Twitterはハラスメント対策ができていないことは多くの人に知られていますが、ニュースサイトのDaily Beastがその理由を説明しています。
Twitterの元社員が匿名で訴えるところによれば、慢性的な人手不足であること、サポートチームに適切なトレーニングが施されていないこと、ユーザーからのすべてのクレームを一律に受け取って処理する流れになっており、そこに常識や個人の判断が入り込む余地がないことが原因のようです。また、アカウント認証されたユーザーたちから、ほんのすこしだけ対応の待ち時間が少なくなったという報告が寄せられたことも明らかにされています。
Twitter社に友人がいて贔屓してもらうとか、TwitterのCEOであるジャック・ドーシー氏をTwitterで侮辱して拡散されるだとかしない限り、こちらのクレームに対処してもらう可能性を高くするには、認証済みアカウントになるのがベストかもしれません。
2016年から誰でもTwitterの認証申請ができるようになりました。Twitterのアカウント認証を取得するため(認証バッジを取得するため)に必要な要件は、電話番号、メールアドレス、誕生日を含むプロフィール、2段階承認セキュリティーが可能であることです。
次に、この申込書に必要事項を記入します。これで手続きは完了です。あとは、Twitterから認証されるのを待つだけです。不愉快なメッセージを送りつけてくる人物のアカウントをTwitterが止めてくれるのを待つよりは積極的な対処といえるでしょう。
ソーシャルメディア管理ツールのBufferが認証済みアカウントになるコツを提供しています。まず、アカウントを更新し続けていること。多くの人とつながりのある重要な人物であるようにプロフィールを工夫して書くこと。履歴書に自分が所属しているアカウントで認証済みのものを書くこと。専門分野をリストアップすること。実在の人物であることを示し、アカウント認証に値する長所を具体的に詳しく書くこと。
ここまでやるのは気が引けるかもしれませんが、この認証リクエストを無視すると大変なことになりそうだとTwitterの社員に思わせるためです(でも、「私を誰だと思っているんだ」みたいな強烈な書き方はだめですよ)。
認証済みアカウントになるとほかにも良いことがあります。たとえば、返信スレッドのトップに置いてもらえたり、Twitterの新機能情報を普通より早く教えてもらえたりします。
「選ばれた人」が受けるかもしれない被害
でも、皮肉なことに「選ばれた人」の印である認証バッジはハラスメントのターゲットにされやすくなる可能性もあります。さらに、Twitterのサポートチームがこちらのクレーム真面目に受け取ってくれるという保証はありません。
エンジニアのKelly EllisさんはTwitterでレイプの脅迫を受けましたが、Twitterはその脅迫者のアカウントを削除どころか停止さえしてくれませんでした。彼女は認証済みアカウントであり、さらにTwitter創業者が設立したMedium社に勤務していたというのにです。
Ellisさんがハラスメントのメッセージを何十件もスクリーン・キャプチャーして、それが米BuzzFeedに取り上げられるまで、Twitterはそのハラッサーのアカウントを処分しませんでした。
ですから、認証取得がハラスメントを確実に防ぐ方法であるとは言えません。しかし、Twitterの現状においてはベストな選択肢ではないでしょうか。
Image: Worawee Meepian/Shutterstock.com
Source: The Daily Beast, Twitter(1,2,3),Buffer, Medium, BuzzFeed US,
Nick Douglas - Lifehacker US[原文]
(訳:春野ユリ)
ライフハッカー[日本版]より転載(2017年11月4日公開の記事)