マーズ・リコネッサンス・オービターの「HiRISEカメラ」は過去12年間に渡って、"火星の地表の様子"を約5万枚ほど撮影。この画像はオンラインで公開されており、写真だけに飽き足らなかったフィンランドのフィルムメーカー・Jan Fröjdmanさんは、これらの写真を繋ぎ合わせた動画を制作しました。
映像はJanさんが自ら選んだ画像を3Dに変換し、画像の参照点をつなぎ合わせていったもの。合計で約3万3000ポイントもの参照点を手作業で選定していったそうで、制作に3ヶ月かかったといいます。制作されたビデオを確認すると、まるで実際の火星の上空を飛んでいるかのような感覚になるかもしれません。
ニューカッスルの不妊治療クリニックに、母親の病気が遺伝するのを避けるため「3人親法」で体外受精の技術を実施する許可が与えられました。ミトコンドリアに異常がある母親の卵子から核を抽出し、健康なミトコンドリアを卵子にもつドナー女性の卵子核と交換移植するというものです。
この方法は「卵子核移植」などと呼ばれ、多くの論争を巻き起こしてきましたが、イギリスのヒト受精・胚研究許可庁(HFEA)は、"臨床目的"でのこの技術の安全性を認め、同病院に許可を与えたとのこと。英紙によると、2018年の初めにも3人の親を持つ赤ちゃんが産まれる予定だといいます。
高温、極低温など過酷な環境下でも生き延びることができる最強生物・クマムシ。「Molecular Cell」で発表された論文によると、クマムシから天然変性タンパク質をつくりだす遺伝子が発見されたといい、過酷な環境でも生き延びられるのは、このタンパク質があるおかげということが明らかになったそうです。
この遺伝子の発現を減らすと、クマムシは乾燥状態で十分に生きることができないということも判明したとのこと。これについて研究者の1人は「このようなタンパク質をもっていないバクテリアや酵母といった生命体に移植すれば、それらの乾燥耐性がぐんと高まるでしょう」と説明しており、WIREDでは「ほかの生命体を100倍強くすることができる」ともしています。
2016年にはクマムシが放射線からDNAを守るタンパク質をもっていることも判明。研究が進み、生物の持つ耐性の仕組みが解明されれば、今後の予防医療などに役立つ可能性があるとされています。
火星に存在する2つの衛星のフォボスとダイモス。このうち大きい方のフォボスは、火星の「環」の再形成というサイクルの一部だという研究が、パデュー大学の大学院生・Andrew Hesselbrock氏により発表されました。
Hesselbrock氏が計算した最新モデルによると、かつてフォボスは43億年前の火星への巨大衝突によって引き起こされた環だったのだそう。そして現在のフォボスも、火星に接近することで再び環になる可能性があり、火星の2/5を覆うボレアレス盆地がその衝突の痕跡だとされているようです。
NASAが、宇宙の過酷な環境で人間にできない作業をするためのロボットを開発中。中でも二足歩行が可能なヒト型ロボット「R5」(別名:ヴァルキリー)は、人類による火星移住計画を大きく下支えする重要な役割が与えられる予定だそうです。
額にはマルチセンシングカメラを搭載。胴体にも別のカメラが備わっており、別の角度からの映像を組み合わせることで、周囲の状況を立体的に認識できるのだとか。4本指を持った手首は修理中で、現時点では全身に32カ所の可動域を持っているといいます。なお、1体あたりの費用は約2億2,000万円するそう。
"ヴァルキリー"は、DARPAが主催するロボットコンテスト「DRC」に出場するため、2013年にNASAのジョンソン宇宙センターで誕生。その後、NASAの100周年プロジェクトとなる「SRC」の競技用ロボットとして、MITとノースイースタン大学の研究者に提供されました。現在もブラッシュアップ中とのことです。
地球の地磁気を観測している人工衛星が、超音速のプラズマジェット流の存在を裏付ける内容の観測に成功しました。このプラズマジェット流は地球の大気圏の上部に存在し、大気の温度を最大で約1万度にまで加熱する働きがあります。
カルガリー大学の研究チームは、3機の人工衛星で大気圏上層で発生するとされていた巨大な膜状の電流層の観測に成功。この電流は、熱波に襲われて電力消費量が増大したニューヨーク一帯で消費される電力の30倍にもおよぶ規模だそうです。
新種のカニ「HABERMA TINGKOK」が、香港で発見されました。体長は1センチ未満と小さく、木を登ることが特徴で、ZooKeysジャーナルで公開された現地調査レポートによると、約1.8メートルの高さまで登ることができるそうです。
このカニはシンガポール国立大学のPeter Ng博士とそのチームによって15年前に発見された、「HABERMA」属に所属します。なお、食べることはできないとのこと。
Google社のエンジニアリング部門ディレクターであるレイ・カーツワイル氏は、テキサス州で開催されたSXSWカンファレンスにて「2029年までに、コンピューターは人間並の知性を備えるようになります」と発言し、そのコンピューターを「人間は自分の脳に内蔵し、クラウドに接続するようになります」と主張しました。
かねてより、人工知能が人間の知性を超越する「シンギュラリティ(技術的特異点)」が、2045年にやってくると予想されていましたが、カーツワイル氏は16年も早まると予測。また、AIを恐れる必要はなく、むしろ機械を人間の脳に取り込むことによって「超人」が誕生すると語っているようです。
1990年代から147の予測を行い、的中率86%を誇っているカーツワイル氏。彼いわく、"人間の知能を上回る機械"を作る技術はすでに登場し始めているといい、「次のステップ」として脳との接続が考えられるのだといいます。
巨大すぎるにわとりを撮影した動画が、海外で話題になっています。首を前後に振りながら柵内を歩きまわる様子は、いかにもにわとりらしいのですが、その動きと体の大きさがあまりにも不釣り合いなものとなっています。
海外のSNSユーザーの間では、「怖い」「誰かウソだと言って」といった声が飛び交っています。中には「ニワトリじゃない。ニワトリの着ぐるみをかぶった42歳の大人だ」という意見も。
その一方で「ブラマという種類なのではないか」という指摘も現れています。米国の非営利団体「The Livestock Conservancy」によると、ブラマは品種改良から誕生したにわとりの一種で、体が大きく、一般的に体重が4~5キロまで成長するといいます。
2020年代に火星に人を送り込む計画が発表された現代において「火星には火星人がいる」という考え方は完全に否定されたものといえます。しかし、1900年代前半の宇宙科学では信じられていました。その起源は、たった一文字の「誤訳」によるものだそう。
イタリアの天文学者、ジョヴァンニ・スキアパレッリが、火星を観察した際に線状の模様を発見した際に、イタリア語の「canali」という単語を用いて表現。canaliは「筋」などを意味しているのですが、この単語がアメリカで「運河」を意味する「canal」と翻訳されたことから、「火星には運河が存在している」という考え方が一気に広まったといいます。