犬と人は同じ哺乳類ですが、体のつくりはまったく違いますよね。骨格も大きく異なるため、人にはあって犬にはない骨や、逆に犬にしか存在しない骨もあるのです。今回は、あまり知られていない、犬の骨に隠されたヒミツをご紹介します。
質問:人にはあって犬にはない骨ってあるの?
引用元:いぬのきもち投稿写真ギャラリー
回答:あります!
人にはあって犬にはない代表的な骨は「鎖骨(さこつ)」です。人の鎖骨は存在感のある骨ですが、犬の鎖骨はほとんど見えないくらい小さくなっています。
鎖骨は腕の上下左右に動かすために必要な骨ですが、犬は長い距離を速く走るため、上下左右ではなく、「前後に素早く」動かせるように進化しました。左右の動きが不要になったことで、役割を失った犬の鎖骨は徐々に退化していったのです。
質問:人にはない犬ならではの骨はある?
引用元:いぬのきもち投稿写真ギャラリー
回答:たくさんあります!
例えば、犬の頭頂部にある「外矢状稜(がいしじょうりょう)」と呼ばれる出っ張り状の骨。これは固い物を噛むときに使う顎の筋肉を支えるための骨で、ウサギやゴリラなど、ほかの哺乳類にも見られますが、噛む力が弱い人にはありません。
また、犬のオスがもつ生殖器には、「陰茎骨(いんけいこつ)」と呼ばれる棒状の骨が入っています。これは交尾をしやすくするための骨で、猫・サル・ネズミなど、多くの哺乳類にも存在する骨です。むしろ、人にないことのほうが例外であるといわれています。
ちなみに、犬と人の骨格の違いは、直立二足歩行と四足歩行という歩行方法の違いや、食性の違いから生じたものだと考えられています。
質問:犬のしっぽや耳にも骨はあるの?
引用元:いぬのきもち投稿写真ギャラリー
回答:あります!
犬のしっぽには「尾椎(びつい)」と呼ばれる骨が先端まで入っています。また、しっぽには骨だけでなく、動かすための筋肉や尾骨神経も通っているため、犬はしっぽを自在に動かして、気持ちを表現することができるのです。
一方、犬の耳は軟骨でできています。そのため、触ってみるとわかるとおり、弾力性は抜群です。
意外と知られていない、「犬の骨」のヒミツ。ご紹介した豆知識以外にも、犬の骨にはまだまだたくさんのヒミツがあります。犬の魅力の再発見につながるかもしれません。
参考/「いぬのきもち」2017年11月号『コツコツ読み解いて 犬の骨のヒミツを知ろう!』(監修:大阪府立大学名誉教授 医学博士 獣医師 佐々木文彦先生)
文/higarina
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。