2016年はどちらかというとSIMフリースマートフォンの充実があり、PCと同様に店に行けばすぐ買えてすぐ持ち帰れるということから、PC好きの人も注目していた人は多かったと思う。
しかし、スマートフォンシフトが起きようともやっぱり基本はPC、という状況にあまり変わりはない。
そこで、今、お買い得と思われるPCをいくつか選んでみた。すべてがノートPCになってしまったが、年々デスクトップPCを使う意味合いが薄れてきている。
デスクトップPCにはデスクトップPCの良さがあり、使い方によっては積極的に選ぶ必要がある一方、ストレージや外付けGPUにこだわりがなければ、積極的に選ぶ理由が少ないと思う。
デスクトップPC的なスタイルで使いたいという場合でも、ノートPCをベースに外部キーボードに外部ディスプレーをつなぐ、という使い方のほうが便利なこともあるくらいだからだ。
最新CPUに15.5インチ液晶と光学ドライブを搭載 5万円台からの「HP Pavilion 15-au100」
とにかく、なんにでも使える万能的なノートPCが欲しいとなれば、最新のCPUが搭載されているノートPCを購入することはキホン中の基本。
今であれば第7世代 インテル Core プロセッサー搭載、コード名で言うと「Kaby Lake」、CPUの型番がi3-7100Uのように7000番台の数字と持っているCPU搭載機種ということになる。
できれば省電力と高性能を両立し、Core i5やi7を購入したいところだが、Core i3でもゲームをバリバリするというようなヘビーな使い方でなければ、極端に性能に大きな違いはない。
ということで、低コストで万能ノートPCのおすすめとして選んだのが、15.6型の大きめの画面を持つ「HP Pavilion 15-au100」だ。
HP Pavilion 15-au100はシリーズ名称なので、スペックはさまざま。それでもCPUは基本的に第7世代 インテル Core プロセッサー搭載を搭載しているので、最新性能を感じることができる。
価格はCore i3-7100U(2.4GHz)、4GBメモリー、500GB HDDフルHD液晶搭載で5万9000円(税抜)からと手頃で十分な性能。そして、一家に1台のPCとなった場合、意外に重視しなければならないのが光学ドライブ(DVDマルチ)搭載という点。
今でもDVD-Rに焼いたデータを受け取ったり、以前のバックアップがCD-RやDVD-Rに保存してあるという人は、1台くらいは光学ドライブ付きのPCを持っていたい。その点、HP Pavilion 15-au100なら幅広く万能に使える1台といえるだろう。
なお、同様の機種はデル「Dell Vostro 15 3000」やレノボ「ideapad 510」など、他メーカーからも出ている。
HPを選んだ理由は、メモリースロットが2基あって将来の増設に対応しやすいことや、安いことなどが理由だ。
デザインなどで他機種を選ぶ場合は、スペックや価格などをよく確認して、自分に最適の一台を選んでほしい。
持ち運びにも使える気軽なノートPC 2万円台前半で買える「ASUS VivoBook E200HA」
外出先でもPCの代わりにスマホでほとんどの作業ができる環境になってきたが、それでもPCを使いたいというニーズは多いはずだ。ウェブサイト閲覧はやっぱりPCのブラウザーで見たいという人や、文書入力はPCに限るという人も多いと思う。
そんな人にはおススメしたいお買い得モバイルPCが「ASUS VivoBook E200HA」だ。
1kgを切る軽量ボディーに11.6型のコンパクトな液晶画面(1366×768ドット)を採用。CPUはCherry Trail世代のAtom x5-Z8300やZ8350(ともに1.44GHz)を搭載。
スペックは抑えめなので、最新のCore i3搭載機種に比べると処理能力の違いは感じられるところも多いのだが、とくかく安いのが特徴だ。
Atom x5-Z8300、2GBメモリーの機種なら最安値ベースで2万円台前半から購入可能。ただし、できれば3万円を少し超えるAtom x5-Z8350モデルを選びたい。CPUの性能はほとんど変わらないが、内蔵メモリーが4GBとなっているからだ。
ストレージは32GBのeMMC。Windows 10を使い続ける上ではやや少ないので、保存するファイルはSDメモリーカードやUSBメモリーに逃がす工夫が必要だ。
ASUS VivoBook E200HAは薄型で、カラバリもあって、外出先で使うのも楽しくなる。ボディーカラーが無難なホワイトやダークブルーならば、高級な喫茶店えも違和感なく使えそう。ストレージの保存容量さえ問題なければ、安くて買いのモバイルコンパクトノートPCだ。
新しいスタイルの使い方が満載! 4万円台から購入可能な「YOGA BOOK with Windows」
せっかく買うなら新しいスタイルのPCが欲しい! というのなら、レノボの「YOGA BOOK with Windows」がおススメだ。
とにかく新しい点は、ノートPCでありながら、キーボードは全面タッチパネルで、物理的な出っ張りがないところ。そのため、非常に薄型で、キーボードを360度回転させてタブレット的に使う場合でも、9.6mmと非常に薄型になっている。そしてLTE搭載モデルがある。
キーボードはフラットな形状のため、完全にできないわけではないが、タッチタイピングは無理と思ったほうがよい。
ただ、一般的なノートPCと同じクラムシェルデザインのため、電車の中で膝の上に乗せてPCを使うということは可能だ。
また、YOGAはさまざまな変形でスタンドに立てたタブレットのようにも使える。普段は内蔵のフラットなキーボードを使い、本格的に入力作業を行なう場合は、Bluetoothで別のキーボードを使うこともできる。
LTEモデルと非LTE(Wi-Fi)モデルがあるが、基本スペックは共通。CPUにAtom x5-Z8550(1.44GHz)、4GBメモリー、 フルHD超(1920×1200ドット)の10.1型液晶を搭載。
ストレージは64GBのフラッシュメモリーで、Windows 10で普通にに使えるスペックを持っている。
これで最安ベースの価格はLTEモデルが5万5000円から、Wi-Fiモデルは4万8000円程度からとなっている。
人気なのはLTE内蔵モデルで、薄型のPC単体で通信もできるということは便利のひとこと。格安SIMでも入れてばおけばランニングコストもわずかで使えるので、ぜひLTEモデルを検討してほしい。
2万円台で大特価となった不思議なキーボードを持つ 「キングジム ポータブック XMC10」
今年のはじめに発売し、秋になっていきなり大特価になった話題のPCがある。
キングジムの「ポータブック XMC10」だ。登場時は約9万円ほどだった実売価格が、現在は最安値で約2万1000円。大手家電量販でもポイント付きで2万3500円となっている。
9万円が2万円台という価格になったので、即買いかというとそうでもないところがある。
かなり癖が強いPCで、画面が小さすぎるのも気になるが、キーボードやポインターの使い勝手がいまひとつ。分厚い本体、性能もAtom x7-Z8700(1.6GHz)なので、ガンガン使うには向かない。また、充電はUSBで行なうが、電圧アップなどの機能がないため充電も遅い。
反対にハマる人にはハマる。とにかく小さいサイズのPCやキーボードのギミックがたまらない人。スリングバッグでも入るPCというのも数少ない選択肢だ。
一部で酷評されたキーボードも、スペースキー手前の出っ張りと、縦と横でピッチの違う配列さえ苦にならなければ文書打ち込み機として使える。
興味を持った人は現物確認が必須。自分がハマりそうだと思ったなら、まだ展示機を置いている店はある。今すぐにでも店頭に向かってほしい。なお、筆者も購入者のひとりだ。
2016年はギミックのあるPCも登場し、豊作の年?
スマートフォンに押され気味の2016年ではあったが、買って十分楽しめる、またはコスパよく使えるPCはちゃんと登場しており、年末になって手頃な価格で購入できるものが複数あることがわかった。
普通のPCを希望する人も、なにかギミックを期待する人にもぴったりのPCはあるはず。この冬、何かPCを購入してみるというのもよいだろう。