Fiを備え、電源は至る所にある。マイクロソフト従業員だけのとても素敵な社員特典。

見てみよう。

ツリーハウスがあると知らなければ、気付かないかもしれない。近くの建物から出てきてた時の様子。

Matt Weinberger/Business Insider


だが、木製の通路を上がって行くと、

Matt Weinberger/Business Insider


木々に隠れた1つ目のツリーハウスが見えてくる。ツリーハウスは全部で3つ。

Matt Weinberger/Business Insider


ツリーハウスの前にはゲートがある。中に入るにはマイクロソフトのカードキーが必要。筆者は事前に許可を得ていたが、通常は従業員以外は立ち入り禁止。

Matt Weinberger/Business Insider


1つ目のツリーハウスは一番大きく、歩き回ったり、リラックスできる広いテラスもある。

Matt Weinberger/Business Insider


とはいえ目玉はツリーハウス。ここは唯一、社内会議用に予約できる。筆者が訪れた日は予約がなかったようで、同社の従業員が家族を連れて見学に来ていた。

Matt Weinberger/Business Insider


ツリーハウスは電源があり、Wi-Fiもある。中は少し暑く、ファンがあった。

Matt Weinberger/Business Insider


ツリーハウスの屋根は円錐形、木の梁で支えられていた。最も目を引いたのは天窓。見上げると木々の上部が見えた。

Matt Weinberger/Business Insider


テラスには椅子やベンチもあった。ミーティングもできる。

Matt Weinberger/Business Insider


ここからは、近くのカフェテリアがなんとなく見える。だが、ほとんどの場所からは木と自分の姿しか見えない。

Matt Weinberger/Business Insider


ツリーハウスでの用事が済んだら、下に降りるか、別の連絡通路を通って一番近いビルに行くこともできる。

Matt Weinberger/Business Insider


2つめのツリーハウスに続く通路。

Matt Weinberger/Business Insider


ここは1つ目のツリーハウスよりも、さらに人目につかない。らせん階段で一番上まで行ける。実は筆者はこれ以上は進めなかった。上でマイクロソフトのエンジニアが活発に議論をしていたので、邪魔をしたくなかった。

Matt Weinberger/Business Insider


3つ目のツリーハウスが見えた。小さなバルコニーがある。男性が日光浴をしていた。

Matt Weinberger/Business Insider


3つめのツリーハウス。一番アクセスしやすい。

Matt Weinberger/Business Insider


まさに文字通りの意味で。ここだけエレベーターが設置され、階段を使う必要がない。

Matt Weinberger/Business Insider


小さなテラスがあり、木々を見下ろせる。

Matt Weinberger/Business Insider


他の2つとは造りが違っていて、小さな家のようだった。周りをバルコニーが取り囲んでいた。男性が日光浴をしていた場所だ。

Matt Weinberger/Business Insider


中はL字型、ミーティングには向いていないかも。だが筆者はここで何通かのメールに返信した。

Matt Weinberger/Business Insider


小さなベンチもあった。そして3つのツリーハウスは、どれもシダーウッドのフレッシュな香りが強く立ち込めていた。まさに森林の香りだった。

Matt Weinberger/Business Insider


マイクロソフト本社の大規模かつ集中的な再開発計画の全景、2023年以降まで続く。ツリーハウスは利便性を高め、より良い環境を整備する大規模な計画の一部に過ぎない。素晴らしい社員特典!

マイクロソフト本社の再開発計画の模型。
Matt Weinberger/Business Insider


[原文:I visited the treehouses that Microsoft built for its employees to meet, work, and soak in the sun — take a look inside (MSFT)]

(翻訳:R. Yamaguchi、編集:増田隆幸)

外部リンク

cat_11_issue_oa-businessinsider oa-businessinsider_0_21969d6501dc_アマゾンや競合ブランドに勝つ! ZARAの新戦略と3つの利点 21969d6501dc 0

アマゾンや競合ブランドに勝つ! ZARAの新戦略と3つの利点

2018年8月3日 05:30 Business Insider/Jessica Tyler

・ZARA(ザラ)は世界2000店舗で店舗から商品を発送するサービスを開始する。
・オンラインで在庫切れになっていても、近くの店舗に商品があれば注文を受け、店から直接顧客に発送するという。
・この新たなシステムの導入によって、同社は在庫をよりうまく調整することができるようになる。
ZARAは、オンラインでの競争に店舗を利用し始めた。

インディテックス(Inditex)が所有するZARAは、オンラインで注文を受けた商品を店舗から直接発送する新たなシステムを導入する。ウォール・ストリート・ジャーナルが報じた。

オンラインで在庫切れになっていても、近くの店舗にあれば、顧客はオンラインショップから注文することが可能で、商品は店舗から直接発送されるという。

ウォール・ストリート・ジャーナルの報道によると、この新システムは2018年末までに運用開始される予定で、アメリカを含む世界2000店舗で展開される。

「わたしたちにとってこれは、実店舗とオンラインストアの在庫を完全に統合するという非常に戦略的なものです」インディテックスの会長兼CEOのパブロ・イスラ(Pablo Isla)氏は6月、アナリストに語った。

この新システムには、3つのメリットがあると考えられる。1つは、店舗の近くに住んでいれば、顧客は注文したアイテムをより速く受け取ることができるだろうということ。オンラインショッピングの時代にあっても、実店舗が共存できるという利点もある。そして、ZARAはその在庫をよりうまく調整できるようになるということだ。

このよりスピーディーな配送オプションは、ファストファッションのASOS(エイソス)や、迅速な配送を武器にアパレル市場に食い込もうとするアマゾンといった競合他社としのぎを削るZARAにとって、重要な意味を持つだろう。

だが、中でも極めて重要なのは、小売業界が頭を悩ませる大きな問題の1つである"在庫"の管理がしやすくなるという点だ。

ASOSやBoohoo(ブーフー)といったオンラインの競合が毎週、数千もの新たなアイテムを投入する中、実店舗を持つ小売業者は常に流行の最先端を追い続けられるか、流行遅れになるかのプレッシャーにさらされている。その結果、大量の在庫を抱えてしまうケースもある。

その極端な例がH&Mで、H&Mは40億ドル(約4500億円)近くもの在庫を抱えている。これらの在庫は、新商品として店内に陳列されているか、セール品コーナーに並べられているかだ。

実店舗とオンラインストアの在庫を統合することで、ZARAは同時に両方のプラットフォームで需要と供給をマッチさせ、大量の在庫を抱えるリスクを回避することができる。

[原文:Zara has a new tactic to compete with Amazon and Asos]

(翻訳、編集:山口佳美)

外部リンク

cat_11_issue_oa-businessinsider oa-businessinsider_0_433567754f44_KDDIが動いた“4年縛り改善”の真実 433567754f44 0

KDDIが動いた“4年縛り改善”の真実

いわゆる“4年縛り”のプランとなっているau「アップグレードプログラムEX」。
出典:KDDI

KDDIは公正取引委員会の指摘を受け、「4年縛り」のプログラムに見直しをかける。髙橋誠社長が、8月1日に開催された同社の決算説明会で明らかにした。

関連記事:4年縛りは独禁法に触れる? 大手キャリアを悩ませる公取委「報告書」

KDDIは、4年割賦と端末の下取りを組み合わせた「アップグレードプログラムEX」を改定し、2年目以降に機種変更する際に、同プログラムに再加入する規約を撤廃する予定だ。時期はシステム変更ができ次第だが、「そこまで待たずにできるのではないか」(髙橋氏)という。

アップグレードプログラムEXと同等と言えるソフトバンクの「半額サポート」はKDDI以上の対応が迫られる可能性がある。
出典:ソフトバンク

auのアップグレードプログラムEXに近い「半額サポート」を導入しているソフトバンクにはまだ動きがないが、同様に、条件を緩和せざるをえなくなりそうだ。

公取委は実態とは異なる「半額」という表記も問題視しており、ソフトバンクについてはサービス名称自体が変更される可能性もある。

KDDIが撤廃するのはあくまで“プログラムの再加入”

アップグレードプログラムEXの見直しを発表したKDDI髙橋社長。

公取委が問題視していたアップグレードプログラムEXとは、KDDIが「auピタットプラン」「auフラットプラン」に合わせて導入した携帯電話の買い方のことだ。これらはいわゆる“分離プラン”と呼ばれるもので、料金自体を下げる代わりに、端末購入補助がつかない。そのため原則として、端末の本体価格をそのまま支払う必要がある。

一方で、スマートフォンの価格は、最上位の端末では10万円を超える。割引をつけるか料金を値引くかの違いになるため、事実上の負担額が大きく変わるわけではないが、割引後のいわゆる“実質価格”に慣れたユーザーは、端末代が値上がりしたように感じてしまう。アップグレードプログラムEXは、この負担感を軽減するために導入された経緯がある。

分離プランは見かけ上の端末価格が上がってしまう。

具体的には、まずこれまで2年間で組んでいた割賦を4年間に延長。これによって毎月の支払い額を2分の1にした上で、2年間利用した後、機種変更する際には端末の下取りを条件に残債を免除する。

現状のアップグレードプログラムEXは、ここにもう1つ条件がある。それが冒頭で挙げた、「同プログラムに再加入する」というものだ。KDDIが撤廃するのは、この条件になる。

公取委の指摘を見ると、4年割賦そのものを問題視していたわけではないことが分かる。4年割賦に、機種変更や下取り、同一プログラムへの再加入といった条件を組み合わせた結果、ユーザーがアップグレードプログラムEXから抜けづらくなってしまう。これが、公正な競争を促進する上で問題になるというわけだ。

負担感軽減のため、4年割賦と下取りを組み合わせた「アップグレードプログラムEX」が生み出された。

“4年縛り”改訂後、スマホ料金はどう変わるのか?

公取委が4年縛りを指摘した背景には、大手キャリアと格安SIM事業者(MVNO)との関係性がある。
撮影:今村拓馬

今回KDDIは、アップグレードプログラムEXへの再加入を撤廃し、機種変更時にユーザーが端末購入補助のある料金プランを選べるようにする。2年間継続した後は、やめて前のプランに戻ることができる。ユーザーに選択肢が増えることにつながり、改善といえる。

ただし残債免除の条件には機種変更が残っており、アップグレードプログラムEXをお得に使おうとすると、auユーザーであり続ける必要はある。

公取委が4年縛りの独占禁止法違反を指摘した背景には、大手通信事業者から回線を借りて提供している格安SIM事業者(MVNO)への後押しもあったと言われる。大手キャリアからの乗り換えが多いMVNOにとって、ユーザーの流動性が低くなるのは死活問題だからだ。

NTTドコモは、今後も4年縛りを導入するつもりはない

ドコモの吉澤社長は、4年縛りを「拘束しすぎ」と批判した。

4年縛りに該当するプログラムを提供していないドコモの吉澤和弘社長は、8月2日の同社の決算会見で「今の時点で(同様の仕組みを導入する)つもりはまったくない」と断言している。

KDDIの改定については、「更新(プログラムへの再加入)については条件を緩めたが、割賦そのものは残るので、残債を支払わなければならない。昨年7月からプログラムを入れており、解約がしにくくなっている」と語り、拘束性が十分緩和されていないとの見方を示している。

2年縛りにも改善の兆し、ドコモはKDDIに歩調を合わせる方針
また、4年縛りとは別に2年縛りも改善の兆しが見えた。こちらは公取委ではなく、通信事業を管轄する総務省の指導に沿った格好だ。総務省の有識者会議で問題視されたのは、2年契約の更新月に解約しても、その月の通信料が発生してしまうこと。この通信料を日割りにできないかが議論されていた。

総務省の有識者会議では、違約金がかからない月に解約した際の料金を日割りにすることが求められていた。
出典:総務省「モバイル市場の公正競争促進に関する検討会報告書」別紙2

一方で、現状では音声通話は定額で、データ通信も毎月の容量が決まっているため、日割りの計算が非常にしづらい。「2日目でデータパックの全容量を使って解約しても、2日分の料金しかいただけなくなってしまう」(吉澤氏)からだ。使ったデータ容量に応じて請求する手もあるが、システムが煩雑になりかねない。

そこでドコモやKDDIは、妥協案として無料で解約できる期間を、現行の2カ月から3カ月に延ばすことを決定した。ドコモ、KDDI、ソフトバンクで仕組みが異なるとユーザーにとって分かりづらくなってしまうため、「3社で対応に違いがないようにしていくべきだと思っている」(吉澤氏)といい、歩調を合わせていく方針。今は25カ月目、26カ月目に無料で解約できるが、これが24カ月目に広がることになりそうだ。

(文、撮影・石野純也)

---------------------石野純也:ケータイジャーナリスト。出版社の雑誌編集部勤務を経て独立後、フリーランスジャーナリストとして執筆活動を行う。国内外のスマートフォン事情に精通している。

外部リンク

cat_11_issue_oa-businessinsider oa-businessinsider_0_930ba72ffaa2_「電子国家」エストニア在住、リアルなキャッシュレス生活 930ba72ffaa2 0

「電子国家」エストニア在住、リアルなキャッシュレス生活

IT大国として昨今注目を集めるエストニア。電子国家のイメージが強く、何でもオンラインで完結してしまうと思っている方も多いのではないだろうか。

筆者もご多分に漏れず、そう思っていた。そう決めつけていたと言ってもいい。

だが実際に暮らしてみたら、衝撃を受けた。アマゾンがなかったのである。

当たり前にアマゾンがどこでも使えるわけではない

街並みが美しいエストニアの首都・タリン。
撮影:Baroque Street

私は新卒で入社したメガバンクを退職し、仮想通貨のシンクタンク、Baroque Street(バロック・ストリート)を設立。2018年4月、いわゆるバルト三国の北端、エストニアの首都タリンを拠点にするために移住した。

関連記事:メガバンク辞めた同期3人+1人がエストニアでつくる仮想通貨専門シンクタンク

荷物になるものは極力日本に残し、必要なものはオンラインで調達するつもりだった。少しホテル暮らしをしてから落ち着く場所を定め、さあ買い物をしよう、とPCを開いて唖然とした。アマゾンがないのである。

正確に言うと、近隣のEU諸国にはあるが、エストニアの中にアマゾンの倉庫やカスタマーサポートといった機能はない。アマゾンを使うには、他国のアマゾンで商品を購入し、エストニアに輸入する必要がある。当然時間はかかるし、購入代金によっては送料もかかってしまう。勝手に自分の中で積み上がっていた電子国家のイメージが、早くも崩れさった瞬間であった。

もっとも、アマゾンを日本と同じように使える国は、世界にそれほど多くないという事実も付け加えておきたい。

ヨーロッパでもアマゾンの拠点があるのは、5カ国程度。日本のように「いつでも」「便利に」「安く」「数多くの」モノを購入できるようになるには、それ相応のマーケットがなければならないのである。東京都世田谷区より少し人口が多いくらいの規模であるエストニアと、アジア屈指のマーケットを持つ日本を同じ軸で比較するのはナンセンスというわけだ。

スイスには仮想通貨の交通券売機も
では、エストニアのその他のデジタル文化に関しては、どうだろうか。

まず、現金が必要な場面がほとんどない。お気に入りのパイ屋さんが“cash only”だったので、少額の現金を持ち歩いていたが、最近ついにクレジットに対応したので、個人的には一切現金がなくても困らなくなった。

交通カードやSIMカードのチャージもすべてネットで完結する。自動レジの台数も日本より圧倒的に多いし、スーパーには空き缶やペットボトルを入れるとそのスーパーで使える割引券が発行されるリサイクル専用の自動回収機が置いてある。

さすが「電子国家」エストニア……と思ったが、これも早とちり。エストニアだけが特別なわけではなくて、ヨーロッパ全体がそんな感じなのだ。

スーパーに設置されている自動レジ。支払いはクレジットカードのみ。
撮影:Baroque Street

どの国もクレジット決済の文化が浸透しており、自動レジも多い。自動回収機はさすがにエストニアオリジナルだろうと勝手に思っていたが、ドイツにもっとスペックの高いものが置いてあるのを発見した。きっと他の国にもあるだろう。

一部のスイスの券売機ではビットコインアドレスをスキャンできるようになっている。
撮影:Baroque Street

スイスでビットコイン決済に対応している交通券売機に出くわした時は、もはやオンラインでチャージできるどころの騒ぎではないと衝撃を受けた。

ちなみに、エストニアでは仮想通貨決済が当たり前のように普及し、カフェなどでビットコイン支払いが行われているという情報が一部で出回っているが、そんなことは全くない。少なくとも現地の関係者から仮想通貨で何かを購入したことがあるという話は聞いたことがなく、街中にかろうじてビットコインATMが1つあるくらいである。

幸い他のヨーロッパの国にも頻繁に行く機会があったため、「他と比べてどうなのか」という視点を持つことができたが、そうでなければ「さすが電子国家だ」という結論で終わっていたかもしれない。

e-residencyも万能薬ではない
「エストニアはすごく便利で、独自の発展を遂げている国らしい」という先入観だけが先走りするのは良くないことだし、エストニア推し前提の、ふわっとした内容の記事が多く出回っていることにも問題意識を感じる。

そういった背景から、あえて少し現実目線の話を書いてみた次第だ。

では、エストニアに対する期待自体がすべて過剰で、詐欺的なのかというと、決してそういうわけではない。登記や申請、本人認証をはじめとする公的な取り組みに関しては、世界に先駆けて進んでいる部分も多くある。

そもそも「電子国家」は、主に公的なセクターの独自性に対して使われるワードであり、その代表格が、世界中から電子住民票を申請できるe-residencyだろう。だが、これも決して「それさえあればすべてが解決する」という万能薬ではない。

それでは、e-residencyを持つことで一体何ができて、何ができないのか。次回はe-residencyについて詳しく取り上げたい。

---------------------福島健太:株式会社Baroque Street代表取締役CEO。京都大学農学部卒。都市銀行、システムエンジニア、国立大学特別研究員を経て、仮想通貨に特化したシンクタンクであるBaroque Streetを設立。現在はエストニアに拠点を移し、仮想通貨プロジェクトのリサーチに従事している。

外部リンク

cat_11_issue_oa-businessinsider oa-businessinsider_0_b4a0a7efadea_異色人材のすごい宇宙ベンチャー「スペースウォーカー」 b4a0a7efadea 0

異色人材のすごい宇宙ベンチャー「スペースウォーカー」

「2027年には誰もが宇宙に行ける時代に」

日本初の有人宇宙飛行を目指し、宇宙業界のベテランたちと、異業種の30代がタッグを組んだ。2018年8月1日に発足会見を開いた、宇宙ベンチャーの「SPACE WALKER(スペースウォーカー)」だ。

大手広告代理店、ファンド、ミクシィの出身者らがそれぞれの得意分野を生かし、宇宙業界の重鎮たちと壮大な事業を実現させる。

関連記事:オールジャパンの宇宙開発企業「スペースウォーカー」設立会見、豪華な顔ぶれ

米本教授との出会いから会社設立に参加した、大山よしたか代表取締役CEO(左)。アートディレクターの肩書きを持つ。監査法人トーマツ出身の公認会計士、眞鍋顕秀代表取締役COO(中央)と、ファンドマネージャーの保田晃宏取締役CFO。

創業者の九州工業大学の米本浩一教授(65)は、日本版スペースシャトルと言われた「HOPE」の時代から約30年間、研究を続けてきた。川崎重工業から九州工業大学に移籍し、「当初は(有人宇宙飛行の)実用化はまったく頭になかった。大学でできるわけがない」と思っていたという。

ところが、実験機の打ち上げに成功したり、宇宙航空研究開発機構(JAXA)との共同研究が決まったりするうち、「ひょっとして、実用機を狙ってもいいのでは」との野望が芽生えてきた。

米本教授は自らベンチャーキャピタルを回り、資金調達に奔走。その頃、のちにスペースウォーカーの最高経営責任者(CEO)に就任する大山よしたかさん(37)を、長女から紹介された。

大山さんは大手広告代理店出身のアートディレクター。代理店時代に航空会社のブランディングを手がけた実績を持つ。米本教授の長女はアートを学んでいたことから、たまたま大山さんと知り合いだった。教授が研究に取り組む姿を目にした大山さんは、「(研究を続けてきた)メンバーが元気なうちに、有人飛行を実現したい」と、ある種の使命感を感じ、賛同したという。

その後、それぞれが知人に声をかけ、現在の役員陣が揃った。「想像だにしなかったメンバーになっていた」(米本教授)。以前の研究仲間との再会があれば、まったく異業種の若手たちとの出会いもあり、素直に驚いた。

宇宙業界のベテランから異業種の若手メンバーが集った、スペースウォーカーの役員陣。※は社外取締役。
出典:SPACE WALKER

事業化には「専門外」の知識が不可欠

2027年の有人宇宙飛行を目指す、スペースウォーカー。
出典:SPACE WALKER

スペースウォーカーを会社組織にする構想が生まれたのは2017年の早い時期で、その年の12月には設立された。会社のミッションは、2027年を目標とする、乗員・乗客8人の有人宇宙飛行の実現だ。機体は再使用可能な有翼ロケットにする計画で、打ち上げ頻度を高めることで製造コストを抑える。

まずは2021年に100キロ上空で科学実験を行い、2023年には人工衛星を打ち上げる。研究・開発は、IHI、IHIエアロスペース、川崎重工業、九州工業大学、JAXAと技術アライアンスを結んで進めていく。

2027年の実現を目指す有人宇宙飛行では、「地球が丸く見える高度に達し、無重量(人間が体重を気にしなくなる)を体験できる」(米本教授)という。無重量の時間は3〜4分程度。

開発費用は、2021年の科学実験までに100億円弱、2027年の有人宇宙飛行までに1000億円程度を見込む。

最高執行責任者(COO)で公認会計士の眞鍋顕秀さん(37)、最高財務責任者(CFO)でファンドマネージャーの保田晃宏さん(32)はそれぞれ、資金調達や財務面を支える。

眞鍋さんは現在、エンジェル投資家を中心に資金調達の相談をしている。「宇宙と地球を結ぶインフラ事業として考えると、(それを強みとする)日本でできないわけがない」との見方から、国内を中心に資金調達を行う考えだ。

若手の意見を尊重するベテラン勢

30年間研究を続けてきた米本教授。若手がデザインした名刺を見て、文字を大きくしようと提案したが、「デザインだから」と言われて譲歩した。「2、3年したら、ルーペを使って見ないと」と苦笑い。

異業種の若手たちと宇宙業界のベテランたちは、それぞれの得意分野を棲み分け、一つの会社を成り立たせている。

例えば、社名を考える時。米本教授は当初「スペースウォーカーズ」と、社名の最後に複数形の「ズ」を入れようとした。ところが、若手の役員を中心に反対の声が続々とあがった。

社名をロゴにした時に「ズ」を入れると長くなる。主にデザイン面への配慮から、最終的に現在の社名で決着した。アートディレクターである大山さんはデザインに人一倍のこだわりがあり、その主張を含めて若手の意見が受け入れられた形だ。

米本教授らが発表資料のスライドに口を出しても、若手は素直に聞かない。結局、米本教授が修正を求めた部分を直さず、本番を迎えた。

米本教授は若手の意見に思わず黙り、譲歩した。「デザインの『プロですから』と言われれば、『はい』と」。

「会社で働いている人なら、『何、生意気言って』と思うのかもしれない。私は普段から学生と接しているから、むしろ目線の違う意見はうれしい。手伝ってくれるスタッフたちもどこからか集まってきてくれて、『どこにこんな人いたの』と嫉妬するくらい」(米本教授)

宇宙プロジェクトの商業化に欠かせない、専門外の知識や経験。ミクシィ出身の取締役、辻正隆さん(48)は、ソーシャルメディアに投稿するなどファンづくりを意識する。

取締役会長の留目一英さんは、「機体開発だけでなく、集客、運用も行う必要がある。多様なバックグラウンドを持つメンバーたちと一緒に、新しい化学反応を起こしていきたい」と語る。

宇宙関係者や投資家らが「久しぶりに大きな夢を見た」と沸いたスペースウォーカーの発足会見。その言葉には、周囲の期待の高さと困難なチャレンジへの想いが入り混じる。

「夢を夢で終わらせない」若手とベテランのタッグは、夢を現実に変えられるだろうか?

(文、撮影・木許はるみ)

外部リンク

cat_11_issue_oa-businessinsider oa-businessinsider_0_3402207e5973_“退職手切れ金”をすべての若者に 3402207e5973 0

“退職手切れ金”をすべての若者に

2018年8月3日 05:00 REUTERS/Thomas Peter

前回記事で、日本の退職金制度が若者に冷たいこと、そして今後さらに冷たくなっていくことで生まれるリスクについて記したところ、制度の見直しを真剣に考えるべきという建設的なご意見と同時に、各方面から多くの反論をいただいた。

参考記事:「20代、30代転職者の退職金はなぜこんなに低いのか——終身雇用崩壊でも変わらぬ制度」

「退職金なんてややこしい制度は、やめた方がいい」「終身雇用の産物なのでこれからは不要でしょう」「そんな金があるなら給与でほしい」「確定拠出年金の時代、退職一時金など不要」など、端的に言えば「退職金不要論」に近い意見が目立った。

退職金制度は本当にいらないのか
ご指摘の通り、退職金制度は衰退に向かっている。2000年の会計基準変更により、退職金制度が企業にとってやっかいな存在になったこともあり、この15年で20%の企業が制度を廃止した。

制度そのものを廃止したり、早期離職する若者への退職金を大幅減額する制度に変更したことで、労働市場に何か変化は起きただろうか。まずは現状を確認してみたい。

REUTERS/Yuya Shino

現在、採用市場は「バブル化」している。少子化による新卒採用バブル、30代・40代の転職バブルと続き、ついに早期離職した第二新卒にまで転職バブルが訪れている。

以前から第二新卒の転職市場はあった。しかし、過去とは状況がまるで違う。新卒で入った会社での経験が数カ月から1、2年という経験の少ない若手も、現在は経験者としての「人材紹介料」とともに、転職している。

こうした現状に危うさを感じる方も多いようで、早々に転職を希望する若手に対して、現職に留まるよう人材紹介会社の方からアドバイスするケースも増えている。そんな状況なので、「3年勤めるまでは1円も出さない」といった退職金制度は、若者に厳しすぎると批判されるどころか、早期離職を思いとどまらせるために有効な仕組みとさえ評価されている。

退職金を持たない転職者が増えている

撮影・今村拓馬

しかし、在社年数の短い若手の退職金を抑えることに、本当に早期離職を防ぐ効果があるのかは、はなはだ疑問だ。退職金制度がどうあれ、転職する人は転職する。長期的な目で見ればデメリットがあることが分かっていても、現在の職場が「自分の居場所ではない」と感じてしまったら、若手は転職するものだ。

そんなわけで、退職金ゼロの離職者が目下急増している。手もとにお金がないから、「まず退職して冷静になってから転職先を考えよう」などと余裕綽々ではいられない。昔なら頼りにできた実家の親も、かつてほどお金を持っていない。だから、職場や家族には平静を装いながらこっそり転職活動を行い、1日たりとも給与が出ない日のないギリギリの転職を計画する。

果たしてそれでいいのだろうか。

企業と従業員の関係はしばしば男女の関係に例えられる。そして、転職が男女の別離に当たるとするなら、その多くはキレイな別れではあり得ない。心の中では元カノ・元カレになってしまった相手と、表面的には辻褄を合わせながら、新たなパートナーを探す。言ってみれば「不貞による別れ」こそが転職のスタンダードな姿だ。

しかし、インターンから内定までおよそ1年をかけて決めた就職先で、入社半年もしないうちに就業時間後の逢引きを繰り返し、こっそり転職先を決める「危うさ」をどう考えたらいいのだろう。

この人手不足なので、軽い気持ちで始めた転職活動であっても、早々に転職先が決まってしまう。5年、10年のビジネス経験があるわけでもないのに、正しくキャリアを判断し、見極められるのか。

「転職が決まること」と「転職の成功」は別モノ

Taro Karibe/Getty Images

早期離職者には、入社日と退職日を自らに都合よく調整・交渉するスキルがないので、あわただしく新たな職場に転職していくのが常だ。下手すれば前日まで前職に勤務し、退職を成し遂げた安堵と疲労感のもと、新たな職場生活をスタートせざるを得ない。

一方、転職者を受け入れる職場側にも余裕がない。上司や人事には理解があったとしても、顧客の方は転職したてだからといって要求レベルを下げてくれはしない。だから、早期離職者の多くは、自分がいかに異業種から移ってきたか、いかに未経験かを何とかアピールし、周囲の期待値を下げながら居場所を作ろうとする。

しかし、どれもこれもストレスのかかる大変な作業であり、当然うまくいかない人も出てくる。そうなったとしても、失敗を立て直すだけの金銭的な余裕がないので、間を置かずに次の転職に向かっていくしかない。

かつては採用企業側も、転職ストレスに耐えきれない人材を面接で見分けることができていたが、今はミスマッチを覚悟で受け入れている。なにせ採用バブルなのだ。中には予想をいい意味で裏切って活躍する人もいる。いずれにしても、転職先があることは、転職に成功することとまったく同義ではないということだ。

企業は早期離職者の不幸を願い続けるのか

撮影・今村拓馬

転職できる社会、すなわち人材市場の流動化は、「新卒至上主義」の日本が長年待ち望んでいた社会であった。

転職者と企業をマッチングするシステムが整備され、いまや求人情報は氾らんしている。ブラック企業問題の影響もあって、当初転職を想定していなかった若手たちにも、人材流動化の波が及んだ。

終身雇用が崩壊した今、転職者にデメリットの大きい退職金制度は時代とミスマッチしている。しかし退職金制度には、中途退職時の一時的な生活を支える機能もあるのだ。退職金の喪失は、転職者の心の余裕を奪う。特に蓄えもないままあわただしく転職する若者たちのキャリアを迷走させる一因になってはいないか。

そこで、「転職できる社会」から「転職者が活躍する社会」への進展のために、二つの提案がある。

一つは現在の退職金制度についての提言だ。給与を強制貯蓄し、退職時まで預かり、中途退職の場合はディスカウントする「転職者いじめ制度」はもうやめないか。これまで退職金に回していた分は給与として支払い、できれば確定拠出年金の掛け金として支給する。ディスカウントされない老後生計費を自己責任で貯蓄運用していく方が合理的かつ健全だ。

そしてもう一つの提案が、言葉は悪いが「退職手切れ金制度」だ。勤続年数の長短にかかわらず受け取ることのできる、給与3カ月分の手切れ金(あるいは本人の選択により3カ月の転職休暇制度)があれば、ここまで書いてきた「転職できる社会」がもたらす多くの不幸が回避できるはずだ。

「給与3カ月分だなんて、どこの誰がそんな金を出すんだ」とお叱りを受けそうだが、決して夢物語を語ったつもりはない。この手切れ金制度を導入し、従業員に冷静に考えるゆとりを与えれば、むしろ退職率は下がり、採用コストも削減できる。支援を受けて感謝した退職者が成長して帰ってくれば、決して高いコストではない。

(文・秋山輝之/人事コンサルタント)

---------------------秋山輝之(あきやま・てるゆき):株式会社ベクトル取締役副社長。1973年東京都生まれ。東京大学卒業後、1996年ダイエー入社。人事部門で人事戦略の構築、要員人件費管理、人事制度の構築を担当後、2004年からベクトル。組織・人事コンサルタントとして、のべ150社の組織人事戦略構築・人事制度設計を支援。元経団連(現日本経団連)年金改革部会委員。著書に『実践人事制度改革』『退職金の教科書』。

外部リンク

cat_11_issue_oa-businessinsider oa-businessinsider_0_c3fa4034c164_プリウス、リーフ… テスラが明かした乗り換え多い5車種 c3fa4034c164 0

プリウス、リーフ… テスラが明かした乗り換え多い5車種

2018年8月2日 16:00 Reuters/Jason Lee

・テスラは2018年第2四半期の決算報告で、顧客が同社のモデル3に乗り換える前に乗っていた主な車種を明らかにした。
・テスラによると、ホンダ「アコード」、ホンダ「シビック」、トヨタ「プリウス」、日産「リーフ」、BMW「3シリーズ」から乗り換えるケースが最も多いという。
・テスラはモデル3をエントリーレベルの高級セダン車と位置付けているが、実際にシェアを広げているのは主に大衆車市場だ。
・テスラが挙げた5つの車種は、それぞれの市場セグメントで高い評価を得ている車種だ。
テスラは8月1日(現地時間)、第2四半期の決算報告で、顧客が同社のセダン「モデル3」に乗り換える前に乗っていた主な車種を明らかにした。

テスラによると、こうした車種にはホンダ「アコード」、ホンダ「シビック」、トヨタ「プリウス」、日産「リーフ」、BMW「3シリーズ」が含まれるという。

テスラはモデル3をエントリーレベルの高級セダン車と位置付けているが、3シリーズをのぞけば、これらの車種はいずれも大衆市場向けのブランドだ。

価格帯は異なるものの、テスラが挙げた5車種は全て、それぞれの市場セグメントでよく売れている車種ばかりだ。2018年6月、ホンダ「シビック」はコンパクト・セダン車としてアメリカで最も売れた車種で、同社の「アコード」は中型セダン車として2番目に売れた車種だ。トヨタ「プリウス」はアメリカで最も売れたハイブリッド車で、日産「リーフ」は10年近く前にアメリカに登場して以来、最も売れている電気自動車(EV)だ。

つまり、これらの車種の名前が挙がるのは不思議ではない。

テスラは決算報告で、モデル3の1週間あたりの生産台数が第2四半期中、何度か5000台に達したと述べた。

同社は8月末までに、その生産スピードは1週間あたり6000台に達すると見込んでいて、第3四半期には合計で5万~5万5000台を生産する計画だ。2019年には、モデル3を1週間あたり1万台生産することを目指す。

[原文:Tesla says these are the 5 cars people are trading in for the Model 3 (TSLA)]

(翻訳、編集:山口佳美)

外部リンク