勝利めざさない「ゆる部活」 体力向上部・ヨガ同好会…

2018年11月7日 07:20 朝日新聞デジタル

 これまでのスポーツ観と一線を画す運動部活動が、中学、高校で徐々に広まっている。勝ちを目指さなくてもいい。一つの競技にこだわらなくてもいい。そんな「ゆる部活」。どんな活動なのか。

 東京都世田谷区の東深沢中に6年前に作られた「体力向上部」の活動は、午前7時15分に始まる。校庭でハードルを跳び越えたり、ジョギングしながらボールをトスしたり。45分間、体を動かしてから授業へ向かう。

 部員は約60人。女子が3分の1ほどだ。野球や柔道に打ち込む生徒もいれば、文化部所属の生徒もいる。体力レベルは様々だが、目標はあくまで体を動かすこと。月曜を除く平日の朝に活動している。

 ある3年生男子は、地域の野球チームの活動が週2回しかなく、「もっと体を動かしたい」と入部。美術部の2年生女子は「運動はしたいけど、やりたいスポーツがなかった」と友達と一緒に入った。顧問の佐々木政紘教諭は「無理はさせない。自分のペースでやって、少しでも体力が上がればいい」と話す。

 世田谷区によると、ボクササイズを含めて色々な運動をする軽運動部など、体力向上や体を動かすことを目的にした運動部は区内10校に広がっているという。

 近年の運動部は、長時間の活動や暴力的な指導などの「ブラック部活」の解消が課題となっている。

 そんな中、スポーツ庁が今年3月にまとめた運動部活動に関するガイドラインには、「週2日以上の休養日」などの活動時間の制限だけでなく、運動が苦手な生徒も入りやすい「ゆる部活」の設置も盛り込まれた。行きすぎた活動に釘を刺すだけでなく、多様性も認めていこうという方向性だ。

 2017年度の「全国体力・運動能力、運動習慣などの調査」では、1週間の総運動時間が60分未満の中学2年女子は19・4%。全く運動をしないという層も13・6%いた。

 また、運動部や地域のスポーツクラブに所属しない中学2年生に「運動部活動に参加する条件」を聞くと、「好きな、興味のある運動やスポーツができる」が男子は42・9%、女子は59・1%。「自分のペースでできる」が男子は44・4%、女子は53・8%を占めた。

 こうしたことから、現在の運動部活動は生徒の潜在的なニーズに応え切れていないと分析。競技志向を離れ、「自分のペースで体を動かしたい」「色々なスポーツをしたい」という生徒のニーズに応える部の設置を推奨している。(野村周平、中小路徹)

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「夜10時にスマホの電源オフ」つぶやきシローさんが語るSNS

2018年10月15日 10:00 朝日新聞デジタル

 日常の「あるある」ネタで笑いを生むつぶやきシローさんは、ツイッター上の「つぶやき」でも100万人近いフォロワーを持つほどの人気です。一方で、他のSNSとは距離を置いている、と言い切ります。ほぼ1日1回のペースでつぶやき続ける生活や、ネット上の様々な声とどう付き合うか、などについて聞きました。

「つぶやき」だからツイートの企画


 ツイッターを始めたきっかけは、2009年の雑誌「週刊プレイボーイ」(集英社)の企画ですね。「ツイート=つぶやき」だから、つぶやきシローにやらせてみたら、という感じで。「10日くらい後の発売日までやってくれたら、ありがたいです」と言われたので、「そこまでならやれるかな」と思いながら続けて……今に至ります。

うだうだしていたら9年経った


 「あるあるネタ」を、「一日ひとつぶ(やき)」って自分に課しているわけです。意外とフォロワーが増えちゃうと、なんかやめづらい。わかります? 「やめるときは『すみません。仕事で無理やりやっていたのでやめます』とかあいさつするのかな、どうしようかな」とうだうだしていたら9年経ちました。フォロワー数は100万近くです。

 ただ、俺自身は「やめづらいな」ってだけで、フォロワーはそんなに気にしてないんですよ。言いっ放しなんで、僕。ただの一方通行で申し訳ないです。

知っている言葉は既読スルーだけ


 ツイッター以外のSNSは、LINE(ライン)も含めてやってません。僕がLINEに関して知っている言葉は、「既読スルー」だけです。「トラブルの元」っていうイメージです、いまだに。若い子は使いこなせて、わかってるだろうからいいですけど、なまじっか知らないヤツが手を出すもんじゃねえって。

 ツイッターは、ネタ帳として便利です。番組のロケで「どうも、つぶやきシローです」っていうシーンがよくあるじゃないですか。そのときに、あるあるネタを言うようにしてるんですよね。なんかないかなってときにこれまでのツイートを見て、「あ、昔のこれ、いいんじゃない」って。

ツイートは毎日のルーティン


 ツイートは、字面を気にするくらい。漢字がいいかな、カタカナかな、ひらがながいいかな、と。1行で終わらせた方が美しいかなとか、句読点を打たず、一気にいった方がいいかな、とか。たかが、こんな1行くらいの「あるある」で引っかかって欲しくないですから。

 真面目な話をすると、自分に対して「お笑い(芸人)なんだから、1日1個くらいネタを考えなさいよ」と、自分に負荷をかけているところがある。「ネタ番組あんまないし、呼ばれないんだから。金にもなんないけど、とりあえずやりなさいよ」と。毎日腕立て(伏せ)を10回やる人とかいるじゃないですか。そんな感じです。

義務になるとすごい苦痛


 でも毎日じゃない。夜中、寝る前にやるんですけど、最近は酒飲んでると寝落ちしちゃうんですよね。昔はそれでも「待っている人がいるかもしれない」と思ってやったけれど、もう「ごめんなさい」って甘えるようにしてるんです。

 気晴らしで趣味のつもりだったのが、義務になるとすごい苦痛。ジムもそうじゃないですか。そうなりたくないから、嫌なときはやんなくていいんじゃないか、と。そうじゃないと今後続かないと思ったんだよね。やらない自分を許す日があるから、まだ続いてる。自分でコントロールしています。

リツイートは見ないのが一番


 最初はリツイートも見ていました。それまでmixi(ミクシー)とかブログも一切やってなかったので、教えてもらって「こういうことなんだ」と。でも悪口も来るし、「なんだよ」とも思う。「ああいうのは見ない方がいいですよ」と聞いて、全然見なくなりました。こっちは顔を出してやっているわけで、そうじゃない人の相手をしてもしょうがない。時間の無駄で、見ないのが一番だと思います。

 SNSはいろんな情報が入ってきて、時間の「短縮」と言うけれど、「その情報、本当にいる?」って思っちゃう。スタバでも、電車でも、風呂の中でも袋に入れてスマホを触ってる人がいる。依存症でしょ、完全に。「SNS禁止の日」をつくって、国民全員が休む日を作った方がいいですよ。

個性を出すって、今の子は大変


 僕は寝るとき、夜10時になったらスマホの電源を切ります。みんなにびっくりされるんですよ。「え?」って。俺は逆に「え、電源切らないの?」って思う。「俺は今日は誰とも(つながるのは)嫌です」って、電源切るんです。緊急ならパソコンのメールや家の電話もあるし。出かけるときだけ電源を入れる。切るっていいですよ。「もう受け付けません」「自分の時間です」って。

 みんな、SNSから自分のためになる何かを得ようとするから、のめり込むんでしょうね。本を読んだり、人と遊んだり、足で稼ぐことをやらなくなっている。これだけ個性的なのに、同じものを見て、同じところに向かっている気がする。これで個性を出すって、今の子は大変ですね。

そんなにつながりたいですか?


 ツイッターでフォローしている人はいません。人間関係のトラブルのもとなんでしょ、聞くところによると。「俺はフォローしたのに、してくんない」とか、「『いいね』をくれない」って怒る上司がいるとか。だから最初からゼロが一番なんですよ。めんどくさいことはやらない。

 フェイスブックをやらないかと誘われた時も、「やらない」って言いました。そんなにつながりたいですか? やらない人はダメとか、入ってない人は友達がいないとか、全然思わないですね。つながりすぎてしんどいって悩んでる人だっている。リセットの日を作ったらいいと思うんです。「みなさん、1回整理しませんか」って。

「物言わぬ支持者」はいる


 電話番号だって、「これまだ使えてんのかな」っていうのばっかりじゃないですか。相手に2年連絡しなかったら、まあいらない。何か自分の役に立つかもしれないからってつなげておく、その欲がトラブルのもとですよ。そういうヤツから、ねずみ講の電話がかかってくるんですよ、たまに。「布団買って」とか。ろくなことがないですよ。

 リツイートの数も振り返らないです。だってツイートの内容にもよるし、時間帯にもよる。悪口を書いてくる人もいるけれど、「物言わぬ支持者」がいるのが常。何も押さない人、リツイートもしない人がほとんどで、その「物言わぬ支持者」を俺は支持するから、押す人という狭い中の数字は、どうってことない。その評価が標本調査だとも思わないですね。(聞き手・荻原千明)

つぶやきしろー

 1971年、栃木県出身。94年にホリプロお笑いオーディションに合格。栃木弁でぼそぼそとつぶやく芸で知られ、「イカと醤油(しょうゆ)」などの著書もある。

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