「Slack(スラック)」は2014年に登場した、コミュニケーションツールだ。チャットやメッセージツールは数え切れないくらいあるが、ITカテゴリーのビジネス用途で急速にユーザーを増やしているので注目を集めている。今回は、今話題のチャットアプリ「Slack」の使い方を紹介しよう。
急速にユーザーを増やしているビジネス向けコミュニケーションツール
「Slack」は1日に300万人以上が使っているコミュニケーションツールで、ざっくり言うとチャットアプリのひとつ。2014年2月にリリースさればかりのまだ新興のサービス。口コミで広まったリーンスタートアップとは言え、すでに爆発的な人気を集め、マイクロソフトやFacebookが最近Slackに対抗するためのアプリをリリースするほどの注目度だ。
シンプルでおしゃれなUIを気に入る人、さまざまなサービスと連携させて活用する人、豊富な機能を求める人など、ファンは多岐にわたる。Slackは多彩な機能を備えるが、まずは実際に使ってみよう。
アプリは無料で、対応OSはiOS、Android、Windows 10 Mobile、Windows、Macと充実している。有料プランもあるのだが、フリープランでもログの検索や閲覧が1万件まで可能。最大10種類のサービスと連携でき、チームで5GBまでのストレージ容量を利用できる。試用なら問題ないし、小中規模のプロジェクトであればこれでも十分というケースも多い。スタンダードプランの場合、年払いすると月あたり6.67ドルで、無制限の検索や連携ができ、ストレージ容量は一人あたり10GBにアップ。加えて、Google OAuth認証や2段階認証などの機能を利用できるようになる。さらに上のプラスプランやエンタープライズプランもある。現在のところは日本語版はないが、メニューの英語は簡単なのでチャレンジしてみよう。
アプリをインストールしたら、まずはチームを作成する。最初はアカウントを持っていないと思うので、メールアドレスを登録して作成しておく。チーム名やチームのURLも取得しよう。作成したら、利用するメンバーのメールアドレスを入力して招待する。アカウントを作成したら、まずは自分のアイコンを登録することをお勧めする。名前だけだと誰の投稿なのかすぐに把握しにくいためだ。
チャンネルごとに参加ユーザーを指定できる
チームができたら、次に話題ごとに「チャンネル」と呼ばれるチャットルームを作成する。雑談用だったり、プロジェクトやクライアントごとに使い分けたりできる。パブリック設定だとチーム全員が参加でき、プライベート設定だとユーザーを限定できる。一つのチームに関係者全員を集めたうえ、閲覧権限を自由に設定できるのは便利だ。例えば、基本的な情報は全員で共有し、マネジメントに関する情報はマネージャーのみ、金策に関する情報は共同創業者のみで共有するといった使い分けができる。
チャンネルはテキストベースの掲示板だが、URLや画像を投稿するとサムネイルが表示されるのでダウンロードしたりする手間が省ける。絵文字を付けて、コメントにアクションすることも可能だ。
1本指で右にスワイプするとメニューが表示でき、左にスワイプするとアカウントメニューが開く。2本指で左右にスワイプすると、前後に表示したチャンネルを切り替えられるので覚えておこう。
メンバーと1対1で無料通話したりDMでやりとりする
コミュニケーションツールなので、もちろんダイレクトメッセージ(DM)機能を搭載しているし、Skypeのような無料通話機能も備えている。もちろん、DMでやりとりした内容はほかのユーザーには表示されないので、内輪の話をする際に便利だ。
今すぐにリアクションが欲しい場合、サインインしている人たちに向けて通知を送ることもできる。方法は「@here」と入力すればいいだけ。
寝ている間は通知オフ!など使いやすいようにカスタマイズできる
チャットツールで問題なのが、新着通知が来すぎて作業や集中の邪魔になる点。もちろん通知を完全オフにすることもできるが、そうすると必要な話題を見過ごしてしまいかねない。そんな時は、重要度の低い投稿のみの通知をオフにすることをお勧めする。
雑談スレなど重要度が低いチャンネルの場合、通知設定を「Nothing」に変更すると通知が来なくなる。「Mentions or highlight words」にチェックすると、自分宛のコメントもしくはハイライトキーワードが含まれる投稿があるときのみ通知されるようになる。
アカウントメニューの「Settings」を開き、「Push Notifications」を開くと、全体の設定をまとめて変更できる。ハイライトキーワードはここのメニューから入力する。キーワードが複数ある場合はコンマ区切りで入力すればいい。また、設定から「Do Not Disturb」を開くと、睡眠時間を設定し、その間は通知を出さないようにできる。
他サービスとの連携も超絶便利! チームで働いているなら要検討だ
以上が「Slack」の説明書“導入編”となる。やりとりしたデータはファイルも含めてきっちりクラウドに保存されており、検索性も上々。データベースのように使えるし、ビジネスで使うチャットツールには最適だ。デザインもいい感じで、絵文字も使えるなど楽しさにも配慮されているのがユニーク。「Apple Watch」にも対応しており、Slackの通知を受け取るために活用している人もいる。ITクラスタに人気のツールと紹介したが、使い方は簡単なので、IT以外の社内ツールや、サークルの情報共有ツールでも活躍してくれることだろう。
今回、“導入編”としたのは、基本のチャット機能は紹介できたが、「Slack」のキモはほかのサービスとの連携にあるため。こちらは追ってご紹介する予定だ。