動物愛護法の改正について考えるシンポジウムが10月4日、東京・永田町の衆議院第1議員会館で開かれた。主催した公益財団法人「動物環境・福祉協会 Eva」代表で、女優の杉本彩さんは「ペット産業や一般家庭、動物園、動物保護団体で、動物虐待やネグレクトが顕在化しているが、法律がまったく機能していない」と指摘した。
杉本さんはさらに、「2020年東京五輪パラリンピックもあり、日本は、世界中から注目があつまっている。守られるべきものがしっかりと守られて、取り締られるべき犯罪がしっかりと取り締まることができて、適正な処分が下ることは、先進国として当たり前のことだ」とつづけて、動物虐待の厳罰化をうったえた。
●生方幸夫議員「動物はモノではなく、命として扱うべきだ」
一方、超党派でつくる「犬猫の殺処分ゼロをめざす動物愛護議員連盟」のプロジェクトチーム副座長・生方幸夫衆院議員(立憲)は、今年予定されている動物愛護法改正が、来年にずれ込む可能性を示した。この秋の臨時国会に改正案が提出されるとみられていたが、国会の停滞などで、作業が遅れていた。生方議員は「議論する時間が伸びたという言い方もできる」と話した。
杉本さんらが厳罰化をもとめる動物虐待は、現行法で「懲役2年以下または200万円以下の罰金」とされている。だが、仮に刑事裁判で有罪になっても、刑務所に入ることはほぼない。生方議員は「動物はモノではなく、命として扱うべきだ」と強調したうえで、「懲役5年または500万円以下」を目指して検討をすすめているとした。
また、劣悪な環境で犬や猫を飼養していることが問題になっている繁殖業者の規制については、生方議員は「知識や経験のない人までが参入していることで、さまざまな問題が起きている」と指摘した。悪質な繁殖業者をしめだすためにも、現行の「登録制」から「免許制」にかえたいと語った。