収納の悩みというのは尽きることがなく、モノを捨てるだけでは解決できません。ひと山越えたその次にやってくるのが、しまい方の問題。
モノの多少に関わらず、収納道具を買わなくても、いい具合に収まる方法を取り入れましょう。
本棚には同じサイズの本を並べる
本を並べるときに気遣っていることは何でしょう。そのこだわりが所有者の個性と重なり合うので、本棚を眺めればその人が分かると言われています。作家別であったりジャンル別にしたりして、自分流にアレンジすると読みたい本がすぐに見つかるので、機能的でもあるのです。
見た目を美しく整えようと思ったら、書店のように文庫本、単行本、コミック、雑誌といった版型別に立てて並べるのが基本です。実はこのやり方にすると、本を無駄なくしまえるというメリットもあります。
ただし、棚一段ごとに版型を揃えて並べること。一段に文庫本と単行本の両方を並べるのは、スペースが無駄になってしまうからです。
とは言え、都合よく収まるように持ち合わせているわけではないので、もしも版型がまちまちになっている状態であれば、ジャンルよりも版型優先で段ごとに並び替えをしてみましょう。
一段に収まる冊数を割り出して、そこに並びきれる分量に調整するのが理想なのですが、手持ちの本と棚一段ごとの冊数が合わないなら、棚に残された余白に積んでおくといった例外的なやり方をするしかありません。その場合でも、せめて背表紙が見えるようにしておきましょう。
引き出しでは衣類を同一サイズにたたむ
衣類をたたむのは手間がかかります。そのためハンガーに吊るすという人が多数派。家で洗える衣類は、乾いたらそのまましまって家事を時短するのが人気です。とは言っても、ハンガーを掛けておけるパイプの長さには限界があります。ハンガーに掛けるのはコートやジャケット、スーツなど型崩れさせたくないものを優先させましょう。使用するハンガーのメーカーと並べる向きを揃えておくと、たくさんしまっても見つけやすく出し入れのしやすい収納になります。
収納量は、たたむことと引き出しにしまうことを組み合わせると増やすことができます。
たたむ衣類というのはシャツやブラウス、ニット、ジーンズなどカジュアル系のもの。たたみ方のポイントは、仕上がりを同じ大きさにすること。
引き出しの幅と深さに合わせてたたんだ見本を1点用意して、それにならって機械的に作業をすればいいのです。そうすれば、引き出しの空間に無駄なく収められるので、しまえる数が増えます。
ちなみに、引き出しを使う理由は、収納場所の奥行きが有効に使えて収納量を増やせるからです。
ついでに、ソックスのしまい方を見直してみませんか? 左右をペアにして足首のところでクルリと裏返すやり方にすると、ポンポンと投げ入れるようにしまえるので便利なのですが、意外とかさ張りがちです。ところが、ただ単に左右を揃えて折りたたむと、わずかですがしまえる数が増えます。
下駄箱は幅に合わせて並べ替える
靴は、本と同じく圧縮して収納量を増やすということができません。少しでも多く棚に並べたいときに、左右の靴を上下に重ねるという方法があります。
高さがわずかに必要となるのですが、1足分で2足置けるので収納量の増加につながります。ただし型崩れの恐れがあるので、大事な靴にはおすすめできません。
それ以外には、左右をずらしながら並べていくやり方があります。靴の幅というのは、男性か女性か、大人か子どもか、デザインやスタイルなどの条件で違うため、棚板の幅に対して無駄なくしまうことが難しいのです。けれど幅の無駄をなくすことを頭に入れて、靴の種類と並べ方を変えることで収納量を増やすことができます。
モノを減らしても収納をゼロにするわけにはいきません。限りあるスペースを上手く活かして、文字通りスッキリと暮らしましょう。
文:すはら ひろこ