1000万円貯蓄を目指したい理由とは何?
「1000万円貯蓄」と聞くと、果てしない道のりだと感じませんか? でも、100万円ではなく1000万円の貯蓄をゴールにした方がいい理由が2つあるのです。
1つ目は、マイホームなど、大きな買い物をするときに非常に有利だから。例えば3500万円の物件を買う際に、頭金が1割なら350万円、2割なら700万円が必要で、頭金が多ければ多いほど、総返返済額は少なくなりオトクです。
また諸経費も300万円程度必要です。マイホームだけでなく、リフォーム、車の購入、子どもの教育、海外旅行など、1000万円あれば選択肢はどんどん大きくなります。
2つ目は、貯蓄習慣が確実に身につくから。「100万円貯蓄」がゴールだと、「100万円貯まった時点で安心してしまい、旅行などの大きな出費でほとんど消えてしまった」という話をよく聞きます。ところが1000万円貯蓄であれば、少々使ってしまってもなくなりません。また1000万円貯蓄のためには、日々の習慣を大きく見直す必要があるので、「貯めるクセ」が確実に身につくのです。何より、1000万円という4ケタのお金を貯めた事実は、あなたの自信になります。
では、1000万円貯めるための方法を3つのステップで考えていきましょう。
ステップ1 いつまでに貯めるかの「ゴールを決める」
やみくもに貯めるのではなく、5年後まで、10年後までなどとゴールを決め、マイホームやリッチな海外旅行など、使い道もイメージしましょう。ゴールを決めれば、自動的に1年ごと、1カ月ごとの貯蓄ペース配分が決まります。もし、今貯蓄ゼロ円で、7年後に1000万円貯めたければ、1年あたり約150万円、1カ月あたり約12.5万円の貯蓄ペースになります。
すでに300万円貯蓄があって、5年後に1000万円貯めたければ、1年あたり140万円、1カ月あたり約12万円の貯蓄ペースになります。
こう考えると、意外と1000万円貯蓄は実現可能に感じるのではないでしょうか?
ステップ2 「先取り貯蓄」で毎月確実に貯めていく
貯蓄ペースがわかったら、「先取り貯蓄」で毎月確実に貯めていきます。「お金が残ったら貯める」というのはNG。それではいっこうに貯まりません。月々のお給料が入ったら、強制的に貯蓄に回しましょう。
例えば、貯蓄0円から7年後に1000万円貯めたい場合は、1年あたり約150万円、月々12.5万円の貯蓄ペース。これが大変ならゴールまでの期間をのばしてもいいですし、ボーナスがあれば加えるのも手。ボーナスで年間50万円貯蓄できれば、月々の貯蓄は約8.3万円とぐっと抑えられます。
このお金を先取り貯蓄するのですが、会社に制度があれば「財形貯蓄」が断然オススメ。会社によっては金利を少し上乗せしてくれているところもありますし、何より自動的に貯蓄分がひかれてお給料が手に入るので、貯蓄の痛みをほとんど感じないからです。会社に制度がない方は、銀行の「自動積立定期」でお給料が入る翌日に設定すれば、給与天引き感覚で確実に貯められます。
ステップ3 100万円を超えたら高金利のものに預け替える!
貯蓄が増えはじめたら、金利が高いものに預け替えることを忘れずに。特に、大手銀行の自動積立定期は金利があまり高くないので、「ネット定期」がオススメです。ボーナス時期に金利アップキャンペーンをするネット銀行が多いので、その時期を狙って預け替えるとオトク。ただし、5年定期などと長いものではなく、6ヵ月や1年定期など、短いものに。もし今後、金利が高い商品が出てきたときに、預け替えのチャンスを失わないようにするためです。
貯蓄初心者なら、この3ステップだけでOK。やるべきことがシンプルで、今すぐ実践できるのではないでしょうか。
貯蓄中級者なら、金利の高い他の金融商品を選ぶのも一案。確実に増やすのが目的なので元本割れのリスクが低いものに。個人向け国債、格付けの高い社債などを検討しましょう。
また、この1000万円貯蓄のゴールを目指すために、特に注意したいのが「我慢して節約しすぎないこと」。貯まる人はストレスが少なく、日々の小さなことにも楽しみ・喜びを感じていて、貯まらない人は、ストレスが多く、お金を使うことで発散しがちな傾向にあります。貯蓄じたいがストレスになり、その発散で散財してしまっては、せっかくの貯蓄の努力がムダになりますよね。
そのために、年に数回はマイご褒美をあげましょう。また、多少貯蓄ペースがズレても、「もう無理だ!」と投げ出さず、そこから計画を立て直しましょう。1000万円貯蓄は、達成してしまえば意外とできるもの。ぜひ、トライしてみてくださいね!
文:西山 美紀