玄米=ヘルシーというイメージがあり、口コミや体験談を見るとダイエットに成功した、痩せた、という意見があるもの、ダイエットにいい本当の理由が分からずに行っている人も少なくありません。
また、玄米の味に食べ慣れない、食感や香りが苦手で続かずに失敗してしまったという声も多く聞きます。実際、もちもちと甘い白米とは違って、上手く炊けないと硬くボソボソし、独特のニオイがあるのも事実。いくら体に良いと言われても、食べるのが苦痛になってしまっては続けるのは難しいものです。
そこで、改めて玄米の栄養成分とダイエットにいい理由を解説しつつ、玄米をおいしく食べながらヘルシーダイエットを成功させるコツやレシピ、献立を紹介します。
白米と比較! 玄米の栄養成分とダイエットにいい理由
玄米は、白米に比べてビタミン、ミネラル、食物繊維を豊富に含んだ完全栄養食と言われますが、それはなぜでしょうか。
玄米は、籾殻のみを取り除いたお米のことで、ぬかや胚芽が残った状態を言います。白米は、玄米を精白し、ぬかや胚芽を取り除いたものです。つまり、ぬかや胚芽にこそ、ビタミン、ミネラル、食物繊維といった栄養が豊富に含まれています。
ここで、玄米と白米の成分比較(100gあたり)を見ていきましょう。(出典:五訂増補日本食品標準成分表)
同じ重さで比較すると、玄米には白米の約6倍もの不溶性食物繊維が含まれていて、ビタミンやミネラルなど、食べ物を消化し代謝する働きのある栄養素が豊富なことが分かります。
それによって、以下のようなダイエットにいい効果が期待できます。
■便秘解消
玄米は、白米よりも食物繊維が豊富。とくに不溶性食物繊維は、お腹の中で水分を吸収して膨らみ、腸へ刺激を与えてぜん動運動を促進し、便秘解消に役立ちます。
■代謝アップ
玄米は、白米に比べてビタミンやミネラルを多く含みますが、中でも糖質の代謝を活発にするビタミンB群には、脂肪の蓄積を抑える働きが期待できます。
■アンチエイジング
玄米に含まれるビタミンEには強い抗酸化作用があるため、活性酸素の発生を抑えて老化予防に役立ちます。
玄米ダイエットのやり方、成功率を高めるおかずや献立選び
玄米をダイエットに摂り入れる方法としては、1日3食(または、1日1食からでも可)の主食を、白米から玄米に置き換える方法が一般的です。結果、3日から1週間、遅くとも10日間程度で、便通などを体感できる方が多いようです。
しかし、比較表から分かるように、玄米と白米とではエネルギー(カロリー)や炭水化物(糖分を含む)は、ほとんど違いがないため、「玄米はいくら食べても太らない」「玄米を食べれば、おかずは何を食べてもいい」とは言い切れません。
主食の白米を玄米に置き換えることで、少ない食事でもバランスよく栄養を摂れるというメリットを活かし、それ以外のおかずを工夫するのが重要です。いくら主食を玄米にしても、おかずとして「揚げ物」「糖分が高いもの」「塩分が高いもの」「カロリーが高く、栄養が少ないもの」ばかり食べていたのではダイエットには繋がりにくくなってしまいます。
玄米単体でも炭水化物・ビタミン・ミネラル・食物繊維・脂質がバランスよく含まれている完全栄養食なので、いつもよりおかずは少なめがよいでしょう。和食を中心とした脂質が少なく体にいいオイルやタンパク質を含む食材や発酵食品、例えば「焼き魚」、「納豆」、「おひたし」といった献立を意識して摂り入れましょう。
また、よく噛んで食べることも重要なポイントです。玄米は白米に比べて食物繊維が多いので腸にいい効果が期待できますが、噛む回数が少ないと消化不良を起こしやすい不溶性食物繊維も多く含み、かえって便秘を引き起こしてしまう可能性もあります。満腹中枢に刺激を与えるためにも、最低ひとくち30回は噛み、水分をたっぷり摂りながら食事をするように心がけましょう。
おいしい玄米の炊き方
最近の炊飯器は「玄米モード」機能があるので、玄米を炊く際はそれぞれの機種の説明に従い、内釜の玄米の線に従って水を入れましょう。目安は、玄米2合に対して、水は600cc程度となります。
また、玄米は白米よりも水分を吸収しにくいので、炊く前にしっかりと6時間以上、浸水させるのがおいしく炊けるコツ。夏場は水も傷みやすいので注意しましょう。また、浸水時に少量の塩(米1合に対して0.3g程度)を加えると吸水がよくなります。
白米:玄米の割合を2:1にする場合、水は白米を炊くときよりやや多めにします。白米と玄米を混ぜた状態で浸水は2時間以上にして、炊飯器で白米モードで炊くのが最もシンプルかと思います。
玄米の独特な香りや食感が苦手という方には、「酵素玄米」や「トマト炊き込みご飯」がおすすめ。炊き方・作り方を紹介します。
玄米ダイエットレシピ「小豆入り酵素玄米の作り方」
<材料>
・玄米…3合
・小豆…30g
・天然塩…小さじ1
*塩加減や小豆の量は好みに合わせて調節可能
■炊飯器で炊く場合
1. 玄米を軽く水洗いする。
2. 炊飯器にすべての材料を入れて、泡だて器を使い8分間ほどゆっくりと混ぜる。
3. 炊飯器の玄米炊きの目盛に水の量をセットし、スイッチオン。
4. 炊き上がった後、保温モードのまま3日間おき、1日1回、軽くかき混ぜれば完成。
■圧力鍋で炊く場合
1. 玄米と小豆を1時間水につける。
2. 天然塩と水(玄米と同量)を入れる。
3. 圧力鍋で中火で30分火にかける→火を止めて20分→圧力を抜いてから1時間蒸らす。
4. 保温ジャーに移して3日間置いておけば完成。1日1回、軽くかき混ぜる。
※小豆を柔らかく仕上げた状態を高温多湿環境に放置すると腐敗を促すので注意しましょう。
※保温する際、雑菌が入らないよう注意しましょう。炊飯器のお釜や蓋を80度以上10分以上で煮沸する、アルコールまたは塩素消毒をするなどの方法がありますが、家庭ですべてがうまくいく温度環境を作り出すのは難しいので、ご自身の判断の上で行いましょう。
玄米ダイエットレシピ「トマト炊き込みご飯」
<材料>
玄米:2合
ミニトマト:8~10個
☆だし汁
昆布だし:2カップ
酒:大さじ1
醤油:小さじ1
塩:適量
<作り方>
1. 洗って浸水させた玄米を炊飯器に入れ、だし汁を入れて玄米炊き機能をセットする。
2. ミニトマトを玄米の上に乗せて炊けば完成。
さて、主食として食べるなら炊くだけでOKですが、おかずとして摂り入れるのもおすすめです。玄米独特の噛みごたえを利用し、飽きずにおいしくバリエーション豊かに食べられる玄米レシピを紹介します!
玄米ダイエットレシピ「玄米サラダ」
<材料>
玄米:1カップ
もち麦・黒米・キヌア:1/2カップ
きゅうり:1/2本
紫タマネギ:1/4個
ミニトマト :5個
カッテージチーズ:適量
ナッツ類:適量
塩・コショウ:適量
レモン汁 大さじ:1杯
オリーブオイル:大さじ1杯
<作り方>
1. 炊いた玄米と茹でたもち麦・黒米・キヌアはさっと水洗いする。
2. 野菜はすべて角切りにし、ナッツは包丁で叩いて細かくする。
3. すべての材料をボウルに入れ、塩・コショウ、レモン汁、オリーブオイルを加えて合えて完成。
玄米ダイエットレシピ「玄米ミートボウル」
<材料>
炊いた玄米:お茶碗2杯弱
人参:1/2本
タマネギ:1/2本
きのこ類:適量
ニンニク:適量
片栗粉:大さじ1
塩コショウ:適量
味噌:小さじ1
醤油:小さじ2
みりん:小さじ1
パセリ:適量
オリーブオイル:大さじ1半
☆トマトソース
トマトホール:1缶
野菜ブイヨン:適量
味噌:適量
<作り方>
1. 野菜をみじん切りにし、フライパンで炒める。
2. ボウルにトマトソース以外の材料を入れて混ぜ合わせてボール状にし、フライパンで焼いて焦げ目をつける。
3. トマトソースの材料を鍋に入れて火にかけ、お皿に盛った2にかけて完成。
玄米ダイエットレシピ「カレー玄米レタス包み」
<材料>
炊いた玄米:茶碗2杯
人参:1/4本
タマネギ:1/4個
木綿豆腐:1/4丁
生姜:みじん切りひとかけ分
☆合わせソース
カレー粉:適量
醤油:適量
酒:大さじ3
みりん:小さじ3
オリーブオイル:大さじ1
レタス:1/2個
<作り方>
1. フライパンにオリーブオイルと生姜を入れて、香りが出たら人参、タマネギ、水を切った木綿豆腐と玄米を加えて炒める。
2. 全体に炒められたら、合わせソースを加え、ゆっくり炒める。
3. レタスの葉をお皿替わりにして盛りつけ、完成。
以上、玄米ダイエットを成功に導く知識やコツ、レシピなどを紹介しました。ちょっとした工夫で様々なアレンジができるのも玄米の魅力です。主食を徐々に玄米に変えるだけで、ダイエット効果や美容効果を実感できるかもしれません!
文:和田 清香(ダイエット・ボディケアガイド)