女優、モデルの飯豊まりえが7月スタートのドラマ「マジで航海してます。~Second Season~」で約1年ぶりに主人公の航海士・坂本真鈴を演じている。
最近では女優、モデル、バラエティーの司会と引っ張りダコ。順風満帆な”航海”に思えるが、インタビューでは自身の顔へのコンプレックスがあったことなど悩みも明かす。
凹みながらも、自分らしさを見つけた20歳の今を聞いた。
――1年ぶりの「マジで航海してます。」。続編を聞いた時の率直な感想はどうでしたか。
私たちの代の学園ドラマって続編がなかなかないので、できると聞いた時はびっくりしました。
現場に入るまでは、もう一度役を演じられるか不安もあったんですけど、いざやってみたら、真鈴ちゃんが降りてきて。
スタッフさんも「真鈴が帰ってきた」「懐かしい」と言ってくださって、それが鳥肌が立つほど嬉しかったです。
――ドラマでは前作から3年後が描かれます。真鈴も学生ではなく、プロの航海士となっています。
今回は航海士のお仕事あるあるが、前作より盛り込まれてます。
ファーストシーズンは船が大好き、海が大好きで突っ走ってましたけど、今回は真鈴ちゃんなりに考えて、行動して、ぶつかって。もどかしさもあるんですけど、演じていて楽しかったです。
前回は初主演で余裕がなかったので、キャストの方と満遍なく話せなかったことが心残りでした。
今回はカメラの前でも、待ち時間でも楽しく雑談する時間が取れたのは良かったですし、そこは成長かなと思います。
――キャストの平岡祐太さんや、宮崎秋人さん、水野勝さんも「飯豊さんはすごく褒めてくれる」と言ってましたね。この1年間で成長したということですが、何かきっかけとかはあるんですか。
ありがたいことに、今年に入ってすぐにドラマ、映画、舞台と同時平行で作品を5つやらせていただいて。
体力的には本当にしんどかったんですけど、いろんな役を同時にやらせていただいて、メンタル的にも強くなりましたし、短期間で学べる量も多かったです。
今までは台本を読みながら、どういう役か悩みながらの撮影でしたけど、台本を1回読んで掴めるものが大きくなりました。
――6月にファッション誌『Seventeen』の専属モデルを卒業しました。その理由の一つに、ファンの変化と自分らしさを挙げてました。
『Seventeen』に入ってきたころは、カリスマ性、かっこよさが憧れるモデルの要素だったんですけど、今はSNSのフォロワーが多い方が人気が高かったり、面白さだったり親近感、そういうものも込みでないと支持してもらえないんです。
年1回『Seventeen』主催のファッションショーでファンの方と触れ合ったとき「やっぱり◯◯ちゃん面白いよね」「ファンサービスすごいよね」と聞いて、あっ、そうしたところが大事、みんなが大好きになる部分なんだと気付きました。
ファッションも私の洋服はシンプルですけど、今『Seventeen』ではK-POPファッションだったり、おへそが露出しているファッションが支持されている。
時代が変わって好きな風潮が変わることは当たり前なんですけど、自分が憧れたモデル像、こうなりたいという姿とはちょっと違う。
悩みました。ファンの皆さんに喜んでもらえるものを作りたいし、表現したいけど、年齢の差が出てきたので、卒業を決めました。
――航海ではなく、”後悔”について聞きたいのですが、今までこの仕事を辞めようと思ったことはありますか。
辞めたいなというか、今の自分でいいか悩んだことはあります。
芸能界は華やかな世界で、みんなキレイで可愛くって、自分は他の子と比べて薄い地味顔、よく言えば塩顔ですし、高校生のころは自信が持てなかったんです。
世間の皆さんの声って厳しかったりもするので、そっちに目を向けてしまって立ち止まっちゃった時があって。
でも作品、現場のスタッフ、共演者さん、「一緒に頑張ろうね」って言ってくれる同世代の存在が私を変えてくれました。
私が求められているのはそこじゃない。演技であったり、自分が求められていることに向き合おうって。
「花晴れ」で共演した杉咲花は同年代で、尊敬する存在だ
――数多くいる同世代の女優の中で、飯豊さんの強みと言えるものはなんですか。
人見知りをしない、根明な部分ですね。明るさを生かして現場を盛り上げる存在、みんなを癒せる存在になれたらと思ってます。
一度は物静かで控えめという女優さんのイメージに憧れて、おしとやかにしゃべったこともあったんです。
でも、周りの方に「なんかあったの?」と心配されて。そうだよなって、私も心苦しかったって(笑)。
MVや映画の主題歌でお世話になった[Alexandros]の川上洋平さんとお話させていただいたとき「まりえちゃん。いろんな作品を見てるけど、明るい元気を与える女優さんって若い子に少ないから、それって武器だよ」と言ってくださって。
私はこれでいいのかなと思っていた時期で、根明が武器になるって全然気づいていなかったんです。でも、その言葉で自信がつきました。ああ、偽りの自分でいなくていいんだって。
だから肩の力を抜いて、自分の中で「つくらない。楽しむ。多くを望まない。より少ないものの中から広げていく」と考え始めてから楽になりました。
何より家族が私の仕事を見て喜んでいるのが一番嬉しい。私、一人っ子なので、恩返し。家族の笑顔が続けられている源なんです。
――モデルもそうですが、今は自分らしく仕事ができている。
はい。以前は120%で仕事に向かって、ヘトヘトになって自分が空っぽになって涙がでてきちゃうことがよくありましたけど、今は泣いてません。
楽しんで、自分らしく現場にいれているので、ハッピーマインドで仕事に臨めています。
今回のドラマでは、セリフ以外の部分もたくさん使ってもらっています。『セカンドシーズン』を楽しんでやっている、私の姿を見てもらえたら嬉しいです。
『マジで航海してます。〜Second Season〜』
航海中の自動車運搬船「アンピトリテ号」を舞台に、駆け出しの三等航海士として働く坂本真鈴(飯豊まりえ)と石川燕(武田玲奈)の成長を描く、“かなりしょっぱい”海のお仕事コメディー。
【MBS】 毎週日曜夜0:50-1:20 【TBS】 毎週火曜夜1:28-1:58
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