・中国の北京と上海の当局は、歩き方とそのシルエットで個人を特定できるという。
・「歩行認証」技術はすでに導入されていて、「顔認証」よりも進歩しているとAP通信が報じた。
・「Watrix」というこのソフトウエアは、人の姿をスキャンして作ったモデルをデータベース化したものだ。
・「足をひきずったり、大股で歩いたり、からだをかがめて歩いたくらいでは騙されません」とWatrixのCEO、Huang Yongzhen氏は言う。
・このソフトウエアは50メートル先の個人を特定できるといい、背を向けたり、顔を隠しても分かるとYongzhen氏は言う。
中国は北京と上海で、背を向けていても、顔を隠していても、その歩き方で個人を特定できる監視ソフトウエアを導入している。
この技術を提供しているWatrixのCEOは、この歩行認証技術が、高解像度のクローズアップ画像が頼りの顔認証ソフトウエアの課題を解決するだろうと語った。AP通信が報じた。
この歩行認証ソフトウエアは、監視カメラの動画が捉えた個人のシルエットとその歩き方から、その人物の3Dモデルを作る。
歩幅、歩長、歩調、スピード、進行ライン、足の角度、おしりの角度といったさまざまな動作を分析していると、アジア・タイムズ(Asia Times)は報じている。
監視カメラ映像を取り込んだソフトウエアは、それをデータベースと照合するのだと、WatrixのCEO、Huang Yongzhen氏は6日、AP通信に語った。
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実際、1時間分の監視カメラ映像をソフトウエアが照合するには10分かかる。
Huang氏は、このソフトウエアが50メートル先の個人を特定でき、その精度は94%だと言う。
「我々が個人を特定するのに、人々の協力は必要ありません。歩行認証は、足をひきずったり、大股で歩いたり、からだをかがめて歩いたくらいでは騙されません。全身のあらゆる特徴を分析しているからです」
Huang氏はまた、人民日報に対し、「捕まるまで、容疑者は自分がシステムに追跡されているとは気付かないでしょう」と語ったとアジア・タイムズは報じている。
中国政府は、会話から個人を特定するため、国民の音声サンプルも収集していると、2017年に人権NGOのヒューマン・ライツ・ウォッチ(Human Rights Watch)は報告している。同報告書は、中国警察が東部の安徽省の住民から7万件の音声サンプルを集めていたと指摘している。
個人の特定手段としての音声認証は、顔認証に比べればごく小規模だ。中国警察は10億件の"顔"の記録を持っていると考えられている。
中国は、イスラム教徒の取り締まりの一環として、新疆ウイグル自治区で監視を強化させている。 彼らの多くは再教育施設に送られている。
Huang氏は、道で倒れた老人を見分けるなど、歩行認証は他の目的にも利用できると考えている。
[原文:China says it has new surveillance camera technology that can recognise you just from how you walk]
(翻訳、編集:山口佳美)