米朝間の緊張が高まり続けるなか、アメリカ国務省はアメリカ人の北朝鮮への渡航禁止措置を9月1日から実施している。一方で、秘密に包まれた北朝鮮の内部では、文化的な変化がゆっくりだが始まっているようだ。
首都・平壌には広告看板はわずか3つしかない。テレビや新聞には広告がない。しかし、スーパーマーケットにはブランドと、「2つ買えば1つ無料」といった割引など顧客ニーズに基づいたセールスの兆候が現れてきている。
AP通信は、国営の普通江(ポトンガン)百貨店を撮影した。見てみよう。なお、写真のキャプションはすべてAP通信によるものだ。
北朝鮮の消費者事情は、金正恩委員長の下で劇的に進化した。
Wong Maye-E/AP
2017年5月に発表された経済5カ年計画では、より品質の良い日用品をより多く製造することが新たな優先事項とされた。
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ポトンガン百貨店のような店舗では、現金または銀行のデビットカードでの支払いが可能。
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最近は、平壌で製造された商品の多くが農村部でも見られる。またその逆も然り。ドルや人民元が広く普及しているが、レジでプリペイドカードや北朝鮮紙幣を使う人が増えている。これらは一般的な購買力の増加と、北朝鮮通貨の安定性に対する信頼が増していることを示唆している。
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入手可能な商品は、120種類におよぶ「メーデー・スタジアム」ブランドのアイスクリームなど。
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平壌で醸造されている大同江(テドンガン)ビールは、最近8つ目となる商品を追加した。ラインナップには、ダークビール、ライトビール、チョコレートのような香りのビールもある。
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商品棚には、さまざまな銘柄の北朝鮮製タバコや甘いソフトドリンク、色とりどりのパッケージのチップス、スープ缶などが並ぶ。
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専門店では、最新の「平壌」モデルのスマートフォンが200ドルで売られている。おそらく中国製だが、北朝鮮製に見えるよう商標変更している。
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厳しい経済制裁にもかかわらず、商品は依然として世界中からやって来ている。
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日本製のポッカの缶コーヒーを購入するのも簡単。値段は約80セント。
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ポトンガン百貨店のマネージャー、ソン・ウンピョル(Song Un Pyol)氏は、店舗の営業時間について次のように述べた。「2015年、金正恩委員長が、夜遅くいつでも利用できるよう、営業時間を朝10時から夜8時までとされた。多くの労働者が、仕事を終えた後に店舗を頻繁に利用している」
Song Un Pyol
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店内には新発売の薬やスポーツドリンクのポスターがあった。客は「顧客カード」に登録して、より多くの割引を受けるためにポイントを貯めることができる。
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市場原理が、新たな競争、不確実性、そして中央集権的な同国の古い国営経済とは正反対のものへの変化を生み出している。
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市場は、富への願望を呼び覚ます魔法のようなもの。だが北朝鮮には、政情不安という潜在的なデメリットがある。
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魔法が開放されたら、元に戻すのは非常に難しい。
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[原文:North Korea may finally be embracing a more consumer-friendly culture — here's what people are buying]
(翻訳:本田直子)