cat_14_issue_oa-bengo4com oa-bengo4com_0_7cab6b1e937d_「30年間待ち望んできた」第二次夫婦別姓訴訟、原告の訴え 7cab6b1e937d 0

「30年間待ち望んできた」第二次夫婦別姓訴訟、原告の訴え

夫婦別姓の婚姻届が受理されず、法律婚ができないのは違憲だとして、国を相手に損害賠償を求めた第二次夫婦別姓訴訟の第一回口頭弁論が7月18日、東京地裁(吉村真幸裁判長)で開かれた。

この訴訟は2015年に最高裁まで争った夫婦別姓訴訟判決を受け、新たな争点で提訴されたもの。今年5月、夫婦同姓を義務付けた民法750条は、同姓を希望する者と別姓を希望する者を差別し、結婚の可否を生じさせているなどとして、世田谷区在住の事実婚夫婦が提訴。この他、東京地裁立川支部、広島地裁でも同時に提訴、現在原告は8人となった。

これらの訴訟で初となった東京地裁での口頭弁論では、夫婦別姓訴訟弁護団(代表・榊原富士子弁護士)の野口敏彦弁護士が訴訟の趣旨をあらためて訴えた一方、国側は全面的に争う姿勢を示した。



●いまだ96%の女性が結婚で改姓…「実質的な平等保たれていない」

「原告両名は約30年間夫婦として婚姻生活を営んできました。原告両名はいずれも研究者であり、生来の氏で論文を公表してきた実績があったため、婚姻改姓はいずれにとってもその実績を断絶されるものでした。それを回避するためには事実婚という方法を取らざるを得ず、以来、原告両名は選択的夫婦別姓制度の実現を待ち望んできました」

訴訟の趣旨を訴える代理人弁論で、弁護団の野口弁護士はそう語り始めた。弁論によると、現在の民法や戸籍法が夫婦別姓の選択肢を認めていないことは、憲法14条1項、憲法24条及び国際人権条約に違反するとしている。主な訴えは次の通り。

【憲法14条1項違反】

夫婦別姓を希望する者は、法律婚をすることが認められてない。そのため、法律婚夫婦に与えられる法定相続権、共同親権、配偶者控除など税法上の特典などを教授することができない。夫婦同姓を望むか、別姓を望むかは、個人の生き方に関するものであり、「信条」によって差別的取り扱いをすることは、法の下の平等を定めた憲法14条1項に違反する。

【憲法24条違反】

2016年には約96%の夫婦において、妻が改姓しており、夫婦間の「実質的な平等」は保たれていない。これは、憲法24条に定めた「婚姻の自由」に違反する。

【国際人権条約違反】

日本は自由権規約と女性差別撤廃条約に批准しており、憲法98条2項によって、日本はこれらの条約を遵守する義務がある。しかし、日本はこれまでに3回、女性差別撤廃委員会から民法750条の改正を勧告されている。2016年に行われた3度目の勧告では、「2015年12月に最高裁は夫婦同姓を求めている民法750条を合憲と判断したが、この規定は実際には多く場合、女性に夫の姓を選択せざるを得なくしている」として、「女性が婚姻前の姓を保持できるよう夫婦の姓の選択に関する法規定を改正すること」を求めている。

これらの訴えに対し、国側は棄却を求め、全面的に争う姿勢を示した。次回口頭弁論は10月1日に行われる。



●活発化する夫婦別姓訴訟

現在、夫婦別姓訴訟は大きく3つのグループが提訴している。この日開かれた第二次夫婦別姓訴訟のほか、今年1月にソフトウェア企業「サイボウズ」の社長、青野慶久氏ら4人が戸籍法上の問題を指摘して、東京地裁に提訴。また、6月にも、アメリカで法律婚をしたにもかかわらず、日本の戸籍に婚姻が記載されないのは立法に不備があるとして、映画監督の想田和弘さんと舞踏家で映画プロデューサーの柏木規与子さん夫妻が婚姻関係の確認などを求めて東京地裁に提訴している。

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cat_14_issue_oa-bengo4com oa-bengo4com_0_3acef5308019_イビられ嫁。姑には毎日嫌味言われ、夫もフォローせず 3acef5308019 0

イビられ嫁。姑には毎日嫌味言われ、夫もフォローせず

2018年7月18日 14:25 弁護士ドットコム

夫のことは好きだけど、あの姑がいるから結婚生活はもう続けられないーー。ネット上には、そんな嘆きがあふれています。

弁護士ドットコムの法律相談コーナーにも「姑と同居していますが、毎日のように嫌味を言われ、夫も一切フォローしてくれません。姑から慰謝料も取って離婚したいんですが、可能でしょうか?」との相談が寄せられました。

増田 勝洋弁護士に詳細な解説をしていただきました。

A.  配偶者の親族との関係が悪いだけでは難しい


当事務所で離婚の相談を受ける際にも、いわゆる嫁と姑との関係は、しばしば「離婚の原因」として出てきます。

姑からの暴言やいじめ、嫌がらせに耐えられないことを理由に離婚訴訟を起こした場合、離婚は認められるのでしょうか?判断のカギは、民法770条の「その他婚姻を継続し難い重大な事由」にあたるかどうかです。

この点、離婚できるかどうかということは、本来あくまで、夫婦間の問題です。

単に配偶者の親族との折り合いが悪いという程度では離婚は認められません。実際、親族との関係が悪くて離婚が認められているケースというのは、「夫が親族と一緒になって妻を虐待している」とか、「夫が親族の側に立って妻をないがしろにしたことで、夫婦関係が悪化した」といった事情がある場合がほとんどのようです。

つまり、離婚が認められるかどうかは、夫との関係がポイントになるということです。ご相談者の場合も、夫が姑と一緒になって暴言を浴びせていたり、いじめなどをしていれば、離婚は認められるでしょう。

一方、そうではない場合は、まずは妻から夫に姑の行いを具体的に伝えて相談し、姑と別居して距離を置くなどの対処を検討するべきです。

「夫に相談しても、何もしてくれない」と、はなから諦めず、まずは話してみることで、問題が解消する可能性があります。しかし相談した結果、夫の対応が悪ければ、そのような夫の態度を理由に離婚を求める、という順になると思います。

ご相談者は、姑から精神的苦痛を受けたとして、慰謝料を取りたいとも考えているようです。姑の暴言やいじめがひどければ、訴訟を起こして、姑に直接、慰謝料の請求をすることが可能です。

ただし、精神的苦痛を受けたからといって、絶対に慰謝料請求が認められるとは限りません。いじめと一口に言っても、その程度や内容は様々です。

慰謝料請求が認められるためには、姑の暴言やいじめが、誰の目から見ても常識の範囲を超えた違法な行為といえる必要があります。どれだけひどい仕打ちを受け、それによってどのような精神的苦痛を被っているか、ことあるごとに日時、場所、具体的な内容を、きちんとメモしたり録音するなどして、客観的な証拠を残しておきましょう。こうした証拠がなければ、慰謝料請求は難しいと思います。

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cat_14_issue_oa-bengo4com oa-bengo4com_0_2fd174efbd79_えっ、民泊始めたら税金が増えるってホント? 思わぬ痛手 2fd174efbd79 0

えっ、民泊始めたら税金が増えるってホント? 思わぬ痛手

民泊新法(住宅宿泊事業法)が6月に施行され、民泊が本格的に解禁されたことで「副収入を得るぞ」と狙っている人もいます。ただ、課税をめぐる注意点を見逃すと、思わぬ「痛手」につながることも。あらかじめ注意点を知っておいた方がいいでしょう。

国税庁によると、民泊で宿泊した人からもらった料金を確定申告する際、区分は原則として「雑所得」になるそうです。20万円以下なら申告は必要ないのですが、他の給与所得などと損益通算ができないというところがポイント。

また、固定資産税は住宅用地の特例として200平方メートル以下なら評価額は6分の1などとされていますが、民泊を運営する規模によっては特例から外れ、税額がかなり増えてしまうことも懸念されるようです。こうした気になる点について、安藤由紀税理士に聞きました。

●「居住用」に使わないと税の優遇が外れてしまう


「最近、流行の民泊ですが、税金の世界では、がっかりポイントが多いです。まず、民泊による儲けは『雑所得』で税金を計算する点に注目です。『民泊やるぞ!』と、はりきって色々と準備にお金をかけ、赤字になってしまっても、会社の給料と相殺(損益通算)できません。これができると、赤字分の税金が戻ってくるのですが。

税金計算のお得システム『青色申告』が使えないのも、がっかりポイントですね。ちなみに、副業ではなく、民泊で生計を立てているぞというレベルであれば『雑所得』は卒業し、損益通算や青色申告が使える『事業所得』での計算も認められます」

ーー住宅への優遇措置が外れる可能性があると聞きました

「はい。税金の世界では、居住用の住宅は、色々と優遇されています。そのため、その住宅を民泊に利用すると、せっかくの優遇措置が外されてしまうがっかりなケースがあるので注意が必要です。三つ紹介します。

一つ目は固定資産税。住宅の半分以上を民泊に利用した場合、『居住用』ではないものとして優遇措置が取り消されてしまいます。実際に、京都市では過去5年分さかのぼって課税されるケースがありました」

●売却時にも注意が必要


ーー二つ目を教えてください

「二つ目は『住宅ローン控除』です。住宅の半分以上を民泊に利用した場合、住宅ローン控除の要件から外れてしまい、減税が受けられなくなります。また、民泊利用部分が半分未満の場合でも、減税額は『居住用部分の割合』を基礎として計算されるので、民泊利用前よりも少なくなります。

例えば、住宅の3分の1を民泊に利用したケースをみてみましょう。民泊をしていなかったら減税額が30万円だった場合、民泊をすることで減税額は20万円となってしまいます」

ーー最後の三つ目は何でしょうか

「三つ目は『居住用財産の特別控除』です。居住用の住宅を売却した場合、その利益の3000万円までは非課税となり税金はかかりません。民泊利用をしていても、現に居住用に利用していれば、この控除を受けることはできます。

ただし、控除の適用は、居住に使っている部分に限られ、具体的にはその家屋の構造や設備の状況及び実際の利用状況などを総合勘案して判断することになります。近いうちに売却の可能性のある物件に関しては、この制度についても注意しておいたほうがよいでしょう。

税金的には、がっかりポイントが多かった民泊ですが、副業が一般的になってきた昨今、会社員の収入源の一つとして、個人的には今後の発展が楽しみだなと思います」

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cat_14_issue_oa-bengo4com oa-bengo4com_0_84504edc23e7_「悪ふざけ」で肛門に空気注入して死なせる悲劇、また発生 84504edc23e7 0

「悪ふざけ」で肛門に空気注入して死なせる悲劇、また発生

尻にエアコンプレッサーで空気を注入して同僚が死亡ーー。悲劇がまた繰り返されてしまった。

報道によると、茨城県龍ケ崎市の建設機械製造会社の工場で7月13日、従業員の男性が、同僚の男性の肛門に悪ふざけでエアコンプレッサーをあて、空気を送り込み、死なせてしまった。男性は傷害致死の疑いで逮捕された。

同様の事件は2017年12月、埼玉県杉戸町の産業廃棄物業者でも発生。空気注入で同僚を死なせてしまったとして、男性2人が傷害致死容疑で逮捕された。

また、今年3月にも、島根県浜田市の配管工事の現場で、同僚の肛門にコンプレッサーで空気を送り、けがを負わせたとして、傷害容疑で建設作業員が逮捕されている。

悲劇が繰り返されるというまさかの展開になっているが、今後も同様の事態が発生した場合、殺人容疑になる可能性はないのか。西口竜司弁護士に聞いた。

●今後、殺人容疑になる可能性は?


「前回の死亡事件で解説した際の内容を振り返ってみましょう。

あくまで形式論でいきますと、臀部に空気を掛けるという行為は少なくとも人の身体に対する不法な有形力の行使にあたり『暴行』(刑法第208条)に該当することになります。そして、暴行の結果、人に傷害を負わせ、死亡させた場合、傷害致死罪(刑法第205条)に該当することになります。

今回の事件も、逮捕容疑のように、傷害致死罪に該当する可能性が高いでしょう」

今回、殺人容疑にならなかったのはなぜか。

「殺人罪が成立するためには殺意がなければいけません。しかし、今回の事件で殺意の認定が難しく殺人罪までは成立しないと考えます」

同じような悲劇が繰り返されている。このようなことが起きうることを知っていて、今後、同様の「悪ふざけ」をする人がいた場合、殺意があったと判断される可能性はないのか。

「過去にも同様の事例があったことを考えれば、今後同じような事案で殺人罪になる可能性もあります。

要は世の中に危険性が広まり、死亡するかもしれないという認識になっています。悪ふざけは止めましょう」

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cat_14_issue_oa-bengo4com oa-bengo4com_0_6b5e8fa5a84f_TVコメンテーター野村修也氏、業務停止で不服申し立てへ 6b5e8fa5a84f 0

TVコメンテーター野村修也氏、業務停止で不服申し立てへ

2018年7月17日 19:59 弁護士ドットコム

大阪市の職員に対するアンケート調査をめぐって、第二東京弁護士会から業務停止1カ月の懲戒処分を受けた野村修也弁護士が7月17日、報道各社にあてたFAXで、「私の行動が慎重さを欠き、配慮の足らざる面があったということで、その指摘を重く受け止め、今後恪勤(かっきん)して参りたい」とのコメントを発表した。

野村氏はこの中で、「ご迷惑、ご心配をおかけした全ての方に対してお詫び申し上げます」と謝罪。一方で、第二東京弁護士会(二弁)の審査で主張が受け入れられなかった点は「大変残念に思うところ」として、内容を精査したうえで、今回の処分について、日本弁護士連合会に対して、不服申し立てをするとしている。

野村氏は2012年1月、大阪市の第三者調査チームの責任者となり、市職員の不祥事を調査。同年2月、職員全員を対象とするアンケート調査を実施した。この調査が、労働組合の活動を萎縮させたとして、問題になった。

野村氏に対する懲戒請求があったため、二弁の綱紀委員会と懲戒委員会が調査をおこなった。職員の団結権、プライバシー権、政治活動の自由の侵害等、憲法や労働組合法に違反する内容が含まれていたと認定し、「基本的人権を侵害し、弁護士の品位を失うべき非行に該当する」と判断して、7月17日に懲戒処分をおこなった。

野村氏は1985年、中央大学法学部を卒業し、1998年から中央大学法学部教授。2004年に弁護士登録して、テレビのコメンテーターなどで活躍している。

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cat_14_issue_oa-bengo4com oa-bengo4com_0_814a9e8b8381_NHKが受信料21年分を請求! 時効めぐり最高裁が判断 814a9e8b8381 0

NHKが受信料21年分を請求! 時効めぐり最高裁が判断

受信料を21年滞納していた大阪市の男性相手に、NHKが支払いを求め起こしていた訴訟で、最高裁第三法廷は7月17日、男性に5年分の受信料などの支払いを命じた大阪高裁判決を支持し、男性側の上告を棄却した。

裁判の争点は、受信料が「定期金債権」の時効20年の適用対象になるかどうか。男性側は対象になるとして、受信料を支払う必要は一切ないと主張していた。

男性は1995年7月以来、受信料を滞納。一方、NHKも徴収を忘れていたようで、2016年になって、21年分の受信料を請求したが、男性が拒否したことから、裁判になっていた。



●男性が主張した「20年滞納すれば、受信料はずっとタダ」の根拠とは?

定期金債権とは、年金のように決まった期間ごとにお金の支払いを受けられる権利のこと。NHKでいえば、毎月受信料を支払ってもらう権利(定期金債権/基本権)があるから、ある月に一定額の支払いを受ける権利(支分権)が発生する。

受信料でいけば、2014年の最高裁判決で、支分権に該当する月々の受信料については時効5年で確定していたが、基本権の時効については判断されていなかった。

判決で、最高裁は、受信料の基本権がなくなってしまうと、それ以降、テレビなどを置いているのに一切受信料を支払わなくても良い状況が生まれると指摘。公平負担を求める放送法と矛盾するとして、時効が適用されない「例外」に当たると判断した。

定期金債権の例外には、賃貸借契約における賃料債権などがあげられる。たとえば、家賃で考えると、定期金債権がなくなってしまうと、相手は家に住み続けられるのに、持ち主は家賃を請求する権利そのものを失ってしまうことになる。

つまり、NHK側が受信料の徴収を長らくしていなかったとしても、時効にかかっていない最長5年分の支払いは必要ということだ。

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cat_14_issue_oa-bengo4com oa-bengo4com_0_f505040dba0e_裁判所のトイレでトイペに火、起訴された元弁護士の主張 f505040dba0e 0

裁判所のトイレでトイペに火、起訴された元弁護士の主張

東京地裁などが入る合同庁舎内の個室トイレで、トイレットペーパーとホルダーを燃やしたとして、器物損壊と威力業務妨害の罪に問われている、元弁護士で無職の男性(35)の初公判が7月17日、東京地裁であった。男性は起訴内容を否認し、無罪を主張した。



●「故意はなく、過失である」と主張

起訴状によると、男性は2017年1月24日の13時過ぎ、合同庁舎6階の個室トイレでホルダーに入ったトイレットペーパーに火をつけ、備品約9000円相当の損害を与えるとともに、裁判所職員に庁舎内の捜索や警備強化などをさせて、業務を妨害したとされる。

男性側は、トイレでタバコは吸ったが、トイレットペーパーに火はつけていないと否認。仮に元男性が原因で火がついたとしても、故意はなく、過失であるため、罪は成立しないと主張した。

また、男性はトイレから出た後、弁論期日と和解期日をこなしており、依頼者への業務報告も行なっていたと指摘。男性側は「犯人らしい行動はなかった」と主張した。法廷で男性側には、本人や弁護士ら計11人が着席していた。



●トイレットペーパーから2〜3センチほど火があがる

なお、火は男性と入れ違いでトイレに入った清掃員が気づき、持っていた布巾で消した。

検察側の証人として出廷した清掃員は、洗面台や鏡を拭き、和式便所のトイレットペーパーを確認したあと、洋式便所をのぞいたところ、トイレットペーパーから2〜3センチほど火があがっていたと証言した。

清掃員はトイレに入ってから火を発見するまでの時間は1分ほどと証言。男性側は「仮に意図的に火をつけたとしたら、損害が小さすぎる」などと無罪を主張している。

次回期日は9月10日で、被告人の男性本人の尋問などが行われる。

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TVコメントで有名な野村修也弁護士に業務停止1月

大阪市の第三者調査チームが実施したアンケートで、団結権やプライバシーの侵害などがあったとして、第二東京弁護士会は7月17日、当時のチーム責任者だった野村修也弁護士を業務停止1月の懲戒処分とした。

野村弁護士は、調査の中で一定の反省をした上で「懲戒に相当するようなことではない」との見解を示しているという。

●労働組合加入や政治活動の参加を問うアンケート


第二東京弁護士会(以下、二弁)によると、野村弁護士は2012年1月に大阪市特別顧問となり、同年2月に第三者調査チームの責任者として、同市職員全員を対象とするアンケート調査を実施。その中に、同市の労働組合への加入や活動参加経験の有無、政治家を応援する活動への参加経験などを問う項目が入っていた。

2012年に、4回にわたり計656人から、野村弁護士に対する懲戒請求があり、同弁護士の綱紀委員会や懲戒委員会が調査を実施。アンケート調査について、二弁は、職員の団結権、プライバシー権、政治活動の自由の侵害等、憲法や労働組合法に違反する内容が含まれていたと認定した。

また、二弁は、野村弁護士が「回答しない場合、懲戒処分の対象となりうる」旨の、橋下徹大阪市長(当時)の職務命令を発令させたことも問題視。アンケートの実施について、意図までは認定できないものの、「基本的人権を侵害し、弁護士の品位を失うべき非行に該当する」と判断し、懲戒処分とした。

●野村弁護士「実行動機に一点の曇りもなかった」


二弁によると、野村弁護士は「実行動機に一点の曇りもなかった」とアンケート実施時における基本的人権の侵害意図は否定。一方で、懲戒委員会などによる調査の中で、配慮が不足していたことなどを認め、一定の反省を示したという。

ただ、「(当時、市職員の問題が発生しており)調査は必要、かつ有益であった。(問題のある調査の実施を)放置、黙認したわけではない。懲戒処分は少し厳しすぎるのではないか」として、懲戒に相当しないとの主張をしているという。

野村弁護士は、1985年に中央大学法学部を卒業し、1998年から中央大学法学部教授。2004年に弁護士登録。テレビのコメンテーターなどとして活躍している。

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cat_14_issue_oa-bengo4com oa-bengo4com_0_ea7e7e95e3f8_同級生からゲイを暴露され、転落死した学生の訴訟の行方 ea7e7e95e3f8 0

同級生からゲイを暴露され、転落死した学生の訴訟の行方

同級生からゲイであることを暴露(アウティング)された一橋大の法科大学院生(当時25)が2015年8月、校舎から転落死した「一橋大アウティング事件」。7月16日、明治大学で支援者らによる集会が開かれ、遺族側代理人の南和史弁護士から裁判の経過が報告された。

遺族は今年1月25日付で、アウティングをした男子学生と和解したが、大学側との裁判は続いている。裁判は終盤で、7月25日には大学関係者らの証人尋問が予定されている。

裁判のポイントは、男性からアウティングについて相談を受けていた、一橋大の対応が充分だったかどうかだ。

●ゲイの男性に性同一性障害のクリニックを推薦 遺族側は認識不足と主張


男性は2015年6月に同級生でつくるLINEグループ上でアウティングをうけた。以来、心身に不調をきたし、心療内科を受診した。

その後、男性は大学の(1)ハラスメント相談室、(2)教授、(3)保健センターにも被害を相談している。しかし、大学はアウティングを「ハラスメント」とは捉えていなかったと、遺族側は考えている。

たとえば、南弁護士によると、大学側の記録などに男性の相談について「ハラスメントというよりも学生委員会での対応がよいかもしれない」(相談員)、「学生間のトラブル」(教授)といったメールの記述があるという。


また、相談員や保健センターの医師は、男性に対し、性同一性障害の治療で有名なメンタルクリニックをすすめている。

しかし、性同一性障害は、自身がどの性別に属するかという「性自認」の問題。一方、同性愛は、どの性別を好きになるかという「性的指向」の話で別物だ。遺族側はここから大学側の知識不足を主張する。

男子学生からしてみれば、相談しに行っているのに、加害者側への働きかけが乏しく、むしろ治療をすすめられる――。自分に問題があるかのように扱われ、「孤独感を味わったと思う」と南弁護士は話す。

●アウティングで変わる関係性 「クラスメートとの関係再構築」に見落とし?


そうであれば、大学はどういう対応を取るのが望ましかったのだろうか。明治大の鈴木賢教授は、「大学はアウティングされた後の学生と、クラスメートとの関係を新たに構築し直す必要があった」と指摘する。


これまで異性愛者として認識されていたクラスメートが、同性愛者であることが分かる――。関係性が変化して当たり前なのに、大学は男性とアウティングした男子学生との二者の問題と捉え、男性の孤立化を招いてしまったというのだ。

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cat_14_issue_oa-bengo4com oa-bengo4com_0_f74795bb27e2_「無実を勝ち取るため、100年でも戦う」袴田姉弟の決意 f74795bb27e2 0

「無実を勝ち取るため、100年でも戦う」袴田姉弟の決意

「今回は絶対に再審への道が開かれる」――そう確信して臨んだ、いわゆる「袴田事件」第2次再審請求は6月11日に東京高裁で、再審開始決定の取り消しという後退の結果に終わった。7日後、弁護団は決定を不服とし特別抗告。今度は最高裁に舞台を移す。

1966年8月に逮捕されてから52年、無実を訴えてきた袴田巌さん(82歳)と支え続けた姉のひで子さん(85歳)。高齢の姉弟にとっては深い失望があったはずだが、「負けてたまるか。100年でも戦い続けますよ」と、新たなる試練に前向きに取り組む決意を見せている。現在の心境をひで子さんに聞いた。(ルポライター・樋田敦子)



●「弟を長生きさせて、私も100歳まで生きて無罪を勝ち取りたい」

東京高裁の再審取り消し決定から10日後の6月21日、ひで子さんは、東京都文京区で開催された「くり返すな冤罪!市民集会Ⅱ」の場であいさつに立っていた。冒頭で読み上げたのは、巌さんが1984年に書いた手紙だ。

「確かに孤独は私にとっても切なく、つらいことですが、無意味ではないのです。忍耐しその中で孤独を受け入れてくれば、必ず深い勝利への意味が分かるのです。

もし孤独が闘いの源泉であり、神秘を秘めているとするならば、私共の闘争は孤独を知るために、したたかな害とともにあると言えるでしょう。いずれにしても冤罪は生きてそそがなければみじめすぎるのだ」

刑務所で拘禁症を発症する前、無実を訴え続けていた頃の巌さんの手紙である。

そしてひで子さんはこう結んだ。

「冤罪事件と分かっていて、今回の高裁の判決でございます。特別抗告しましたので早く最高裁で審理を進めてほしい。生きてそそがなければならないというのは、82歳になった弟のことばでありませんが、弟を長生きさせて、私も100歳まで生きて無罪を勝ち取りたい」



●まさかの「再審取り消し」、ひで子さんの表情は明るく

1966年の逮捕から52年。静岡地裁の再審開始が決定が出て、巌さんが釈放されて4年。今回ばかりは弁護団も支援者も再審開始を疑わなかった。5点の衣類に関するDNA鑑定と血痕の付着した衣類を味噌漬けにする再現実験が静岡地裁でも高く評価されていて、それを覆すようなことはないだろうと思われたからだ。

ところが東京高裁での結果は、再審開始決定の取り消し。決定を受けて弁護団は茫然と立ち尽くし、支援者の中には泣き出す人もいたという。決定から約10日後、どんなにか落胆しているかと思いながら取材に行くと、ひで子さんの表情は意外にも明るかった。

「弁護団も感触が良かったので、勝つつもりでいたと思う。みんなが大丈夫、大丈夫だと言っていたので、私も大丈夫だと言っていた。しかし心の中では、そんなに簡単にはいかないと思っていました。そしてこの結果です。

だって狭山事件の石川一雄さん、名張毒ぶどう酒事件の奥西勝さん(故人)、鹿児島大崎事件の原口アヤ子さん、みんな再審が叶っていないじゃないですか。袴田事件だけ、再審開始にするわけにはいかないだろうな、と。

ただ巌の収監はしないということで、少しほっとしましたが……。これまで50年です。ここで負けるわけにはいかないんですよ。だからみんなに言ったんです。『今日一日だけがっかりしてろ、明日からまた頑張れ』それしかないもの」




●「事件はなかった、嘘だ。死んだ人はいない」

巌さんにも決定は伝わったが、分かっているかは、定かではないという。マスコミに聞かれて「事件はなかった、嘘だ。死んだ人はいない」と繰り返すだけで、ひで子さんもあえて聞かないし、巌さんも口を開かない。

47年7か月の収監による拘禁症の影響で「自分の世界」と現実を行ったり来たりしている。釈放直後からみれば、回復しているというが、自分の世界に入ってしまうと、ひとりごとをぶつぶつ言いだす。

「たった4年やそこらで治りませんよ。50年近くの年月は、そんなに生易しいものではなかったはずです」



●母の代わりに、支援を始める

当初から弟の無実を信じていたが、ひで子さんが本格的に支援を始めたのは、1968年からだった。すでに静岡地裁で審理は始まっていたとき、先頭に立っていた母親が失意のうちに突然亡くなった。「親孝行らしいことはひとつもできなかった」ので、せめて母の代わりになろうと、支援を始めた。

会社では会計を担当。給料は、生活費だけを残し、あとはすべて刑務所にいる弟のために差し入れ、一部は貯金した。

59歳のとき、「いつか帰ってきたら一緒に住めるように」と3階建てのビルを購入する。ローンが完済したのは、巌さんが釈放される前年。今はそこで姉弟が静かに暮らしている。

「兄にしろ姉にしろ、みんな家族を持ってましたから、金銭面でも精神面でも、巌一人にかかりっきりにはなれません。私はひとり身だったので、巌のことだけに専念できたのです。

姉が遊びに来て、孫のためにお菓子を買っていくんです。それに3000円払うのなら、2000円でも巌のために使ってほしいと思ったこともありました。でもみんなそれぞれに生活があるので、強いことは言えません。私が稼げばいいんだ、そんな思いでやってきました」



●アルコール依存症の一歩手前まで

しかし、いつまでも無実を証明できない苛立ち。「神も仏もあるものか」と打ちひしがれた。アルコールを多飲するようになり、依存症の一歩手前までいったこともあった。ひで子さんを押しとどめたのは、支援者からの電話だった。

「こんなに巌のことを思って活動してくれている人がいるのに、私がこんな状態ではいけない」と踏ん張った。それ以来、お酒は一滴も飲んでいない。

やがて支援する人々が、救う会を作って支援を始めた。ひで子さんは、全国各地で講演会に招かれ始めた。北海道から九州まで呼ばれれば講演に行った。一昨年はノルウェイのオスロにも死刑廃止の会議に参加したという。

「みなさんが、何かしたい、支援したい、と言ってくださったとき、私は署名運動を始めてみてはどうですか、署名だけでもしてほしいと言ってきたのです。そしてそれが実現しました。用紙に1筆でも書いてくれたかたは、巌の支援者だと思っています。事件自体はまだ解決していないけれど、巌が出てきて、こうして暮ちせるのも支援のおかげ。みなさんにお礼を言うつもりで全国を回っています。

巌のことは運命だと思っているのです。最初に最高裁で棄却されたとき、弁護士も支援者も大勢のマスコミもいたけれど、周りにいるすべての人が敵に見えましたよ。長い間、苦しいことを乗り越えてきたので、何が起こってもなにくそと、開き直っています」



●巌の事件は運命

現在、巌さんは、1日に6時間も町を散歩している。ボクサー時代のトレーニングのように、仕事のように毎日毎日歩き続ける。出会った人からは「巌さん頑張って」を声をかけられると、右手をあげて挨拶するまでになった。

「糖尿病なので薬を飲んでいて、本来は甘いものを食べちゃいけないんですが、バナナを4本も食べるときがあるのです。でもあれこれ言わず、なるべく自由にさせています。50年近く辛い思いをしてきたのだから、少しでも好きなことをさせてあげたい」

また毎日のように、「1万円くれ」と言ってくるそう。何に使うわけでもないけれど、巌さんの世界では「お金を持っているとバイ菌が寄ってこない」のだという。そのお金を貯めておいて、25日になると、「これは給料」と2万円を、生活費として1万5000円をひで子さんに手渡す。

「すべて私のお金なんですけれど、この習慣は刑務所に入る前と一緒なんですよ」



●「負けてたまるか。100年でも戦い続けます」

判決が出る前、弁護団の事務所の前に「袴田巌の壁」ができた。支援する市民は「袴田家に真の自由を」など思い思いの言葉を連ねた。ひで子さんはここに大きく「無実」、巌さんは「幸せの花」と書いた。

「30歳で逮捕されて、これまで幸せに縁遠かった。巌は幸せなんて思ったことがないと思っていたのに、すらすらと書いたのです。私もそこにい合わせた人全員がびっくりしちゃって……。釈放された4年たって、やっと幸せを感じられるようになったんだと思いました。

まだ本当の幸せではないかもしれないけれど、幸せという字が使えるようになったことがうれしかった。巌が幸せと感じるときが、私にとっても、幸せ。

だからこそ、負けてたまるか。100年でも戦い続けますよ、無実を勝ち取るまで」

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