ロシアは11月16日(現地時間)、新型の超音速戦略爆撃機Tu-160M2 ブラックジャックを公開した。The Driveによると、この機はTu-160MやTu-160のアップグレードモデルだ。
一方、The Aviationistは、ロシアのメディアは「表向きは旧ソ連時代のTu-160の改良モデルに見えるが、Tu-160M2はその名前とは異なり完全に新しい爆撃機だ」と伝えたとしている。
新型ブラックジャックは2018年に初飛行を行い、2021年には量産が開始される予定。
性能の全容はまだ不明、現時点で分かっていることを紹介しよう。
ロシアでの愛称は「ホワイトスワン」、NATOコードネームは「ブラックジャック」。
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出典 : airforce-technology.com, The Drive
Tu-160M2は、2014年に運用が開始されたTu-160Mの改良モデル。
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オリジナルのTu-160は1987年に運用開始。旧ソ連時代だ。
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Tu-160はしばしば米空軍のB-1B ランサーと比較される。
Staff Sgt. Bennie J. Davis III/USAF/Handout via REUTERS
B-1B ランサーの詳細は「B-1Bランサー、北朝鮮ミサイル基地攻撃のファーストオプション」で。
能力の全容はまだ不明、だが基本設計は同じながら、大幅に進化した機体になると伝えられる。
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2015年、ロシアのタス通信は新型ブラックジャックは旧型と60%の部品を共有すると報じた。
Tu-160の仕様はこちら、Tu-160Mの仕様はこちら。
出典 : The National Interest
報道によると4基の新型エンジン「NK-32 02シリーズ」を搭載、航続距離が600マイル(約966キロ)伸びると見られる。
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オリジナルのTu-160に搭載されたNK-32は、当時からすでに強力なエンジンだった。推力は5万5000ポンド(約25000キロ)。一方、B-1B ランサーのエンジンの推力は約3万ポンド(約1万4000キロ)。
出典 : The Drive, The Aviationist
また新型のアビオニクス(航空電子機器)、センサー類、通信システムも搭載。
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出典 : The Drive, The Aviationist
改良された慣性航法、衛星航法、天体航法システムは万一、GPSシステムが破壊された際のバックアップとなる。アクティブ電子走査アレイレーダーは長距離かつ正確なターゲット捕捉を可能にする。
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出典 : The Drive
KRET製の新型自己防衛システムも搭載している模様。
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新しい自己防衛システムは、赤外線カウンターメジャー(対抗手段)、レーザー、あるいは電磁ビームの組み合わせでミサイルから機体を守る。
出典 : The Drive, KRET
主要ミッションはおそらく前モデルのTu-160Mと同じ、巡航ミサイルKh-101や核巡航ミサイルKh-102を搭載する。
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出典 : The Drive
ロシアは少なくとも50機のTu-160M2の導入を目指している。
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出典 : The Drive
格納庫からロールアウトするTu-160M2[動画]
[原文:8 photos of the Tu-160M2, the new long-range super bomber that Russia just unveiled]
(翻訳:塚本直樹/編集:増田隆幸)