ライターのような個人事業主でも、名刺の連絡先には03から始まる電話番号を載せておきたくなるもの。しかし、ほとんど利用しない固定電話を準備するのもコストや手間の面で難しい。そもそも、取材に出かけて自宅やオフィスにいないことも多い。そこで、お勧めなのが「ShaMo!」。スマホをビジネスフォンとして利用できるニフティのサービスだ。今回は、個人事業主&スマホでも使える03番号のビジネスフォン「ShaMo!」を活用する技を紹介しよう。
会社で使う電話の仕組みを個人のスマホで手軽に利用できる
個人事業主やSOHOだと、名刺の連絡先に携帯電話番号のみを載せているケースが増えている。筆者もしばらく前に固定電話を撤廃してスマホ1本になっていた。しかし、やっぱり仕事で使う名刺の連絡先が携帯電話番号だけだと、ピンのフリーランス感が出て、大手との取引に影響があるような気がしてきた。そこで、03番号をゲットしようといろいろ調べていたのだが、2016年3月にスマホで使える「ShaMo!」というビジネスフォンサービスがスタートしたので早速申し込んでみた。
「ShaMo!」はニフティが手がけるサービスで、代表電話に加え、直通番号を付与してくれるビジネスフォンサービスで、月額900円(税抜)/台と手ごろな価格が魅力。5台まではなんと基本料もかからないのがうれしいところ。
登録には、@niftyの法人IDが必要となる。また、法人の場合は履歴事項証明書と印鑑登録証明書があればいいのだが、個人事業主の場合はちょっと手間取る。筆者は本名で活動しているので、会社名の欄に自分の名前を登録したところニフティから電話がかかってきた。名前をライターの屋号として登録することは可能だが、開業届出証明書が必要になるという。筆者は18年前にライターになったものの、開業届を出した記憶がない。しかも、出していたとしても、証明書を税務署も出してくれないこともあるという。そんな時は課税証明書もしくは所得証明書でいいとのこと。いろいろとやりとりがあったので、申請してから開通するまでに10日~2週間くらいかかりそう。余裕を持って申し込むことをお勧めする。
通話品質は上々! 発着信は無料のスマホアプリで行なう
ユーザー登録を申請すると、03からはじまる代表電話番号が割り振られる。この番号が名刺に記載する会社の代表電話となる。一人だけの個人事業主であれば、これだけで問題なし。それとは別に登録したユーザーごとに、ユーザー名とパスワード、電話番号、内線番号が割り振られる。
通話に利用するのは、「ShaMo!」アプリだ。最初はAndroid版のみだったが、7月19日にiOS版もリリースされ、iPhoneでも利用できるようになった。もちろんアプリは無料でダウンロードでき、起動したらユーザーごとに割り振られたアカウント情報でサインインするだけ。電話や住所録へのアクセスなどを許可したら準備完了だ。
ほかの端末から、代表電話番号に電話すると、着信音が鳴り、メッセージが表示される。「ShaMo!」アプリの機能で着信しているので、当然電話アプリは使わない。そのメッセージをタップすれば、「ShaMo!」アプリが起動する。代表電話への着信を受信するには、ユーザー登録時に設定しておく必要がある。二人目以降のアカウントを追加する際はよく確認しよう。もちろん、設定変更を申請することも可能だ。
Android版は全画面の着信画面になるのだが、iPhoneの場合、画面上部にバナーが表示されるだけ。ちょっとわかりにくいので、「通知」設定から通知画面が表示されるようにした。
通話品質は普通。わずかにこもった感じもあるが、ノイズや遅延はないし、快適に会話できる。スピーカー機能も搭載しているので、長時間の通話でも問題なし。
留守番電話や転送機能も備えている
「ShaMo!」は留守番電話機能や転送機能も搭載している。留守番電話にアクセスするにはパスワードが必要で、初回アクセス時には仮パスワードの変更作業と自分の名前の録音作業が発生する。「ボイスポータル」サービスは、普通の携帯キャリアの留守番電話サービスとほぼ同じ感じなので迷わず利用できるだろう。
ビジネスフォンサービスらしく、電話の転送機能を備えているのが便利。普通の電話と同様、相手とつなぐ相手の名前を聞いて「転送」をタップし、つなぐ相手に用件を伝えて、回線をつなげばいい。
社内でのやりとりはコストゼロ! チャットもできる
社内のアカウント同士なら、通話もチャットも無料で利用できる。ユーザーごとに割り振られる下4桁が内線番号になり、「ShaMo!」アプリから発着信できる。内線の通話料は無料なので、存分にやりとりできるのが○。チャットも可能で、代表電話を受けたスタッフが、別のスタッフへの伝言を受けたとき、アプリを切り替えずにそのまま伝達できる。社内で完結するので、誤送信が起きないのも魅力だ。
都内でビジネスフォンの導入を検討しているなら要チェック!
電話サービスとしてはまったく文句のない完成度。これ以上欲しい機能も特にない素晴らしいサービスだ。ただ、できて日が浅いからか、ユーザーの管理機能が貧弱。例えば、ユーザーごとに代表電話の発着信をオンオフできるが、この管理機能へのアクセスが非情に面倒。通常の申し込み画面から行なうなんて最初は考えつかなかった。現在は、リンクが1つ張られているものの、結局新規申し込みに似た情報を入力してサインインすることになる。しかも、どんなに細かい設定変更でも、「約10営業日頂戴します」というメールが来る。これは大至急なんとかして欲しいところ。
その点を除けば、「ShaMo!」は個人事業主やSOHO、起業したてのスタートアップなど、03番号は欲しいがなるべくコストを抑えたいというニーズにぴったりのサービスと言える。そもそもそういう組織では、オフィスに誰かがいるとも限らない。スマホで発着信できるのは、望むところだ。
コストが安いのも大きな魅力。利用人数が5名以下の場合は基本料金は無料で、初期費用もなし、ライセンス料金が1名900円/月。通話料金は20円/30秒だ。6名以上の場合は、基本料として1社1500円がかかり、6名以降のライセンス料金は1800円となる。
サービス提供エリアは東京23区内からスタートし、順次、札幌市、仙台市、さいたま市、横浜市、川崎市、千葉市、東京都多摩地区、名古屋市、京都市、大阪市、神戸市、広島市、福岡市など14地域に拡大予定とのこと。東京23区以外はその地域の市外番号が取得できる。最低利用期間は1年間と携帯電話よりも短いので問題なし。提供エリアでビジネスフォンの導入を検討しているなら、イチオシのサービスなので、チェックしてみよう。