反感を買いやすい人の会話のパターンとは?
会話で反感を買いやすい人の話し方には、いくつかのクセがあることに気が付きます。
なかでも目立つのは、相手が言った言葉を最後まで聞かず、途中で自分の意見を差しはさむクセ。相手が話しきっていないのに、「そりゃ駄目だよ」「そんなのムリだよ」などと批評めいた言葉で話をちょん切ってしまうパターンです。
本人は無意識でやっているのですが、こうした応答をされると、話をしていた方は屈辱的な気分になります。「最後まで聞いてないのに批判しやがって」という恨みまで持たれてしまうことも少なくありません。
悪気もないのに、こんなささいなやりとりで人間関係を壊してしまうのは、もったいないですよね。では、会話の際には、どんな点に気をつけるといいのでしょうか?
どんな話も、一度「ど~んとキャッチ」する
まずは、相手の言っていることを、一度「ど~んとキャッチ」すること。「会話はキャッチボール」と言われるように、相手の言葉をキャッチする前に、バットで叩き飛ばしてはいけないのです。
相手の話がどんな内容であれ、一度キャッチしてみましょう。「何を言い出すんだ?」「おいおい、そうじゃないだろ!」と思っても、その気持ちは脇に置いておいて、とにかく相手の言葉を心のミットで「ど~んとキャッチ」します。
さらに、受け止めながら、「お~! そうなのか!」「うん、うん」「それは大変だったね」といったあいづちの言葉を送っていくと、相手は「しっかり話を聞いてもらえてる」という実感を得ることができます。
「でも」を使わず、「質問調」で切り返す
相手の話を聞きながら湧く、「それは違うんじゃない?」「こうした方がいいんじゃない?」という意見は、相手の話をしっかり最後まで聞いた後に伝えましょう。
その際に気をつけたいのが、なるべく「でも」を使わないことです。「でも」を多用すると、相手は自分の意見が否定されたように感じてしまうからです。さらに、「質問調」で切り返すと、相手の気持ちを害さずに自分の意見を伝えられるので、お勧めです。2つ例をあげましょう。
●1. 相手から「○○さんってひどい!」と聞いたときに、「でも、それは誤解だよ」という意見を返したいあなた。それをそのまま伝えずに、「誤解ってことはないかな?」と質問調で返してみましょう。
●2. 「○○って安くてお得だよね」と聞いたときに、「でもその商品、品質が悪いよ」という意見を返したいあなた。それをそのまま伝えずに、「その商品、品質の方はどうかな?」と質問調で返してみましょう。
まず、「でも」という言葉がないために、批判めいた感じがなくなります。さらに、意見を質問にして相手に再考してもらうことによって、相手は「批判、否定された」という印象を受けなくなります。こうした切り返しなら、相手は素直にあなたの意見を聞き、参考にしてくれると思います。
話の聞き方、意見の伝え方一つで、人の気持ちは変わります。ちょっとした心がけで人間関係が好転しますので、ぜひトライしてみてください。
文:大美賀 直子