大連万達集団を率いる中国資産家の王健林会長は、6340億元(約10兆6000億円)規模に上るこの不動産・メディア帝国の後継者として、プロの経営者を念頭に置いていることを明らかにした。一人息子は後を継ぐことに関心がないようだとしている。
王氏(62)は北京で10日開催されたフォーラムでのスピーチで、「息子に意向を確認しているが、彼は私のような人生を望んでいないと言った」と述べた。演説原稿は万達のウェブサイトに掲載された。王氏が記録として残ることを想定して、この問題についてコメントしたのは2回目。プロに引き継ぐ考えを最初に示したのは、中国のテレビ番組で話した5月だった。
王氏は「恐らくプロの経営者らに会社を渡す方が良いだろう。取締役会から彼らを導くことができる。特定の候補1人に目を付けるのでなく、競争の中から誰かを選ぶ」と話した。同氏の純資産は310億ドル(約3兆6000億円)に上る。
一人息子の王思聡氏(29)は万達の株式2%を保有している。中国インターネット界の有名人で、思聡氏の微博アカウントには2100万人を超えるフォロワーがいる。同氏はネット関連企業など数社に資金を出している投資家でもある。