笹井氏自殺でネイチャー誌 「これは悲劇だ」
理化学研究所発生・再生科学総合研究センターの笹井芳樹副センター長の自殺について、STAP細胞論文を掲載した英科学誌ネイチャーは5日、「これは悲劇だ」とする同誌編集主幹の声明を発表しました。
声明は笹井氏が幹細胞や発生生物学の分野で、先駆的な業績を挙げた非凡な研究者だとした上で、「科学研究コミュニティーにとって多大な損失だ。ご家族や友人、同僚の方々にお悔やみ申し上げる」と結びました。
ネイチャーのニュースブログも「科学者の死で日本に衝撃」という記事を掲載しました。
自殺した笹井氏、3月に辞意 理研センター長へ申し出
理化学研究所発生・再生科学総合研究センター(神戸市)の竹市雅俊センター長は5日、センターで取材に応じ、自殺した笹井芳樹副センター長が「副センター長を辞めたい」と3月に竹市氏に申し出ていたことを明らかにしました。
竹市氏は「STAP細胞の論文問題が調査中だったため思いとどまったが、本人は強い責任を感じていた」と説明。笹井氏について「一緒にセンターを築き上げてきた。彼なしではセンターはできなかった」と話しました。
「心身とも疲れていた」 笹井氏自殺で理研が会見
STAP細胞論文の共著者の一人で理化学研究所発生・再生科学総合研究センターの笹井芳樹副センター長が自殺したことを受け、理研の加賀屋悟広報室長が5日午後、文部科学省で記者会見しました。
加賀屋室長は「電話やメールでやりとりはしていたが、普段とは違う様子だった。心身とも非常に疲れていた」と述べました。
また、加賀屋氏は、遺書のようなものは少なくとも秘書の机の上に2通あったほか、笹井氏が自殺を図った現場に3通あったと聞いていると明らかにしました。
理研に所属する笹井芳樹氏の自殺を受け、同研究所の野依良治理事長は5日、「世界の科学界にとってかけがえのない科学者を失ったことは痛惜の念に堪えません」とするコメントを発表しました。
また、笹井氏が指導していた小保方晴子氏の代理人弁護士は、小保方氏の精神面のケアについて「一番心配。早く対応したい」としました。
一方、STAP細胞論文の共著者山梨大の若山照彦教授は5日、大学を通じて「この件に関してコメントはない」と発表。報道陣への対応は予定していないもようです。
STAP論文共著者の笹井芳樹氏が自殺したことについて、同僚によると、笹井氏は論文問題後から心療内科を受診し、最近は薬の副作用ではっきりと会話することが難しかったと報じられました。
センターの男性研究者は「STAP細胞問題を一気に引き受け、責任を取ろうとしていた」と明かしました。また、理研は5日午後1時から、文部科学省で笹井氏の死去について説明することを明らかにしています。
突然の死去に、文科省幹部は「日本の再生医療の代表的な研究者だった。大変な損失だ」と落胆を隠せない様子を見せています。
5日午前、理研の笹井芳樹氏が自殺を図ったことで、関係者の間に衝撃が走っています。笹井氏をよく知る理研の男性研究員は、電話取材に対し「事実だとすれば言葉にならないぐらい驚きだ」と声を震わせながら答えました。
県警によると、笹井氏は階段の手すりに、ひも状のものをかけて、首をつっていました。午前9時すぎに110番があったとしています。
笹井氏は、再生医学の分野で世界的な注目を集める研究者でした。STAP細胞論文では、小保方晴子氏の論文執筆の指導や研究デザインなどに深く関与しています。
5日、神戸市の先端医療センター病院内で自殺を図ったとみられる理研発生・再生科学総合研究センター(CDB)の笹井芳樹副センター長について、死亡が確認されたと報じられています。
県警や理研によると、笹井氏は5日午前9時前、CDBに隣接する先端医療センター病院内で、ひも状のもので首をつっていました。また、同氏の研究室の秘書の机の上に、遺書のようなものが置かれていたことも分かっています。
笹井氏は、さまざまな疑惑が生じているSTAP細胞の論文の共著者。今年1月に理研が成果を発表した記者会見にも同席し、疑惑発覚後も、細胞が存在する可能性を強調していました。
兵庫県警によると、理化学研究所発生・再生科学総合研究センターの笹井芳樹副センター長が5日、神戸市内で自殺を図りました。救命措置中と報じられています。
笹井氏は4月、STAP論文の不正問題をめぐり謝罪会見を行い「論文に参加したシニアな共著者として、心痛の極み」とコメントしていました。
論文への疑惑が生じた当初から「STAP細胞のキーマン」とされていた笹井氏。ES細胞の権威でもあり、ES細胞から望む組織を作り出す過程の研究に大きな貢献をもたらしたことで知られます。
NHK会長、負傷の小保方氏に謝罪「ああいう取材はまずい」
NHKの籾井勝人会長が28日、デイリースポーツなどの取材に応じ、同局の報道スタッフが理研の小保方晴子氏に強引な取材を行い、全治2週間のけがを負わせたことに「誠に申し訳ない」と謝罪しました。
トイレまで追いかけるなどの強引な取材方法にも「まったくもって論外。ああいう取材体制はまずい。無理な取材は自重しなければいけない」との見解を示しました。
小保方氏は23日夜、STAP細胞の再現実験の帰りにNHKの記者やカメラマンに長時間追い回され、軽いけがを負っています。
NHKの取材で理研の小保方晴子氏が負傷した問題をめぐり、27日放送のNHKスペシャル「調査報告 STAP細胞 不正の深層」を見た代理人の三木秀夫弁護士は28日、「見るに堪えない番組」と批判しました。
三木弁護士は「小保方に批判的なコメントをしてきた研究者ばかりを集めて議論させるなど、偏向している」とし、「NHKは小保方に対する集団リンチの先頭を切っている」と不快感をあらわに。なお、小保方氏本人は番組を見ていないと話しました。
NHKは小保方氏への強引な取材を謝罪したものの、番組内容は「徹底取材を通して論文の不正の実態に迫る」とするなど、鋭く切り込む姿勢を見せています。