自分の恋愛経験からアドバイスをする親
私の結婚相談所には、幅広い年齢層の女性の方が相談にいらっしゃいます。特に多いのは30代の女性で、全体の約70%を占めますが、実は彼女たちがなかなか結婚できない理由のひとつに、親の影響があるのです。
親の世代が恋愛や結婚であーだこーだしていた頃と今とでは、社会情勢がまるっきり違っています。現代における男女の社会生活や仕事の環境、恋愛や結婚の傾向などは、親の時代からするとまるでSF未来小説のようなモノです。
女性はバリバリ働いていて社会的に自立でき、実力次第では男性の部下を率いる男女平等の時代。その傾向も影響して、いわゆる「草食男子」が増えているため、現在の女性は待っているだけでは結婚どころか恋愛もできません。
親世代が、昭和の時代の恋愛や結婚スタイルを、平成育ちの娘にアドバイスしてもまったく話になりません。それだけ現実は厳しいのです。親のアドバイスには耳を貸さず、専門家に任せましょう。
娘と仲のよすぎる母親
あなたは母親とどのくらい仲がいいですか? もちろん仲が悪いよりは、仲良しの方がよいですが、度を超して仲がいいのは問題です。
仲良くなりすぎて「友達親子化」しているパターンが増えているのです。親の主導で休みを合わせて買い物に出かけたり、恋人とのデートよりも親との食事を優先したりしていたら要注意です。
仲がいい親がいつも近くにいると、恋愛の必要性や恋人のいない寂しさを感じることがなくなってしまうからです。その結果、結婚願望が徐々に薄れ、気がついたときには手遅れに。
特に専業主婦の母親は、子育てが人生の中心です。子供に恋人ができたり、結婚したりすることを寂しく感じるのは仕方がありません。かといって自分の寂しさを紛らわせるために、いつまでも子供と一緒ではいけないのです。親離れ、子離れはお互いのためです。
愛情が深すぎるイクメンの溺愛父親
日本では現在、社会全体でイクメンを推奨しています。 とは言っても、子煩悩な父親というのは昔からいました。イクメンパパがおむつを替えたり、ミルクをあげたりなど子育てに積極的に協力する。このくらいの子煩悩イクメンはいいことですが、度を超した“溺愛”となると子供にとってはいいことだけではありません。
父親が娘を可愛がりすぎていつまでも子供扱い、そして過保護に過干渉。その結果、父親がいつまで経っても子離れできないのです。子供は成長しているにもかかわらず、頭の中の感覚は一番可愛かった赤ちゃん~幼少期のままなので、娘の恋愛や結婚なんて想像することができません。
娘は娘で溺愛パパに育てられると、無条件で愛してくれて何でもやってくれる、「父親のような男性」が理想となってしまいます。これでは一生結婚なんてできません。
「まだ結婚しなくてもいいのよ」が口癖の母親
娘が20代を過ぎて30代になると同時に、当然ですが母親も歳を重ねていきます。娘の年齢が35歳を過ぎた頃、初めて娘の結婚を気にする親がいます。あわてて結婚相談所や合コンなどの情報を、娘にアドバイスする母親はまだいい方です。
こんなとき、ダメな母親はさっさと娘の結婚を諦め「ずっとお母さんのところにいればいいのよ」などと自分の側に置いておこうとするのです。追い打ちをかけるように、結婚のマイナス情報や、出ていかれるとどれだけ悲しいかなどを娘に語り、娘の結婚願望を抹消する親もいます。
ここまでくると、娘の生活の援助をする代わりに、自分の老後の面倒を見て欲しいと思い始めるようです。この手の母親は娘との生活が長すぎるため、娘無しでは今後の生活が考えられなくなってしまうのです。思い当たるあなた、要注意ですよ。
娘の恋愛になにかと干渉する親
父親が娘の彼氏について、ぶつくさ言うのはよくあることです。そんな父親とは正反対に、母親が娘の恋愛を応援するのもよくあること。しかし、娘の将来を心配しすぎて、恋愛を応援しつつ、口を出しすぎる母親は困りものです。
ことあるごとに娘の恋愛が気になってしまい、相手の男性のことを根掘り葉掘り訊いてしまう母親。恋の悩みを聞いているうちにどんどん干渉するようになり、最終的には相手の男性について母親のチェックが必須になってしまうことに。
娘の恋愛が上手くいかなかった時に「あなたは悪くない」「結局その程度の男だったのよ」「彼よりもっといい人が見つかる」と慰めてしまう親。それを聞いたあなたは「自分は悪くない、相手が悪い」と責任転嫁して、ますます恋愛不自由になってしまうのです。親の意見を聞きながらも、しっかりと自分を見つめることが大切です。
娘の恋愛、結婚をダメにしてしまう親のNG行動を紹介しました。あなたのご両親は大丈夫ですか? 親はいつか亡くなるのです。それもたいていは、あなたより先に旅立ちます。あなたが結婚できなかったとしても、その後の人生に何の責任もとってくれません。
恋愛も結婚も、すべてあなたの人生なのですから、自分の力で相手を見極め、自己責任でお相手を探しましょう。いつまでも親がかりでは万が一結婚できたとしても、いつまでも親が出しゃばり、あなたの結婚生活にまで影響することになります。もう一度、客観的にご両親を観察してみてください。
文 : 植草 美幸