ファッションデザイナー・横森美奈子さんが50代からのおしゃれのコツをアドバイスする連載企画。今回のテーマは、痩せて見える服&シルエットです。立ち方・座り方・服の選び方次第で、誰でもすっきりスマートに見せられます!
50代60代女性の体型カバー!痩せて見えるコツは?
加齢とともに生じる体型の変化や体重の増減。50代・60代ともなれば、誰でも“体型コンプレックス”があるものです。
私自身、年を重ねるにつれ体のボリュームがアップし、体重60kg、服のサイズは13号。でも、私を見た人からは「そんなに太って見えない!」とよく言われます。
実際は痩せていないのに、私がスリムな印象(あくまで印象ですよ・笑)を与えているとしたら、それは体のシルエットをスッキリ見せる服の選び方や着方を徹底しているから。
そして「立つ」「座る」のポージングでスマートに見せる工夫をしているからです。
立ち方・座り方でこんなに痩せて見える!
特にポージングは、ちょっと気を付けるだけで、簡単に瞬時に体のシルエットを操作できてしまうので、やらない手はありません!
まずは、下の写真を見てください。日本人女性は「お行儀よく」と子どもの頃から言われてきたせいか、真正面に立って手を前で合わせ、上目遣いになりがちです。
でも、この立ち方は決してスタイルよく見えず、もっさりした印象を人に与えます。
立ち方のNG例:全体にメリハリがなく、上半身は丸く、太ももは太く見えています
それが、ほんのちょっとの工夫で、スマートな印象に変えられるとしたらどうでしょう?
下の写真のように、体をちょっと斜めにしただけでボリュームダウン。片足をちょっと前へ出すだけで、足の長さがプラスに。それだけでスタイルも印象もスッキリするでしょう?
立ち方のOK例:肩を少し斜めにし、片方のひじを体から離した空間が大切!
なので、私は日頃から、人に向かってこうやって立つ癖がついてしまっています(笑)。みなさんもぜひ鏡の前で、素敵に見える角度やポーズの研究を。ダイエットよりも即効性がありますよ!
写真撮影では“真正面を向かない”が鉄則!痩せ見えのポイントは?
写真撮影時のNG例:真正面を向くと、体のラインが出てしまう
証明写真以外にこのポーズは不要。ぴったりつけた腕や肩の丸みが出てしまっています。
写真撮影時のOK例:体を斜めにするだけで、スッキリ!
写真撮影では体を斜めにする習慣を。顔は光のある方に向け、少しアゴを上げると明るい印象に。
座り方も大事!足をずらして重ねるだけで足長効果アップ
座り方のNG例:足を揃えると太ももの太さが目立つ
バッグを抱え込み、足を引くと猫背になり、もっさり見えます。電車の中ならまだしも、人目のある場ではNG!
座り方のOK例:足をずらして重ねるとスリム&足が長く見える
片足を垂直に立て、もう一方は後ろに重ねればスッキリ! バッグは脇か、ひざの上なら寝かせて置きましょう。
スカートスタイルを痩せて見せるコツ!
続いては、スカートスタイルの場合です。スカートの場合も、パンツの場合同様に、真正面を向かないで足を前後にずらして立つと、スッキリ見えます。
特に、O脚ぎみの人は足をそろえて立たないこと。足の形が強調されてしまいます。
スカートの場合の立ち方NG例:足をそろえるとO脚が目立ってしまう
また、無防備すぎる「仁王立ち」は、脚の形や太さが目立ち、たくましく見える原因に。
スカートの場合の立ち方NG例:仁王立ちはたくましく見える原因に
足を前後にずらし、ひざを少し重ねると、足の形や太さが気になりません。
スカートの場合の立ち方OK例:足を前後にずらしてひざを重ねる
猫背は着痩せの大敵!両肩を後ろに引いてアゴを上げる
両足をそろえて、まっすぐ立った姿をシルエットにすると、“ずん胴”で太って見えてしまいます。
スカートの場合の立ち方NG例:猫背は太って見える原因!
アシンメトリーなポーズで、ウエストのくびれが出現! さらに、アゴを少し上げれば、明るく元気な印象に。
スカートの場合の立ち方OK例:体を斜めにすると、ウエストがスッキリ
「服の面積=体の面積」服のシルエットに気を付けて
最後にご紹介するのは、着痩せして見える服の選び方です。
体型を隠そうと全身ゆったりした服を着ると、かえって体を大きく見せてしまうことも。上半身か下半身、どちらかの面積をコンパクトにすると、メリハリがついて、グッと引き締まって見えます。
とにかく、服や体を“シルエット”でとらえる習慣をつけましょう。
ゆったりした服で体型を隠すのはNG!
上下ともダボッとした服を着ると、服の面積分、体が大きく見えます。シルエットを見れば、一目瞭然!
体型カバーの服選びNG例:上下ともにゆったり服は逆効果!
着痩せして見えるコツは、一方をコンパクトにまとめてバランスを取ること。ゆったりシャツはタンクトップと重ねて、すっきりめのワイドパンツを合わせれば、バランスよく痩せて見える服装に早変わり!
体型カバーの服選びOK例:シャツとパンツの面積を調整して全身にメリハリを
ゆったりシルエットのキュロットには、ジャストサイズのトップスを合わせてメリハリを。グッとスリムな印象に。
体型カバーの服選びOK例:トップスをコンパクトにするとこんなにスッキリ
我が身を挺しての“痩せて見える服&シルエット実践編”、いかがでしたか? 痩せて見えるか、太って見えるかは、実際の体のシルエットではなく、服のシルエットで決まります。
スタイルよく見せるためのポージングはお金もかかりません。日々、研究あるのみです!
構成=五十嵐香奈(ハルメク編集部) 撮影=日高奈々子
※この記事は雑誌「ハルメク」2020年8月号に掲載された内容を再編集しています。